TOC条約における参加罪共謀罪とは

第五条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1締約国は、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a)次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i)金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii)組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為
a組織的な犯罪集団の犯罪活動
b組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること。
2 1に規定する認識、故意、目的又は合意は、客観的な事実の状況により推認することができる。
3 1(a)(i)
の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上組織的な犯罪集団の関与が求められる締約国は、その国内法が組織的な犯罪集団の関与するすべての重大な犯罪を適用の対象とすることを確保する。当該締約国及び1(a)(i)の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上合意の内容を推進するための行為が求められる締約国は、この条約の署名又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の寄託の際に、国際連合事務総長にその旨を通報する。

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(TOC条約)とは

第一条 目的
この条約の目的は、一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うための協力を促進することにある。
第二条 用語
この条約の適用上、
(a)「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
(b)「重大な犯罪」とは、懲期四年以上の自由を剥はく奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
(c)「組織された集団」とは、犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団をいい、その構成員について正式に定められた役割、その構成員の継続性又は発達した構造を有しなくてもよい。
(d)「財産」とは、有体物であるか無体物であるか、動産であるか不動産であるか及び有形であるか無形であるかを問わず、あらゆる種類の財産及びこれらの財産に関する権原又は権利を証明する法律上の書類又は文書をいう。
(e)「犯罪収益」とは、犯罪の実行により生じ又は直接若しくは間接に得られた財産をいう。
(f)「凍結」又は「押収」とは、裁判所その他の権限のある当局が出した命令に基づき財産の移転、転換、処分若しくは移動を一時的に禁止すること又は当該命令に基づき財産の一時的な保管若しくは管理を行うことをいう。
(g)「没収」とは、裁判所その他の権限のある当局の命令による財産の永久的な剥はく奪をいう。
(h)「前提犯罪」とは、その結果として第六条に規定する犯罪の対象となり得る収益が生じた犯罪をいう。
(i)「監視付移転」とは、犯罪を捜査するため及び犯罪を実行し又はその実行に関与した者を特定するため、一又は二以上の国の権限のある当局が、事情を知りながら、かつ、その監視の下に、不正な又はそ疑いがある送り荷が当該一又は二以上の国の領域を出、これを通過し又はこれに入ることを認めることとする方法をいう。
(j)「地域的な経済統合のための機関」とは、特定の地域の主権国家によって構成される機関であって、この条約が規律する事項に関しその加盟国から権限の委譲を受け、かつ、その内部手続に従ってこの条約の署名、批准、受諾若しくは承認又はこれへの加入の正当な委任を受けたものをいう。この条約において「締約国」についての規定は、これらの機関の権限の範囲内でこれらの機関について適用する。

獣医師育成に関する参議院農林水産委員会(平成28年5月12日)での議論

おおさか維新(当時)の儀間光男議員による大型動物の獣医師不足に関する議論

儀間光男 いや、実にいいですね、いつの間にきれいになったんでしょう。
 ということは、以前、東日本、西日本に分けて豚と牛の生産量と生産額を少し比較検討して、私の予想では西がずっと多いだろうと思ったら、東が多かったんですね。東が多かった。豚も牛も東が多かった。特に豚は、鹿児島、宮崎、私ども沖縄、分母は小さいんですが、豚文化だから断然多いだろうと思ったら、これも東が多かったんですね。
 その影響がどこへ出たかというと、獣医さんの配置に出たんですよ。東の獣医は過剰ぎみ、西は不足なんです。ここまで国がバランスできたらすばらしいなと思うけれども、それはなかなかできる話じゃないので。特に、どういう形でそうなったかというと、獣医さんの多くが今度は小型動物の獣医で、ペットへ行っちゃうんですよ。大型動物の獣医が少なくて、その大型は東が多いことからでしょうか、東に偏ってしまったんですね。
 そういうことで、西にはまだまだ獣医が不足をしているという、いわゆる生産環境の一つの条件が整わない。特に保健衛生環境、牛の病気関係、豚の病気、あるいは鳥の病気、いろいろあるんですけれども、これらの環境が衛生面で、病気の面で整っていないというような今現状にあるわけですよ。その辺を何かできないか。少しアイデアありませんかね。
国務大臣森山裕君) 儀間委員御指摘の現状というのは、やはり畜産の将来にとって非常に憂慮すべき事態であると考えております。
 日本獣医師会でもいろいろ御配慮いただいておりまして、産業動物に対する獣医さんの再教育とかということにも取り組んでいただいておりますので、我々としても、日本獣医師会ともよく連携をさせていただきながら、産業動物の獣医師の確保というのには更に努力をさせていただきたいと思っているところでございます。今、日本獣医師会でカリキュラムをお作りいただいて対応していただいていることは大変有り難いことだと思いますし、そういうことを更に今後も充実をさせてまいりたいと考えております。
儀間光男 私は、今産業動物とおっしゃった、大型動物に特化した畜産学科を希望する大学に設置してはどうかと、これは文科省を今日呼んでいませんからお答えする必要はないんですが、その必要性を感ずるんですね。どうしても東に多くおる獣医さんを、おまえ西行けやと馬の首にロープを付けて引っ張るなどということ、引っ張ったって引っ張られませんから。そういうことはできないので、そういうことであれば、西の方の教育をするために大型産業動物に特化した獣医大学を、獣医学科をつくりますよというようなことぐらい文科省と話し合っていく必要が私はあると思うんです。
 しかも、これからTPPを迎えて、多くの生産動物をつくっていかなければ諸外国と太刀打ちできない、避けて通れないような状況にありますから、先を見越してそういうことをやることも必要だと思うんですが、大臣、その辺の御決意はどうなんでしょうかね。
国務大臣森山裕君) 獣医師の数としては十分に足りているわけでありますが、大動物を中心にやっていただくか、大動物も診るし小動物も診るとやっていただく獣医さんもおられますが、もう小動物しか診ない獣医さんもおられるものですから、そこのバランスをどうするかということが大事なことでございまして、先ほども申し上げましたとおり、日本獣医師会としてもその問題意識はしっかり持っていただいておりまして、いろんな研修等もやっていただいておりますので、大動物だけ診る獣医の資格というのは制度上あり得ないわけでございますので、そこをバランスさせるということにまずは努力をさせていただくということが大事なことではないかなというふうに考えております。
儀間光男 獣医の先生方の自覚しかまてないと、こういうようなことになるんでしょうけれども、おっしゃるとおり、獣医全体は供給は十分なんですね。その中の女性獣医さんがほとんどペットへ行くんですよ。それで、大型産業動物となると力仕事もいっぱいありますしね。というようなことで、なかなか大型の方へ行ってくれないというような隘路があったりして大変困っているような状況があるんです。
 それはそれとして、また次の議論としたいと思いますが、何かありますか。
政府参考人(今城健晴君) 儀間委員の方から産業動物獣医の確保ということについていろいろ御提案いただきました。
 女性が最近確かに獣医師の合格率も増えておって、そういうことはございますけれども、その中でも産業動物を志向しておられる女性獣医も率としては増えておりますので、確かに男性に比べて力などないかもしれませんけれども技能はちゃんとあられるという形で、現場の雇用、例えばJAですとかそれから家畜保健所、家保とか、そういうところの待遇も含めながら、どういう形で充実していけるかということをよく検討してまいりたいと考えております

平成29年3月16日憲法審査会(枝野幸男)

○枝野委員 二十世紀の半ば以降、行政府による議会の解散権には強い制約をつけるという傾向が世界的に強まっています。
 ドイツでは、第二次世界大戦終結後、西ドイツの時代から解散権行使の要件を厳格に絞っており、内閣不信任の場合などしか解散が認められていません。議院内閣制の本家と言える英国でも、二〇一一年に議会期固定法を制定し、内閣による議会の解散は認められなくなりました。カナダでも、二〇〇七年の選挙法改正により、不徹底ながら、行政府の解散権を制約する動きがなされています。
 歴史的に見ると、王政時代に議会に対して解散権を有していたのは王権でした。議会は王権を制約するための機関としてつくられましたから、王権と議会は、対立、緊張関係にあるのが前提でした。こうした時代に、王権が議会に対抗して、これを抑制、牽制する手段として解散権が位置づけられていたのです。
 ところが、民主制下での議院内閣制ではこの前提が変わっています。内閣と議会との間には、王権と議会との間のような対立関係はありません。内閣は議会の多数派によって選出され、支えられており、行政府と議会の多数派が政治的に一体化した制度となっているからです。米国のような、議会と行政府の分離が徹底している二元代表制とは異なります。
 現在の議院内閣制では、内閣と議会の多数派で意見の違いがあっても、政治的に一体化している政府・与党内部で解決するのが基本です。このため、王政時代と異なり、解散権のような抑制、牽制の仕組みを制度的に設ける意義が原則としてはなくなっています。そして、行政府と議会の多数派が一致せずに対立し、それを政府・与党内で解決できない事態というのは、異例のこととして位置づけられます。この異例の事態が生じた場合に限って、対立を解消し、民意に基づいて国政を前進させるための手段として、解散が正当化されます。まさに内閣不信任の場合の解散です。
 しかし、それ以外の場合には、有利なときに選挙を行えるという多数派の都合以外に、解散を認める意義は乏しくなっています。内閣と政治的に一体となった議会の多数派が、もともと優位な立場にあるのに、これと緊張、対立関係にある議会の少数派に対して、さらに優位性を強める解散の仕組みは、必要ないどころか、有害である可能性すらあります。
 このように、ドイツやイギリスの動きは、王政から民主制へという時代の変化を踏まえた適切なものと言えます。我が国も、時代の変化に合わせた憲法をと言うのであれば、この問題こそ議論の中心となるべきです。
 特に日本では、衆議院だけでなく、参議院も国民による直接選挙です。地方選挙も、さまざまな経緯のもと、統一地方選挙が統一とは言えなくなっている状況です。いわば、年がら年じゅうどこかで選挙が行われているという状況。その都度多額の税金が使われ、政治の安定にも反します。選挙の機会が多ければ、それだけ参政権を具体的に行使する機会がふえて、望ましいようにも思えます。しかし、多過ぎれば、国民の関心も分散し、投票率低下の遠因の一つになっているとも考えられます。
 また、国民が時間をかけて慎重に考えた上で選挙権を行使するためには、選挙の時期があらかじめ予測できる方が便利です。政党や候補者は、時期が予定された選挙だからこそ、公約などを十分に練り上げて提示することが可能になり、有権者に十分な判断材料を提供することが容易になって、参政権の実質的保障に資することになります。そして、どの政党や候補者にも予測可能な時期に選挙が行われることで、公平性も高まります。
 解散について規定しているのは日本国憲法だけですから、この問題は、憲法審査会でなければ検討できません。憲法議論や憲法改正などを要することなく対応可能な問題よりも、憲法審査会として真摯に議論すべきテーマとして優先順位が高いことは言うまでもありません。
 なお、私がここで申し上げたのは、憲法を改定することの是非についての問題であり、現行憲法下でのいわゆる七条解散の憲法適合性についてではないことを念のため申し上げます。
 次に、緊急時の議員任期の延長について申し上げます。
 緊急事態における衆議院議員等の任期延長を議論すべきという意見は、検討に値すると思います。東日本大震災の際に被災地の地方選挙を延期しましたが、これは法律で対応可能でした。しかし、国政選挙の場合には、憲法上の根拠が必要になるのは確かです。
 もっとも、検討すべき事項は複雑かつ広範にあり、そう単純に結論を出せる問題ではありません。内閣が一方的に任期延長できるというのは論外としても、国会がみずから自分たちの任期を延長するというのはお手盛りとなりかねず、単純に過半数で認めればよいというわけにはいかないでしょう。
 また、極端な場合、衆議院が解散された後に緊急事態が生じた場合にどうするのでしょう。既に解散で一度失職した議員の資格が復活するのでは、権力の正統性に実質的な意味で著しい疑義が生じます。
 このような事態が生じる可能性を最小化するためにも、解散権行使は必要不可欠な場合に限定することが合理的ですが、それでも、内閣不信任がなされ、その後に解散するという、この場合は衆議院も内閣も権力の正統性を有しないという事態、こうした場合に、任期延長論あるいは権限が復活する論ということが果たしてあり得るのか、なかなか難しい問題ではないでしょうか。
 そもそも、緊急事態として選挙の実施が困難な場合については、曲がりなりにも参議院の緊急集会の規定があり、これを根拠に一定の対応が可能です。しかし、例えば、首都直下型地震都心部が著しい被害を受け政府も議会も機能しない場合など、想定すべき事態は多々あります。その中には、法律やマニュアルなどによって対応できること、対応すべきことも少なくないでしょう。
 一例ですが、内閣総理大臣臨時代理は第五順位まで決められていますが、これだけで本当によいのか。東京とその周辺が大きな被害を受けた場合に、立川の防災基地が本当に機能するのか。これらをきちっと精査し、すぐできることにきちんと対応しておくことがまずは重要です。
 一票の格差についても申し上げます。
 全国民の代表である国会議員の選出について一票の価値を可能な限り対等にするべきであるのは、日本国憲法の規定をまつまでもなく、国民主権と間接民主制を採用する以上、必然的要請です。しかし、同時に、選挙区という制度を採用する限り、議員が選挙区ごとの代表という側面を実質的に有していることも否定できません。
 そして、大都市と過疎地域との間の人口偏在がさらに急速に進んでいる日本の現状を鑑みるとき、一票の価値の平等だけを徹底すれば、過疎地域を代表する議員がさらに減少し、大都市を選挙区とする代表のみがふえていくことになります。このことが、国民全体の納得感や実質的に幅広い民意の反映を図るという意味で、やむを得ないと言い切ることは難しいと考えます。
 この問題を参議院における合区問題を解消する手段としてのみ位置づける見方もあるようですが、そのように矮小化された議論を進めることは適当ではありません。仮に、参議院について人口比以外の要素を取り入れる場合には、一票の価値の平等という基本原則の例外を設けるわけですから、その明確かつ合理的な根拠が必要です。そして、一票の価値の平等に基づいて選出される衆議院と、それ以外の要素を考慮して選出される参議院との間で、どのように役割や権限を明確に区分するのかという二院制の本質に関する議論が必要になります。
 当然ながら、民主制の基本にかかわる問題として衆議院としても十分な検討、議論が必要ですが、まずは、合区問題とも関連して参議院選挙制度が議論の入り口となっていることや、特に重要な課題となるのが参議院の役割や権限に関することであることなどを踏まえ、当事者である参議院において先行して議論を深めていただくのが適切です。民進党も、参議院を中心に議論を深めながら、党全体として認識の共有を図るという段取りで検討を進めています。衆議院憲法審査会としても、参議院憲法審査会の議論を見ながら、それを踏まえて取り扱いを検討すべきと考えます。
 最後に、共謀罪について申し上げます。
 参政権は選挙権だけではありません。政治的意思を表明し、言論活動や集会、デモなどを行うことも、大切な参政権の行使という側面を有しています。共謀罪は、テロ対策と名づけられた、まさに印象操作がなされていますが、本当にテロ対策として効果があるのか疑問がある一方で、集会やデモなど、参政権行使を過度に抑制するという副作用のおそれが指摘されています。
 もし共謀罪法案を強行しようとするならば、まずは、この憲法審査会において、参政権表現の自由など憲法との関連性について、具体的法案審査に先立ち慎重に議論する必要があることを指摘して、意見表明といたします。

衆議院財務金融委員会(2月15日)

案件

財政及び金融に関する件

伴野豊(民進党・無所属クラブ)

木内孝胤(民進党・無所属クラブ)

古川元久(民進党・無所属クラブ)

宮本徹(日本共産党)

衆議院予算委員会(2月14日)

案件:

岡本三成(公明党)

前原誠司(民進党・無所属クラブ)

辻元清美(民進党・無所属クラブ)

長島昭久(民進党・無所属クラブ)

北神圭朗(民進党・無所属クラブ)

今井雅人(民進党・無所属クラブ)

後藤祐一(民進党・無所属クラブ)

緒方林太郎(民進党・無所属クラブ)

共謀罪の必要性

安倍内閣が今国会に「テロ等準備罪」に関わる法改正について法案を提出しようとしている。
過去に三度も廃案になっている共謀罪の焼き直しであるが、共謀行為について現行法で処罰できない事例として法務省が出した例が以下のようなものとなっている。

  • テロ組織が殺傷能力の高い化学薬品を製造し、これを用いて同時多発的に一般市民の大量殺人を行うことを計画した上、例えばした上、例ば、殺傷能力の高い化学薬品の原料の一部を入手した場合
  • テロ組織が複数の飛行機を乗っ取って高層ビルに突撃させるテロを計画した上、例えば、登場予定の航空機の航空券を予約した場合
  • テロ組織の複数のクラッカーが分担してウィルス・プログラムを開発し、そのウィルスを用いて全国各地の電力会社、ガス会社、水道会社等の電子制御システムを一斉に誤動作させ、大都市の重要インフラを麻痺させてパニックに陥らせることを計画した上、例えば、それらのクラッカーがコンピュータウィルスの開発を始めた場合