平成29年11月15日衆議院文部科学委員会(逢坂誠二議員)

○冨岡委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 立憲民主党逢坂誠二でございます。それでは、きょうはよろしくお願いいたします。
 早速質問に入りたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
 まず、大臣、前提条件を確認させていただきたいんですが、今回の加計学園の大学の設置申請ですけれども、これは、特区の認定がなければ設置申請はなかったもの、特区の認定が前提になっていて設置申請が行われた、そういう理解でよろしいでしょうか。
○林国務大臣 先ほどの御質疑でもプロセスについてお話がありましたが、告示でもって新設の学部の抑制をしております。その告示に対する、ある意味では規制緩和といいますか、例外を認めるということで特区が位置づけられておりますので、そういう意味では、委員がおっしゃったように、特区として認められた、その結果申請がなされた、こういうふうに理解しております。
○逢坂委員 それから、もう一点、大臣に前提を確認したいんですけれども、今回の加計学園の問題に対して総理や官邸が何らかの肩入れをしたのではないかとか関与をしたのではないかというふうに言われているわけですが、総理や官邸が加計学園の問題に肩入れをする、関与をするということについては適切なことだと思っておられるでしょうか、それとも不適切だというふうに理解されているでしょうか。
○林国務大臣 プロセスにつきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、加計学園と総理のかかわりについては総理が国会で御答弁をされているとおりである、こういうふうに承知をしておりますし、また、松野前文科大臣が、総理、官邸から私、私というのは松野前大臣のことですが、に指示があったことはないということで、獣医学部の設置に関して総理から文科省に対して指示はなかったというふうに承知をしております。
 そういうことがあったとすれば、それは適切ではないというふうに認識しております。
○逢坂委員 最後に御答弁いただきましたけれども、そういうことがあったとすれば適切ではないという御認識だというふうに理解をいたしました。
 さてそこで、今度は長坂政務官にお伺いをしたいんですが、これまで内閣府の皆さんとは事務方と随分いろいろやらせていただいたんですけれども、どうも事務方の答弁では判然としないものですから、きょうは政治家としての答弁を聞きたいということでお越しをいただきました。
 まず、一昨年の六月のいわゆる石破四条件、これは閣議決定されたわけでありますけれども、この閣議決定というのは今も有効だという認識でよろしいでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答えいたします。
 そのように考えております。
○逢坂委員 もう一点、前提条件を確認させてください。
 今回の加計学園の特区認定の前提になるのは、石破四条件のクリア、これが前提になっている、石破四条件のクリアがなければ特区認定の前提は成り立っていないということでよろしいですか。
○長坂大臣政務官 そのように考えております。
○逢坂委員 そこでなんですが、私は、この間、事務方からいろいろ話を聞いているんですが、石破四条件がクリアされたというふうには全く思えないんですよ。どこのどの時点でどうクリアされたのか、きょうはそれを明確にしていただきたいと思います。
 これは非常に大事な問題だと思います。全ての前提がここにあるわけでありますので、石破四条件がクリアされている、そのことを長坂政務官にはしっかり政治家として説明をしていただきたいと思います。
 まず、お伺いします。
 石破四条件の一つ、現在の提案主体による既存の獣医養成ではない構想が具体化しというふうにございますが、現在の提案主体というのは一体何なんでしょうか、誰なんでしょうか、どこのことを指しているんでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 現在の提案主体とは、獣医学部の新設を制度上可能としようとする際に現に提案している主体のことを指すものでございます。
 したがって、新潟県今治市京都府のいずれも現在の提案主体に含まれるものであり、いずれを排除するものではございません。
○逢坂委員 長坂政務官、本当にそれでよろしいですか。現在の提案主体と言っている現在というのは平成二十七年六月三十日です。その時点で京都産業大学は提案をしておりません。それでも京都産業大学は入るということですか。
○長坂大臣政務官 京都は二十八年の三月というふうに伺っておりますが。
○逢坂委員 今の答弁の意味がちょっとよくわかりません。整理してください。
○冨岡委員長 長坂内閣府大臣政務官。(発言する者あり)
 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 失礼いたしました。
 先生御指摘のとおり、平成二十七年六月三十日は今治市と新潟でございます。
○逢坂委員 それでは、再確認ですけれども、石破四条件の第一番目の、現在の提案主体による構想が具体化しということは、新潟県今治の構想が具体化をする、こういうことでよろしいですね。(発言する者あり)
○冨岡委員長 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学、学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向に考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行うということは、二十七年六月三十日でございます。
○逢坂委員 私が聞いたのはそういうことではありません。
 私が聞いたのは、現在の提案主体というのは新潟と今治、二つなんだ、であるならば、石破四条件の第一番目の構想が具現化するというのは、新潟と今治の構想が具現化することが四条件のまず一番目ですねという質問をしているんです。
○冨岡委員長 答えられますか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 何度も失礼いたします。
 現在というのは、先生御指摘の六月三十日現在を指すわけではございませんで、現在、過去、未来という意味での現在でございますから、御理解をいただきたいと思います。
○逢坂委員 全く意味がわかりません。
 六月三十日時点で現在という閣議決定をしている。だがしかし、その現在という言葉は六月三十日という時点を指すものではない、現在、過去、未来の中での現在だと。どういう意味なんですか、これは。
○冨岡委員長 いいですか。(発言する者あり)
 では、もう一度時間をとめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
○長坂大臣政務官 私の申し上げ方が不明確であったと思いますが、現在というのは、要するに、過去に出したけれどももう取りやめてしまったものは入りませんし、現在というのは、これから未来に向けて出てくるということを前提にした現在ということでございます。
○逢坂委員 これは六月三十日の閣議決定なんです。六月三十日の閣議決定で現在の提案主体によると書いてあったら、普通、日本語を解釈するものは、現在の提案主体だから現在提案されているものだというふうに読むのが通例だと思います。もしこれに将来も含むということであれば、現在及び将来とか、これからとか、そういう言葉がなければおかしいんじゃないですか。
 いや、何もこの点を私は問題にしたいわけじゃないんですよ。議論の出発点として、どこが対象になっているのかをただ確認しているだけなんです。
○冨岡委員長 よろしいですか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。こちらの理解は、判断する時点での現在ということだと思います。
○逢坂委員 わかりました。わかりましたというのは、それを納得したというわけではなくて、判断した時点での現在だ、そういう解釈だということなんですね、そちらの言い分は。わかりました。
 それでは、具体的な質問に入りましょう。
 この既存の獣医師養成ではない構想が具体化した、この四条件の一番目がクリアされたのはいつですか。どの構想によってクリアされたんですか。しかも、それはどの会議の場でそれが確認されたんですか。
○長坂大臣政務官 内閣府による確認は、昨年十一月の諮問会議取りまとめに当たりまして、今治市京都府からの提案、特区ワーキンググループ等における民間有識者や関係省庁間の発言、製薬業界等からの要望書、獣医師数等に関する統計資料をもとに段階的に行ってまいりました。
 諮問会議の取りまとめが四項目に合致することは、最終的には、取りまとめの文案の事務的な調整に際し、関係府省庁において確認をされております。その後、十一月九日の特区諮問会議で、文科、農水両大臣の御出席のもとに文案が原案どおり了承されたものと考えております。(発言する者あり)
○冨岡委員長 一応とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 既存の獣医師養成ではない構想が具体化であるとの点を含め、四項目との関係で問題がないことについては、内閣府としては山本前大臣が確認し、文科、農水両大臣もこれに異論を唱えることなく、昨年十一月九日の諮問会議で、両大臣の御出席をいただいて本件の制度化を決定いたしました。
○逢坂委員 大臣が確認をしたと。
 だから、私が聞いているのは、具体的にどういう事実を確認したのかということを聞いているんですよ。ただ大臣が確認したでは、確認した根拠がわからないんですよ。こういう構想の提案があった、これが具体化されたもとなんだ、根拠なんだ、それを言ってもらわなかったらわからないですよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 今治市の平成二十七年六月の提案書では、ライフサイエンス分野、例えば医療、創薬、医療機器における連携研究や食品貿易の安全確保のための人材育成、さらに越境感染症の防疫のための人材養成に、従来にない教員規模で臨むものとしておりました。
 また、京都府の平成二十八年十月の提案書では、既存の獣医学部にないライフサイエンス分野に精通した獣医師の輩出を期待するとして、創薬分野における病理学、実験動物学、薬理学などのさらなる充実を図ることといたしております。
○逢坂委員 長坂政務官、今、今治と愛媛の構想のことについて話をされましたが、それが提出されたのは六月五日なんですよ。閣議決定は六月三十日なんですよ。
 だから、要するに、これは事務方にも確認しているんですけれども、六月三十日の時点では、構想が具現化したものはあるのかないのかという話をしたら、それはないであるかのような発言なんですよ。だからこその閣議決定なんですよ。六月五日に提案されていて、それが具体化しているんだったら、こんな閣議決定をする必要はないんですよ。構想はもう具現化しているわけですから。
 五日に提案されて、それがまだ十分ではないという認識だから、六月三十日に閣議決定したんじゃないですか、構想が具現化しという。いかがですか。
○長坂大臣政務官 ただいま申し上げましたのは、二十八年十一月九日に制度化を決定したときのことを申し上げております。
○逢坂委員 ならば、どの構想が具現化したというふうに判断したんですかということを聞いているんです。
 私は、京都府の提案というのは、石破四条件も念頭に置いた非常に丁寧な提案だなというふうに読ませていただきました。ところが、六月五日の今治の提案というのは必ずしも具体性に及んでいるものではない。
 だから、その意味でいうと、まさか、よもやこのままを構想が具体化したというふうに判断しているのかどうか、その点、いかがですか。
○長坂大臣政務官 一つには、ヒアリングを通じていろいろ確認をしておりますし、先生も御承知だと思いますが、構造改革特区のときからの積み重ねがございますので、総合的に判断をしたということでございます。
○逢坂委員 六月五日の今治、愛媛からの提案以降、公に開かれた場で構想の中身についてきちんと聞いている場面はございますか。
○長坂大臣政務官 六月五日のワーキンググループの会議でしっかりと自治体からのお話は聞いているということでございます。
○逢坂委員 だから私は言っているんですよ。六月五日の時点で聞いている構想が具体化しているんだったら、逆に、何で六月三十日に、特区を認める要件の一つに構想が具現化する、具体化するということを入れるんですかと。既に構想が具体化しているんだったら、そんなものを入れる必要ないじゃないですか。
 六月三十日の時点では構想が具体化していない、そういう判断なんじゃないですか。
○長坂大臣政務官 ワーキンググループのお話と四条件のことは並行して進んでいるわけでございまして、それを条件にしているわけではございません。
○逢坂委員 四条件とワーキンググループは並行して進んでいる。だから、四条件に、今、最後、何とおっしゃったんですか。
○長坂大臣政務官 六月五日のワーキンググループで聞いたことを直接の条件にしているわけではございません。
○逢坂委員 極めて奇異な答弁ですね。
 では、何を条件にして石破四条件の一番目をクリアしたと判断したんですか。六月五日の構想は四条件の対象範囲外だというふうに今答弁をしたわけですよね、それを考慮したわけではないと言ったわけだから。
 では、何を、どの構想を見て石破四条件の一番目がクリアされたと判断したんですか。(発言する者あり)
○冨岡委員長 とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。日にちの問題もきちっと精査しなきゃいけませんので。
 二十八年の十一月九日の制度化の決定に際しまして、前年の六月三十日に設定されました四条件の充足性を確認したわけでございます。
○逢坂委員 充足性を確認した。
 だから、私は、充足性を確認したという言葉は、それは結果としてはそうなんでしょうけれども、何を見て、どういうことだから、具体的にこれこれこういうものを見て充足されているなという判断をしたかということを聞いているんです。しかも、それは公開の場で行われているのか、それとも、公開しないで、事務方がそれはそれで充足されていますねと判断したのか。
 今回のことはプロセスの透明性ということが非常に強く求められているんですよ。だから、具体的な事実に基づいて誰がどう判断したのかということを聞いているんです。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 既存の獣医師養成ではない構想が具体化であるとの点を含め、四項目との関係で問題がないことについては、内閣府としては山本前大臣が確認し、文科、農水両大臣もこれに異論を唱えることなく、十一月九日の諮問会議で、両大臣の御出席のもとに本件の制度化を決定いたしました。(発言する者あり)はい、申し上げます。
 内閣府といたしましては、既存の獣医師養成でない構想が具体化であるとの点について検討した点は次のとおりでございます。
 昨年十一月の諮問会議取りまとめにもあるとおり、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、獣医師が新たに対応すべき分野に係るニーズが一層顕著になっている。具体的には、OIE、国際獣疫事務局が提案する家畜の越境感染症ゾーニング対策における四国の学術支援拠点として、地域の迅速な危機管理対応を支援するといった点で新たなニーズに応えるものでございます。
 このように、既存の獣医師養成でない構想が具体化との判断は、内閣府でも問題ないことを確認しつつ、三府省でしっかり合意、確認したものと承知をいたしております。
○逢坂委員 それは公開されている議事録に残っておりますか。
○長坂大臣政務官 その判断は、ワーキンググループ等により段階的に積み上げていった、判断をしたということでございます。
○逢坂委員 ワーキンググループ等により段階的に判断をした、議事録には残っていない、公開されていない、それでよろしいですか。
○冨岡委員長 議事録について。
○長坂大臣政務官 失礼いたしました。お答え申し上げます。
 議事要旨はホームページにも載っております。公開されております。
○逢坂委員 議事要旨に、石破四条件の第一番の条件が確実にクリアした、そういう要旨は残っておりますか。
○長坂大臣政務官 ワーキンググループの中ではその四条件に対する御異論がないという趣旨のことは載っていると思いますが。異論がないという中での議論をしているということでございます。
○冨岡委員長 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 議事要旨は公開されているわけでございまして、そこには、四条件に対する異論が出ていないことは載っているわけでございます。
○逢坂委員 後に理事会にその議事要旨を御提出いただきたいと思います。
 それから、異論がないことがわかるということでありますけれども、異論がないということは、議論していないことも異論がないことの一つなんですよ。議論されているかどうかの痕跡はありますか。
○長坂大臣政務官 規制改革の基本的な考え方について申し上げますが、自治体や民間から提案が寄せられたときは、できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを前向きに議論すべきであるということでございます。
 これは平成二十六年二月に閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなく、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定したものでございます。
 特区の基本方針は、規制を所管する省庁が改革は困難だと判断した場合には、その正当な理由の説明を適切に行うことを求めております。その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきだと考えております。
○逢坂委員 四条件の一番目がクリアされたかどうかの答弁には全くなっておりません。
 構造改革特区、国家戦略特区の基本的な考え方が今おっしゃったようなことであることは私も多少は理解しています、それが適切であるかどうかは、私は相当異論がありますけれども。
 それでは、聞き方を変えましょう。
 法律、国家戦略特区法の八条第七項三号に、実は、構想の実現性、具現性についての言及があるんです。実現可能性が必要だということがあるんです。法八条第七項三号、円滑かつ確実に実施されると見込まれるものでなければ国家戦略特区では認めませんよと言っているんです。だから、もっとわかりやすい言葉で言うと、単に提案者が言っているとか、言葉の羅列があるとか、ライフサイエンスが書いてあるだけではだめなんですよ。
 では、この実現性について、構想の具現化の段階で、専門家から話を聞くとか、実現性を検証しましたか。(発言する者あり)
○冨岡委員長 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 先生おっしゃいました八条七項は翌年の一月二十日に係る話で、今先生が前段でおっしゃっているのは十一月九日のことでございますので、それには係らないというふうに考えておりますが。
○逢坂委員 それでは、石破四条件のうちの一番目の、既存の獣医養成でない構想が具体化しという、この具体化しというところについては、円滑かつ確実に実施されると見込まれるというようなことは加味しなくてもよい、言葉の羅列でよい、そういう意味ですか。
 私は政務官が答弁しているのを十分理解しているんです。この八条七項というのは国家戦略特区の構想に係るものだということは、条文上明らかなんです。だがしかし、そうはいうものの、それの出発点になる提案そのものに具現性がなければ、一月二十日の構想だって具体化できるはずがないんですよ。
 だから、石破四条件をチェックするときに、具体性があるかどうか、具現化できるかどうか、チェックしていますかと聞いているんですよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 十一月九日の段階では、具体的にどの地域とか、そういうところまでは要件を求めておりませんので、できる見込みということで進めているわけでございます。
○逢坂委員 十一月九日の段階では、具体的にどこの地域だということは想定はしておらないと。
 それでは、ここで言う石破四条件のうちの一番目の、獣医師の養成でない構想が具体化しの具体化は、極めて曖昧な具体化。できるかもしれませんね、できないかもしれませんね、とりあえず、言葉の羅列、それを受けとめたという理解でよろしいですか。
○長坂大臣政務官 一月二十日のそういった段階では、そこのところはしっかりと確認をいたします。
○逢坂委員 今の答弁は極めて大事な答弁ですよ。一月二十日の段階では、もう一つに絞られているわけですから。
 実は、十一月九日の段階、それから十一月十八日のパブリックコメントの段階、この段階で京都産業大学が徐々に徐々に申請できないような状況に追い込まれていくわけですよ。
 二十日の段階で具現性を見る、そうじゃないでしょう。十一月九日の判断をするときに、どちらが具現性があるのだというようなことをちゃんと判断しなければ、この条件をクリアしたことにはならない。そこを曖昧にしてパブリックコメントをやるなんというのは、できレースじゃないですか。これはちゃんと答えてくださいよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 お言葉ではございますが、十一月九日の段階で、どこかのところを特定したような判断はございません。
○逢坂委員 それでは、繰り返しますが、石破四条件の一番目、現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化し、この閣議決定が間違っているということですか。もし今のような答弁をされるのであれば、既存の獣医師養成ではない構想が具体化しというなら私はまだわかります。提案主体というところまで踏み込んでいるんです、この閣議決定は。この閣議決定に反するんじゃないですか、今の答弁は。
○長坂大臣政務官 変わっているとは思っておりません。それは特定しているわけではございませんし、この四条件にたがえているとは思っておりません。
○逢坂委員 私は、この間、事務方から四条件の達成状況についていろいろ話を聞いたんですが、全く理解できないんですよ。それで、最終的には政治の判断ですから、政治家である副大臣でも政務官でもどちらでもよろしいですから、答弁できる方に来ていただきたいという話をしたんです。
 きょうは、ここは文科委員会の場でありますけれども、林大臣が申請を受け付けるその前提になっている条件、石破四条件がクリアされているかどうか、そこが曖昧だったらこの話は全て御破算なんですよ。だから、まず、入り口のイの一番の第一番目、構想が具現化しているかどうか、具体化しているかどうか、それを誰がどういう事実に基づいて確認したんだということを聞いているんですよ。今まで三十分近くやりましたけれども、全く明らかにならないじゃないですか。出発点がそもそもおかしい。私はそう思いますよ。
 まだ質問していません。
 もう一回聞きます。
 石破四条件のうちの一番目、現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化、これは、どういう事実に基づいて、誰がどの場で判断をしたんですか、明示ください。
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。
 もう一度申し上げますが、十一月九日の制度設計の段階では、四条件と同じように、具体性は対象となる事業に求められております。
 そして、今おっしゃいました、例えば、既存の獣医師養成でない構想の具現化ということは、先ほど申しましたが、昨年の十月下旬の段階で、今治市京都府からの提案書に獣医師が対応すべき新たな分野や新たなニーズが明記されるなど、既存の獣医師養成大学と異なる、獣医師が新たに対応すべき分野に重点を置いた教育構想が示され、また、さらに検討を加えることにより、こうした構想がより一層具体化していくものと認められると判断したわけでございます。
○逢坂委員 今の答弁の最後、より一層具体化していく。では、その時点では具体化していないということを答弁したかったんですか。
○長坂大臣政務官 提案がより一層具体化していくというふうに見込まれると判断をしたわけでございます。
○逢坂委員 今の答弁は矛盾していませんか。
 十一月九日に決めたことというのは、一月四日に共同告示になって出ていくわけですよ。そこからは、今度は、単なる獣医養成の新たな構想ではなくて、具体的な獣医学部の設置に対する申請の前段階になるものなんですよ。だから、もうその六月五日に提案された構想が具体化していくという段階ではないんですよ。さらに次の段階へ入っていくわけですよ。
 それでは、ちょっとまた聞き方を変えましょう。
 六月五日に今治と愛媛から提案があった後、その構想を深化させるための提案というのは具体的にどこでございましたか、十一月九日までの間に。
○冨岡委員長 長坂君、いいですか。少し時間をとりますか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 九月二十一日の今治市分科会等で議論をしております。
○逢坂委員 多分その答弁をされるだろうと思って、そのペーパーを手元に用意してあります。これで構想が本当に具体化しているでしょうか。
 これは、今治商工会議所の特別顧問である加戸さんという方、前の知事さんでありますけれども、が提案をしたものです。でも、私から見れば、これは構想は何も具体化していない。ただ単に目指す目標を羅列しただけ。基本コンセプトを書いてある。そして、既存の大学のことについてはアドバンス教育はほとんどできていないということが書いてあるだけ。これで構想が具体化したと言えるんでしょうか。これは二枚のペーパーです。
 もう少し言いますと、私は薬学部の出身です。それで、研究職を目指していました。一昨日の夜も、国立大学法人の遺伝子の専門家、教授と意見交換をさまざまさせていただきました。そういう経験を持つ私から見て、この加戸さんのペーパーでさらに構想が具体化したと判断するには相当に危ういんじゃないでしょうか。
 では、もう一回、別な聞き方をします。
 これらの構想について専門家からきちんと意見聴取しましたか、構想の実現可能性を含めて。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 関係省庁で会議を重ねていくに当たっては、各界専門家や製薬業界の要望をいただきながら判断を行っております。
○逢坂委員 二点。要望を聞いたということと、出されている構想の中身をチェックすることは別です。
 それともう一点。今おっしゃったことは議事録などに残っておられますか。残っておられないとするならば、だから、判断が恣意性があるんじゃないか、密室なんじゃないかと勘ぐられるんですよ。
 いかがですか、二点。
○長坂大臣政務官 要望に関しましては、要望書をいただいております。
○逢坂委員 要望を受け付けることと、提案されている構想の中身をチェックすることは別です。
 私の質問は、提案されている構想の中身を専門家によるチェックを行っておりますか、そしてそれは公開されておりますか、この二点です。
○冨岡委員長 長坂内閣府大臣政務官。(発言する者あり)
 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 今おっしゃいました一つ一つの詳細は残っておりませんが、その会議の結論は当然残っております。
○冨岡委員長 ちょっと待ってください。
 一応、速記停止七分を含めて持ち時間が経過しておりますので、最後の質問にしてください。よろしいですか。
 逢坂誠二君。
○逢坂委員 個別のことは残っていないけれども結論だけ残っている、その答弁は、だから結果ありきだと批判されるんですよ。
 きょう明らかになったのは、石破四条件の第一番目の条件すらクリアされていない、これが明らかになったんじゃないですか。私はこの後、石破四条件の二番目、三番目、四番目、さらにたくさん質問しなければならない。これが明らかにならないから、国民の皆さんはおかしいと思っているんですよ。きょう何にも答弁できないじゃないですか。
 以上申し上げて、終わります。