平成29年6月5日決算委員会(平山佐知子議員)

平山佐知子君 民進党新緑風会平山佐知子です。
 冒頭、イギリス・ロンドンで起きたテロ事件に関して心よりお見舞いを申し上げるとともに、こうしたテロ行為は決して許してはならないということを強く抗議を申し上げます。
 それでは、加計学園の問題について総理に伺います。
 先週の金曜日、新たなメールが出てきました。文科省の専門教育課の担当者名で少なくとも十人以上にメールが送られたというものです。これまで、こうしたメールのほか、様々な文書、それから証言、次々と今出てきています。これ、総理が指示をした、関与したということがもう明らかになっているかと私は思うんですが、改めて、総理、今回の加計学園獣医学部新設に当たって総理は関与されていらっしゃいますでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 従来から申し上げておりますように、全く関与していないと、また関与できない仕組みになっているということも申し上げておきたいと、このように思います。
 仕組みとしては、これは御承知だとは思いますが、国家戦略特区諮問会議においてしっかりと議論がなされ、そこで決まるわけでございます。私がどこにするということの指示はもちろん出したこともありませんし、出せない仕組みになっているわけでありますし、そこの民間議員の皆さんは、こういう議論があることに大変憤っておられるわけでございます。
平山佐知子君 関与していないというふうにおっしゃいました。
 いろいろ伺ってまいりたいと思いますけれども、森友問題では文書はないとおっしゃる、今回の加計学園の問題に関しては、文書が出てきたら、これは怪文書だと切り捨てて、さらには、しっかり調べもしないのに、これは確認できない、もう調べないというふうにおっしゃる。
 総理が関与していないのならば、しっかりとこの立証する責任は総理に私はあると思うんですが、これ、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 委員も、質問されるのであれば、事実事実をしっかりと確認していただきたいと思いますが、まず、森友の……(発言する者あり)今何言っているんだよという場外から汚いやじがございましたが、これは民進党にありがちなやじでございますが、言わばこれは、森友の文書につきましては財務省が、理財局が調べたわけでありまして、理財局が答弁をしているところでございます。そしてまた、私は、怪文書ということは私は申し上げていないわけでございまして、これを、言わば事実は事実として押さえてから質問していただきたいと、こう思う次第でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、これは、私が関与したということであれば、関与した証拠を見せていただきたいというわけでありまして、証拠を、私が関与していない……(発言する者あり)済みません、後ろからですね……
○委員長(岡田広君) 静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 皆さん、静かな雰囲気で、やじり倒すというのはこれどういうことかと思うわけでありますが……(発言する者あり)よろしいでしょうか、皆さん、落ち着きました。
 これは、こういうことについては、言わば当然立証責任は、それはそこに問題があるんだと言う方が立証するのが当然のことであろうと、そして証拠を持ってそれは示すことが当然のことであろうと、こう思う次第でございます。
平山佐知子君 私の質問には全く答えてくださっていません。私は事実に基づいて今質問をさせていただいています。
 では伺いますが、前川前文部科学省事務次官は文書は本物だとおっしゃっています。それから、文科省の現役の方も、マスコミの報道によれば、これは文書を共有していた、それからメールはパソコンに残っているというふうにもおっしゃっています。これはもう水掛け論になりますので、あった、ないというのはちょっとまた後に持っていきまして、少し質問を変えてまいりたいと思います。
 総理は、加計学園の理事長さんでいらっしゃる加計孝太郎さんとは大親友ということでよろしかったですよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、もう……(発言する者あり)何ですか。
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) いや、場外から言われますと……(発言する者あり)いや、時間稼ぎではなくて、集中ができないものですから、少し皆さん落ち着いていただきたいと、こう思う次第でございます。
 これはもう何回も何回も何回もお答えをさせていただいておりますように、親友である。ただ、親友であるということと言わば私が政策に関与したということは全く別でございまして、経済界の方、私よく存じ上げている方も多いわけでありますし、友人の方もたくさんおられるわけでございまして、そういう中であっても公平にしっかりと政策は進めているということをはっきりと申し上げておきたいと思いますし、繰り返しになりますが、繰り返しになりますが、こうした仕組みとして、よく仕組みを勉強していただければ、これは介入する余地がないということは御理解いただけるのではないかと、このように思います。
平山佐知子君 仕組みについてはしっかりと勉強をさせていただいております。質問だけにお答えいただけると有り難いと思います、時間が限られておりますので。
 今、大親友だというふうにお答えいただきましたけれども、そうすると、大親友である加計さんがずっとこの獣医学部を新設したいという思いであったということは当然ながら御存じでいらっしゃいましたよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、安倍政権になりましてから、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知をしたわけでございます。それ以前から、それ以前から例えばこれは福田内閣のときに申請が出され、これは対応不可とされたわけでございますが、その前年、構造改革戦略特区はあったわけでありますが、その一年前は安倍政権でありますが、そのときには出されていないわけでございます。
 その後、その後ずっと回を重ねている、言わばこれ安倍政権になって突然出てきた話ではなくて、言わばこれは福田内閣のときに出され対応不可、あるいは麻生内閣のときに対応不可となったものが、民主党政権時代に鳩山内閣においてまさにこれは対応して言わば検討対象となったわけでありまして、二十二年度中に早急に結論を出すと、こういうことであったわけであります。
平山佐知子君 もう質問だけに答えていただくように、本当にお願いをいたします。
 加計学園獣医学部新設を要望していたということは、当然ながら親友なら御存じだったということですけれども、そうすると、大親友の加計さんがそういうふうに希望されていたということは、じゃ、新設されればいいなというふうに思っていらっしゃったことはありますか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それは、一々私が友人に対してどういう思いを持っていたかということをここで述べる場ではないんだろうと思います。
 言わば政策的にどうであったかということを真面目に議論する場であって、私がそう思っていたら恐らく政策に関与したのであろうという、言わば印象操作に一生懸命になっておられるんだろうと思いますが、そうではなくて、果たして、果たして獣医学部をつくることがふさわしいのかどうか、四国に一校もなかったことがふさわしいかどうか、あるいは鳥インフルエンザ等の言わば課題があるのに、動物から動物、動物から人にうつる、こういうものに対応する産業医が不足しているという、あるいは公務員獣医、産業獣医が不足している中で対応していなかったのがよかったのかどうか、獣医師会が反対している、それに関わる省庁が抵抗しているからといってそれに屈していていいのかどうかという問題だろうと、このように思います。
平山佐知子君 総理は印象操作とおっしゃいますが、印象操作をしているのは総理の方ではないかと思います。
 私は、これ重要なポイントだから伺いたいというふうに申し上げているのであって、もし友人がそういうふうに獣医学部ずっと新設したいと思っているのであれば、そうなればいいなと私だったら思う、そういうふうに思いましたので伺ってみました。ですから、総理もきっとそういうふうに強く願ったんじゃないかなというふうに思います。
 それを基に伺っていきますが、前川前事務次官は、和泉首相補佐官から、総理は自分の口から言えないから私が代わって言うと言われたと証言をされました。
 総理は、和泉さんに対して何か指示をした、思いを伝えたことはありますか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、私がそうしたいなということを前提に質問されても困るんですよ。ではなくて、冷静にしっかりと白地で議論していただかないと、最初からそれありきじゃないですか。ありきじゃ、これ、議論にならないですよ。
 それを言わばその方向に向かって何とか印象をつくろうとしておられるんだろうと思いますが、言わば、何回も申し上げておりますように、この経緯からいっても、仕組みからいっても、私が指示をしたということはあり得ないわけでございまして、そして、和泉補佐官に、和泉補佐官に私はそんな指示をしたことは当然ありませんし、和泉補佐官もそんなことを言った覚えはないと、こう言っているわけであります。第一、私が一々官邸のスタッフにそうした指示を与えて文科省に伝えに行くということは、そもそもそれは普通あり得ないわけでありまして、政治レベルで、政治レベルで私が指示する場合は、政治レベルで私が指示する場合は、私は大臣に指示をするのであるわけであります。
 ですから、これは繰り返しになりますが、もちろん松野大臣に指示したこともございませんし、松野大臣もそう答えておりますし、松野大臣も前川次官からそういう報告は受けていないと、報告を受けていないと、こう述べているわけでございます。
平山佐知子君 政治レベルではあり得ないというふうにおっしゃっていますけれども、それ以外ではもしかしたらそんたくということがあるかもしれません。事実を伺っています。
 あとは、内閣官房参与に就いていた木曽さん、今は加計学園系列の千葉科学大学の学長さんでもいらっしゃいますけれども、その木曽さんは、前川さんのところに行ったということは否定されていませんし、当然そのときに獣医学部についてお話をしたと思うともおっしゃっています。
 この木曽さんには何か指示、思いを話したことはありますでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それは全くないわけでありまして、木曽さんはそもそもユネスコに関して私の参与であったわけでありますから、このユネスコ以外の話題を彼と話したことはないということをはっきりと申し上げておきたいと思いますし、また木曽参与と私はほとんど会って話をする機会はなかったと、このように思っております。
平山佐知子君 ないとおっしゃったのは、私はおかしいと思います。
 木曽さんは獣医学部新設の一連の動きについて、巨大なそんたくの塊だと思うとおっしゃっているんです。私は、総理の意向を酌んで大勢の方が動いたんだと思います。総理は直接言っていないという認識かもしれませんけれども、総理の思いとか発言というのは大変重たくて、そこに総理がこうなってほしいという思いがあれば、当然のごとく総理の御意向に従って様々動いてきた、笑っていらっしゃいますけれども、私はそのように思います。
 少し、時間がもうありませんので、話題を変えてまいりますが、閣議決定事項を守るというのは、これは当然ということでよろしかったでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) まず、これ引用するときには正確を期していただきたいと思いますが、木曽参与がそんたくの塊と言ったのは、言わば内閣に対するそんたくの塊ではなくて、言わば関係団体に対するそんたくの塊であったということを反省的に述べているわけであります。だからこそ、だからこそ獣医学部ができなかったのだということを木曽さんが後で正確に、これはインタビューは不正確だったということでそう述べておられる、そういうところもちゃんと見ていただいてから質問された方が私はいいと思いますよ。
 当然、閣議決定等に従っていくのは当然のことだろうと、このように思います。
平山佐知子君 質問に答えていただきたいと思いますし、論理のすり替えをしないでいただきたいというふうに思います。
 獣医学部新設に当たっては、ちょっとパネルを出していただいてもよろしいですか、四条件の、(資料提示)こちらにあるいわゆる石破四条件ですけれども、これをやはり守るというのが閣議決定事項ですから当然だと思います。
 一つずつ短くお伝えしますが、既存の獣医師養成でない構想が具体化されること、新たに対応すべき分野の具体的需要が明らかになること、既存の大学・学部では対応が困難な場合、近年の獣医師の需要の動向を全国的見地から見ること、この四条件を満たさなくてはいけないということは、これは閣議決定事項だからこれも当然ということでよろしかったでしょうか。総理にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) まず最初に申し上げておきますが、私が国家戦略担当大臣でありまして、今回の獣医学部の新設については私が全部決めてやっているんです。総理、関係ありませんよ。最終的に、諮問会議に出るときには議長であります。
 そこで、まず規制改革の基本的な考え方について申し上げますが、自治体や民間から提案が寄せられたときは、できない理由を探すのではなくて……(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) どうしたらできるかを前向きに議論すべきでありまして、こうした考え方は、平成二十六年二月に閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなく、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定したものであります。
 特区の基本方針は、規制を所管する省庁が改革は困難と判断した場合にはその正当な理由の説明を適切に行うことを求めているわけでありまして、その説明がなされない場合は提案に基づく規制改革を進めていくべきだと考えております。この基本的考え方を……
○委員長(岡田広君) 山本大臣、簡潔にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) 今回に当てはめれば、関係省庁である文科、農水両省が日本再興戦略改訂二〇一五の四項目に反すると立証していない以上、それだけで、四項目との関係を含め問題はないと考えております。
 ただし、獣医学部の新設は五十年以上の間実現には至らない、とりわけ困難な規制改革事項であるため、今回は、規制庁だけでなく、内閣府としても特区法の趣旨に沿って四項目との関係で問題がないことを最終的に私が確認し、文部科学大臣及び農林水産大臣もこれに異論を唱えることなく、昨年十一月九日の諮問会議で……
○委員長(岡田広君) 山本大臣、簡潔に御答弁お願いします。
国務大臣山本幸三君) 両大臣の御出席もいただいて本件の制度化を決定し、一月二十日の区域会議で同様に両大臣の御出席もいただいて区域計画が確定しました。
 四項目について具体的に申し上げますと……(発言する者あり)四項目については具体的に申し上げますか。(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) きちっと守られていることを幾らでも申し上げられます。
内閣総理大臣安倍晋三君) 全大臣が出席をしているこの委員会でありますから、当然、我々は委員長の指揮に従って答弁するのは当然のことであろうと。そうなったときに、皆さんでもう大声を出してやじり倒すのはやめましょうよ。それ、もう国民の皆さんは望んでいませんし、一番それは嫌っているんですよ、皆さんが汚いやじを飛ばすことはね。だから、それはお互いにやめていきたいと、こう思うところであります。
 また、今、四条件について聞かれたわけでありますから、四条件についてどうなのかということについては、これは私が判断するのではなくて、これはまず一義的には、この四原則については特区申請の分科会でこれは議論するんですよ。御存じですか。(発言する者あり)いや、どうやら、何か御存じなかったようなので。
 この特区申請の分科会では獣医学部の教授が二名出席をされています。もちろん関係の大学ではございません。その獣医学部の教授の二人の方が入っていて、そこで実際に審議をし、そこで決めるんですよ。もちろん、ですから、私がそこに入っていく余地はないし、また、これは、その上にいる山本大臣がそれを受けて説明をしたわけでありますが、四条件について聞かれたわけでありますから、丁寧に説明すれば長くなりますよ。当たり前じゃないですか、合っているかいないかについて説明をしていくんですからね。
 だから、そこでまさに議論をされたわけでありますが、四条件を満たされていないという議論はそこでは出なかった。言わば専門家がそこで議論をするわけでありまして、専門家でない私が議論に参加するということはあり得ないわけでありまして、そういう仕組みになっているんだということを御理解をいただいた上で御質問を是非いただきたいと、こう思う次第でございます。
平山佐知子君 申し訳ございませんが、今私が質問したのは、四条件、これを満たさなくてはいけないということは閣議決定事項だから当然ですよねというふうに伺いました。それを、この根拠を長々と話され、全然質問には答えていただけないということを強く訴えたいというふうに思います。
 今、長く答えていただきましたが、私はこれ満たされているとは思えませんし、これまで同僚議員が様々な国会の中で審議してきましたが、私は満たされているとは思っておりません。この四条件を満たさずに、結局は総理のお友達のためにこれ決定したんじゃないでしょうか。総理にお願いいたします。私、総理しかお願いしていませんので、お願いいたします。(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) もう皆さん、そんな騒がないでくださいよ。
 まず、四条件を満たさないのに私が私の友人だから決めたということをもう最初から決めて掛かっているわけでありまして、ですから、議論が政策的な議論として深まらないんですよ。こういうことははっきりと申し上げておきたいと、こう思いますよ。
 言わば、この四条件について、私はこれは専門家でもないわけでありますし担当大臣でもないわけでありますから、これは担当大臣から答弁するのが当然のことであろうと。そして、私はそこで議論されたことをつまびらかに承知をしていないわけでありますから、担当している大臣が答えるのはこれ当然のことじゃないですか。
平山佐知子君 同じ答弁の繰り返しで議論が深まらないのをそっくりそのままお返しをしたいというふうに思います。
 今まで私は、同僚議員がずっと議論してきたように、この四条件を満たしているとは思えないから今質問をさせていただいていたんです。この四条件を守られていないというのは、これまで前川前事務次官もおっしゃっていますし、私たちも当然そのように思っていますし、マスコミでもおかしいと報道されているんです。しかも、国民の皆さんの八〇%が納得をしていないというふうにおっしゃるものですから、総理にはきちんと説明をしていただく義務があるというふうにもう一度申し上げておきます。
 もう時間も残り僅かとなってきましたので最後まとめさせていただきますけれども、先ほどもおっしゃっていましたけれども、私は、岩盤規制を突破する、これが悪いというふうには言っていませんし、規制緩和、これを全面的に反対をしているわけではありません。だけれども、何でもルールを無視して規制緩和をすればいいというものではなく、最低限のルールを守ってからでないとこの規制緩和をしてはいけないというふうに強く訴えたいというふうに思います。
 また、財政についても、九十六億円もの巨額の市税が拠出されるということで、財政の悪化は目に見えているというふうに思います。その一例として、千葉県銚子市で同じく加計学園系列の大学を九十二億円も掛けて誘致したことで、市の財政は極端に悪化しています。実際に、市民にとって大切な市立病院が一時休止に追い込まれるということが起きています。何でもかんでも大学を誘致したからといっていいということではないということを、市民生活にも大きな影響が出ているということを申し上げたい、そのように思います。
 総理、関係ないというふうにおっしゃいましたけれども、総理は経験ないかもしれませんが、私は非正規で長く働いてきました。国民の多くが、毎日汗を流して一生懸命、日々の暮らし、必死に暮らしていらっしゃる、このように思います。安倍総理の友達だけが利益を得られる、そんな政治は私はおかしいと強く訴えて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。