平成29年6月16日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 おはようございます。民進党新緑風会の櫻井でございます。
 まず、文部科学省とそれから内閣府におかれて、メールの再調査をしていただいて公表していただいたことにまずこれは敬意を表したいと、そう思います。まだ全部が、概要が明らかにはなってきていませんが、こうやって再調査していただいたということについては評価をしたいと思います。
 それから、これを受けて、今日は午後から予算委員会参議院側では開かれることになりました。与党の皆さんに改めてこの場で感謝を申し上げたいと、そう思います。ありがとうございます。
 さて、この資料の公開の中で、もう一つ新しい問題が生まれてまいりました。それは何なのかというと、ここのお手元の資料にお渡ししましたように、資料四にあるように、ここに生々しくどういう経緯で変わっていったのかということが書かれていて、四つ目ぐらいの段、下から三つ目の段落のところに、「指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と、こういうふうに述べられてきております。
 そのことについてまずお伺いしておきたいんですが、その前に、資料の二がございます。この資料の二というのは存在が認められてきておりますが、これは一体どこの省庁で作成された文書でしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 御指摘の文書と同内容の文書が専門教育課の共有フォルダに保存されていることが確認されており、文部科学省で作成したものでございます。本文書は、昨年十一月に国家戦略特区諮問会議で追加の規制改革事項が取りまとめられる過程において、内閣府作成の原案に対する文部科学省の修正意見をまとめた資料でございます。
 文部科学省といたしましては、獣医師の需給の観点から、特区を所管する内閣府に関係省庁と調整いただきたい旨お願いしてきたところでございます。
○櫻井充君 そうすると、内閣府の原案に対して文部科学省がここで修正を行ったということだと思います。
 そしてさらに、資料三になってくると、ここで一部のところ、まず一行目が消され、「広域的に」、「存在し」、「限り」と新しい文言が入ってきているわけですが、ここにペンを入れたのはどこの省庁でしょうか。
国務大臣山本幸三君) これは、広域的にという、限りということは、私の指示で内閣府において入れました。
○櫻井充君 なるほど。そうすると、文部科学省内閣府から来た文書に対して文部科学省が修正して、それを送り返したところ、今度はそこに筆を入れて、内閣府が筆を入れたということでよろしいんですね。
国務大臣山本幸三君) そのとおりです。
○櫻井充君 そうすると、これが問題のところになるんですが、資料の四のところにあるように、まず藤原審議官にお伺いしたいと思いますが、藤原審議官、ここについて、そうすると、資料の手直しをされたのは藤原審議官ということでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 ただいま山本大臣からもお話がございましたけれども、若干の経緯から申し上げますと、十月二十八日、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示させていただきまして、三十一日に文科省から意見の提出があった次第でございます。また、十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行ったということでございます。また、山本大臣が、文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定するという御判断をされまして、広域的にや、限ると追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きでこの文案に修正を加えた次第でございます。
○櫻井充君 そうすると、ここの手書きは藤原審議官だということが分かりました。
 そうすると、ここからです。藤原審議官が、ここ、「曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と。このことは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたこうした一連の情報でございますけれども、私は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成、送信者に一切伝えていないんでございますが、萩生田副長官云々の話は全くしておりません。
○櫻井充君 この一連のメールの中で、これはまだ見付かっていないと言われているんですが、萩生田副長官御発言概要というところに、まず丸一つ目、問題は、既存の大学・学部では対応が困難な場合にという要件について、これを例えば伝染病研究を構想にした場合、既存の大学がうちの大学でもできますよと言われると困ると、そういうふうにおっしゃっていて、まず、ここのところに、その一行目消してあるところが、既存の大学・学部が対応が困難な獣医師養成の構想が具体化しというところと非常によく似ていることと、それから最後のところで、この概要についてはまだ見付かってはいないと言っていますが、最終的に、私の方で整理しようと、こういうメモがあるわけです。
 そうすると、ここの資料四のところのくだりを見てくると、萩生田副長官、副長官の方から何らかの指示があったんではないのかというふうに推察されるんですが、御本人、いかがでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことはなく、昨日文科省が公表したメールの内容は戸惑いを感じております。
○櫻井充君 これは、あとは言った言わない論になってくるんだと思いますが。
 もう一つ、ここのその発言概要の中に出てくるのは、四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明が付くのかと、ただし、感染症も一義的には県や国による対応であるので、獣医師会の反論を説明しなければいけないんだと。そういうふうに、これは分かりません、この概要だけを申し上げればそうなってきているわけです。
 そうすると、一般的に申し上げると、その地域にないという表現になってくるとどうなるかというと、県にないかどうかということになるんです。広域的にという文言が入るというところが非常にポイントになっていまして、この広域的にということを入れることによって、実は、県だけではなくて、その隣の県も全部含めてというところに、広域的にという文言が入ると、ここが最大のポイントなんです。
 であったとすれば、藤原審議官、この広域的には、誰の判断で、どういう議論がなされてこの文言が入ったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 広域的にというのは、文科省のそういう意見とか、そしてワーキンググループの委員等の意見も聞いて、あるいは獣医師会の反対意見も考慮して、私が広域的にということを判断して入れたわけであります。
 しかし、その広域的にというところは実は定義はかなり曖昧でありまして、別にどこを外したとかそういうことにはなりません。あとは、広域的にというところをどういうふうに考えるかということだというふうに思います。
○櫻井充君 済みません、まず、文部科学省と相談したという話がありました。文部科学省からもう既に文書が出てきていて、文部科学省側から出てきたものをこれは内閣府が修正して入れているわけですから、文部科学省にちゃんとこれは相談があったんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
副大臣義家弘介君) 文部科学省としては文部科学省の修正意見をした上で、この間いろいろなやり取りが行われておりますが、結果としてこのような文言が入ったということでございます。
○櫻井充君 済みませんが、ここは大事な点なんですよ。文部科学省がこれは主導したことですか、それとも内閣府が主導したことですか。
副大臣義家弘介君) 文部科学省といたしましては、一貫して、この需給に関してしっかりとした説明が出されなければ、これまで需給の観点から獣医学部の新設を認めてこなかったという経緯もありますから、これは文部科学省というよりは、内閣府、あるいは文部科学省的に言えば農水省等々と調整した結果の判断であろうと思っております。
○櫻井充君 要するに、これ主導しているのはやはり内閣府なんですよ。文部科学省として調整したとか、今そうおっしゃいますが、そこは違いますからね。違うことを言わないでくださいよ、これは大事なポイントなんですから。
 じゃ、なぜ判断としてここに広域的という文字を入れたんですか。その根拠を教えてください。
国務大臣山本幸三君) これは、文部科学省のそういう意見をいただきました。それから、獣医師会の反対意見、そして何とか改革を早く進めようというワーキンググループの委員の皆さん方の意見、そういうのを聞きまして、最終的に私が判断して入れました。
 その広域的にというのは、特にここは駄目とかいうような限定しているわけじゃなくて、そこは解釈に幅を持たせるということも含めてやっているわけであります。
○櫻井充君 済みませんけど、すぐに獣医師会の責任にします。獣医師会は元々反対していました。もし仮に、あれはパブリックコメントを求める辺りに、そのときに、もう仕方がないので、もうつくるのなら一校で勘弁してくれということで出てきているだけの話です。獣医師会のせいにするのは、私はずるいと思いますよ。
 まず、ここのところになぜ、獣医師系養成大学等のない地域ではなくて、広域的にという文言をわざわざ入れたんですか。文部科学省の、元々のですよ、内閣府から来たものに対する修正点にはこれがないんです。なぜここに対して広域的にとわざわざ文言を入れたんですか。ちゃんと理由を言ってください。誰とどうしたことではない、なぜ広域的にと入れたのか、そこを明確に示してくださいよ。
国務大臣山本幸三君) 元々、獣医師系、獣医師系統の大学がないところに限るということを入れて、限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見の間で、それだけではまだほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと、そういう意味から、広域的ということで少し広げて制限しようということで考えたわけであります。
○櫻井充君 非常に大事なポイントでした、今。これを入れないとほかの大学でできてしまうからと今おっしゃいました。つまり、やはりどうしても加計学園にしたかったわけですよ。京都産業大学、いや、大臣、今そうおっしゃったんですから。この発言は絶対取消しは許しませんからね。
 いいですか、ほかの地域にもできてしまうから、だからここに広域的にと入れたんだと。いいですよ、加計じゃなくても結構ですけどね。だけど、ここで何が落ちるのかというと、京都産業大学が落ちるんですよ、この結果。結局、京都産業大学を落とすために、今そういうふうに発言されていることになりますからね。(発言する者あり)いや、もう答弁は結構ですから。
 ここは物すごい大事ですよ。つまり、広域的にというのは、ほかの大学が入ってこれないようにするためだと、そうおっしゃいました。つまり、もうこの時点で京都産業大学は残念ながら認められないような文言に修正されてきているんです。
 これを、じゃ、要するに、大臣、大臣の責任でこの広域的にという文言を入れたということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) 先ほど申し上げましたのは、全国、ほかのところでもいろんな、まさに、ないところ以外はどんどんでき得る可能性があるじゃないかと、そういう話もあったわけでありまして、そこで広域的にということを入れて、そして産業動物医師の確保が難しい地域を優先させると、そういうことを考えて、しかも獣医師会等の慎重な意見等を考えて入れたわけであります。
○櫻井充君 まあいいでしょう。その時点で本当に真剣に手を挙げていったのは京都産業大学だけですから。ですから、京産大加計学園とどっちにするのかという議論になってきていて、結局、この広域的にという文言が入ることによって京産大は残念ながら手を下ろさざるを得なくなった、これが、これが現実ですから。
 つまり、ここのところで内閣府側からこういう文言を入れたわけですが、問題はここからです。これは繰り返しになりますが、官房副長官側から、こういうようなことに、この広域的なという文言を入れてくれという話はあったんでしょうか、なかったんでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。
国務大臣山本幸三君) 官房副長官からそんな話は全くありません。
○櫻井充君 官房副長官にお伺いしますが、今現在、加計学園のどういう役職をお務めでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、今、加計学園のではありませんけれども、千葉科学大学の名誉客員教授というのを拝命していただいています。
○櫻井充君 その前はこの加計学園系列でどういう役職に就かれていましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 二〇〇九年、二〇一〇年の四月から千葉科学大学で教鞭を執っておりまして、それ以外のことは何もしておりません。
○櫻井充君 地元でも東北福祉大学という大学があります。その大学に宮城県選出の国会議員の方々が客員教授を務められたりとか、それから義家副大臣東北福祉大の方で今教鞭執っていらっしゃいますから、あっ、ゼミ持っているんでしたか、今は辞めちゃった、今は、そうか、辞めちゃったんですね。前はそういうふうにされていたので、こういう関係があること自体は別におかしくはないんですが、これ、副長官、どういう経緯でそこで教鞭を執るようになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私は文部科学行政に深く関わってまいりまして、政務官も務めておりまして、その中で私学の皆さんとの様々なお付き合いがあって、たまたま落選をして時間ができてしまったときに、複数の学校から、もし時間があるんだったらうちでそういう仕事をしないかということを声を掛けていただいて、この学校のみではないんですけれども、他の学校でも働きましたけれども、その中の一つがこの学校でありました。
○櫻井充君 多分、何も知らないで声を掛けてくるということはほとんどないことであって、それ以前からこの加計学園の理事長とお付き合いはありましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、理事長とはお付き合いはございませんでした。
○櫻井充君 しかし、そこで働くようになったからには、それは理事長とお話しすることはありましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 入学式など、全体行事のときに控室でお会いすることはございました。
○櫻井充君 加計学園グループ全体で獣医学部をつくっていきたいということはもちろん知っていましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、当時はそのことを全く存じ上げませんでした。
○櫻井充君 いつ頃そのことを知りましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 政府に入って、そういう動きが各府省で行われているということで、文科省等々から説明を聞いて初めて承知をしました。
○櫻井充君 千葉科学大学では、あの銚子の地域に獣医学部などをつくっていきたいという構想もあるということは、それは御存じですか。
内閣官房副長官萩生田光一君) いや、存じ上げません。
○櫻井充君 そういうことで、どの時点でかは分かりませんが、少なくとも加計学園に関して、加計学園獣医学部の新設を行いたいということは承知していただいたということなんだと思います。
 さて、そこで、四月の二日に、今治市の課長そして課長補佐の方が首相官邸を訪れているんです。これは、首相官邸を訪れているのはこれまでの委員会で認めてくださっています。これはずうっと質問通告をしておりまして、四月の二日、これは内閣府に行く予定だったんです。内閣府にももちろん行ったんです。内閣府に行った後に、わざわざ一時間半も時間取って首相官邸に行ったと。これは、今治市の情報公開からこの資料が出てきています。
 問題はここからなんですが、四月の一日に、四月の一日に急遽日程が変わっているんです。四月の一日に急遽、なぜか分からないけれど日程が変わって、二日に首相官邸を訪れてきています。このときに、今治市の市役所の職員は、首相官邸でどなたとお会いになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 参議院の農林委員会でずっと私がお答えしていますので、私の方から答弁させていただきたいと思いますが、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため、確認ができませんでした。
 念のため、私、平成二十七年四月二日当時は官房副長官ではなかったんですが、たまたま農林委員会でこの質疑が出て、今官邸にいるということで調べてこいということで、私が答弁をしております。
○櫻井充君 しかし、ここ本当に大事なポイントなんですよね。例えば、本当に今治市の方に申し訳ないけれど、一課長が官邸に行けるはずがないんですよ、自分一人で。ですから、誰かが官邸の中で、御案内という役というわけではありませんが、連れていっていただかなければ入れない場所だと思っているんです。これはずうっと質問し続けてきていますが、結局のところは記録がないということで逃げられています。森友学園のときと全く同じでして、記録がない記録がないと言って、残念ながらきちんとした答弁をしていただけていないんです。
 ただ、ここは、これはもうマスコミの方々にもちゃんと知っておいていただきたいのは、四月の二日に今治市の職員が首相官邸は訪れている、ここは認めてくれているんです。今治市の記録にも残っています。残念ながら、誰と会ったのかということについてはずうっと政府は隠し続けているんだと私は思っていますが、答えていただけておりません。しかも、四月の一日に誰からか連絡が入って、誰からか連絡が入って、その上で行程が変わってきています。
 内閣府にずっと問いかけていますが、内閣府ではないということであれば、内閣官房の方から今治市の方にそういう連絡をしたことがあるんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 内閣府としてはそういうことは承知しておりませんが、内閣官房については私どもではちょっと今分かりません。
○櫻井充君 済みませんけれど、四月の二日のことについてはずうっと言い続けているんですよ。これ早くちゃんと、ちゃんと調べてくださいねとお願いしていて、内閣府で違うと言うから、ちゃんと答弁できる人にしてくださいと。で、内閣官房なんですかと言っても答えていただけていないんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。
 内閣官房から今治市の方に日程の変更の連絡をした記録はあるんですか。記録がなければないでも結構です。
国務大臣山本幸三君) その点については、内閣官房にも事務方から聞いてもらって、分からないということであります。
○櫻井充君 こうやって、都合の悪いところは分からないということになっちゃうんですよ。でも、総理からの指示なのかどうか、総理の御意向なのかどうか、ここで官邸が動いているかどうかということを本当に調べていく点では、これは一番大事なところなんですよ。
 昨日、私は農水委員会でいろいろ指摘させていただきましたが、明らかに今治市はもう加計学園ありきでずうっと動いてきているんです。それから、愛媛県知事は記者会見で、この間、藤原審議官は五月のことだけ答弁されていましたが、四月の段階ではもっと踏み込んで、内閣府から言われて、助言があって、それで半信半疑で始めてみたけれど、あっという間に進んでいったと、こんなに早く進んでいくと思わなかったし、夢のようだという趣旨の発言もされてきていることから考えると、当然、官邸側ではなくても国主導でこのことが進められていったことは私は間違いのない事実なんだと、そう思っています。
 そういう意味で、内閣府が主導してきているのか、それともここに書いてあるような総理の御意向で官邸主導になってきているのか、このことが明らかにならない限り、この疑惑は絶対に晴れないんですよ。そういう意味で、総理からの御意向だとかそういうことを、これ、藤原審議官、この文書の中でありますよね、九月二十六日だったかな、ここのところで総理の御意向という言葉使われていますよね。これは事実なんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月頃でございますが、文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別の項目につきまして、官邸の最高レベルが言っているなどとお伝えした、あるいは総理の御意向だと聞いているなどとお伝えした認識はございませんし、また総理からもそうした指示等は一切ございません。
 他方、総理は常々、特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく規制改革全般についてスピード感を持って実現すべき旨発言されておりますので、こうした総理の発言を受けて、私ども事務方が特区ワーキンググループやこういった非公式な協議の場などで関係各省との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分あり得たというふうに思っております。
○櫻井充君 平成二十八年九月二十六日、藤原内閣審議官との打合せ概要、このペーパーは見付かっているわけですよね。義家副大臣、確認しておきます。
副大臣義家弘介君) 同内容の文書の存在が確認されたところでございます。
○櫻井充君 つまり確認されているんですよ、藤原審議官。藤原審議官、そこの中でちゃんと、まず、平成三十年四月開学を大前提にと。
 じゃ、済みませんが、このことはおっしゃっていますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私ども内閣府は規制改革を推進する立場でございますので、常々できるだけスピーディーにと、先ほど申し上げましたけれども、法令に基づいて規制改革を実行すべきだという考えを持って関係各省との事務的な折衝に当たっております。
 しかしながら、文科省との事務的な議論の中で、官邸の最高レベルが言っているとして、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいと申し上げたとは認識しておりません。
○櫻井充君 じゃ、要するに、ここに書いてあるペーパーは全部事実じゃないということですか。一つ目の丸ポツは、これは全く違うということですか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、スピーディーにこの規制改革を進めるという立場から、こういった選択肢について様々な議論、ブレーンストーミングを関係各省とさせていただいたことは事実でございます。
○櫻井充君 済みませんけど、これ言ったか言わないか、ちゃんとどっちかで答えてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうな、申し上げたことは認識しておりません。
○櫻井充君 ここはすごくうまく逃げているんですよ。逆算して最短のスケジュールとか、そういうことは言っていないかもしれないんですよ。
 平成三十年四月開学、この点については言いましたか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますが、三十年四月というオプションも当然あるわけでございます。ただ、それを前提にした議論ということは、確定的に申し上げたつもりは全くございません。
○櫻井充君 そうでしょうか。内閣府今治市のやり取りの中で、情報を共有したいからといってスケジュールを作ってくださいと、これ内閣府主導で出しているじゃないですか。
 このメールが正しいものなのかどうか、存在していたのかどうか、今日の記者会見もう一度改めて見させていただきたいと思いますが、なければ、ここもすごくポイントになるんですよ。内閣府の方から北九州市の例を持って、これでタイムスケジュールの表を作ってほしいと、これはあくまで共有するだけだからと。そこの中に何と書いてあるかというと、平成三十年四月とはっきりと書いてあるんです。ですから、内閣府がこれを認識していないはずがないんですよ。
 藤原さん、改めてお伺いしますが、平成三十年四月というのは内閣府の頭の中にあったわけでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 平成三十年四月というのが最終的に内閣府の方で設定させていただいたのは、大臣からも御答弁いただいております、告示のパブリックコメントをさせていただいた、去年の十一月十八日でございますけれども、これはむしろ内閣府、国が、最短の、できれば規制改革をスピーディーに進めるという意味で設定させたものでございまして、それ以前につきましてはそういった議論は、選択肢の一つとしてはございますけれども、それを前提にした議論は行っておりません。
○櫻井充君 まあ本当にひどい答弁なんですよ。
 そして、もう一つは、やはりこのモデルになったのは何なのかというと国際医療福祉大学なんですよね。ですから、その国際医療福祉大学と全部比較をして、ここがこういうふうにでき上がっていっているからこういうやり方にしましょうねと、そういう話になってきていて、ここの三省合意について、三省の方針に一校と記載したんだと、成田の場合には。諮問会議としては三省が決めたことなど知ったことではないが、方針を出さないと省としてもたないということで作ったと。しかも、裏では政治的なやり取りがあったと。
 つまり、国際医療福祉大学をつくったときにもここに政治的なやり取りがあったというふうに記載されているんですが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 そういった政治的やり取り等々については全く認識しておりません。
○櫻井充君 つまり、そうすると、このペーパーは存在するけれど、全てが事実と異なるということですね。
○政府参考人(藤原豊君) 内容については、そういった意味で、私ども認識していないところが非常に多いというふうに思っております。
○櫻井充君 これは文部科学省の中で私は官僚の方からお伺いしましたが、国際医療福祉大学には文部科学省厚生労働省、様々な省庁から天下りの役人の方がいらっしゃるんですよ。その方から、これは政治案件だから、もう文部科学省、あとはつべこべ言わずにさっさとやれと、そういう指示が出ていると。これは前川さんではありません、また別な事務次官の方からそういう電話が掛かってきていて、省内ではこれはもう政治的案件だというふうにして取り扱われていきました。だから、これ、まさしく同じことなんです。ここに書かれていること自体、私は事実だと、今までのことを積み重ねてくると事実だと、そう思っています。
 今、こうやって違うというふうに言ってきましたが、義家副大臣、これは本当に文科省の人たちが捏造したものなんでしょうか。全く違うことをここに書いたことなんでしょうか。
副大臣義家弘介君) 追加調査におきましては、本文書を作成したと考えられる担当職員からもヒアリングを行っておりますが、官邸の最高レベル等々の文言について、ここに記載されている以上、そうした趣旨の発言があったのだなと思うが、その真意は分からないというヒアリング結果でございます。
○櫻井充君 つまり、ここにちゃんとした発言があったんですよ。あったからこういうメモになっているんですよ。
 これは、藤原審議官、改めて、もう時間が来ましたから、これは全部捏造だということで、そういう言い方になっていますが、そういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 全部か一部かというところにつきましては私個人的に判断できないところでございますが、何度も申し上げますが、この総理の意向あるいは官邸の最高レベル等々についての発言は全く私どもとしては認識しておりません。
 また、この時期でございます、繰り返しになりますが、総理の指示が九月の九日に諮問会議でも行われております。その一週間後のワーキンググループで私も申し上げておりますが、とにかく全体の規制改革を、個別のプロジェクト、個別の分野ではなく、全体で進めていくという観点から、仮に発言をするとすれば、そういった視点から御発言をさせていただいた可能性は十分あると思っております。
○委員長(難波奨二君) 櫻井充君、おまとめください。
○櫻井充君 はい。
 時間が来ましたので一言だけ申し上げておきたいんですが、やはりどこかでこれ政治的なものが働いているんだと。国際医療福祉大学のときにもこう発言されていて、ここで当然そんなことを言ったら大変なことになるから隠そうとするのは当然のことなんですが、本当に国家戦略特区を使ってこういう利権が生まれてきているということが僕は明らかになってきているんだと思っているんです。
 そういう意味合いでは、まだまだこれ審議尽くしていませんから、これで国会閉じることになるんだろうと思いますが、是非閉会中の審査も求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。