平成29年12月7日参議院文教科学委員会内閣委員会連合審査会

○杉尾秀哉君 民進党新緑風会、杉尾秀哉でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。白議員に引き続いて質問をさせていただきます。
 資料を配付させていただきました。
 早速でございますけど、林大臣に聞きます。この石破四条件について、これまで大臣は予算委員会そして文教委員会などで、設置審では四項目の審査していない、こういうふうに繰り返し答弁されておりますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
国務大臣林芳正君) この岡山理科大学獣医学部の新設につきましては、国家戦略特別区域計画に認定されたことを受けて設置認可申請がなされたものでございまして、大学設置・学校法人審議会では、申請された設置計画、これが国家戦略特区構想に合致しているかどうかについて審査する役割は有しておらないところでございます。したがって、設置審においては、四条件を含めて国家戦略特区のプロセスに係る議論はなされておらないところでございます。
○杉尾秀哉君 設置審の専門委員会の委員の一人の方がこういうふうに私に話してくれました。
 四条件は議論できないのかという複数の委員からの発言に対して、文科省の担当者が、ここは四条件を議論する場ではないと繰り返し説明した。最初から四条件が議論の対象になっていたらこの中身では絶対に通らない、こういうふうに委員全体が思っていた。私は今でも四条件はクリアされていないと思っています。
 こういうふうに専門家が指摘しているんですけれども、林大臣はどういうふうに受け止められますでしょうか。
国務大臣林芳正君) 委員会での個別の発言に関するコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 岡山理科大学獣医学部の新設については、先ほど申し上げましたように、国家戦略特別区域計画に認定されたことを受けて設置認可申請がなされているということでございます。設置審では、この基準等に適合しているかについて審査をしておるというところでございます。
○杉尾秀哉君 今の大臣の説明にもありました。これまでも繰り返し林大臣は、特区のプロセスの中で四条件がクリアされているんだと、こういう発言をされています。
 大臣に伺いますけれども、その特区のプロセスのいつ、どこで、誰が、つまりどの段階で四条件をクリアしたというふうに判断したのか、大臣は御存じでしょうか。
国務大臣林芳正君) 今回の獣医学部の新設につきましては、これまで国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められてきたところでございまして、この四項目につきましては、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議における追加規制改革事項の決定の際に、内閣府文部科学省及び農林水産省の関係省庁において、四項目が満たされていると、こういうふうに確認を行ったところでございます。
 その後の国家戦略特区のプロセスの中で、本年一月十二日の今治市分科会において、加計学園による獣医学部設置の構想が追加規制改革事項に沿っていることを有識者や関係省庁により確認した際に、また一月二十日の区域会議、特区諮問会議において区域計画が承認された際のいずれの場においても、この四項目が満たされていないという異論が関係省庁等から出ず、結果として獣医学部設置に係る申請を行うことが可能となったというふうに認識しております。
○杉尾秀哉君 書いていないから、書いていないから、異論がなかったからクリアされたんだと、こういう理解ですか。
 ここに今全部持ってきましたけど、どこにも四条件クリアしたなんてことを書いているくだり一つもありませんよ。どうぞ。
国務大臣林芳正君) 書いていないというのは……
○杉尾秀哉君 議事要旨に書いていない、そういうことは。
国務大臣林芳正君) 議事要旨ということで理解をいたしましたが、今申し上げたように、国家戦略特区プロセスの中でそれぞれ、昨年十一月九日の追加規制改革事項の決定の際にまず三省庁で満たされているという確認を行った上で、さらに一月十二日、一月二十日、それぞれ異論が出なかったということでございます。
○杉尾秀哉君 満たされていないということをこの後順次証明してまいりますけれども、この設置審の審議で四条件以外にもおかしなことがいっぱいありまして、例えば、審議の過程で、加計学園から、改善できるのに不可にするとは何事かと訴訟を起こされたらどうするんだという話があった。委員の一人がこういうふうに証言しています。
 これ、審議の過程で訴訟リスクの話が出た、これについては、中身についてお答えできないというふうに文科省は言うと思いますけれども、一般論としてでいいんですけれども、この設置審というのはこういう訴訟リスクというのを審議する場なんですか、どうなんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 設置審の審査におきましては、大学設置基準等の法令に適合しているかどうかを精査するものでございまして、不認可とする場合は訴訟を、不利益を受けたということに訴訟が提起される可能性があることも踏まえまして、明確な法令違反の根拠を示す必要がございます。設置審査においては、そのような客観的で厳正厳密な指摘ができるかどうかを精査して審査意見を決定していく必要がございます。
○杉尾秀哉君 昨日ヒアリングさせていただいたんですけれども、過去に訴えられたケースってないんですよ、不認可にした。
 何で、このケースでそういう訴訟リスクの話が出るというのがおかしいし、そのやり取りを聞いた委員の一人がこういうふうに証言しているんです。これは脅し文句だと思った、そう言われたら何も言えないと、こういうふうに言っている。こんな、要するに脅し文句だと委員が取られるような、こういう審議のやり方で公正な審査ができるんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、訴訟を提起されたということは過去にございませんが、不認可処分をしたケースは過去においてございます。その都度都度におきましては、先ほど申しましたように、不認可をする場合においては訴訟が提起される、いわゆる行政処分として相手方に対して不利益を与えるということでございますので、そこが提起される可能性があるということも視野に置きながら、明確な法令違反の根拠を示す必要がございますので、その観点から、この加計学園の問題に限らず一般的に厳正な審査をしていくということについてやっているところでございます。
○杉尾秀哉君 それは、こういう審議会っていっぱいありますけど、訴訟リスクと言い出したら何もできないですよ。
 さらに、申請内容についてこういうふうに言っているんです。最初の申請を見た段階ではとても認可できるような代物ではなかった、獣医学教育を理解している人が作ったものとは到底思えないような内容だった、こういうふうに証言している。そして、今度配られた、これ大体議事録が出ていないこと自体がおかしいんですけれども、ここに要約したのを見ても、最初にいろんな意見が付いていて警告が出されているじゃないですか。だから、こんなずさんな内容だから警告が出たんじゃないんですか、どうなんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 審査の過程におきまして、法令に適合しているかどうかも含めてでございますけれども、審査意見を作る場合、その申請内容全般について意見が付いて、このまま進めていく、改善が進められなければ認可できないというふうな場合については、警告という形で相手方にその状況を伝えまして、適切な補正あるいは改善を行っていただくというふうなことをしているところでございます。
 そういうケースは、この加計学園だけではなくてほかのケースにおいても年間数件あるところでございまして、その多くにおきましては誠実に補正あるいは改善をいただいて、それを厳正な審査した上で改善が認められたという形で審議会で判断した場合について認可するというふうな判断をしているところでございます。
○杉尾秀哉君 今、適切な補正、改善というふうにおっしゃいましたが、こういうふうに証言しています。駄目なところは審査が通るように一つ一つ答えを教えながら進めていく雰囲気だった、こういうふうに証言している。そして、最後までこれじゃ駄目かと思った、決を採ろうかと思った、そういうことまで証言している委員がいます。
 こういうふうに、要するに教えたんですよ、文科省側が。加計学園と通るように進めていったんです。こういうのを出来レースと言うんじゃないんですか、どうですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 いわゆる審査意見を付けた際においては、大学に対してその状況を書面で出すと同時に、場合によっては大学から来ていただきまして、対話をしながらそれについての改善のポイント等についてお話をするところでございます。
 特に獣医学部、今回は五十二年ぶりの審査でございますし、その規模あるいは内容について詳細にわたるところでございます。その点については、法人からの要請もございまして、その審査意見についての状況についてお伝えすると同時に、しっかりした改善を行っていただくということを明確にする観点から、意見を詳細に整理し、それを大学の方にお伝えし、それに対して大学の方において誠実に受け止めていただいて改善をし、それを審議会の方で議論を専門的、学術的にやっていただきまして判断をいただいたものでございます。
○杉尾秀哉君 施設とか設備についても、こういう意見があるんです。おとといの内閣委員会で山本太郎議員も質問されていました。私は山本議員と全然打合せしておりませんけれども、全く一緒です、全く一緒。こういうふうに証言しているんです。
 鳥インフル鳥インフルとさっきから何度も出ています。だけど、ここの施設、加計の施設は鳥インフルの研究ができるような実験施設がない。設備が非常にお粗末である。あのような施設ではP3レベルの実験をやればウイルス漏れが起きるだろう、こういうふうに言っています。シラバスを見てもそんな研究はやらないだろうし、まともな研究をやる代物ではない、実際には普通の大学と同じレベルの研究しかできないんだと、こういうふうに言っているんです。
 おとといの山本議員の質問でも、BSL3のレベルの感染実験はしない、普通の獣医学部だと、こういう質問だったですよね。打ち合わせていませんよ。全く符合していますよ。
 これ、どう考えても、この加計の獣医学部というのは国家戦略特区の国際レベルのものでもなければ、要件を満たしたような、石破四条件をクリアするような代物、到底言えないと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 今回の獣医学部につきましては、国家戦略特区のプロセスの中で、加計学園獣医学部設置の構想が先端ライフサイエンス研究の推進や地域の水際対策など、新たなニーズに対応するものであることが確認され、設置認可の申請に至ったものでございます。
 加計学園認可申請書によれば、岡山理科大学獣医学部においては、ライフサイエンス研究、公共獣医事研究、医獣連携獣医研究の三つの研究グループを構成しております。これらの研究を実施するために、獣医学部棟にオープンラボを設置し、BSL2、BSL3の実験室を備えることとしているところでございます。また、その構想の申請書におきましては、獣医学部棟には実験動物センターを設置し、マウス等の小動物に加え、猿、豚といった先端ライフサイエンスの研究に必要な中型動物の実験に必要な飼育室、手術室等の設備を備えることというふうに書いているところでございます。
○杉尾秀哉君 作文は幾らでもできるんです。中身、それから授業の内容、いわゆるシラバス、施設、設計図も含めて、見た専門家がこういうふうに言っている。
 そこで、林大臣に伺いたいんですけれども、これ、結局四条件を満たさないということが分かっていたんです、審査委員会の委員の人たちは。だから、既存の大学と同じレベルで設置認可の審査せざるを得なかったんです。それは確かにそうだと思います。現行法令にのっとって最低基準を満たしていれば認可できる、それは分かります。だけど、特区の獣医学部として認めるならば、四条件について委員会でそもそもの議論をしなければいけなかったというふうに委員が証言しているんです。じくじたる思いなんだと、こういうふうに言っているんです。これは本当に切実な声だと思いますけれども、それでも林大臣はまだ、まだ審査は適切だったというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
国務大臣林芳正君) 先ほどお答えをいたしたとおり、国家戦略特区のプロセス、また設置審のこの審査、それぞれ適切に行われていたということでございます。
 先ほど、冒頭にお答えいたしましたように、設置審における個々の委員のコメントについて、発言についてそれぞれコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。
○杉尾秀哉君 森友のときもそうなんですけれども、一連のモリカケ問題って、適切だった、適切だったとずっと言っているんです。森友も、適切だったと言った内容が、事実は適切じゃなかったんです。会計検査院の報告で分かったんです。
 そこで、さっきからその四条件クリアしたということの一つの証左として専門家の意見を聞いたと、こういうのがありますけれども、この私が聞いた委員の方は、四条件について専門家の意見なんて聞いていないんじゃないかと、聞いていたら四条件満たしていないと言われるに決まっていると、こういうふうに証言しているんです。
 そこで、梶山大臣に伺います。
 特区のプロセスの中で、専門家の方の意見を聞く機会というのはあったのでしょうか。
国務大臣梶山弘志君) お答えいたします。
 特区のプロセスということでありますけれども、昨年十一月九日の諮問会議取りまとめに際しまして、関係府省において規制改革事項が四条件に適合することを確認の上で、最終的に文科、農水両大臣も出席された特区諮問会議で文案が異論なく了承をされました。
 また、加計学園の構想につきましては、本年一月十日に提出のあった応募書類に基づいて、一月十二日の今治市分科会で獣医学の専門家二人を含む有識者により審査を行うとともに、文科、農水両大臣が出席する一月二十日の区域会議、さらには文科大臣の書面同意を受けて同日に開催した諮問会議においても異論なく了承をされたところであります。
 規制改革の基本的な考え方は、自治体や民間の提案について、できない理由ではなくて、どう実現するかということを議論するというものであります。
 具体的には、閣議決定した国家戦略特区、構造改革特区や総合特区の基本方針で規制省庁が改革は困難とする正当な理由の説明を適切に行うことを求めているということであります。その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきであるということでありますが、内閣府においても、この四条件については確認をさせていただいております。
 既存の獣医師養成ではない構想の具体化という点については、昨年十月下旬の段階で、今治市京都府からの提案書に既存の獣医学部とは異なる新たな分野に重点を置いた具体化された構想が示されたと判断をしました。
 新たな分野における具体的な需要については、昨年四月には、製薬会社の方からライフサイエンス分野のための獣医系大学を創設してほしい旨の要望書が出されている。また、提案者からはライフサイエンス研究や水際対策での分野で人材ニーズがあるとの提案に対し、民間有識者からも同様の認識が示された上で、更に人のための創薬人獣共通感染症の研究ニーズ等について指摘があったところであります。
 また……(発言する者あり)まだ答弁中です。また、獣医師等に関する統計を見ても、製薬会社等の会社に勤務する獣医師や新卒者の就職数は近年増加しておりまして、家畜衛生分野の公務員獣医師に就職する新卒者数も同様に増加していることから新たな分野の需要がうかがえるということで、診察をするだけではなくて、会社に入って、食品会社であるとか製薬会社であるとか様々な分野で活躍する獣医師の需要も、多様な需要が増えているということであります。
 このように、獣医師の職域が多様化する中で獣医師の新たな供給は毎年一定であり、新たな分野における獣医師の養成需要はあると考えております。
 既存の大学・学部では困難ということについては……(発言する者あり)いや、四条件ということですから、四条件について詳細にお話をしているところでありますけれども、水際対策や新薬開発などについて新たなニーズに特化した人材養成には、カリキュラムの抜本的な見直しや専任教員の大幅な入替えが必要であり、既存の組織で行うには定員増を含めて限界があると判断をいたしました。
 近年の獣医師の需要の動向についても、農林水産大臣が繰り返し発言されているとおり、産業動物獣医師の確保には困難な地域がある、偏在があるということでありまして、そういった意見も各地から寄せられているところであります。
○杉尾秀哉君 梶山大臣、私、四条件について全部聞いていませんよ、何にも。何でそんなことを全部言うんですか。おかしいでしょう。時間使っているでしょう。四条件について、一つ一つ私、確認して聞いていませんよ。専門家の意見について、それについて聞いたんですよ。
 で、言いますよ。九月二十一日の今治分科会で、浅野、文科省です、専門教育課長が、再興戦略の要件について、きちんと満たされることを確認することが重要だと、こういうふうに指摘しております。この発言、そのまま読みますと、この段階では四条件満たしていないという認識を文科省がしていたということなんですけど、どうでしょうか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 御指摘の平成二十八年九月二十一日の国家戦略特区今治市分科会第一回会議におきまして、文部科学省の当時の浅野専門教育課長から、文部科学省といたしましては、日本再興戦略二〇一五の要件、いわゆる四項目につきまして、きちんと満たしていることを確認することが重要であると考えております、今後とも農水省厚労省とも連携をしていきたいと思っておるとの発言をしたところでございます。
○杉尾秀哉君 文科省として、その後どの段階で四条件が満たされたことを確認したんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 文部科学省におきましては、いわゆるこの告示で獣医師については定員増について抑制しておりますけれども、獣医師の需給状況についてはその所管する農水省のお考えを確認する必要があるということについて、内閣を通じまして内閣府に対して意見を申し上げたところでございます。
 その中において、内閣府の方において、農水省において新たな分野においての対応ということを前提にして需給全体に対して影響がないというふうなことについてのお答えがあり、それを踏まえまして、文科省の方としましてもその問題についてクリアしたと判断いたしまして、全体として、十一月の九日でございますけれども、国家戦略特区会議において追加規制改革事項について決定する際にその問題について見解を示したところでございます。
○杉尾秀哉君 梶山大臣、さっき私、聞かれていないことを答えて、後ろから今言われませんでしたか。私、次に質問するはずのことを答えたんですね。(発言する者あり)違う、違う。
 それで、もう一回言います。
 一月十二日の今治分科会に二人の専門家が呼ばれて発言しました。これはさっきのとおり。ところが、この二人の専門家は一回ずつしか発言していません、要旨を見ると。しかも、四条件について触れたくだりなんか一つもありません。学園の構想について長所と課題を指摘しただけです。短く一つずつしか言っていないです。
 こんな状況で専門家から意見を聞いたことになりますか、どうですか。大臣、答えてください。
国務大臣梶山弘志君) 四項目への適合性については、二十六年七月の新潟市の提案を受けて議論を開始して、ワーキンググループや諮問会議等において適合性を認める議論が行われてきております。これらの議論に加え、加計学園の応募書類に基づく最終段階の審査は、御指摘の今治市分科会で行われ、十分かつ的確な御意見をいただいたと認識をしております。
 このように、一連の議論のプロセスにおける関係者の御発言を通して四項目への適合性は確認されたものと考えており、発言の時間や回数だけで議論が不十分であるとの評価をすることはできないものと考えております。
○杉尾秀哉君 後で言いますけど、専門家の意見を聞いて、この四条件について閣議決定クリアされたかどうか、どこにも痕跡がないんです。
 それで、一月二十日の区域会議で、もう最終段階ですよ、これ加計学園が事業者に決まったその二十日の区域会議ですよ、有識者議員がこういう発言をしています。例えば坂根議員、教える側、研究者をどう集めるかが鍵だ、これは後でも指摘された、設置審で指摘された内容のとおりです。坂村議員は、獣医学部の認定申請に関しては地域的な特性を生かしたものだとは思うが、それ以外はほぼ独自性がない、独自性がないと言っている。地域的な特性、これは四国にないという地域的な特性、これを生かしたものだとは思うが、独自性がないと言っているんですけど、さっきから四条件クリアしたクリアしたとずっと言っていますけど、二十日の前に、二十日の段階に至っても民間の議員が、ほかの大学と一緒じゃないかと、こういうふうに指摘しているんですよ。
 これ、どういうふうに説明できるんですか、大臣。
国務大臣梶山弘志君) 一月二十日の区域会議につきましては、累次の会議における議論の蓄積の上に加計学園獣医学部新設事業を定めた区域計画を審議したものであります。
 坂根議員、坂村議員の御意見は、いずれもこれまでの議論を踏まえた上で、更に大局的な視点や今後に向けた要望を述べたものであります。その内容も創薬の歴史や現状といった具体例を交えたもので、示唆に富んだものであるとは考えております。
 したがって、御指摘は当たらないということと、最終的に取りまとめ、御意見はありましたけれども、取りまとめがなされたということであります。
○杉尾秀哉君 もう一度答えてください。独自性がないという発言と今の答弁って整合性取れていますか。独自性がないということは、ほかと一緒だというふうに言っているということじゃないんですか。
国務大臣梶山弘志君) 独自性がないということが四条件に関わってきますかね、これで。
 先ほど申し上げましたように、既存の大学との差は申し上げました。そして、この意見については、今意見として取り上げた上で取りまとめを行ったものだと思っております。先ほどの議論の中で私も独自性についてはお話をさせていただいたものと思っております。
○杉尾秀哉君 今のはちょっとびっくりですよね。ほかと同じだということが、これ石破四条件まるっきり満たしていないじゃないですか。
 こういうふうな話があるんです。一月十二日の今治分科会で意見を述べた、今話におります二人の専門家の方、ちょっと文科省に伺いますけれども、この二人の方というのは設置審の委員でもあるかどうか確認してください。
○政府参考人(義本博司君) 今治市分科会において有識者を務めた方、獣医学の専門家お二人おられますけれども、そのうち一人は、当時、大学設置・学校法人審議会獣医学専門委員会の委員であったところでございます。
○杉尾秀哉君 これ、二人の方はどっちも、この特区でも意見聞かれているし、設置審でも委員のメンバーになっているんです。このうちの一人の方がこういうふうに私たちに対して答えていらっしゃいます。我々、こう聞いたんですね。先生が今まで関わってきた議論の中で四条件がクリアされたという認識はおありですか、こういうふうに聞いたんです。それに対してこの先生が、それはありません。はっきり答えている。
 つまり、特区のプロセスでも設置審においても専門家の目で見て四条件はクリアされていない、こういうふうに判断したということじゃないですか。梶山大臣、いかがですか。
国務大臣梶山弘志君) 獣医学部の新設は、二十六年七月の区域会議で先ほど申しましたように新潟市が提案をして以降、特区のワーキンググループや諮問会議などで議論を積み重ね、検討してきたところであります。こうした議論の積み重ねを基に、最終的には諮問会議取りまとめについては、十一月九日の特区諮問会議で文科、農水両大臣も出席の上、四項目への適合が確認された文案が異論なく了承をされたところであります。
 加計学園の構想については、本年の一月十日に提出があった応募書類に基づき、一月十二日の今治市分科会における獣医学の専門家二人を含む有識者による審査、文科、農水両大臣が出席する一月二十日の区域会議、同日の文科大臣の書面同意、特区諮問会議において、いずれも四項目それぞれの適合を含めて異論なく了承され、特区認定の取りまとめを行ったところであります。
○杉尾秀哉君 つまり、このプロセスの中に専門家の意見が出ていないんですよ。これ、はっきり言って、特区のワーキンググループに出ている人たち、素人です。みんな素人。内閣府の役人だって素人なんだ、これ。
 結局、特区のプロセスにおいても、専門家以外の素人の役人とかそういう委員の人たちが、規制緩和派か何か分からないけど、岩盤規制という名の下にドリル空けるとか格好いいこと言って、四条件クリアしたって勝手に判断しているんじゃないですか。根拠がないじゃないですか。その判断のプロセス、これ結論も、議事要旨にもどこにも、どこにも専門家の意見が出ていないんですよ。こんなでたらめ、まかり通っていいんですか。
国務大臣梶山弘志君) 一月十二日の分科会におきましても、先ほど来言われている専門家の方は出ておりまして、御意見はいただきました。しっかりと取りまとめは行われたということであります。民間委員の皆様も、それぞれにこれまでの経験、そして、経済人であればそれぞれの産業界の実情というものも調査をした上で意見を述べられたと承知をしております。
○杉尾秀哉君 その原さんだか八代さんだか、こういう人たち、こういう人たちの意見でもって決まっちゃっているんですよ。
 それで、内閣府の中で議論したってさっき言いましたよね。内閣府の中に専門家はいるんですか、獣医師の。獣医の専門家はいるんですか。創薬プロセス、いるんですか。言ってください。
○政府参考人(河村正人君) お答えいたします。
 今御指摘のワーキングの委員の先生方は、独自にいろんな知見を集めておられまして、その上でいろんな御発言をされておりますし、内閣府の中でもいろんな知見を集めて、トータルで二十回の諮問会議、それから分科会、ワーキンググループを経た上で決定をしたものでございまして、十分に議論はされているというふうに承知をしております。
○杉尾秀哉君 答えていませんよ。専門家はいないということなんですよね。
 時間が余りないんで、林大臣に聞きます。これ、前川さんもおっしゃっているんですけれども、特区プロセスの段階では構想の作文なんです、これあくまで。書くだけだったら誰でもできる。設置認可申請をして、カリキュラム、教員、教育内容、そして施設設備とか具体的な学校の中身が出そろって初めて四条件満たしたと、こういうことが分かるんですよ。逆に言うと、それが分からなかったら四条件クリアしているかどうか判断できないんですよ。
 林大臣に伺いますけれども、これそもそも四条件がクリアされていないものについて認可をしていいものなんですか、どうでしょうか。
国務大臣林芳正君) 繰り返しの答弁になってしまうかもしれませんが、四条件は、この国家戦略特区のプロセスの中で適切にクリアされてきたと、その結果、この設置認可の申請が認められたということでございます。
 設置審の審査とは別に、この学校法人加計学園の設置認可の申請内容が国家戦略特区のプロセスの中で認められた構想に沿っているかは、これは設置審とは別に文科省として確認をしてきたというところでございまして、それを受けて認可をさせていただいたということでございます。
○委員長(高階恵美子君) 杉尾秀哉君、時間が参っております。
○杉尾秀哉君 時間が来ましたのでまとめますけれども、結局、文科省内閣府もどこも責任取っていないんですよ。これ、閣議決定に反していたら、認可の決定というのは内閣法に違反して、違法、無効です。無効な決定ならば取り消して、もう一回特区のワーキンググループに戻して議論し直すべきか、設置審に四条件を審議する権限を与えて審議し直すべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。