平成29年6月6日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、加計学園の問題からお聞きします。
 今、昼休みの時間、今日の十二時で、朝日新聞のデジタル版で新しい記事が出ました。文部科学省内閣府から官邸の最高レベルが言っているなどと言われたと記録された文書について、文科省の現役職員が朝日新聞の取材に応じ、この文書が省内の複数の部署で共有されていたと証言した。現役職員が証言した文書は、藤原内閣審議官との打合せ概要(獣医学部新設)という題名で、昨年九月二十六日の日付と時間が記載されている。出席者として内閣府の藤原豊審議官と参事官、文科省専門教育課長、同課長補佐の四人の名前が書かれ、内閣府側が文科省に対し、平成三十(二〇一八)年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい、これは官邸の最高レベルが言っていることなどと言ったと書かれていると。現役職員によると、内閣府の藤原審議官との打合せの翌日の昨年九月二十七日、専門教育課から複数の関係部署の計十数人に対し、この文書を添付したメールが送られたというという報道が十二時に配信をされました。不覚にも今日文科省を呼んでいなかったんです。
 そこで、これ改めて文科省には調査を要求したいというふうに思うんですが、これもう藤原内閣府審議官との打合せ概要、九月二十六日、日付まで、またメンバーまで書かれているものです。
 山本大臣、これは審議官に対して、九月二十六日にこういう打合せをやったのかと、これ確認すること必要だと思いますが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) その文書については、私、承知しておりませんのでコメントは差し控えたいと思いますが、従来から、九月の段階でいろんな打合せはやっているというように聞いております。改めて、その点について聞いてみたいと思います。
○田村智子君 これもう現役職員が証言したということですからね、また新たな段階に入ったと思うんですよ。これ是非、徹底した調査と資料の提出を求めたいというように思います。
 前回、私、獣医学部新設の制度改正、この決定過程、これについて質問をいたしました。日本再興戦略二〇一五で閣議決定した新たな需要、それから、それに既存の大学や学部が対応できないと、この判断がいつなされたのか。前回の質疑でも、文科省農水省もこの判断をしていないと、前回の審議では山本大臣が自ら判断をしたというふうに言われたわけです。
 昨日の参議院決算委員会では、安倍総理から、国家戦略特区諮問会議で審議したという趣旨の答弁があったんですね。ちゃんと審議しているのに、私が関与したんじゃないかと言われて民間議員が怒っているというような趣旨の御答弁だったというふうに思います。この安倍総理の言う国家戦略特区諮問会議で審議した、これ、いつの会議のことを指しているんでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 獣医学部の今回の新設につきましては、諮問会議のみならず区域会議あるいは今治市の分科会等で議論をしてきております。諮問会議につきましては平成二十八年の九月九日、十月四日、十一月九日の三回、区域会議につきましては平成二十八年三月三十日と九月三十日の二回、今治市分科会については平成二十八年九月二十一日ということで、計六回にわたり議論の上、決定したものでございます。
○田村智子君 計六回はほとんどヒアリングなんですよ。最後の十一月九日で決定なんですけれども、これ省庁から聞いて、質問しては聞き、質問しては聞きだと思うんですけれども、具体的に四要件の中身について、いつの諮問会議で検討されているんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 四要件につきましては平成二十七年の日本再興戦略に盛り込まれたものでございまして、それを十一月九日の諮問会議で規制改革事項を決定するということでその四条件を踏まえて決めたわけでございまして、その間につきましては当然事務的な各省間とのやり取りございましたけれども、最終的には大臣の御判断の下で、また文科省、それから農水省等の了解も得て諮問会議に諮られたというものでございます。
○田村智子君 途端に答弁がめためたになっていくんですけれども。十一月九日の諮問会議しかあり得ないんですよ、ほかヒアリングですから。
 じゃ、十一月九日の諮問会議、議事要旨見ますと、会議の時間は十七時十五分から十七時五十三分の三十八分間、しかも農業改革、民泊なども議題になっていて、閣議決定での要件などは言葉としても出てきません。獣医学部新設については松野文科大臣、山本農水大臣が短く発言をし、大臣の中で一番長く発言されたのは麻生財務大臣かと思いますが、法科大学院の例を挙げてうまくいかなかったときにどうするのかという苦言を呈すると。民間委員で発言したのはワーキンググループの座長を務めた八田達夫氏だけなんですね。
 これ、意図的に抜粋したと思われるといけませんので、八田氏の議事要旨にある発言を全部読み上げます。
 獣医学部の新設は、創薬プロセス等のライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚の方が実際は有効なのです、これを扱うのはやはり獣医学部でなければできない、そういう必要性が非常に高まっています、そういう研究のために獣医学部が必要だと。
 もう一つ、先ほど農水大臣がお話しになりましたように、口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もある。これは必要なのですが、その一方、過去五十年間、獣医学部は新設されなかった。その理由は、先ほど文科大臣のお話にもありましたように、大学設置指針というものがあるのですが、獣医学部は大学設置指針の審査対象から外すと今まで告示でなっていた。それを先ほど文科大臣がおっしゃったように、この件については、今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった。
 麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなく、恐らく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、余り競争力のないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とは別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。
 これが総理の言う閣議決定の要件に照らした民間委員の御発言であり、審議だということなんですか、山本大臣。
国務大臣山本幸三君) たしか八田議員は民間議員を代表して言われたことであります。
 それから、四条件云々の話がありますが、要するに、基本的な国家戦略特区における我々の考え方は、できない理由を探すのでなくて、どうしたらできるかを前向きに議論すると、そういう考え方でやっているわけであります。これは閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなくて、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定しているものであります。
 したがいまして、その国家戦略特別区域基本方針、これ平成二十六年二月二十五日の閣議決定であります。つまり、閣議決定でありますから、誰も守らなきゃいけない義務なんですよ。そこにこう書いてある。「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行う」と。
 つまり、できないという場合には、それを説明するのは規制所管省庁に責任があるんです。だから、もし獣医学部が四条件に達していない、それで適当でないという場合には文科省においてきちっと説明する責任があるんです。このときの次官が前川さんですよ。その責任がきちっとあって、その正当な理由の説明がなければ、これはその四条件を認めたということになるわけでありまして、そうしたことを踏まえて、そして私どもも内閣府で独自に需要の状況とかあるいは既存の学部ではできないということを検討して、そして最終的に私がその点については確認して、また文部科学大臣及び農林水産大臣もその諮問会議で異論も唱えることなく制度化を決定したと、そういうことであります。
○田村智子君 聞いていることに本当に答えていないんですよ。
 諮問会議が審議したと安倍総理が答弁したんですよ。だから、諮問会議のどこで議論したのかって聞いているんですよ。今の八田議員のこの発言が民間議員の発言、その立場を代表するものだったら、この発言のどこが閣議決定の四要件に照らす議論なのかと、これ答弁されなかったらおかしいでしょう。おかしいじゃないですか。閣議決定なんて言葉も出てこないですよ。新しい需要については豚ですか、マウスじゃなくて豚とか使うことが必要だからだと、その程度じゃないですか。
 どこで閣議決定の要件について諮問会議が審議したのかと聞いているんです。
国務大臣山本幸三君) その点は各省でそれぞれ検討して、そして最終的に諮問会議で決定するということであります。(発言する者あり)それは、それまでの議論を踏まえてそれを最終的に確認するということですから、当然審議も含んで決定ということであります。
○田村智子君 もうむちゃくちゃな答弁している。安倍総理が審議したと言っているんですよ。決定したと言っていないですよ。総理の答弁がおかしいということじゃないですか。これは駄目ですよね、本当に。びっくりするような答弁ばかりが出てくるんですけれども。
 八田議員が言った豚、マウスじゃなくて豚だというのも、これ、実は京都産業大学の提案の中にある話なんですよ。新たな需要で製薬メーカーとかに就職する人が多いということも、これは大臣が、この間、私の質問に言われましたけれども、これも京都産業大学の提案の中で詳しいデータが示されて、ここで言われていることなんですね。私、それは本当に聞く耳持つような中身だと思いますよ。
 ところが、皆さんが下したのは、十一月九日、広域的に獣医学部が存在していない地域に限りというふうにしちゃうわけでしょう。皆さんが新たな需要と根拠にするような京都産業大学の提案、それがあることが分かっていながら、広域的に存在していないという地域限定をやった。
 これ、前回も聞いて、大臣、ちゃんと答弁していないのでもう一回聞きますけれども、これを入れることで京都は対象とならないということを認識していて入れたんですか。
国務大臣山本幸三君) これは何度も御答弁いたしておりますけれども、まず特区で早く規制改革を実現しなければいけないこと、そしてまた同時に獣医師会等の反対、慎重な意見、そしてまた文科省農水省との議論等を踏まえて、あるいはまた民間議員との議論も踏まえて、最終的に私が決断したわけであります。そこで広域的にということでありまして、これは、具体的な定義云々は前回もいろいろ御答弁したと思いますけれども、特別に決めているわけじゃありませんけれども、従来的に広域的にないという判断でありますので、我々としては広域的にない地域というのを考えながらやっているわけであります。
○田村智子君 答えていない。京都は対象にならないという認識があったのか、なかったのか。
国務大臣山本幸三君) 広域的に入らないということであれば、それは四国地方ということ、あるいはそのほかの近くに獣医師系の大学がないということを念頭に置いているわけであります。
○田村智子君 京都が入らないという認識があったということですよね。そうすると、今治市があったんだと、今治市になるぞという認識の下でこういう決定がなされたとしか考えられないわけですよ。その上、公募のときには平成三十年四月開学という条件まで付けるというわけですからね。しかも、それ何でだと聞いたら、相当な準備がもう進んでいると思うからだというのを、前回山本大臣は答弁されたわけですよ。
 午前中の議論の中で一つあれっと思ったことがあるのでお聞きしますが、山本大臣、加計理事長が総理の友人であるということは九月七日に知ったというふうに答弁されたんですけれども、加計理事長と大臣自身も友人だという報道もあるんですが、九月七日に知ったということで間違いがないわけですね。
国務大臣山本幸三君) それはそのとおりです。
○田村智子君 これ、どうやって知ったんですか。それは、加計さんが山本大臣にお会いして、私は総理の友達です、ところで獣医学部新設を提案しているのでよろしくねという話をされたということなんですか。
国務大臣山本幸三君) 友人であるということは、その前日から、前日ぐらいだと思いますが、秘書官から聞きました。
○田村智子君 そうすると、内閣府の中で、加計さんというのは総理の友人であったと。この方があしたお会いになりますのでというふうに山本大臣にサジェスチョンがあったということなんですね。そうでしょう。
国務大臣山本幸三君) サジェスチョンというか、そういう方ですという紹介がありました。
○田村智子君 もう加計は、前回も指摘しましたけれども、この時点で提案者じゃないんですよ。提案者じゃないのに、総理の友人だということは内閣府も共有をしていて、それで、私は獣医学部提案しているのでよろしくというあってはならない会話を大臣と交わしているんですよ。獣医学部新設提案しているからよろしくと言ったというふうに前回認められましたから。これ、とんでもないことなんですね、それだけ取ったって。本当に加計ありきというこの構造が見えてくるわけですよ。
 大体、この今治市の提案がどこの大学法人とも共同の提案になっていない。普通、全くこれまでにない大学つくろうというときに、どこの学校法人とも手を組んでいなくて、それで全く新しい大学つくるなんということはできないと思うんですよ。
 これ、内閣府の中では、今治市の提案だけれども、これは加計学園の提案でもあるという認識があったということでよろしいですか。
国務大臣山本幸三君) 最初のところのやつですけれども、九月七日に来られまして、そういう要請がありました。それで、私は、そういう友人だということも聞きましたから、そのときに、これはきちっとルールに基づいて公正公平にやりますよと、その意味は、最終的には公募になるということですよということを申し上げております。その意味では、全く加計学園ありきで考えているわけじゃありません。
 それから、ちょっと済みません。
○委員長(難波奨二君) 田村さん、もう一度、再度、質問。
○田村智子君 もういいです、今日はちょっと法案にも関わって質問したいので。
 とにかく、とにかくもう分かんないわけですよ、本当に皆さんの中の議論というのが。総理が審議したっていう諮問会議が、さっき言ったような議事要旨ですからね。こんな場で審議したなんて認めるわけにいかない。前回も求めましたけれども、省内での議論、文部省とのやり取り等々ですね、これ資料として出していただかなければ、これ全然納得ができませんので、その資料の提出も受けてまた次回以降も引き続き質問したいというふうに思います。
 法案に関わって質問というふうに準備をしようと思いまして、それじゃ、小規模保育のワーキンググループ、小規模保育の年齢拡大のワーキンググループ、この議事要旨どうなっているのかなと思って調べましたら全く出ていないんですよ。昨年度、関係省庁等へのヒアリング、ワーキンググループのヒアリング、開かれているのは日数にして五十二日間。これとは別に提案者からのヒアリングは二十九日間あります。一日のうちに違うテーマで複数回もやられているところもあります。ところが、議事要旨が出ているのはたった二件なんですよ。これどういうことなんですか。
国務大臣山本幸三君) 国家戦略特区ワーキンググループの議事要旨は、審議の透明性を確保する観点から座長が適当と認める方法により公表することとされております。
 一方で、ワーキンググループの議事要旨の中にはホームページに掲載されていないこともありますが、これは提案者から申出等があり座長の判断で非公表とした、あるいは議事要旨について発言者の確認中であるなど、ホームページに掲載する準備が整っていないなどの理由によるものであります。議事要旨の公表には発言者に確認を得る作業が必要でありますが、開催回数が多く、また関係者も多岐にわたるなど、ホームページに掲載する準備が整うまでに一定の準備期間が必要でございます。ただ、そのための期間は議論の時間や発言者の数などによっても異なることから一概には言えません。
 内閣府としては、ワーキンググループの時期や相手方等のプレスについては、できるだけ詳細にホームページ上で公表するなど可能な限り情報は公にしてきておりまして、引き続き議論の透明性の十分な確保に努めてまいる所存であります。
○田村智子君 これ、どんな提案があって、それに対して省庁がどういう問題提起をして、それがどうやって議論の中でクリアされたのか、それ一切私たちには知らせずに法案審議しろと求めているんですか。これとんでもないですよ。
 これ、文字起こしはあるはずだと思うんですよ。大体今どき文字起こしなんか発注でしょう。文字起こししたもの出してほしいと思うんですが、いかがですか。そうしなきゃ法案審議できないですよ。
○政府参考人(佐々木基君) 私どももできるだけ早く出したいということは、全くそう思っております。しかしながら、議事録につきましては、やっぱり関係者がそこで議論をしておりますので、確かめて、確かにこういうことですねということで出さなきゃいけないということは、それは間違いないと思うんですね。
 そうしますと、先ほど先生もおっしゃいましたように、非常にワーキンググループ、回数が頻繁に行っておりまして、そういう意味では、要するに物理的な制約で出せないという理由が大半でございます。これは私どもも何とかしなきゃいけないと思っておりまして、そこは率直に何か早く出す方法についていろいろ考えていきたいなとは思っております。
○田村智子君 もう人手が足りないと言いながら、何ですか、安倍昭恵さんには五人も職員付けて、稲刈りとか選挙の応援とか、そんなところまで職員付けて、それで法案審議のために必要な資料は出せません、ばかな話ないですよ。内閣府、何の仕事しているのかって本当に問われると思いますね。
 それで、私、もう一つ疑問があるんです。私、昨年度、議事要旨が公表されているのは二件だって言いました。九月十六日、獣医学部新設についての農水省文科省へのヒアリング、十月十七日、京都府京都産業大学獣医学部新設の提案、これだけは、前後全く議事要旨が出ていないのに、これだけは、これだけは出ているんですよ。何でこれだけは出ているんですか。そこは人手があったんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど申し上げましたとおり、関係者の了解を取って出しますので、その二件については関係者の了解が取れたということであろうと思います。
○田村智子君 関係者の了解を急いで取ってどこかに御報告するためにまとめたんじゃないのかということなんですよ。これ、獣医学部新設が特別扱いだったということがここからも見て取れるんですね。本当に重大です。
 とやっていると法案に入れないので次に進みますが、ワーキンググループの厚労省ヒアリングで配付された資料を見ますと、意見が何述べたかは分からないんですけれども、厚労省は、小規模保育ですね、最後に行われた昨年八月のワーキンググループでも年齢拡大の規制緩和に反対の立場だったということがうかがえます。どういう問題点を指摘されたのか、端的にお願いします。
○政府参考人(吉本明子君) 国家戦略特区ワーキンググループにおきまして、厚生労働省といたしましては、待機児童の八割以上がゼロから二歳である中で、事業者の判断で三歳以上を保育する小規模保育を認めることで待機児童解消が難しくなるのではないかといった観点、またもう一つは、小規模保育の対象年齢を三歳以上にした場合、小規模保育の質の確保といった観点から配慮が必要ではないかといった点を指摘させていただいておりました。
○田村智子君 これ非常に大切なんですね。待機児童はやっぱり一歳前後が一番多いと。それから、保育の質というのは子供の命や成長に直結する問題ですからね。
 これ、ワーキンググループは八月で終わりなんです。諮問会議の決定は十二月十二日の一回だけ。そこでなぜか塩崎厚労大臣と加藤少子化担当大臣が一言ずつ了承する旨の発言をするだけで、何の議論もなくこれ決定しているんです。山本大臣は関係省庁との合意が得られたと諮問会議で発言していますけれども、その中身が全く分かりません。ブラックボックスですよね、こうなると、国家戦略特区というのは。
 大臣、関係省庁とどういう協議が行われたんですか。
国務大臣山本幸三君) こういうふうに結論に至るまでにはいろんな議論が行われます。当然であります。まさに特区でやる規制緩和ですから、反対する方とやろうとする方で激しいぶつかり合いがあるわけでありまして、しかし、そういう途中経過について一々これを出すということは、将来のいろんな議論、そして関係省庁間の率直な意見交換が困難になるということから、従来からこれは控えるということにしております。
○田村智子君 それをブラックボックスと言うんですよ。
 今日ちょっと配付した資料を御覧いただきたいんですけど、これ東京大学大学院の発達保育実践政策学センターが全国保育・幼児教育施設大規模調査というのを行ったんです。昨年、その結果報告をまとめていて、その一部を配付いたしました。
 これは、私が取り上げた部分というのは施設長さんへのアンケートなんですけど、大変大規模な調査なんですよ。これ、一歳児クラスの園内環境と園外環境について聞き取りをして点数化しているんですね。園内環境、室内にはいはいしたり歩き回れる空間が確保されている、くつろぎの場として休んだりできる空間がある、くつろぎの場は活動的な遊びに邪魔されないところにある、この三点での評価なんですが、これ、政令指定都市中核市、その他市町村では、小規模保育と認可保育所でもさほど差がないんです。
 ところが、東京二十三区は小規模保育の評価点が著しく低くなっているんです。これは園外環境も同じです。東京都が提案していますからね、今回の年齢拡大。そうすると、二十三区でこういう年齢拡大が行われるということが待機児童の多さからも想定されるわけですよ。今でも狭過ぎる、ほかの施設と比べて。余りにも狭過ぎる。ここに、より活発に動き、体も成長している三歳児から五歳児入所させたらどうなるのか。これ、関係省庁とのやり取りだけじゃ駄目ですよ。
 これは国費の入った、七十五億円だかの、ごめんなさい、金額違うかもしれません、ごめんなさい、かなりの額の入った、国費の入った研究なんですよ。こういう研究やった人からちゃんとしたヒアリングをやって、これで子供の安全や成長が担保されるのか、そういう検討をすべきだと思うんですが、そういうことをやったんですか。厚労省
○政府参考人(吉本明子君) この面積であるとかの基準に関しましては、厚生労働省といたしましては、小規模保育事業の基準ということで、保育士一人当たり保育することができる乳幼児の数、また乳幼児一人当たりの必要な面積、また施設全体として必要な設備、構造等につきまして、国が定める基準に従い、また、基準を参酌して、条例で定める基準を遵守するということになっているところでございまして、当然のことながら、保育事業者はこの条例を遵守していただいた上で保育事業を実施していただかなければならないということで、この点につきましては、東京二十三区も全国ほかの自治体も同様でございまして、厚生労働省といたしましては、これの遵守によって質の確保を図っていくということで考えております。
○田村智子君 これ、東京二十三区の小規模保育だってその最低基準はクリアしている施設なんですよ。これ、自治体が把握して、アンケート配っていますからね。クリアしていても、これだけ環境が良くないということなんですよ。大臣は岩盤規制、岩盤規制って言いますけれども、守らなきゃいけない規制だってあるんですよ。子供の命や成長を保障するためには、守らなきゃいけない規制というのはあるんですよ。
 この調査を行ったセンターの秋田センター長、小規模保育の年齢拡大について、東京新聞にこう語っています。三歳以上を入れて良いはずがない、幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎、保育環境のたがが外れれば、将来ツケが回ると。大臣、こういう方の意見こそヒアリングで聞いて、それから決めるべきだというふうに思いますが、山本大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) そういう子供の養育云々についての専門的なことについては厚生労働省において判断することだと思っております。
○田村智子君 いや、厚生労働省はそのことの危惧を一生懸命提起していたんですよ、ワーキンググループの配付資料を見れば。それをできないという結論は駄目だと、できないという結論は駄目だと押し返してきたのが内閣府じゃないのかということが疑われているんです。そのブラックボックスを開いてもらわなきゃ困るということなんですよ。
 これ、委員長、私お願いしたいんですけれども、つまり、ワーキンググループの議事要旨が分からないので、厚労省とどういうやり取りがあったのか全く分からないんです。これ、議事要旨としてまとめることが難しかったとしても、未定稿でいいから、文字起こししたものを私たち委員に配付するよう、これを求めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 そういう資料もなく、法案の審議、本当はもう続けることもできないと言いたいところなんですけれども、これもう、終わらせることは決してできないと、引き続き追及を行っていくということを申し上げて、質問を終わります。