平成29年6月16日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 おはようございます。民進党新緑風会の櫻井でございます。
 まず、文部科学省とそれから内閣府におかれて、メールの再調査をしていただいて公表していただいたことにまずこれは敬意を表したいと、そう思います。まだ全部が、概要が明らかにはなってきていませんが、こうやって再調査していただいたということについては評価をしたいと思います。
 それから、これを受けて、今日は午後から予算委員会参議院側では開かれることになりました。与党の皆さんに改めてこの場で感謝を申し上げたいと、そう思います。ありがとうございます。
 さて、この資料の公開の中で、もう一つ新しい問題が生まれてまいりました。それは何なのかというと、ここのお手元の資料にお渡ししましたように、資料四にあるように、ここに生々しくどういう経緯で変わっていったのかということが書かれていて、四つ目ぐらいの段、下から三つ目の段落のところに、「指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と、こういうふうに述べられてきております。
 そのことについてまずお伺いしておきたいんですが、その前に、資料の二がございます。この資料の二というのは存在が認められてきておりますが、これは一体どこの省庁で作成された文書でしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 御指摘の文書と同内容の文書が専門教育課の共有フォルダに保存されていることが確認されており、文部科学省で作成したものでございます。本文書は、昨年十一月に国家戦略特区諮問会議で追加の規制改革事項が取りまとめられる過程において、内閣府作成の原案に対する文部科学省の修正意見をまとめた資料でございます。
 文部科学省といたしましては、獣医師の需給の観点から、特区を所管する内閣府に関係省庁と調整いただきたい旨お願いしてきたところでございます。
○櫻井充君 そうすると、内閣府の原案に対して文部科学省がここで修正を行ったということだと思います。
 そしてさらに、資料三になってくると、ここで一部のところ、まず一行目が消され、「広域的に」、「存在し」、「限り」と新しい文言が入ってきているわけですが、ここにペンを入れたのはどこの省庁でしょうか。
国務大臣山本幸三君) これは、広域的にという、限りということは、私の指示で内閣府において入れました。
○櫻井充君 なるほど。そうすると、文部科学省内閣府から来た文書に対して文部科学省が修正して、それを送り返したところ、今度はそこに筆を入れて、内閣府が筆を入れたということでよろしいんですね。
国務大臣山本幸三君) そのとおりです。
○櫻井充君 そうすると、これが問題のところになるんですが、資料の四のところにあるように、まず藤原審議官にお伺いしたいと思いますが、藤原審議官、ここについて、そうすると、資料の手直しをされたのは藤原審議官ということでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 ただいま山本大臣からもお話がございましたけれども、若干の経緯から申し上げますと、十月二十八日、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示させていただきまして、三十一日に文科省から意見の提出があった次第でございます。また、十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行ったということでございます。また、山本大臣が、文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定するという御判断をされまして、広域的にや、限ると追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きでこの文案に修正を加えた次第でございます。
○櫻井充君 そうすると、ここの手書きは藤原審議官だということが分かりました。
 そうすると、ここからです。藤原審議官が、ここ、「曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と。このことは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたこうした一連の情報でございますけれども、私は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成、送信者に一切伝えていないんでございますが、萩生田副長官云々の話は全くしておりません。
○櫻井充君 この一連のメールの中で、これはまだ見付かっていないと言われているんですが、萩生田副長官御発言概要というところに、まず丸一つ目、問題は、既存の大学・学部では対応が困難な場合にという要件について、これを例えば伝染病研究を構想にした場合、既存の大学がうちの大学でもできますよと言われると困ると、そういうふうにおっしゃっていて、まず、ここのところに、その一行目消してあるところが、既存の大学・学部が対応が困難な獣医師養成の構想が具体化しというところと非常によく似ていることと、それから最後のところで、この概要についてはまだ見付かってはいないと言っていますが、最終的に、私の方で整理しようと、こういうメモがあるわけです。
 そうすると、ここの資料四のところのくだりを見てくると、萩生田副長官、副長官の方から何らかの指示があったんではないのかというふうに推察されるんですが、御本人、いかがでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことはなく、昨日文科省が公表したメールの内容は戸惑いを感じております。
○櫻井充君 これは、あとは言った言わない論になってくるんだと思いますが。
 もう一つ、ここのその発言概要の中に出てくるのは、四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明が付くのかと、ただし、感染症も一義的には県や国による対応であるので、獣医師会の反論を説明しなければいけないんだと。そういうふうに、これは分かりません、この概要だけを申し上げればそうなってきているわけです。
 そうすると、一般的に申し上げると、その地域にないという表現になってくるとどうなるかというと、県にないかどうかということになるんです。広域的にという文言が入るというところが非常にポイントになっていまして、この広域的にということを入れることによって、実は、県だけではなくて、その隣の県も全部含めてというところに、広域的にという文言が入ると、ここが最大のポイントなんです。
 であったとすれば、藤原審議官、この広域的には、誰の判断で、どういう議論がなされてこの文言が入ったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 広域的にというのは、文科省のそういう意見とか、そしてワーキンググループの委員等の意見も聞いて、あるいは獣医師会の反対意見も考慮して、私が広域的にということを判断して入れたわけであります。
 しかし、その広域的にというところは実は定義はかなり曖昧でありまして、別にどこを外したとかそういうことにはなりません。あとは、広域的にというところをどういうふうに考えるかということだというふうに思います。
○櫻井充君 済みません、まず、文部科学省と相談したという話がありました。文部科学省からもう既に文書が出てきていて、文部科学省側から出てきたものをこれは内閣府が修正して入れているわけですから、文部科学省にちゃんとこれは相談があったんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
副大臣義家弘介君) 文部科学省としては文部科学省の修正意見をした上で、この間いろいろなやり取りが行われておりますが、結果としてこのような文言が入ったということでございます。
○櫻井充君 済みませんが、ここは大事な点なんですよ。文部科学省がこれは主導したことですか、それとも内閣府が主導したことですか。
副大臣義家弘介君) 文部科学省といたしましては、一貫して、この需給に関してしっかりとした説明が出されなければ、これまで需給の観点から獣医学部の新設を認めてこなかったという経緯もありますから、これは文部科学省というよりは、内閣府、あるいは文部科学省的に言えば農水省等々と調整した結果の判断であろうと思っております。
○櫻井充君 要するに、これ主導しているのはやはり内閣府なんですよ。文部科学省として調整したとか、今そうおっしゃいますが、そこは違いますからね。違うことを言わないでくださいよ、これは大事なポイントなんですから。
 じゃ、なぜ判断としてここに広域的という文字を入れたんですか。その根拠を教えてください。
国務大臣山本幸三君) これは、文部科学省のそういう意見をいただきました。それから、獣医師会の反対意見、そして何とか改革を早く進めようというワーキンググループの委員の皆さん方の意見、そういうのを聞きまして、最終的に私が判断して入れました。
 その広域的にというのは、特にここは駄目とかいうような限定しているわけじゃなくて、そこは解釈に幅を持たせるということも含めてやっているわけであります。
○櫻井充君 済みませんけど、すぐに獣医師会の責任にします。獣医師会は元々反対していました。もし仮に、あれはパブリックコメントを求める辺りに、そのときに、もう仕方がないので、もうつくるのなら一校で勘弁してくれということで出てきているだけの話です。獣医師会のせいにするのは、私はずるいと思いますよ。
 まず、ここのところになぜ、獣医師系養成大学等のない地域ではなくて、広域的にという文言をわざわざ入れたんですか。文部科学省の、元々のですよ、内閣府から来たものに対する修正点にはこれがないんです。なぜここに対して広域的にとわざわざ文言を入れたんですか。ちゃんと理由を言ってください。誰とどうしたことではない、なぜ広域的にと入れたのか、そこを明確に示してくださいよ。
国務大臣山本幸三君) 元々、獣医師系、獣医師系統の大学がないところに限るということを入れて、限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見の間で、それだけではまだほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと、そういう意味から、広域的ということで少し広げて制限しようということで考えたわけであります。
○櫻井充君 非常に大事なポイントでした、今。これを入れないとほかの大学でできてしまうからと今おっしゃいました。つまり、やはりどうしても加計学園にしたかったわけですよ。京都産業大学、いや、大臣、今そうおっしゃったんですから。この発言は絶対取消しは許しませんからね。
 いいですか、ほかの地域にもできてしまうから、だからここに広域的にと入れたんだと。いいですよ、加計じゃなくても結構ですけどね。だけど、ここで何が落ちるのかというと、京都産業大学が落ちるんですよ、この結果。結局、京都産業大学を落とすために、今そういうふうに発言されていることになりますからね。(発言する者あり)いや、もう答弁は結構ですから。
 ここは物すごい大事ですよ。つまり、広域的にというのは、ほかの大学が入ってこれないようにするためだと、そうおっしゃいました。つまり、もうこの時点で京都産業大学は残念ながら認められないような文言に修正されてきているんです。
 これを、じゃ、要するに、大臣、大臣の責任でこの広域的にという文言を入れたということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) 先ほど申し上げましたのは、全国、ほかのところでもいろんな、まさに、ないところ以外はどんどんでき得る可能性があるじゃないかと、そういう話もあったわけでありまして、そこで広域的にということを入れて、そして産業動物医師の確保が難しい地域を優先させると、そういうことを考えて、しかも獣医師会等の慎重な意見等を考えて入れたわけであります。
○櫻井充君 まあいいでしょう。その時点で本当に真剣に手を挙げていったのは京都産業大学だけですから。ですから、京産大加計学園とどっちにするのかという議論になってきていて、結局、この広域的にという文言が入ることによって京産大は残念ながら手を下ろさざるを得なくなった、これが、これが現実ですから。
 つまり、ここのところで内閣府側からこういう文言を入れたわけですが、問題はここからです。これは繰り返しになりますが、官房副長官側から、こういうようなことに、この広域的なという文言を入れてくれという話はあったんでしょうか、なかったんでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。
国務大臣山本幸三君) 官房副長官からそんな話は全くありません。
○櫻井充君 官房副長官にお伺いしますが、今現在、加計学園のどういう役職をお務めでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、今、加計学園のではありませんけれども、千葉科学大学の名誉客員教授というのを拝命していただいています。
○櫻井充君 その前はこの加計学園系列でどういう役職に就かれていましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 二〇〇九年、二〇一〇年の四月から千葉科学大学で教鞭を執っておりまして、それ以外のことは何もしておりません。
○櫻井充君 地元でも東北福祉大学という大学があります。その大学に宮城県選出の国会議員の方々が客員教授を務められたりとか、それから義家副大臣東北福祉大の方で今教鞭執っていらっしゃいますから、あっ、ゼミ持っているんでしたか、今は辞めちゃった、今は、そうか、辞めちゃったんですね。前はそういうふうにされていたので、こういう関係があること自体は別におかしくはないんですが、これ、副長官、どういう経緯でそこで教鞭を執るようになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私は文部科学行政に深く関わってまいりまして、政務官も務めておりまして、その中で私学の皆さんとの様々なお付き合いがあって、たまたま落選をして時間ができてしまったときに、複数の学校から、もし時間があるんだったらうちでそういう仕事をしないかということを声を掛けていただいて、この学校のみではないんですけれども、他の学校でも働きましたけれども、その中の一つがこの学校でありました。
○櫻井充君 多分、何も知らないで声を掛けてくるということはほとんどないことであって、それ以前からこの加計学園の理事長とお付き合いはありましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、理事長とはお付き合いはございませんでした。
○櫻井充君 しかし、そこで働くようになったからには、それは理事長とお話しすることはありましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 入学式など、全体行事のときに控室でお会いすることはございました。
○櫻井充君 加計学園グループ全体で獣医学部をつくっていきたいということはもちろん知っていましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、当時はそのことを全く存じ上げませんでした。
○櫻井充君 いつ頃そのことを知りましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 政府に入って、そういう動きが各府省で行われているということで、文科省等々から説明を聞いて初めて承知をしました。
○櫻井充君 千葉科学大学では、あの銚子の地域に獣医学部などをつくっていきたいという構想もあるということは、それは御存じですか。
内閣官房副長官萩生田光一君) いや、存じ上げません。
○櫻井充君 そういうことで、どの時点でかは分かりませんが、少なくとも加計学園に関して、加計学園獣医学部の新設を行いたいということは承知していただいたということなんだと思います。
 さて、そこで、四月の二日に、今治市の課長そして課長補佐の方が首相官邸を訪れているんです。これは、首相官邸を訪れているのはこれまでの委員会で認めてくださっています。これはずうっと質問通告をしておりまして、四月の二日、これは内閣府に行く予定だったんです。内閣府にももちろん行ったんです。内閣府に行った後に、わざわざ一時間半も時間取って首相官邸に行ったと。これは、今治市の情報公開からこの資料が出てきています。
 問題はここからなんですが、四月の一日に、四月の一日に急遽日程が変わっているんです。四月の一日に急遽、なぜか分からないけれど日程が変わって、二日に首相官邸を訪れてきています。このときに、今治市の市役所の職員は、首相官邸でどなたとお会いになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 参議院の農林委員会でずっと私がお答えしていますので、私の方から答弁させていただきたいと思いますが、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため、確認ができませんでした。
 念のため、私、平成二十七年四月二日当時は官房副長官ではなかったんですが、たまたま農林委員会でこの質疑が出て、今官邸にいるということで調べてこいということで、私が答弁をしております。
○櫻井充君 しかし、ここ本当に大事なポイントなんですよね。例えば、本当に今治市の方に申し訳ないけれど、一課長が官邸に行けるはずがないんですよ、自分一人で。ですから、誰かが官邸の中で、御案内という役というわけではありませんが、連れていっていただかなければ入れない場所だと思っているんです。これはずうっと質問し続けてきていますが、結局のところは記録がないということで逃げられています。森友学園のときと全く同じでして、記録がない記録がないと言って、残念ながらきちんとした答弁をしていただけていないんです。
 ただ、ここは、これはもうマスコミの方々にもちゃんと知っておいていただきたいのは、四月の二日に今治市の職員が首相官邸は訪れている、ここは認めてくれているんです。今治市の記録にも残っています。残念ながら、誰と会ったのかということについてはずうっと政府は隠し続けているんだと私は思っていますが、答えていただけておりません。しかも、四月の一日に誰からか連絡が入って、誰からか連絡が入って、その上で行程が変わってきています。
 内閣府にずっと問いかけていますが、内閣府ではないということであれば、内閣官房の方から今治市の方にそういう連絡をしたことがあるんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 内閣府としてはそういうことは承知しておりませんが、内閣官房については私どもではちょっと今分かりません。
○櫻井充君 済みませんけれど、四月の二日のことについてはずうっと言い続けているんですよ。これ早くちゃんと、ちゃんと調べてくださいねとお願いしていて、内閣府で違うと言うから、ちゃんと答弁できる人にしてくださいと。で、内閣官房なんですかと言っても答えていただけていないんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。
 内閣官房から今治市の方に日程の変更の連絡をした記録はあるんですか。記録がなければないでも結構です。
国務大臣山本幸三君) その点については、内閣官房にも事務方から聞いてもらって、分からないということであります。
○櫻井充君 こうやって、都合の悪いところは分からないということになっちゃうんですよ。でも、総理からの指示なのかどうか、総理の御意向なのかどうか、ここで官邸が動いているかどうかということを本当に調べていく点では、これは一番大事なところなんですよ。
 昨日、私は農水委員会でいろいろ指摘させていただきましたが、明らかに今治市はもう加計学園ありきでずうっと動いてきているんです。それから、愛媛県知事は記者会見で、この間、藤原審議官は五月のことだけ答弁されていましたが、四月の段階ではもっと踏み込んで、内閣府から言われて、助言があって、それで半信半疑で始めてみたけれど、あっという間に進んでいったと、こんなに早く進んでいくと思わなかったし、夢のようだという趣旨の発言もされてきていることから考えると、当然、官邸側ではなくても国主導でこのことが進められていったことは私は間違いのない事実なんだと、そう思っています。
 そういう意味で、内閣府が主導してきているのか、それともここに書いてあるような総理の御意向で官邸主導になってきているのか、このことが明らかにならない限り、この疑惑は絶対に晴れないんですよ。そういう意味で、総理からの御意向だとかそういうことを、これ、藤原審議官、この文書の中でありますよね、九月二十六日だったかな、ここのところで総理の御意向という言葉使われていますよね。これは事実なんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月頃でございますが、文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別の項目につきまして、官邸の最高レベルが言っているなどとお伝えした、あるいは総理の御意向だと聞いているなどとお伝えした認識はございませんし、また総理からもそうした指示等は一切ございません。
 他方、総理は常々、特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく規制改革全般についてスピード感を持って実現すべき旨発言されておりますので、こうした総理の発言を受けて、私ども事務方が特区ワーキンググループやこういった非公式な協議の場などで関係各省との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分あり得たというふうに思っております。
○櫻井充君 平成二十八年九月二十六日、藤原内閣審議官との打合せ概要、このペーパーは見付かっているわけですよね。義家副大臣、確認しておきます。
副大臣義家弘介君) 同内容の文書の存在が確認されたところでございます。
○櫻井充君 つまり確認されているんですよ、藤原審議官。藤原審議官、そこの中でちゃんと、まず、平成三十年四月開学を大前提にと。
 じゃ、済みませんが、このことはおっしゃっていますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私ども内閣府は規制改革を推進する立場でございますので、常々できるだけスピーディーにと、先ほど申し上げましたけれども、法令に基づいて規制改革を実行すべきだという考えを持って関係各省との事務的な折衝に当たっております。
 しかしながら、文科省との事務的な議論の中で、官邸の最高レベルが言っているとして、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいと申し上げたとは認識しておりません。
○櫻井充君 じゃ、要するに、ここに書いてあるペーパーは全部事実じゃないということですか。一つ目の丸ポツは、これは全く違うということですか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、スピーディーにこの規制改革を進めるという立場から、こういった選択肢について様々な議論、ブレーンストーミングを関係各省とさせていただいたことは事実でございます。
○櫻井充君 済みませんけど、これ言ったか言わないか、ちゃんとどっちかで答えてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうな、申し上げたことは認識しておりません。
○櫻井充君 ここはすごくうまく逃げているんですよ。逆算して最短のスケジュールとか、そういうことは言っていないかもしれないんですよ。
 平成三十年四月開学、この点については言いましたか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますが、三十年四月というオプションも当然あるわけでございます。ただ、それを前提にした議論ということは、確定的に申し上げたつもりは全くございません。
○櫻井充君 そうでしょうか。内閣府今治市のやり取りの中で、情報を共有したいからといってスケジュールを作ってくださいと、これ内閣府主導で出しているじゃないですか。
 このメールが正しいものなのかどうか、存在していたのかどうか、今日の記者会見もう一度改めて見させていただきたいと思いますが、なければ、ここもすごくポイントになるんですよ。内閣府の方から北九州市の例を持って、これでタイムスケジュールの表を作ってほしいと、これはあくまで共有するだけだからと。そこの中に何と書いてあるかというと、平成三十年四月とはっきりと書いてあるんです。ですから、内閣府がこれを認識していないはずがないんですよ。
 藤原さん、改めてお伺いしますが、平成三十年四月というのは内閣府の頭の中にあったわけでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 平成三十年四月というのが最終的に内閣府の方で設定させていただいたのは、大臣からも御答弁いただいております、告示のパブリックコメントをさせていただいた、去年の十一月十八日でございますけれども、これはむしろ内閣府、国が、最短の、できれば規制改革をスピーディーに進めるという意味で設定させたものでございまして、それ以前につきましてはそういった議論は、選択肢の一つとしてはございますけれども、それを前提にした議論は行っておりません。
○櫻井充君 まあ本当にひどい答弁なんですよ。
 そして、もう一つは、やはりこのモデルになったのは何なのかというと国際医療福祉大学なんですよね。ですから、その国際医療福祉大学と全部比較をして、ここがこういうふうにでき上がっていっているからこういうやり方にしましょうねと、そういう話になってきていて、ここの三省合意について、三省の方針に一校と記載したんだと、成田の場合には。諮問会議としては三省が決めたことなど知ったことではないが、方針を出さないと省としてもたないということで作ったと。しかも、裏では政治的なやり取りがあったと。
 つまり、国際医療福祉大学をつくったときにもここに政治的なやり取りがあったというふうに記載されているんですが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 そういった政治的やり取り等々については全く認識しておりません。
○櫻井充君 つまり、そうすると、このペーパーは存在するけれど、全てが事実と異なるということですね。
○政府参考人(藤原豊君) 内容については、そういった意味で、私ども認識していないところが非常に多いというふうに思っております。
○櫻井充君 これは文部科学省の中で私は官僚の方からお伺いしましたが、国際医療福祉大学には文部科学省厚生労働省、様々な省庁から天下りの役人の方がいらっしゃるんですよ。その方から、これは政治案件だから、もう文部科学省、あとはつべこべ言わずにさっさとやれと、そういう指示が出ていると。これは前川さんではありません、また別な事務次官の方からそういう電話が掛かってきていて、省内ではこれはもう政治的案件だというふうにして取り扱われていきました。だから、これ、まさしく同じことなんです。ここに書かれていること自体、私は事実だと、今までのことを積み重ねてくると事実だと、そう思っています。
 今、こうやって違うというふうに言ってきましたが、義家副大臣、これは本当に文科省の人たちが捏造したものなんでしょうか。全く違うことをここに書いたことなんでしょうか。
副大臣義家弘介君) 追加調査におきましては、本文書を作成したと考えられる担当職員からもヒアリングを行っておりますが、官邸の最高レベル等々の文言について、ここに記載されている以上、そうした趣旨の発言があったのだなと思うが、その真意は分からないというヒアリング結果でございます。
○櫻井充君 つまり、ここにちゃんとした発言があったんですよ。あったからこういうメモになっているんですよ。
 これは、藤原審議官、改めて、もう時間が来ましたから、これは全部捏造だということで、そういう言い方になっていますが、そういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 全部か一部かというところにつきましては私個人的に判断できないところでございますが、何度も申し上げますが、この総理の意向あるいは官邸の最高レベル等々についての発言は全く私どもとしては認識しておりません。
 また、この時期でございます、繰り返しになりますが、総理の指示が九月の九日に諮問会議でも行われております。その一週間後のワーキンググループで私も申し上げておりますが、とにかく全体の規制改革を、個別のプロジェクト、個別の分野ではなく、全体で進めていくという観点から、仮に発言をするとすれば、そういった視点から御発言をさせていただいた可能性は十分あると思っております。
○委員長(難波奨二君) 櫻井充君、おまとめください。
○櫻井充君 はい。
 時間が来ましたので一言だけ申し上げておきたいんですが、やはりどこかでこれ政治的なものが働いているんだと。国際医療福祉大学のときにもこう発言されていて、ここで当然そんなことを言ったら大変なことになるから隠そうとするのは当然のことなんですが、本当に国家戦略特区を使ってこういう利権が生まれてきているということが僕は明らかになってきているんだと思っているんです。
 そういう意味合いでは、まだまだこれ審議尽くしていませんから、これで国会閉じることになるんだろうと思いますが、是非閉会中の審査も求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

平成29年6月13日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 加計学園獣医学部新設についてお聞きをいたします。
 前回、八日の内閣委員会で、事業者公募の条件として平成三十年四月開設がいつどこで決定したのかという質問をいたしました。山本大臣はパブリックコメントでも既に出しておりますと言われましたが、これ答弁になっていませんので、もう一度改めてお聞きいたします。
 平成三十年四月開設はいつどこで決まったのか、事前に提案者との協議はあったのか、お答えください。
国務大臣山本幸三君) 事前に提案者との協議はありません。
 共同告示に平成三十年度に開設と規定した理由でありますが、いち早く具体的な事業を実現させ効果を検証することが重要だとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたためであります。
 具体的な時期は、開学前年の三月末に設置認可申請、その後、夏頃に認可という例年のスケジュールを勘案し、最速で事業が実現するスケジュールである平成三十年四月の開学、すなわち平成三十年度に開設としたものであります。
 昨年十一月九日の諮問会議取りまとめ後、パブリックコメントを開始する、昨年十一月十八日でありますが、までに、パブリックコメントの概要案に平成三十年度開設と盛り込むことについて共同告示を共管する文科省と事務的に調整を行い、最終的に私が判断したものであります。農水省にも十一月二十一日にこの旨を通知しております。
 また、パブリックコメントの受付期間が終了した後、十二月末の段階で、共同告示に平成三十年度開設と規定することについて文科省農水省を含め最終確認し、本年一月四日に告示を公布したものであります。
○田村智子君 これ、事前の協議はないと。
 五月十日、衆議院地方創生特で、民進党宮崎議員の質問に佐々木局長は、今治市あるいは加計学園の方でできるだけ早く設置したいという意向で、スケジュールからいっても最も早い時期が三十年の四月だということで恐らく判断されて、それをパブリックコメントの資料として使わせていただいたと答弁をしています。
 大臣、今治市あるいは加計学園が最も早い時期を平成三十年四月と判断していることを承知していて、それを念頭に置いてあなたが御判断したということでよろしいですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市がどのように判断しているかについては、私どもはそれまで承知しておりません。
 しかし、我々は、できるだけ早くということは当然念頭に置いて、常にそうしたスピーディーに規制改革をやるということで臨んでいるわけであります。最終的にそれがオープンになるのは十一月十八日のパブリックコメントのときであります。
○田村智子君 それ、局長答弁と違うじゃないですか。
○政府参考人(佐々木基君) 私の答弁が何か誤解を招いているようで大変恐縮でございますけれども、私が申し上げましたのは、今治市から、これは分科会における今治市の発言もございますので、できるだけ早く開学したいという意向は聞いておりました。私どもは、私どもとしてできるだけ早いスケジュールでやっていきたいという、国家戦略特区の特性上できるだけ早くということで、三十年四月ということで大臣の御判断をいただいてそのように決定させていただいた、そういうことを申し上げたところでございまして、誤解を招くような表現をしたことについては言葉足らずであったというふうに思っております。
○田村智子君 苦しい答弁ですよ、それは。
 前回、民進党の櫻井議員が、昨年八月三日、内閣府から今治市へのメールに、「スケジュールの共有を図り、当事務局からも、そのスケジュールに合わせ、進捗を確認できる体制をつくるべく、北九州市の別添データを参考に、広島県今治市のスケジュール表を作成願います。」と、こう書かれていたことを明らかにいたしました。これは情報開示請求によって今治市から出てきた資料です。
 資料の一枚目、私の配付資料の一枚目、それが今治市から内閣府への返信メールなんですよ、これが。今治市内閣府地方創生事務局に送付したスケジュール表。右下には、獣医学部新設は「H30・4月開学予定」、書かれています。これは、問合せの翌日、八月四日に作成されていることも右上の記述で分かります。今治市とスケジュールの共有をしていたということではありませんか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のスケジュール表の作成につきまして、当時の担当者に確認をさせていただきました。昨年八月頃、担当者同士の情報共有のため、十特区全ての担当者に、北九州市の例を参考として、今後各区域で取り上げる可能性のある全ての項目、規制改革項目につきまして前広にまとめるよう依頼したということでございました。また、同担当者に確認をしたところ、広島県今治市が作成したこの表でございますけど、その担当者が受け取っていたということでございます。
 今治市の記載につきましては、平成三十年四月開学の場合というふうに書いてございます。開学の場合とございまして、今治市が様々なケースを想定して今治市の責任の下に記載したというものと考えております。
○田村智子君 いやいや、「H30・4月開学予定」と書いてあるじゃないですか。予定にしていることを知っていた、承知していたということでしょう。さっきの答弁と違うでしょう。これ開示請求で出ている資料ですよ。内閣府にあったんですよ。
○政府参考人(佐々木基君) 多分、先生の資料を拝見させていただいておるわけでございますけれども、一番下の一番左側のところに、獣医学部の新設、平成三十年四月開学の場合ということで書いておりまして、あくまでも私どもは、これは今治市において日程をシミュレーションする際に作ったものだという理解をしているところでございます。
○田村智子君 だから、最も早い時期は平成三十年四月という情報を共有していたということじゃないですか。大臣の答弁、間違っているというか、ごまかしで、虚偽の答弁しているということになりますよ。
 資料の二枚目を見てください。これ、昨年十月二十五日、これまでも指摘されていますね、今治市の国家戦略特別委員会協議会に提出された今治市が作成した資料です。これ、更に詳細な平成三十年四月開設までのスケジュール表があるんですね。
 しかし、それ、推移をずっと追っていきますと、例えば、十月下旬から十一月上旬、赤い文字のところですね、「告示改正に向けた方向性が提示(獣医学部新設に関する方針案)」、「共同告示案(定員規制の特例措置)」「パブリックコメント開始」とあるんですよ。これ、実際に十一月九日の諮問会議で、また十八日にパブコメの募集となりました。まさに一致しています。事業者の公募時期、スケジュール表では十二月中下旬、これは、実際は今年の一月四日と少しずれ込みますが、ほぼ重なります。平成二十九年一月中下旬、今治市分科会と今治市のスケジュール表に書いてあります。実際に一月十二日に行われて、ここで加計学園を事業者として決定しています。さらに、一月下旬、区域会議と諮問会議、この二つの会議は一月二十日に開催され、分科会の決定事項を確認しています。
 今治市のスケジュール表のとおりに進んだということになりますよね。こんなスケジュール表を今治市だけで作ることはできないはずです。スケジュール表を共有していた、そういう情報の交換があった、そういうことじゃないんですか。大臣。
国務大臣山本幸三君) 共有していたというようなことではありません。
 今治市がそれなりのシミュレーションをするというのは、私は当然のことだと思います。自分たちの考えているスケジュール感に基づいていろんなシミュレーションをやるんだろうというふうに思います。
○田村智子君 じゃ、そのシミュレーションとして最も早い時期が平成三十年四月だということを知っていた、よろしいですね、それで。
国務大臣山本幸三君) 私どもがそれを知っていたということではありません。
 私どもは、申し上げたのは、平成三十年の四月というのはパブリックコメントのときに初めて出てくる数字でありまして、そのときにそれぞれの自治体が知ったということだろうと思います。
 ただ、その以前に、できるだけ早期に実現ということは常々言っているわけであります。これは、もう国家戦略特区の特性上、スピーディーに岩盤規制を改革するということでありますので、そういうことを含めて、今治市においてそれなりのシミュレーションはやるんだろうと思います。こんなことはどこでもやることだと私は思います。
○田村智子君 情報開示請求で出てきているんですよ、内閣府に提供した今治市の、場合であったとしてもシミュレーションであったとしても、平成三十年四月開学って。だから、シミュレーションであったって、最も早いのが平成三十年四月だと内閣府が共有していないなんという、こんなことあり得ないじゃないですか。この資料を受け取っているんでしょう。違うんですか。答えられないの。
○政府参考人(佐々木基君) 事実を申し上げますと、この頃、別に今治に限らないんですけれども、各特区に対しまして、いろいろな規制緩和をお考えになっていらっしゃいますので、そのスケジュールについて事務的に担当者の方から、どういうスケジュールかということでシミュレーションして出していただくということをやったようでございます。
 したがいまして、先ほど申しましたように、担当者レベルでは、あくまでも一つのシミュレーションということで、こういうことを今治市が出してきたという担当者レベルの認識はあったかもしれませんけれども、少なくとも私どもは、今治市についてその開学の時期について承知しているということはございませんでした。
○田村智子君 もう全然むちゃくちゃな答弁ですよ。むちゃくちゃですよ。これ知っているから、五月十日のときには局長は、それを資料にして平成三十年四月と、これが正直な答弁じゃありませんか。
 じゃ、次に聞きますよ。
 先ほど櫻井議員の質問のところで、今治市とこれ何度も会っていると、これまた情報開示で出てきていて、新聞でももう十二回会っているということが報道されていて、さらに櫻井議員は、精査したところ、そのうち十一回は確実に獣医学部の新設についての協議だろうということだと。その最後が十一月八日で、先ほど櫻井議員は、そのときに、翌日十一月九日、獣医学部新設の決定をする諮問会議の資料を今治市に渡しているということを今治市が、まさに出張の提出資料ですね、そこに添付されていたものとして追及されました。
 今治市に渡していたんですか、翌日の諮問会議の資料を。
○政府参考人(佐々木基君) これは、全く不適切なことであったと思っております。(発言する者あり)全く不適切なことであったと思っております。
 前日に今治市が来たので、どうも担当者の方が、実は、今治市の者があした諮問会議があるんですねということで、担当者の方で渡してしまったということのようでございまして、これは全く不適切だと思っております。これは私どもとしては反省しなければいけないことだと思っております。
○田村智子君 それを渡すぐらいですから、事前に協議していないなんということはあり得ないじゃないですか。何の答弁ですか、これまでの議論は。これ、ゼロからやり直さなきゃ駄目ですよ、答弁。
 もう一点確認します。
 前回、私は、獣医学部新設の事業者公募が広島県今治市特区でしか行われなかったのはなぜなのかという質問をいたしました。山本大臣は、京都府よりも今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いと最終的に私が判断したというふうに答弁されました。
 しかし、今治市は事業者が明らかじゃないんですよ。二〇一四年、新潟市が提案したときも、新潟市は大学名を挙げていました。京都府の提案は、当然、京都産業大学との言わば共同の提案になっています。しかし、今治市は事業者について何も説明していません。事業者が分からないのに、どうして早期実現性が優れていると大臣は判断されたんですか。
国務大臣山本幸三君) 本年一月四日の事業者公募の手続に入る前の年末年始の段階で、今治市の提案の中に、専任教員の数、あるいは地元との連携、教育内容の各点について、事業の早期実現性という観点から京都府の提案よりも今治市の提案の方が熟度が高いと判断して、今治市において構成員公募を行うことといたしました。
 具体的には、専任教員の確保については、今治市は専任教員を七十名確保するとしており、その確保先についても、海外製薬企業、中央官庁のほか国際機関での経験者、あるいは国際協力機構を含めて途上国経験を持った人材等が示されており、教員の確保の道筋が立っていると言えます。
 地元との連携については、水際対策について、今治市は、四国知事会等が要望するなど広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしております。他方で、京都府等は、獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど不十分と評価せざるを得なかったということであります。また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要があることから、京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置付けた上で、卒業生を地元の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしているところであります。
 京都府等はライフサイエンス研究を提案しておりますが、水際対策に関する部分が薄いと。他方、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など、地元固有の資源に着目した、より具体的な内容になっていると評価できるところであります。
 このように、今治市の提案は事業の早期実現が見込まれると判断したものであります。
○田村智子君 前回と同じ答弁ですので、それはもう内閣府が作った答弁書そのものだということで、言い間違いじゃないということなんですよ。
 じゃ、もうちょっと具体的にお聞きしましょう。
 私が聞いているのは、事業者が明らかじゃないのに何で分かるのかという問題です。とりわけ、冒頭に挙げられた専任教員の確保の面で、京都府等と比べて優れておりました、専任教員の確保というのは事業者である学校法人が行うものですよ。今治市は専任教員の確保なんかできないですよ、公立大学つくるわけじゃないんだから。
 何で専任教員の確保が今治市はできると。京都は十一人とか数挙げていますよ。なぜ今治市は事業者が分かっていないのに専任教員の確保ができると、そう判断されたんですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市は、これまでの八年間という長きにわたる構造改革特区を用いて提案を行ってきた蓄積がある中で、様々な検討が深まり、熟度が高まることにより事業の早期実現性が見込まれると判断したものであります。
 専任教員につきましても確保の道筋が立っているということで、すぐにでも開学が可能であり、かつその人数が多いほど、様々な選択科目の設定により一定以上の教育の質が担保されるというようなこと、先ほど申し上げましたように、地元の連携やカリキュラムの面等で早期実現性が評価できるとしたものであります。
○田村智子君 今の答弁だと、構造改革特区の提案があるから分かったんだと言われますが、構造改革特区の提案見てみますと、加計学園は、二〇〇七年から二〇〇九年までは五回共同提案していますけれども、それ以降十一回の提案では、加計学園は消えています。しかも、最後の二〇一一年十二月以降、第二十一次提案以降は大学に関する記述はほとんどありません。専任教員のことなんか書いてあるわけがないんですよ。
 どうして専任教員の確保が京都より優れていると、何の資料を基にして判断されたんですか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 今治市の資料において、その提案の資料の中でそのように書かれているわけであります。
○田村智子君 いつの資料にどう書いてあるんですか。事業者が決まっていないんですよ。今治市が確保できるわけがないじゃないですか。
国務大臣山本幸三君) これは、二十七年六月五日のワーキンググループで今治市が提案しているところでありまして、コアカリキュラムの実施、必要な教員七十二名程度を確保ということで書かれているわけであります。
○田村智子君 それは答えになっていないですよ。こういうふうに確保したいという提案書かもしれないですよ。だけど、市が確保することはあり得ないでしょう。あり得ないでしょう、市が確保することは。
 どうして専任教員が確保できると判断されたのか。
国務大臣山本幸三君) それは、今治市がそういうふうにしっかり確保できるということであります。
○田村智子君 あなたが判断したと言っているでしょう。山本大臣が判断したんですよ、京都と比べて。京都は十一人と書いてあります。獣医師十一人確保していると。それから、ほかのいろんな学部もあるし、獣医学部に相当近い学部もつくってきていると。事業者がはっきりしているから、当然どういう教員を確保しているかは極めて具体的です。
 今治市がより具体的だと、早期実現性があるとあなたが判断したのはどういう資料を基にしているのか。
国務大臣山本幸三君) これは、従来の構造改革特区からのそういう今治市の資料と、そしてこのワーキンググループ等に提出された資料に基づいて判断しているわけであります。
○田村智子君 ちょっと、委員長、これ、ちゃんと調べていただきたいんです。
 それじゃ、構造改革の提案、調べてくださいよ。一旦ちょっと議事止めていただかないと。お答えになっていないですもの。分かりますよね。事業者でなければ、こんなことはできないんですよ。加計学園から聞いたなら聞いたと言えばいいじゃないですか。それ以外に答弁あり得ないんですよ。どうなんですか。答えられないんだったら、ちょっと一旦休憩していただきたい。
○委員長(難波奨二君) 山本大臣、お答えください。
国務大臣山本幸三君) 繰り返しになりますが、今治市のワーキンググループに対する提案でそのように書かれているわけでありまして、それを基に私どもは判断しているわけであります。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、特区で判断する場合に、自治体からそういう提案があって、その中身について判断して、最終的には事業者は公募で決まっていくわけであります。その際に、その自治体、つまり今治市からはそういう必要な教員も確保しているというように聞いているわけでありまして、その点も含めて、ほかの点も含めて早期実現性の可能性があると判断したわけであります。
○田村智子君 本当にむちゃくちゃな答弁なんですけど。じゃ、今治市が確保していると説明されたんだとしたら、一体どこで説明したんですか。私が見ているヒアリングでは、ないですよ、確保しているという説明は。
 しかも、確保しているという説明が、じゃ何回もやられた協議の中で出てきたとしましょうや。それだったら、どの事業者が確保しているんですかと聞くのが普通じゃないんですか、違うんですか。
国務大臣山本幸三君) 確保しているというのは、先ほど申し上げたように、ワーキンググループに対する資料できちっと出ております。それから、ワーキンググループ等の議論等については、それはそれぞれの専門家は聞いているわけでありまして、そこのところは議事要旨等で明らかになっていると思います。
○田村智子君 じゃ、その説明は、今治市がもう確保したということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市が確保していると、確保できるというように説明しているわけであります。
○田村智子君 あり得ないですよね。あり得ないでしょう。公立大学つくる計画だったんですか。今治市が確保しているってあり得ないでしょう。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、そういう提案を実際に聞くのは、自治体からそういう事業について提案を聞いてくるわけでありまして、その自治体がそういうふうに確保していると言っているわけであります。
○田村智子君 そんなのでどうして実現性があると分かるんですか。おかしいでしょう。今治市が私立大学の教員を確保しているんですか、それじゃ。そういう説明があったということですか。
 担当者、どうなの、そういう説明があったの。今治市がこれこれこういう人を確保していますと、そういう説明があったんですか。藤原審議官、どうなんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 大臣がおっしゃっておりますけれども、今治市を一義的に私どもヒアリング対象にしておりまして、今治市が事業者候補の方々と様々な御議論をされて、今治市の責任でお答えを、あるいは資料を作られたというふうに考えております。
○田村智子君 そうしたら、具体的な、早期実現性なんですから、その候補がどこでどういう人確保するのかということを聞いていたということで、藤原さん、よろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) その時点でどちらの事業者かということは、当然のことながらまだ法的なプロセスはございませんけれども、今治市の方で様々な議論を様々な事業者とされていたというふうに考えております。
○田村智子君 これ、もう破綻しています。こんなので実現性なんと言ったら、ばかにされますよ。一方は、京都産業大学が事業者として分かっている、どういう教員を確保できるかも分かっている、にもかかわらず、早期実現性は今治市がある、どういう判断しているんだということになりますよ。とんでもないことになってきましたね、本当に。
 私、ちょっともう一問お聞きしたいんですけど、これ、私、つまり、もう平成三十年四月開学をゴールとして、もう加計学園ありきで具体的な構想を今治市と何度も協議していた、その情報が内閣府の中でごちゃ混ぜになっちゃって、大臣の答弁作るときに思わず教員の確保まで書いちゃったんじゃないのかと、そういうふうに言わざるを得ないんですよ。
 土地の確保までならまだ分かりますよ。教員の確保まで書いた。それは、もう何度も協議しているものだから、本来、一月四日以降、事業者公募して以降でしか分かりようのないはずの教員確保のことを、具体的な、早期実現性の根拠として挙げるような答弁書内閣府が作ったということ、それ以外私、説明付かないと思うんですけれども、もう加計学園ありきで協議していたということでしょう。そうでなきゃ説明付かないですよ。
○政府参考人(佐々木基君) これは、今治市のワーキンググループのヒアリングを御覧いただくと、そこで今治市から聞いているわけです。そのときに添付している資料の中で必要な教員七十二名程度確保ということをはっきり書いているわけでございまして、我々は今治市からヒアリングを受け、ワーキンググループでヒアリングをさせていただいたときに、そういうことで今治市として責任を持って出していただいている資料を私どもが受け取っていると、こういうことでございます。
○田村智子君 もう、本当に、今治市は確保できないんです、何度も言いますけれども、当たり前のことですけれども。そんなので早期の実現性なんということを判断したなんて、あり得ない答弁だと、虚偽の答弁しているというふうに言わざるを得ません。
 山本大臣、私、もう一点お聞きしたいんです。
 大臣は、加計理事長と九月七日に昨年会ったと、この報道があったときに、加計学園の理事長と大臣も友人だというふうに報道がされています。だけど、どういう友人かというのはいろいろ探してみても出てこないんですね。山本大臣、加計理事長と御自身はどういう御関係なんですか。
国務大臣山本幸三君) 全く友人でもありません。交友関係は全くありません。昨年九月七日に私への面会の要望があり、そこでお会いしたのが初めてであります。
○田村智子君 前に聞いたときには、友人だから知っていたんじゃないですかと聞いたとき、うなずいていらしたから友人かと思ったんですけど、じゃ、その報道が間違っていると。分かりました。じゃ、それはそこでいいとします。
 しかし、私、これ安倍総理の本当に進退に関わる疑惑なんですけれども、これ、山本大臣自身も、ここまで私の判断、私の判断と言い続けたわけですよ。
 私がこれまで明らかにしてきた問題は、一つには十一月九日の決定が、どうやって閣議決定である獣医学部新設の四要件、これをクリアしたのか。文科省農水省獣医学部新設を認めるという結論は出していないのに、なぜ十一月九日の諮問会議の決定が出たのか。
 これ、どんどん詰めていくと、山本大臣は私が判断をしたというふうにお答えをされる。平成三十年四月開学、これどうして入ったんだと聞くと、これも私が判断をしたと、こう言われる。また、今の、今治市が教員の確保なんかできるはずがないのに、教員確保の面で比べてより具体性があった、京都よりも具体性があるんだと、早期実現性があるんだと私が判断して広島県今治市特区だけでの公募にしたと。
 そうなると、これはもう山本大臣御自身も、政治を本当にゆがめる、そういうやり方の先頭に立っていると、こう言わざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 全くそんなことはありません。ルールに従ってやっております。文科省農水省とはきちっと調整をしているわけであります。
 私の考えは、とにかく岩盤規制は突破しなきゃいけない、規制改革をスピーディーにやらなきゃいけないというのが私の信念であります。したがって、それに基づいてやっているわけでありまして、その際に事務方を含めていろんな議論をやります。そこで、我々は現時点において、まさに価格が高止まりしている、そういうこともある、それから新規、先端ライフサイエンス等の需要もあるというようなことをるる説明して、そこで文科省とやり合うわけでありますが、そうした議論を含めて、ワーキンググループ等の有識者ともそういう議論をしていくわけであります。
 その中で、最終的に、もしそれが、その規制改革が難しいということであれば、まさに規制やっている所管省庁においてその難しいという正当な理由を適切に述べなければいけないというのは特区の基本方針で、これは閣議決定で決まっているわけですから、守らなきゃいけない話です。それをやらなかったわけですから、もうある意味でいえば議論をすれば我々は勝ったということですよ。そういう意味で、文科省はそういうことをしなかったということでありまして、私どもは、それは四条件は満たされるということを認めたということだということで、最終的に、その文案については、私が判断してこれでいこうというふうに決めたわけであります。
○田村智子君 これ、もう今治市から出てきている資料で、皆さんの答弁に数々の虚偽があるということがもはや明らかになりました。
 ここで質疑を終わらせるわけには絶対にいきませんし、今日せっかく来ていただいたのに農業支援のところの質問に入ることができなかったので、次回、この法案については引き続き質問をしたいというふうに思いますので、委員長、是非次回も十分な時間を取った審議ができるよう理事会で協議をいただきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 終わります。

平成29年6月13日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 民進党新緑風会の櫻井でございます。
 ちょっと通告している質問の前に、先ほどの大臣の矢田議員に対する答弁で気になった点がございましたので、大臣のこれ御答弁ですから、地元の水産資源云々という話がありました。水産の管理は水産学部であって獣医学部ではないと思いますが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) もうその辺の詳しいことは私も十分に知っているわけではありませんけれども、提案書等の中では、そうした水産、魚、水産関係のことの品質調査、あるいは、それから、そういう産業のことに関して獣医学としてできるところがあるんじゃないかと、そういうことが書かれていることで、そういう答弁をいたしました。
○櫻井充君 済みませんが、今の専門家でないかのような御発言でしたが、今までずっと、私が決断してきた、私が決断してきたと言ってきているんですよ。専門家でない方が決断したということ自体は私は大きな問題だと思いますけどね。大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 先ほどの水産関係ですけれども、養殖漁業においては、感染症をいかにコントロールするか、耐性菌等の環境汚染をいかに減らすかが課題であります。こうした課題は、長らく畜産業が試行錯誤を繰り返し、様々な知見を蓄積してきたところであり、獣医師が持つ漁業や寄生虫、毒性、食品衛生等の高度な専門知識とノウハウの応用が期待されているところであります。
 なお、日本では水産学部があるため、この分野の獣医師の志望者は少ないわけでありますが、欧米では獣医師が中心となって養殖漁業に貢献していると承知しております。
 世界の水産業は今後管理された水産業へと変化していくことが予想され、日本でも、食の安全面も考慮しながら、養殖漁業に取り組む獣医師を育てていく必要があるということであります。
○櫻井充君 それでは、加計学園のカリキュラムの中に、その水産資源のところについてのカリキュラムは入っているんですか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) ちょっとカリキュラムは今調べますけれども、その今治市の提案資料の中では、例えば、世界三大漁場の一つ、カナダのニューファンドランド沖に近いプリンスエドワード島大学アトランティック獣医学部では、ロブスターなどの品種改良等、水産業のために種々の研究を行い、養殖漁業に貢献していると、世界の水産業が今後管理された水産業へと変化していくのは必須であるから、日本でも、漁場に近接する獣医学科、獣医学部では食の安全面でも考慮しながら養殖漁業に取り組む獣医師を育てていく必要があると書いておりまして、ちょっとカリキュラムについては今調べさせていただきます。
○櫻井充君 答弁になっていません。ここは本当に大事なポイントなんですよ。そこまで言うのであればちゃんとカリキュラムがないと。
 済みませんが、ちゃんとした答弁をしてください。カリキュラムが分かっていないのに、時間稼ぎに答弁しないでくださいよ。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 獣医学教育モデル・コア・カリキュラムではカバーできない畜産系・水産系科目、生産農学概論、飼料作物学等を選択科目として配置すると、そういうふうに書かれております。
○櫻井充君 選択科目としてあるのであれば、どなたかきちんとした教授陣が必要になりますが、こういうことについてきちんと実績のある教授陣はいるんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 教授の名前等については、これは文科省の審議会の、審議中でありまして、そういうことについては公開できないというように聞いております。
○櫻井充君 義家副大臣にお願いがございます。今のことをきちんとやれる方がいらっしゃるかどうか、設置審できちんと調査していただけますね。
副大臣義家弘介君) 今現在設置審にかかっておりますが、同審議会において教育課程や教員組織、施設設備、財務状況などが学校教育法及び学校設置基準等の法令に適応しているかについて、学問的、専門的な観点から審査を行うこととなっておりますので、八月に審査結果が答申されることになっており、これを踏まえて八月末に文部科学大臣の認可の判断を行うという流れになっております。
○櫻井充君 一般的なことは何回もお伺いしております。そういうことではありません。これが加計学園の売りの一つなんだそうですから、そうであれば、このことに対応できるようなカリキュラム、そして教授陣が必要かと思います。この点についてきちんと設置審でちゃんと諮っていただけますね。
副大臣義家弘介君) 学問的、専門的な観点からしっかりと審査が行われるものと認識しております。
○櫻井充君 先ほどカナダの例を挙げられましたが、それでは、瀬戸内海でこういうことが必要だと、こういう事例があったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) その具体的な事例等には承知しておりませんが、そういう愛媛県なり四国なりで水産関係の方々との話をした中でそういう必要性もあるというように認識したというふうに聞いております。
○櫻井充君 具体的事例がなくて、なぜ必要なんですか。
国務大臣山本幸三君) これは、その提案資料の中にもありますけれども、養殖漁業における基本的な課題は緻密飼育の問題であると。つまり、感染症をいかにコントロールするか、耐性菌等の環境汚染をいかに減らすかであり、食の安全に直結する問題であるが、現状では養殖漁業現場における獣医師の活躍はほとんど見られず、生産業者の判断に委ねられているのが実態であると。そうした課題は、長らく畜産業が試行錯誤を繰り返し、様々な成長を蓄積してきたものであり、獣医師が持つ魚病や寄生虫、毒性、食品衛生等の高度な専門知識とノウハウの応用が期待されていると。
 我が国は、歴史的経緯もあって水産業と畜産業が分離しており、これらの共通課題に関与する獣医師の連携もほとんどないが、新しい大学においては双方の分野をカバーする教育研究体制を敷くことにより領域横断的な獣医師の養成が可能となり、地域経済への貢献が期待されるとされておりまして、そういうことから、こうした分野の対応も必要だということだと思います。
○櫻井充君 済みませんが、それは、申し込んでいる方々がこういうことですと話をしていることは丸のみですか、全て丸のみですか。
 先ほどおっしゃったじゃないですか、大臣は、一つ一つ判断していかなきゃいけないんだと。この事例が必要なのかどうかは客観的事実に基づいて私は判断すべきだと思いますね。そんなこともできないんだったら大臣失格ですよ、はっきり言っておきますが。
 改めてお伺いします。これまでこのような問題は瀬戸内海で起こっているんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 四国の海面養殖漁業生産量は全国の約三分の一を占め、中でも愛媛県は全国第一の養殖水産県でありますが、数年前、愛媛県内で寄生虫クドアに起因すると見られる大規模食中毒が発生し、ヒラメ養殖業者は廃業に追い込まれるなど大打撃を受けたと。
 世界的な養殖漁業ニーズの高まりと四国の地域特性を考えたとき、養殖魚の安全性確保と高品質化は喫緊の課題であるというように承知しております。
○櫻井充君 それでは、そういう問題が起こったときに対応に当たった人は誰ですか。
国務大臣山本幸三君) そのときの事情については承知しておりません。
○櫻井充君 そこに獣医師が関与していましたか。獣医師が関与していたんですか。鳥インフルエンザとかそういったものについては獣医師関与していますよ。だけど、この手のものに獣医師が関与しているんですか、本当に。
国務大臣山本幸三君) その点については私は承知しておりませんが、今後、そういう場合に、今までは日本の場合は水産業と獣医学が分離しているんだけれども、そういう共通のものが上がってくると、こういう事例はその一つであろうということで、新しい分野だというふうに認識しております。
○櫻井充君 済みません、資料請求しておきたいと思いますが、このときに一体誰がこの対策に当たってきたのか、それから、今のお話ですと、獣医学部の中で水産資源のことをやっていらっしゃる方がいらっしゃるのかどうか、その点について資料請求しておきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 これ、もしやっている人たちがいないとなると、教授陣にもうその人がいないということになるんですよ。研究者もいなくて、言うだけ言って、それを全部丸のみしてくるというのは本当におかしな話だと思います。
 私は、この間、勉強不足でしたが、豚の話が出ましたが、豚の話を最初に中心的に話をしていたのは実は京都産業大学でした。ですから、京都産業大学でこういう案があって、これがいいなと思ったので多分おっしゃっているんだと思いますが、そういうふうに、最初から通そうと思っているところは非常に良心的にやってきてくださるわけですよね。
 さて、この間、質問させていただいたときに、今治市の方には獣医学部の新設についてのスケジュール表を出してくださいと、共有化したいと言ってメールが送られてきています。これは、ちゃんと今治市の情報公開で出ているし、そのスケジュール表もありますからね。
 それでは、京都府に対して、獣医学部の新設についてこの手のスケジュール表を出させたことはありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の二十八年八月三日に内閣府から今治市に行いました依頼は、京都府京都産業大学にも行われたのかという点でございますけれども、スケジュール表の作成につきまして当時の担当者に確認したところ、昨年八月頃、担当者同士の情報共有のため、十特区全ての担当者に、これは北九州市の例を参考として、今後各区域で取り上げる可能性のある全ての項目について前広にまとめるように依頼をしたということでございました。これは、担当者レベルの職員が特区自治体の職員との間で常日頃から十分な意思疎通を図ることができるよう特区自治体の方々に協力をお願いしたものと聞いております。広島県今治市だけでなく、京都府に対しても作業依頼が行われております。
 なお、いずれの特区につきましても、この作業依頼は特区自治体において取りまとめを依頼しておりまして、事業者である京都産業大学には直接作業依頼は行っていないということでございました。
○櫻井充君 これ、京都府は作成していないと言っていました。多分、これ、済みません、まだ確実ではないんですが、そういう記憶がないやに、地元の衆議院議員にお願いして尋ねたところ、そういう回答でございました。
 ですが、多分ほかの事業についてはきっと、そういう経過というんでしょうか、タイムスケジュールが出てきているはずなんですよ。ですから、多分ですよ、タイムスケジュールが出ているものについてはそのスケジュールどおりやっていきましょうと、そうでないものについてはやはり最初から除外されてきているんじゃないのかなと。ここから見てくると、やはり加計学園ありきでずっと進んできたんじゃないのかなと、私はそう思いますけれどもね。
 それでは、この間、まず、その前にこっちから行こうかな、今日は。いろいろあるんですが、平成二十七年の十二月三日から十二月四日にかけて、今治市の職員が内閣府を訪れてきております。このときにどういう議論がなされましたか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 平成二十七年十二月三日ということでございますけれども、二十七年十一月から十二月上旬にかけて、これ十一月二十七日の特区諮問会議で第三次の特区指定に向けて選定基準が示されたということもございまして、様々な自治体と事務的な打合せを行っていたところでございます。御指摘の二十七年十二月三日かどうかははっきりしないわけでございますけれども、当時の担当者に確認をしたところ、特区指定に強い熱意を持つ今治市が、何としても特区指定を勝ち取りたいという強い思いで、十一月二十七日の諮問会議で示された選定基準への適合性を改めて内閣府に説明するため来訪されたものと聞いております。ただ、詳細な日時、場所、出席者、打合せ内容については記録がなく、定かではございません。
○櫻井充君 済みませんが、今治市の方では、ちゃんと情報公開請求して、いついついついつ会っていますと、これは出してきてくれていますよ。文書管理よっぽどきちんとしているし、そして稟議書も全部あるし、そして情報公開請求すればちゃんと出てくるんですよ。今治市の方がよっぽど民主的ですよね。
 それでは、この日になぜ成田市の国家戦略特区の医学部新設のスケジュール表を渡しているんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) 済みません。ちょっとその、私どもの方からそういった成田のスケジュール等についてお渡ししたという事実については確認が取れておりません。
○櫻井充君 これは非常に大事な点なんですよ。なぜかというと、八代議員が、成田でこうやってうまくいったから今度は岩盤規制はこれで突破するんだと、そういうことを実はワーキングチームで、どっちだったかな、ワーキングチームだったかそれとも諮問会議か忘れましたが、そこで発言されているんですよ。今治市で勝手にこうやって成田市の国家戦略特区の医学部新設スケジュールなんて書けるはずがないので、内閣府から当然提供されてきているわけですよね、こういうスケジュールでいきましょうと。
 改めてお伺いしますが、このときに成田市の国家戦略特区による医学部新設のスケジュール表を渡していますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私どもの方から医学部新設のスケジュール、こういった資料を作成しお渡ししたということはございません。
○櫻井充君 じゃ、これは、今治市が持っているのは、勝手に今治市が作ったんですか。そうしたらこんな、今治市が成田の、済みませんけど、出張に行った際にこのスケジュール表を出す必要性がないんですよ。だって、元々自分たちで作ったんだったら、内閣府からもらった、提示されたものでなければそんな必要性がないのであって、ここにわざわざ添付されているというのは、これは内閣府からもらってきた資料に決まっているじゃないですか。ちゃんと調べてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 こちらの医学部の新設のスケジュール等につきまして、私どもから提案した、提出したという事実はございません。
○櫻井充君 それでは、これは勝手に今治市が自分たちで作ったんだと、それから内閣府に行ったときに自分たちが勝手に持っていった資料だと、そういうことでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今治市がこの資料をどのように扱っていらっしゃるかということについては承知をしておりません。
○櫻井充君 ここは、加計学園ありきでやるためにどうしているかというと、懇切丁寧に内閣府から僕は指導したんじゃないかと思っているんですよ、だからこういうようなスケジュールでやっていきましょうと。それなのでいろいろ、相当来ていますよね、十何回も来られていて、マスコミの報道どおりです。ただ、私が調べる中で、表で獣医学部の話合いについてというのは十一回です。ですから、これだけ多くの回数を重ねてきていること自体が非常に不自然でならないと、そう思います。
 それでは、四月の二日に首相官邸を訪れてきている、この事実は認めてくださいました。これ前回の質問の続きです。そこで誰と会ってどういう話をしたのでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 前回も今治市から聞いて御答弁をさせていただきましたけれども、今治市の方で、情報公開条例の趣旨にのっとって、相手方、内容についてはお答えできないということでございまして、私どもも今治市に確認できない状況でございます。
 私ども、したがいまして、このときにどういう内容で誰と会ったかということについては承知をしていない、こういう状況でございます。
○櫻井充君 済みません、通告しています。前回からの積み残しで、しかもちゃんと改めて通告しています。前回は、ここのところで行ったということは認めてくださっているんですから、そういう答弁はないんじゃないですか。
○政府参考人(佐々木基君) 大変恐縮でございますけれども、私どもとしてもなかなか確認するすべがございませんで、今のような御答弁をさせていただいた次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐々木基君) 済みません、改めて御答弁させていただきます。
 今治市の職員が官邸に行ったことにつきましては、今治市に確認したところ、先ほど申し上げましたとおり、今後の今治市の業務に支障が生ずるおそれがあるため、情報公開条例の趣旨にのっとり、相手方、内容についてはお答えできないということでございました。
 また、萩生田副長官から国会で御答弁がありましたけれども、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため確認できなかったということで国会で答弁をされております。
○櫻井充君 済みませんが、この間はちゃんと訪れたようですと、そう答弁されたじゃないですか。答弁違っていますよ。
○政府参考人(佐々木基君) この前御答弁申し上げましたとおり、これは情報公開請求、情報公開ということで、今治市については職員が……(発言する者あり)はい。官邸に行ったということについては、そういうことであったというふうに思っております。
○櫻井充君 済みませんが、今治市がどうだとかこうじゃないんですよ。ちゃんと内閣官房としてどうか、首相官邸の中でどうなっているのかということを聞いているんですよ。
 いいですか、この行程表にはちゃんと行ったと書いてあるんですよ。三時から四時半まで行ったと書いてあるんですよ。何でそれに対してちゃんと答えてくれないんですか。答えてくれないから、ますます怪しいとみんなで思うようになるんですよ。ちゃんと答えてくださいよ。これがおかしくないということを立証するのは、もう今やあなた方にあるんだ。ちゃんと答弁してくださいよ。
○政府参考人(佐々木基君) 官邸に行ったということにつきましては、私どもも全く否定はしていない、肯定しているわけでございます。
 先生の御質問の、誰に会ってどういう内容だったかということにつきましては、私どもは確認ができなかったと、できないということでございます。
○櫻井充君 誰に来ていただければそれはよく分かるんですか、じゃ。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほどのような経緯で、今治市のお話、それから萩生田副長官のお話もございますので、私どもとしては、現時点では、大変恐縮でございますが、なかなか確認はできないという状況でございます。
○櫻井充君 私はちゃんと答弁できる人をお願いしました。答弁できない人がそこに座っていいかげんなことを言われると困るんですよ。
 誰だったらちゃんと知っていて、誰だったらちゃんと答えられるんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 国会で萩生田副長官もしっかり答弁をされておりますので、結局それが全てではないかというふうに思っております。
○櫻井充君 情けないですね。
 今治市でちゃんとこうやって情報公開されて、一時間半も首相官邸にいるんですよ。一時間半の間何をしたかも明かせないと。だから、総理から何か言われたんでしょう。この時間帯、ちゃんと首相官邸に総理おられますからね。
 大体、違う話題に行ったらきっとほっとされるんだろうと思いますが、松野大臣だって、平成二十八年の九月六日に加計理事長及び豊田元理事が大臣就任の挨拶に来られました、その際には、就任の挨拶があったのみで、獣医学部新設に関する話はありませんでしたと答弁されていますが、まだこれはメディアによる報道でしかありません。
 確認させていただきたいと思いますが、このときに、実はプレゼン用の資料があって、その資料を持って話をされたというふうに報道されてきていますが、それは事実なんでしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 松野大臣からは、九月六日の加計学園との面会の際は、大臣就任の挨拶があったのみで、獣医学部新設に関する話はなかったと聞いており、その旨松野大臣から国会でも答弁されてきたとおりでございます。
 また、報道によると、加計学園側がそのような事実を否定して、抗議の文書が出ているというふうに承知をしております。
○櫻井充君 今、このプレゼン用の資料が本物なのかどうかの確認中ですが、こういうふうに、実際答弁されていることと中身がもしかしたら違っているかもしれないという話になってきたら、どこをどう我々は信用していったらいいんですか。
 そして、国会ってどういう場だと思われているんですか。国会の場できちんと答えられるのが、これは役人の務めではないんですか。そういう意味でもう一度申し上げておきますが、答えられない人に来てもらって、分かりませんと言われても困るんです。ちゃんと答えられる人に来ていただきたいと、そのことだけお願いしておきましょう。
 改めて申し上げますが、結局は答えられないんですよ、加計学園ありきでずっと動いてきているんですから。それを僕らが幾らこうやって示してきていても、なかなかお認めいただけないので。
 例えばこういうこともあるんですよ。これは今治市内閣府のやり取りですが、平成二十八年の九月十二日開催の国家戦略特区シンポジウム、九月十三日に内閣府打合せということで東京に出張しましたと。この際に、資料を今治市の方から提出して、こういうことが進んでいますと。ここの中に何て書いてあるかというと、獣医学部の新設を目指しますとか獣医学部の新設を要望中ですと、こういうふうに実は訂正されているんですよ。
 なぜかというと、私の伝え方が悪く、再度修正をお願いすることとなってしまい、申し訳ございませんと、これ、今治市の担当者の方に内閣府の誰々からですと、ここは黒塗りになっていますが、現在の表記ですと新設が決まったかのような表現に見えかねないので、新設を要望中とか新設を目指しますとかなどといった表現に修正をお願いいたしますということでございまして、もうこの時点で多分、こういう流れでやっていきますからねというのは決まっているわけですよ。今治市からしてみれば、内閣府主導でやってくれていて、こうやってもう決まっているので、本当に今までずっとやってきたけどなかなかうまくいかないものが進んでいったから、いや、これは良かったと思って正直に書こうとしたら、こうやって内閣府で修正してくださいと。
 こういうメールを送ったことは事実ですよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今、櫻井委員の方からお話ございました二十八年九月十二日、これは、特区シンポジウムに菅市長、今治市長が登壇されるに当たり、今治市職員も同行したものというふうに承知しています。
 また、十三日なんですが、市の職員の方々がやはり私どもの事務局に訪問されて、連絡調整の会議なんでございますが、この十三日ということであれば、特区指定の十地域十七自治体を一堂に会して全体の情報共有を図ることを目的とした特区の連絡会議というのを何か月に一度か開催しているんですが、そういった開催日でございました。今治市も指定自治体の一つとして出席をしております。
 大変申し訳ございませんが、それ以外のちょっと事実関係が私ども把握をしておりませんので、そのメール、委員御指摘のメール等々につきましての情報が今ない状況でございます。
○櫻井充君 正確に申し上げないとそうやって答弁していただけないということがよく分かりました。
 これは、送られている日付は二〇一六年の九月八日です。しかも、二十三時四十五分。差し迫っている中で送って、相当大事な案件だったので、これを変えてくださいということだったんだろうと、そう思います。
 まず、このメールが本物なのかどうかについて、後で資料をお渡ししますから、ちゃんと確認していただきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 今治市は、もう内閣府主導でやってきていて、それでもうできるものだというふうに思っているわけですよ。ですから、この間もお示ししましたが、結局ボーリング調査にしてみても何にしても、内閣府のスケジュール感に合わせてやっていかなければいけないということでずっと進んできているわけですよね。
 そして、また非常に不思議なんですが、これは、平成二十八年の十月の二十八日の金曜日に、一つ一つ確認しておきましょうか、午後四時から五時十分、これは医学部新設に関わる内閣府協議ということで今治市の方と内閣府で会っていますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 十月の二十八日、去年でございますけれども、内閣府と特区自治体、今治市、これ互いに連絡を取り合って緊密な連絡の調整に努めているところでございますけれども、この二十八日かどうかは分からないんですが、当時の担当に聞いたところ、今治市分科会、これが九月二十一日でございます。それから、第二回区域会議、九月三十日後の進捗状況について確認すべく、今治市から質問を受ける形で御説明を差し上げたということが確認されております。
○櫻井充君 済みませんが、これ報告書にもうこうやって期日書いてあるんですよ、今治市のやつは。ちゃんと確認してくださいよ、ちゃんと通告もしているんですから。こうやって会った回数、会ったことについて、誰と誰でどういう議論をしたのかということをちゃんと聞きますからと通告しているし、今治市からこうやって情報公開されているんだから、それだって持っていないはずがないでしょう。
 その上で、黒塗りになっちゃっているんですが、今後のスケジュール案と、多分ここでスケジュールが示されて、黒塗りなんです。それから、新設する獣医学部の概要、イメージということで主な論点などがずっとここで議論されて、それからここの別紙の中にこれ入ってきているんですが、「獣医師養成系大学・学部の新設について」ということで、今治商工会議所の方から一応文書が提示されて、あの森ゆうこ議員が指摘していたMARSというスペルの間違った資料が出てきていたということです。
 この資料の後に、なぜか不思議なんですが、なぜか不思議なんですが、自民党の獣医師問題の議員連盟の会長、幹事長、事務局長の名前が出ていて、それから日本獣医師会の会長、顧問の名前が出て、それから日本獣医師政治連盟の委員長の名前が出てきていると。こんなもの、今治市でこんなことやるはずがないので、恐らく内閣府から提示したんじゃないかと思いますが、何でこういう名簿を出されたんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 こちらの添付資料でございます、内閣府として、昨年十月二十八日の出張報告に添付した資料、この中に、これ、既に公表している成田の関係の告示とかいろいろございますけれども、私ども少なくとも内閣府として提出したものではないというふうに認識しております。
○櫻井充君 ちゃんと覚えているんですよね。内閣府の告示もちゃんとここで渡しているんですよ。何でこの獣医学部の新設に、成田のこうやって医学部の新設のところ、内閣府の告示をこうやって提示しなきゃいけないんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げますけれども、いずれにしましても、十月二十八日にこういった会合があるかどうかは私どもまだ確認できておりません。また、繰り返しになりますが、出張報告に添付されている資料ということでございますけれども、この資料の内容がいかなるものかは私ども内閣府として承知をしておりません。
○櫻井充君 今、自分でちょっと言ったじゃないですか。内閣府の告示についてはと言ったでしょう。だから、どうしてこれをこうやって添付したんですかと聞いているんですよ。自分で言ったことじゃないですか、藤原さん。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 明らかに公表している資料もあるということで例示として申し上げましたけれども、この資料がどういう形で扱われているのか、今治市の方で御開示されたのかということにつきましては私ども承知をしておりません。
○櫻井充君 それでは、承知していないということは内閣府で提示していないということですね。それでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) 添付した資料につきまして、私ども内閣府から少なくとも提出したものではないと認識しております。
○櫻井充君 それは、認識という言葉ちょっとよく分からないので確認しておきたいと思いますが、それは絶対に否定形なんですね。これはないということでよろしいんですね。ないということなのか、それとも現時点で分からないということなのか、それについて御答弁ください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私どもとしてはないと認識しておるんですが、この会議自体、もう指定自治体でございますので、通常この市の職員との関係は担当者の方でずっと議論が続けられております。当時の担当者含めて外部のもう組織に移転している者もおりまして、その辺りの確認もまだ完全には把握していない状況でございますので、私どもとしては今認識をしておりますけれども、そういった事実はないというふうに考えております。
○櫻井充君 確認していないならちゃんと確認してください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 どういったメンバーでどういった議論をしていたか、私もこの会議には恐らく参加できていなかったと思いますので、確認をさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 済みませんが、ちゃんと通告しているんですよ。通告しているものについて答えていただかないと時間だけどんどんどんどん過ぎていくんですがね。
 ここのところに、本当に不自然なんですよ、何でこうやって、こうやって国際医療福祉大学の件が乗っかってくるんでしょうか。結局のところは、こういうふうになぞらえてやっていけば獣医学部はちゃんと新設できますからねということを伝えたかっただけの話じゃないんですか。
 元々、もう、先ほど申し上げたとおり、相当早くに成田のスケジュールを提示しているんです。平成二十七年の十二月三日ですよ。この時点から成田のスケジュールを出して、こういう方向でやっていきますと。そして、しかも、これだけ何回も何回も御丁寧に獣医学部のことについて議論をしていくということなんですよ。では、そうだとすると、そうだとすると、やはり加計学園ありきでずうっと動いてきたんじゃないだろうかと、そう思うのは私は至極当然のことだと思います。
 しかも、最後、十一月の八日、これは九日に決まる前ですけれども、そのときにも、二時四十五分から三時十分の間で今治市の職員と内閣府で会っていますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 これも当時の担当者へ確認したんですが、昨年十一月八日の内閣府今治市の打合せにつきまして、担当者同士で獣医学部も含む特区の最近の動きについて意見交換をしたと、ただ、大変短時間で終わったということを報告を受けております。
○櫻井充君 短時間で終わるんですよ。なぜかというと、十一月九日の議事次第が全部配られているんですから。十一月九日の議事次第が前日にもう渡されているんですよ。そして、ここの中に、配付資料がこういうものですとか、それから、追加項目の案についてこういうふうな案で、結局のところは獣医学部のところを認めていきましょうとか、それから、これは民間委員の名前が五人書かれていますが、そこの民間委員の中の、規制改革事項などについてということで、追加規制改革事項の中に獣医学部の新設と、こういうのも書いてあって、だから、これが、あしたこうですからと多分提示されたんだと思うんですよ。で、喜んで今治に帰られたということだと思うんですね。
 こういうことまでちゃんと、ずうっと手取り足取り、まずこうやってスケジュール表を作ってくださいから始まって、成田はこうやって行ったから、このとおりにやるんですと。最後は、ここのところで、はい、こういうふうに決まりましたから御心配なくと。加計学園ありきでやってきたと言われても仕方ないと思いますがね。大臣、いかがですか。大臣。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、そうした特区ワーキンググループ、分科会、そして区域会議、そして諮問会議ということで正式に決めていくわけであります。その際に、今治市の案件が従来からの長い間で一番先行的に行われてきたということは確かであります。そのことは承知しているところであります。
 ただ、加計学園ありきなんということは全くありません。それは、事前に私が申し上げましたように、最終的には公募で決まるということでありますから、そこでしか決まらないということを重々申し上げておりました。
○櫻井充君 外形的には、それはそういうふうにしなかったら大変な問題だから、外形的にはそうしてきていますよね。だけど、その前、そのときに、この間々でずうっといろんなことが調整が行われてきて、じゃ、加計学園のためにこうしましょうということが繰り返し繰り返し議論されているだけの話じゃないですか。
 今、そしてもう一つ、前々からずうっと言ってきたんだと、そういう話がありましたが、石破四条件の中のどこに当たるんですか、それが。
国務大臣山本幸三君) 石破四条件云々の話をしているわけじゃありません。ただ、国家戦略特区の前の特区のときからずっとそういう話があって、そして民主党政権のところで実現に向けて格上げというようなことがあって、そういう経緯がずっとあるわけであります。そういう意味では、今治市の提案についてが一番私どもとしては熟度が高いということについては先ほど申し上げたとおりであります。
○櫻井充君 済みませんが、獣医学部新設するかしないかは、これは我々の政権の時代の話を超えて、自民党政権下で石破大臣が、これは国家戦略特区の担当大臣のときに四条件決めたんじゃないですか。そうですよね、まずそこから確認しましょうか。
国務大臣山本幸三君) それは、日本再興戦略でそういうふうに決まったということであります。
○櫻井充君 ですから、このルールに従ってやるかどうかが大事なことであって、ですから私はお伺いしているんですよ。四条件があるんです。
 そうしたら、前々からこうやって構造改革特区で提案してきたというのは、この四条件の中のどの項目に当たるのか、教えてください。
国務大臣山本幸三君) 四条件の項目というわけではありません。四条件はほかのことが書かれているわけでありまして、それについてはきちんと検討し、クリアしているというふうに判断したわけであります。
○櫻井充君 四条件と関係ないことについて、これがさも理由かのようにおっしゃるのは、僕はおかしいと思いますよ、アンフェアだと思いますよ。
 だって、これは、四条件というのは、これは済みませんが、安倍政権で決めたことです。安倍政権で決めたことをちゃんと守らないで、そして自分たちで適当な理由を言い始め、そしてさっきは、本当にこれから起こり得るのかどうか分からないし、学部の新設ができるのかどうかも分からないような水産業の話を出してきたりとか、結局、こうやっていいかげんなことだけ言って、相手方から言われたものをきちんと調査するわけでもなくどんどんどんどん推し進めているということは、繰り返しになりますが、加計学園ありきでこうやってずうっとやってきたということになるんじゃないですか。
 今、僕は本当愕然としましたが、要するに四条件に関係ないんですよ。四条件に関係ないことが、熟度高いとか適当なことを今まで言ってきているわけですよ。おかしくないですか。
国務大臣山本幸三君) 四条件についてはクリアしているということで、そのことを詳しく説明するのであれば幾らでも申し上げます。同時に、そういう歴史的な経緯もあるということであります。
○櫻井充君 もう、済みませんが、やっても水掛け論なので、既存の大学それから学部で対応が困難だというものが本当に挙げられるかどうかというと、挙がらないんですよ。
 だって、なぜならば、先ほど大臣ちょっと御答弁されていましたが、獣医学部でも、日本でもやりかけているようなことをおっしゃっているということは、やっていないわけでも何でもないんですよ。
 それから、大変申し訳ありませんが、東大や北大を超える大学になるんですか。本当にそう思われていますか。世界的な研究を行って、大変申し訳ありませんが、だけど、東大や北大を超える大学になると大臣は本気で思っていらっしゃるんですか。
国務大臣山本幸三君) それは、この大学の努力次第だというふうに思います。
○櫻井充君 それでは、加計学園グループの例えば薬学部がございます。この薬学部の国家試験の合格率はどの程度か、大臣、御存じですか。
国務大臣山本幸三君) 私は承知しておりません。
○櫻井充君 大臣は、科学的に基づいて説明されようとはしないですよね。つまり、都合の悪いことは全部目を閉じる、見ないようにする。そして、何となく言われたイメージだけでこれをよく説明してくる。こんなことじゃ議論になりませんよ。
 そして、私は、こうやって質問させていただいているときに、進路指導の先生から電話が掛かってきまして、私は絶対にあの学園の系列には行かせないんだ、子供たちをと言っていました。それはなぜかというと、薬学部の合格率が低くて、仮に入ったとしても薬剤師さんになれるかどうかが分からないからだと。
 こういう大学つくって、困るのは子供たちですからね。学校はもうかるかもしれませんよ、しかも定数百六十で。定数百六十って、今までないですよ、どんなに大きな私立大学でも百二十ですからね。
 大臣、じゃ、ここのところにあるような、具体的な需要が明らかだと、具体的な需要は分からないとまで開き直られましたが、百六十の根拠を示していただけますか。具体的な数字をもって、加計学園から言われたとか、そういうことじゃなくて、百六十が必要な理由を言ってくださいよ。
国務大臣山本幸三君) この点は何度もお話し申し上げたように、数字的にはっきり幾らが必要で幾らが足りないかというような話は、それは誰もできません。需要曲線なり供給曲線というのを正確に描ける人はいません。なぜならば、価格と絡んだ、それで決まるわけですから。
 今、私は、従来から主張しているように、現状起こっていることは、その場合に、経済学で足りないかどうかということを判断する場合には価格を見ると。私から見れば、まさにペットの診断なんというのは価格が高止まりしている。そういう状況のときには、通常は新規参入が起こるんですよ、自然にほっておけば。だけど、獣医学部は規制しているわけですからそれが起こらない。その結果、本来であれば、新規参入が起こって供給が増えて、そして価格が下がってきて、だけど、一定以上は下がり切れないところで均衡するわけですよ、それ以上になれば生産者の方も生活ができなくなるという状況が起こってきますから。
 だから、経済学的に言えば、その均衡点に達するまで幾らでも増やしたらいいという議論になるわけであります。だけど、そこは、そういう意味での数字というのははっきり出せないんだけれども、その百六十名が云々については、これは教員の数とかあるいは施設とか、そういうところで設置審において判断するものだと思っております。
○櫻井充君 済みませんけど、今の話をお伺いしていると、結局のところは潰れるべき、要するにペットの病院が潰れてくればいいんだと、そうやって市場原理で淘汰されていけば、いずれ価格も下がっていくし、みんなハッピーになるんだと。潰れていくところの病院のことは何も関係なしに価格だけ下がっていけばいいと。
 それは、もう一度申し上げておきますが、この間も指摘しましたが、安倍政権ではデフレからの克服と言っているんですからね。こんな、全ての分野で市場原理が働いて価格が下がっていったら今の方向と全然違うことになりますからね。
 こういう、この程度の方が担当大臣で、担当大臣として判断されるなんということ自体、僕は本当におかしな話だと。ちゃんと物事をもう少し分かって、良識的な人が判断されるべきですよ。だから、石破大臣のときには設置認可なんかまで進まなかったんですよ。それが、済みませんが、大臣になってからとんとんとんとん進んでいくようになりましたからね。
 まあいいでしょう。ですが、ここのところで、はっきり言っておきますが、具体的需要なんというのは明らかにならないということは御自身で今おっしゃったんですから、数は分からないと、あとは神のみぞ知ると、この間もおっしゃっていましたが、そういう方が適当にもう四条件をクリアしていると言い放つこと自体、私はおかしな話だと思います。
 それから、ちょっと話題変わりますが、これ、時間がないので。文部科学省で再調査をしてくださることになっていますよね。これは、どういう理由で、そして今どういう方向で調査されているんでしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 現在、文部科学省では既に追加調査に着手しております。
 具体的には、これまで国会や報道等で指摘された点も踏まえながら、前回調査を行った国家戦略特区における獣医学部設置の担当である専門教育課の関係する共有ファイルや共有電子フォルダだけではなく、設置認可や国家戦略特区の窓口となる関係三課室の共有ファイル等まで調査範囲を拡大するとともに、ヒアリングの対象についても、前回の七人であったのに対して、今回は関係三課室の職員も対象とすることから増加し、またヒアリングも丁寧に実施することとしており、現在鋭意向き合っているところでございます。
 この追加調査の理由についてのお尋ねがありましたが、現在、設置審で静ひつな環境の中で専門的、学術的な議論が行われている真っ最中に様々な情報が次々に飛び出している中で、静ひつな環境での冷静な議論というものを一刻も早く取り戻さなければならない、そういう思いも含めながら追加調査を判断した次第でございます。
○櫻井充君 それだけですか。私は勇気ある職員の人たちのためにもやらなければいけないと思いますが、そこはないんですか。
副大臣義家弘介君) 単純に勇気あるとか勇気ないとかではなくて、様々な折衝の中で様々なやり取りがあったことは事実です。実際、そのやり取りに関わったのは、副大臣、そして大臣、さらには課長補佐級以上しか現実に関わっていないんですね。しかし、仄聞状況で、いろいろなものが次々に国会でもマスコミでも出ているという状況の中で、疑心暗鬼も広がっておりますし、何が本当のことで何が間違いなのかさえ、これ分からないような状況の中で行政の停滞を招いている部分も現実としてあるというふうに思っております。その意味で、追加調査をしっかりとして状況を明らかにするという判断をした次第でございます。
○櫻井充君 済みませんが、この調査は一体いつまで出る、いつまで出てくるんでしょうか。
副大臣義家弘介君) 現在行っているところですけれども、速やかに行って、結果を発表してまいりたいというふうに思います。
 また、様々な声がございますけれども、慎重には慎重を期して着実に、確実に行わなければいけない類いのものですので、途中で終わってしまうではなくて、しっかりとした調査の上で内容を明らかにしていきたいと思っております。
○櫻井充君 しかし、この資料が出てきてちゃんと国会で議論ができなかったら、資料提出されても、本当、まあ出したこと自体には価値があるかもしれないけれど、これはちゃんと国会で議論ができるまでに出してもらわないといけないんですよ。
 つまり、このままこの期間で国会が閉じるのかどうか分かりませんが、そうであるとすれば、あしたじゅうには出していただかなきゃいけないんですけどね。いかがですか。
副大臣義家弘介君) 現在調査中の中身についてはなかなか具体的に言えないのが現実ですけれども、進まない、進めています、進めていますけれども、完全に終わらないなかなか理由というのも中には存在しておりまして、それらのハードルをしっかり越えた上で速やかに報告させていただきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 結局のところは、きちんとした情報が正しく出てこないから、だからみんなでおかしいと思っているだけの話ですよ。そして、こういうことに時間を割かなきゃいけないということ自体、僕は非常に不幸なことだと思いますよ。
 私は、農水委員会に所属させていただいたのは、地域の農業や水産業が駄目になってあれだけの過疎地になっていって、初めて農水委員会に入って、本当は農業問題をやりたかったんだけど、だけど、結局こういう大きな問題があるんですよ。総理のお友達だけが優遇されて、しかも、この後、これ本当にできたら、また私学助成金がどんどんどんどん入っていくんでしょう。国民の皆さんの税金ですよ。やっぱりこういうことを早くに片付けて、本来、本来、我が国が抱えている問題をきちんと議論しなきゃいけないんですよ。
 そういう意味でも、一日も早く提示していただくということをお願い申し上げて、それから最後に、ちゃんと今日の資料要求については次回の委員会までに準備していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

平成29年6月8日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 昨日の赤旗新聞が報道いたしました今治市議の出張報告を資料でお配りいたしました。
 これ、我が党議員が提出を求めて市議会事務局から提供を受けたものですが、この訪問者のところを黒く塗っていますのは、我が党の市議が訪問したわけではありませんので、一応その訪問した市議四名の方のお名前は私の事務所の方で黒塗りにいたしました。
 出張日時は平成二十八年二月九日、出張先、内閣府地方創生推進室、目的、大学獣医学部の新設について、訪問先の応対者は推進室次長藤原豊とあります。
 概要、どんなやり取りがあったか。「大学獣医学部の新設に向けた今後の進め方について質疑応答を行った。」と。抜粋して読んでいます。「総務省の決算分析の資料において今治市の財政状況を指摘され、新設大学への財政支援による今後の財政悪化や、人口減少により学生が本当に集まるのか危惧されていた。」との記述がある。これは、内閣府の藤原さんがそういう危惧を示されたという記述だと思います。
 藤原審議官、昨年二月九日、こういう会合に出席をし、この報告にあるような意見を述べましたか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の面談の詳細な日時、場所については定かではないんでございますが、今治市の市議の方々が以前御訪問されまして、私、当時次長でございましたが、別途管理職審議官と二人で対応したことは覚えてございます。
 その上で、面談の日時が二月上旬ということでございますれば、今治市が国家戦略特区に指定されましたのが一月でございましたので、直後ということもございまして、まだ今治市の特区の区域会議等も立ち上がってございません。したがいまして、獣医学部新設についても何ら動きがなかったこともございまして、恐らくお問合せが、御質問があったんだと思いますが、慎重な対応をさせていただいたというふうに考えてございます。
 ただし、御指摘の、今後の財政悪化や人口減少により学生が本当に集まるか等のそういったやり取り、発言があったかどうか、これについては定かではございません。
○田村智子君 これ、一緒に写真も添付された報告書になっているんですね。お話あったとおり、三名の方が対応されていますので、当然メモを取っている方がいらっしゃるはずだというふうに思います。ですので、これもまた、どういうやり取りがあったのか、内閣府の資料としての提出を求めたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 これは当然、公費を使った出張だからこういう報告が出ているわけで、記憶にないということでしたけれども、事実認定ができる資料だというふうに思います。
 しかも、私、この対応が間違っているとも思いません。特区での規制緩和、これ失敗させるわけにはいかないわけですから、当然担当者が懸念事項を指摘することはあるでしょう。今治市は、実際に収入に占める借金の割合というのは、公債費の割合は県内二十市町の中でも最も高い水準なんですね。市有地の無償提供に加えて建設費として六十四億円を上限とした負担を行えば、これはどうなるんだという不安が市民からも出されている、当然のことだというふうに思います。
 それでは、藤原審議官、ワーキンググループや分科会、これはもう担当してずっと出席していらっしゃいますので、こういう財政負担の問題や果たして学生が集まるのかといった懸念の問題について検討は行われていますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 ワーキンググループにつきましては、これは獣医学部の新設という制度論が中心でございますので、そういった面につきましては、少なくとも中核的な議論にはなっていないというふうに思っております。
○田村智子君 今治市へのヒアリングでは、これ、聞いて当然だと思うんですけれども、全然議題にならなかったということですね。
○政府参考人(藤原豊君) 今治市へのヒアリングということであれば、二十七年の六月でございますか、そのときのちょっと手持ちの資料ございませんが、基本的には制度の問題についてワーキンググループの議員が提案者に対していろいろ御質問するというような内容になっているというふうに思っております。
○田村智子君 二十八年、二〇一六年の九月二十一日に今治市の分科会開かれているんですけれども、このときにも一切こういう財政の問題などは議題にもなっていないんですね。
 これ、どうやってクリアしたのかなという疑問が残るのと、当初、藤原さん、確かに慎重意見、だから、これから特区認定されるというときに慎重意見なんですよ。ところが、ずっと議事要旨を追っていきますと、やっぱり一転するのは九月からなんですね。九月から本当に一転してどんどん会議を開き、しかも積極的に審議官も前に進める議論をやり始めるわけですよ。例えば、九月十六日に改めて省庁ヒアリングやっているんですけれども、その前に行われた九月九日の諮問会議のことをわざわざ言っているんです。この諮問会議というのは、今後重点的に進めるべき規制改革について議論したもので、別に獣医学部の新設というのはほとんど議題になっていないんですが、八田さんでしたかね、が一言だけ、一言だけですよ、本当に、資料で配られたのも、何というか、例えばで獣医学部新設というのが書かれているのに、わざわざ九月九日の諮問会議の中で指摘し、わざわざ藤原審議官は九月十六日の省庁ヒアリングの中でそのことを挙げて、いよいよ議論を本格的に進めていかなければならないというふうになっていくわけですね。非常に積極的なんです。
 で、先ほどもお話のあった九月二十六日、藤原審議官が、総理の御意向とか官邸の最高レベルということで文科省に対してお話をされたということが文科省のメールにあって、そのことを現職の職員さんも認めたということですから、藤原審議官、こういうお話合いをしたということでよろしいですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のそういった文書につきましては内閣府としては承知しておりません。その上で申し上げますと、昨年秋ということでございますと、九月二十一日に今治市分科会が開催されたということもございまして、今後の進め方などにつきまして文科省の担当の管理職と数回面談を行ったという認識がございます。ただ、面談の具体的な日時や内容につきましては記録もなく、定かではございません。
 なお、委員御指摘のそういった文書の有無等にかかわらず、獣医学部新設という個別項目につきまして、官邸の最高レベルが言っている、総理の御意向だと聞いているなどと伝えた、お伝えしたという認識はございませんし、また総理からもそういった指示等は一切ございません。
 総理は常々、特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく、規制改革全般についてスピード感を持って実現すべきという旨を発言されております。これを受けて、御指摘のワーキンググループ等で、これは獣医学部の新設だけではなくていろんな各論、個別の項目がございますけれども、私ども事務方がそういった関係省庁との議論を行う際にもこういった発言に言及させていただくことはあったというふうに認識しております。
○田村智子君 なぜ急に動き出したのかと。ここで、これまでずっと求めている様々な省内でのやり取りのメモなどですね、是非改めてまた資料の提出を求めておきたいと思います。
 もう一点、私、疑問があるんです。十一月九日、諮問会議で、いよいよ広域的に獣医師養成系大学等の存在しない地域に限りという条件で京都産業大学を対象から外して、これで獣医学部新設の決定が下されます。私、このとき、前回、山本大臣に、これはもう今治市ありきということになるんじゃないかという趣旨の質問をいたしましたら、大臣は、四国地方ということ、あるいはそのほかの地区に獣医師系の大学がないということを念頭に置いているというふうに答弁をされました。
 改めてちょっと確認しますが、私はこれはもう今治市ありきだなというふうに受け止めているんですが、大臣の認識としては別にそうではないと、ほかもあり得るんだということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) まさに広域的に獣医学部がない地域に限るということであります。
○田村智子君 そうすると、一月四日、内閣府地方創生推進事務局は、いわゆる獣医学部新設事業者の公募を行うんですけれども、タイトルは、広島県今治市国家戦略特別会議の構成員の公募についてと。これ、広島県今治市でなければ公募ができない。これはどういうことですか。
国務大臣山本幸三君) その十一月九日の諮問会議等を受け、パブリックコメント等をやってまいりました。そして、いよいよ一月四日、告示を改正して事業者公募になるわけでありますが、そこで、十一月九日の特区諮問会議の取りまとめを踏まえつつ、京都市よりも今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いと最終的に私が判断してそのように決めました。この判断は、事業者公募を行う区域会議の事務局を担う内閣府、すなわち私が最終的に判断する立場にあるため行ったものであります。
 そのほかの比較する理由がいろいろありますけれども、最終的にはそういうことで、まず今治市からということで決めたということであります。
○田村智子君 安倍総理はこの前の決算委員会のときに、私たちが決めたのは加計学園を決めたんじゃないんだと、獣医学部の新設ができるということを、五十二年ぶりの岩盤規制にドリルを開けて決めたんだと言っているんですよ。ところが、公募は広島県今治市じゃないですか。これ、十一月九日の決定は確かに、まあちょっと地域限定が付いたということは私はどうかなと思いますけれども、しかし、確かに安倍総理の言うとおり、獣医学部の新設を認めるよという決定ですよ。じゃ、例えば、二〇一四年、新潟市、元々提案していたんです。北陸信越なんてもっと広大な空白ですよ。全くないですから、獣医学部、養成系大学は。
 十一月九日の決定に従って、例えば新潟市が改めて区域計画を策定をして、それで応募するということだってあり得たんですよ、十一月九日の決定だけだったら。ところが、一月四日に公募は広島・今治市だけ、特区に限った。そして、安倍総理と松野文科大臣の連名の告示は平成三十年度に開設すると。これまた十一月九日には一切、一切決めていないことを、諮問会議の中でも議論されていないことをいきなり入れ込んだんですよ。この十一月九日から一月四日までの間は何の会議も開かれていません。
 いつどういう検討の下でこういう決定がなされたんですか。
国務大臣山本幸三君) 三十年四月からというのはパブリックコメントでも既に出しております。
 それから、一月四日の事業者公募になるわけでありますが、いよいよ具体的に進めなければなりません。そのときに、当然、もし新潟市からそういう要請が具体的にあれば当然検討の対象になったと思いますが、もう新潟市の構想は立ち消えになっておりました。その意味で、最終的に、まず広域的に獣医学部のない地域ということを踏まえ、そして、具体的にそうした事業の応募がある広島県今治市ということでまず公募をやるということを私が決めたわけであります。
○田村智子君 それじゃ、もう安倍総理の答弁、違いますよ。安倍総理は、獣医学部の新設を五十二年ぶりに決めたと、すばらしい規制改革をやったんだ。違いますよ。こんなの最初から今治市ありきの決定を十一月九日に安倍総理議長の下で下したと、そういうことになるじゃありませんか。それ以外ないですよ。
国務大臣山本幸三君) 全く違います。十一月九日はまさに獣医学部の新設を認めて、それを制度化する、それを急ぐということを決めているわけであります。
 それを受けて実際には進めていかなきゃならないわけでありまして、告示の改正をやると同時に、公募をどこかでやるということを決めなきゃいけません。それは、従来のそうした議論を踏まえ、そして事業の早期実現性という観点から熟度が高いということで、最終的に私が判断して広島県今治市ということで決めて公募したわけであります。
○田村智子君 納得いきません。だって、大臣は十一月九日は今治市ありきじゃないと言っているわけですから。それじゃ、一月四日、なぜ広島・今治の特区だけの公募にしたのかと。その検討過程が分かるものを示してくださいよ。示さなかったら分からないですよ。示してくださいよ。
国務大臣山本幸三君) そのことについて詳しく申し上げますと、獣医学部の設置は平成十九年秋から昨年春までの八年間近く今治市の提案が唯一の提案でございました。このため、政府としては、まずはこの事業を早急に実現し、成功モデルにできないかという観点から長年検討を行ってきたわけであります。
 こうした中で、京都府京都産業大学から昨年三月提案がありましたが、要旨のみの簡素なものでありました。その後、昨年十月に詳細な提案をいただいたことを受け、十月十七日、特区ワーキンググループでヒアリングを行いました。しかしながら、京都府等の提案は必ずしも準備が整い事業が具体化しているとは言えなかったわけであります。これに比べて、今治市の提案は事業の早期実現性という観点から熟度が高いと判断し、これを優先することといたしました。
 具体的には、今治市は専任教員の確保の面で京都府等と比べて優れておりました。水際対策について、今治市は、四国知事会等が要望するなど、広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしている。他方で、京都府等は獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど、不十分と評価せざるを得ませんでした。
 また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要があるということで、京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置付けた上で、卒業生を地元の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしているわけであります。京都府等はライフサイエンス研究を提案しておりますが、水際対策に関する部分が薄い。また、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など、地元固有の資源に着目した、より具体的な内容になっていると評価ができます。
 このように、今治市の提案は、事業の早期実現が見込めると判断したものであります。ただし、国家戦略特区は規制改革の突破口でありまして、今後、京都府等の提案についても……
○委員長(難波奨二君) 大臣、答弁は簡潔にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) 十分検討に値するものと考えております。
○田村智子君 十一月九日以降のことを聞いているのに、それ以前のことをだらだらだらだら説明してどうするんですか。人の質問妨害するんじゃありませんよ。こんな答弁しかできないんですよ。こんなの今治市ありきだったと言わざるを得ないじゃありませんか。本当に認められません。
 これも改めて十一月九日から一月四日までの間の協議されたものの資料の提出を求めたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 これはもうほとんど法案に対する質問ができないんですけれども、ちょっとやっておきたいので、一問、二問だけ聞いておきます。
 農業支援外国人受入れ事業についてお聞きいたします。
 特定機関が派遣労働者として外国人を受け入れ、農業経営体等に派遣をするというスキームです。しかし、法案の条文では派遣労働としての限定がありません。これは、指針に特定機関が満たすべき基準を定める、あるいは政令、ここに派遣労働のみというふうに限定をするのかどうか、端的に。
○政府参考人(山北幸泰君) お答えいたします。
 本法律案におきまして、農業支援外国人材を雇用することとなる特定機関につきましては、内閣総理大臣が作成する指針に照らして必要な措置を講じていることなど、政令で定める基準に適合するものとされておりますので、政令又は指針において、特定機関は労働者派遣法に基づく労働者派遣契約により経営体に外国人材を派遣するものとする方向で検討しているところでございます。
○田村智子君 そうすると、派遣労働というのは今でも国内でたくさんの違法行為が見られます。で、適正受入れ管理協議会が特定機関、いわゆる派遣元について適合性の認定するだけでなく年一回の監査を行うというふうな説明を受けています。これは、関係法令がいっぱいあるわけですよ。派遣労働法違反、入国管理の法令違反、こういうことがいろいろ絡んでくると。しかも、所管しているのは農水省であり内閣府であると。
 この年一回の監査というのは、四府省の担当者がそろって派遣元行かなければ、これ適切な監査にならないと思いますが、どうなりますか。
○政府参考人(佐々木基君) 今お話ありましたように、協議会が特定機関に対しまして監査する予定でございます。監査した結果、当然、その指針違反でございますとか個別法令違反が確認されれば是正を求めると、あるいは処分するということになるわけでございます。
 このように、監査というものにつきましては、最終的には、特定機関の場合によっては最終的に確認を取り消すとか、あるいは個別法令に基づく権限の行使、こういうことにつながるものでございますので、その前段階で全般的に行うものでございますので、その段階で必ずしも個別法令に基づく権限を有する職員が全員そろって全てに同行するということまでは必要ないんじゃないかと考えております。
○田村智子君 それ、駄目ですよ。専門的な視点で監査しなかったら違法行為を見逃す危険性がありますからね。そんな甘いことやっていたら駄目ですよ。
 もう一つ聞きたいんです。派遣労働の場合には、派遣元の違反行為よりも派遣先の違反行為の方が、これ、たくさん起こり得るわけですね。例えば農業の場合、今日は天気が悪くて仕事がないよと、隣に行って仕事してくれ、これ二重派遣になります。こういう問題をどうやって監査していくのか。これ、現地調査としか書かれていないんですけれども、これは監査とは異なる位置付けになるんですか。
○政府参考人(山北幸泰君) 本制度におきましては、適正受入れ管理協議会におきまして、関係法令ですとか指針の遵守状況に対して派遣先の農業経営体に対する現地調査も実施する方向で検討しているところでございます。
 これは、事前に特定機関から定期ですとか随時の報告を受けることになっておりますし、また外国人材からの苦情、相談の状況なども受けることになっております。そういった情報を基に、当省を含みまして協議会の構成員で必要に応じて現地調査も対応してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○田村智子君 これもまた甘いんですよね。これ、非常に不安ですよ。派遣労働というのは、国内だって、派遣で働いている労働者、自分がどこに雇用されているのか分からないで働いているケースがいっぱいあるわけですよ。誰が自分に対して違反行為しているのかが分からないような、こういう実態が蔓延しているわけですよね。
 これ、派遣労働にしたという問題点は、次の審議でもまた引き続き指摘をしていきたいと思います。

平成29年6月8日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 民進党新緑風会の櫻井でございます。
 ちょっと通告はないんですが、大臣、基本的なことを一点だけ確認させてください。
 国家戦略特区の所掌事務は内閣府ということでよろしゅうございますね。
国務大臣山本幸三君) 内閣府設置法で、総理大臣が特命担当大臣を置くことになっております。その際に私が任命されまして、その際に総理からこういうことを担当させるという指示があります。その中に、国家戦略特区を担当させるということになっております。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 佐々木事務局長にお伺いしたいと思いますが、特区の提案者が、特区の提案者が総理官邸に行くということはあるんでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) 私どもとしては承知していないところでございます。
○櫻井充君 そういうことなんですよね。内閣府の所掌事務ですから首相官邸に行く必要性がないんですが、お手元にもう資料をお配りさせていただいております。これは同僚議員森ゆうこ事務所から提供いただいたものですが、これ、元々は市民の方が今治市に対して情報公開請求を行って、森議員はいつも風呂敷に相当、もう何十センチあるような資料を持ち歩かれておりますが、その中の一部でございます。
 本題に入る前に、ちょっと情報公開についてお伺いしておきたいと思いますけれども、どうして今まで、今まで情報公開を求めてきているのに、情報公開できないという話をされています。特に、審議過程のものについて情報公開しないということは理解していますが、審議が終わった結果が出たものについてなぜ情報公開ができないんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 御指摘のように、情報公開については、途中段階のものについてはお示しすることは差し控えるということになっております。これは、そうしたことによって今後の規制改革、そういうものを進める上において、関係省庁との率直な意見交換が難しくなるということからそういうふうにさせていただいているところであります。
○櫻井充君 そうなんですよ。審議の経過についてはできないんですよ。
 じゃ、審議が終わったものについてなぜ情報公開ができないんですか。
国務大臣山本幸三君) これは、規制改革というのは不断に進んでいるわけでありまして、将来の同種の様々な議論が存在する規制改革の検討において、関係省庁間の率直な意見交換が困難になるといった悪影響を及ぼすおそれがあることによるものであります。
○櫻井充君 済みませんが、根拠になる法律を示してください。
国務大臣山本幸三君) これは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律でありまして、その中の第五条の五号ですね、国の機関、行政独立法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議と検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当な利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの、これについては開示から外されているというふうに理解しております。
○櫻井充君 済みませんが、正しく法律を読んでいただきたいと思います。
 この五条には何と定めているのかというと、開示請求があったときには、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報、以下、不開示情報という、のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対して当該行政文書を開示しなければならないと第五条にまずそう定められています。
 今大臣がお述べになった五号についてはちゃんと前提が置かれています。要するに、検討又は協議に関する情報であってと、それ以外のこと、これ以下の文章はこれにつながってきています。そうすると、検討又は協議に関する情報でなければ情報公開しなきゃいけないんですよ。
 情報公開法でこういうふうに定められてきているにもかかわらずこれまで情報公開しないということは法律違反だと私はそう思いますけど、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、この言われているところが、内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であるというふうに理解しております。
○櫻井充君 済みませんが、ここに書いてあるように、検討又は協議に関する事項であってと、これはだから協議中のものは出せないというのは、それはここに定められているんです。だから、それは法律上、それにのっとっておやりになっている。審議が終わったものについては情報公開できるじゃないですか。なぜしないんですか。これ、今のところはきちんとちゃんと答弁してくださいね。
国務大臣山本幸三君) 審議、検討等が終了し意思決定が行われた後であっても、国民の間に混乱を生じさせたり、将来予定されている同種の審議、検討等に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがある場合等があれば、本号に該当し得るというふうに理解しております。
○櫻井充君 済みませんが、正しく日本語を読んでください。
 ここには前提が置かれています。前提は何かというと、検討又は協議に関わる情報であってと、この情報の場合には公にすることによってと今大臣がおっしゃっている文章がその後に続きます。
 済みませんが、前提がここに書かれていて、その前提は違うでしょうと申し上げているんです。この点についていかがですか。
国務大臣山本幸三君) 何度も申し上げますが、審議、検討等に関する情報については、行政機関としての意思決定が行われた後、一般的には当該意思決定そのものに影響を及ぼすことはなくなることから、本号の不開示情報に該当する場合は少なくなるものと考えられると。しかし、当該審議、検討等に関する情報が公になると、審議、検討等が終了し、意思決定を行った後であっても、国民の間に混乱を生じさせたり、将来予定されている同種の審議、検討等に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがある場合等があれば、本号に該当し得るというふうに理解しております。
○櫻井充君 国民の皆さんを随分ばかにされていますね。この情報が出てきたら国民の皆さんが混乱するんですか。それはどういうことですか、本当に。国民の皆さんはこれを本当におかしいから正しい情報を知りたいとおっしゃっている。正しい情報を出さないから逆に混乱しているんじゃないですか、違いますか。
国務大臣山本幸三君) 私の申し上げたのは、情報公開・個人情報保護審査会、この答申の中でそういうことがきちっと書かれているわけであります。
○櫻井充君 済みませんが、法律に書かれているんです。法律に書かれているんです。法律が一番じゃないですか。
 ですから、ちゃんとその法律に従ってやってこなかったというのは非常に私はおかしな話であって、これからも協議事項だからとかそういうものについて情報公開できないというのは私は通用しないと思いますけど、大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、この個人情報保護法行政機関の保有する情報の公開に関する法律の規定に基づいてしっかりとやってまいります。
○櫻井充君 まあ水掛け論なのでしようがない、しようがないというわけじゃありませんが、これは、あとはどちらが正しいのかということは、これは国民の皆さんに判断していただくしかないと思いますが。
 しかし、今治市は、その結果、ちゃんとした情報を提供してくださってきています。お手元に資料二枚お渡しさせていただきましたが、これは審議の経過が、経過が終わったからこそこうやって私は情報公開されてきていると、そう思います。そういう点でいえば、国よりも今治市の方がはるかに情報公開が進んでいると、私はそう思いますが、大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市の判断は独自のものだと思いますが、私どもはそういう規制改革を担当しているわけでありまして、そういうものを不断にやる上において、将来の関係省庁間の率直的な意見交換が困難になるといった悪影響を及ぼすおそれがあるということで、さきの法律に基づいてきちんとやっているということであります。
○櫻井充君 ごもごも答弁されるとよく分かりませんので、きちんとした、ちゃんと答弁してくださいよ。正しいと思っているんだったら堂々とやったらいいじゃないですか。
 私は、今治市、本当に立派だと思いますよ。今日は、お渡ししているものには名前は黒塗りをした方がいいと、森議員も午後からこの資料を使われるので、両方合わせてその名前は伏せましたが、さて、この中で非常に不思議なことがあります。それは何かというと、首相官邸を訪れていることです。なぜ首相官邸を訪れるんでしょうか。
 先ほど佐々木事務局長から御答弁がございました。まず、その前に大臣から御答弁があったとおり、特区の担当は内閣府です。内閣府とこれは議論をしております。内閣府と議論した後にこれは総理官邸、首相官邸に訪れているんですが、実は、これは前日に急に決まりました。その前日に急に決まったものですから、今日は資料提出しておりませんが、決裁書がありまして、航空運賃から何から前日だったものですから多分高く付いたので、それで急に変わっていくわけです。なぜ、なぜ急にこうやって総理官邸、首相官邸を訪れるようになったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) そういうことについては、私どもは全く承知しておりません。
○櫻井充君 済みませんが、これは通告しております。これはめちゃくちゃ大事なポイントなんです。今までですよ、今まで、今まで、かつて提案者がですよ、提案者が首相官邸に呼ばれた例はないと先ほど言ったんですよ。おとといの森議員の質問に対しても同じような答弁されていますよね。
 いいですか、ちゃんと通告しています。いつどこで誰がどういうことを言った結果、急遽今治市は行程を変えなきゃいけなくなったのか、これは通告していますからね、ちゃんと答えてください。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど御答弁いたしましたように、私どもとしては承知していないということを先ほど御答弁で申し上げさせていただきましたけれども、今回の件につきましても、これは今治市が情報開示で出した資料でございますけれども、私どもとしては、ここにいろいろ会議らしきこともございますけれども、こういったものについて、いつ時点で誰がどのようにしたか、それからどういうことで官邸に行ったかということについては承知はしておりません。
○櫻井充君 済みませんが、私は内閣府じゃなくて内閣官房でも構わないからちゃんと答弁してくださいとお願いしています。
 これは国家戦略特区法において物すごく大事な観点なんです。国家戦略特区法が私は悪用されていると思っているわけですよ。これが悪用されているからこそ一回止めないといけないんじゃないかと思って我々が停止の法案出させていただきました。ここは大事なポイントです。答弁していただけるんでしょうか。ちゃんと私は通告していますからね。
 改めてお伺いします。前日に誰が今治市に連絡をして日程が変わったんでしょう。
国務大臣山本幸三君) 内閣官房によりましても、二〇一五年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録は保存されていない、確認できなかったというところであります。
 なお、一般的にですね、まああとはいいですね、ということであります。
○櫻井充君 済みませんが、今治市の行程表にはそう書いてあるし、急に変わっているんですよ。それをないというのはおかしな話じゃないですか。
 森友学園のときには資料は出さない、今度はこうやってきちんとした資料、これは今治市の、ちゃんと情報公開を求めて市民の方が今治市から提供を受けたものです。その資料にはちゃんと書いてあるんですよ。ちゃんと書いてあるんです。ちゃんと答えてくださいよ。
国務大臣山本幸三君) 何度も同じ答えにしかなりません。内閣官房に聞いても、今治市職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため確認できなかったということであります。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
 どなたが答弁されますか。佐々木局長。
○政府参考人(佐々木基君) 官邸から状況について、私ども御通告がありましたので、お聞きをしているわけでございます。
 官邸へ行く際には、当然その訪問予約ということで行くわけでございますけれども、この訪問予約届につきましては、手続が終わった後、使用目的が終わるということでございまして、遅滞なく、公文書管理法の規定に基づきまして遅滞なく廃棄をしているという、そういう取扱いだそうでございますので、したがいまして、一応官邸に確認を取ったんですけれども、やっぱり確認はできなかったということでございます。
○櫻井充君 なぜ今治市に確認しなかったんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 先生御指摘ありましたように、これが今治市が開示請求で出している資料でございますので、今治市としてはこういう記録が残っているということはそれは確かだろうというふうに思っておりまして、確認するまでもないと思ったわけでございます。
○櫻井充君 だから、こうやって確認して、それはそのとおりだとおっしゃったんだったら、首相官邸行っているんじゃないですか。いや、首相官邸に行っているって今おっしゃったじゃないですか。
○政府参考人(佐々木基君) 今治市が出している資料はこういうことだということで私どもは認識したということでございます。
○櫻井充君 それでは、今治市がうそを、うその記録を残したということですね。それでよろしいんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 正否については私どもは言う、そういう立場にないと思います。今治市は開示請求、出しておりますので、今治市がうそをついているなんということは私どもは一切言っておりません。
 ただ、これ、私どもとしては確認が取れないと、こういうことを申し上げているわけでございます。
○櫻井充君 済みませんが、今治市のこれ課長と課長補佐ですよ。この人たちが勝手に首相官邸に行けるはずがないんです。元々の行程表は、県の出先と、それからその後に内閣府を訪れる予定で全部行程が組まれていたんですよ。それが、前日急に首相官邸に行ってくれと。
 首かしげられますけど、だったらはっきりさせてから質問させていただきたい。今治市にちゃんと確認して、今確認して、それからちゃんと議論させていただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。

○櫻井充君 午前中に引き続いて質問させていただきますが、今治市でそうやって認めてくれているものを、政府で何とかきちんと、別に官邸に行って悪いこと何もなければ、ちゃんと言ってくれればいいだけの話であって、それを隠そうとするからまた怪しいんじゃないかと思われるわけですよ。
 だから、きちんと説明していただきたくて、まず、四月の一日に急遽決まったと。誰がどういう説明をして、急遽今治市の行程が、今治市の職員の行程が変わったのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) 午前中の審議で御指摘をいただきまして、今治市にこの四月二日の旅行行程の経緯についてお問合せをさせていただきました。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) そのことについては、内閣府としては承知しておりません。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐々木基君) 今治市にお問合せをさせていただきました。今治市長まで上げていただいた話でございますけれども、回答は、今後の今治市の業務に支障が生ずるおそれがあるため、情報公開条例の趣旨にのっとり、相手方、内容についてはお答えできないということでございました。
○櫻井充君 まあ、多分それは内閣府から知恵を付けたんだろうなと、そう思いますが。
 これだって別に、先ほど示した資料は経過をずっと追ってきている中の資料でしてね、今日、あと、じゃもう一つお配りした方の資料の方についてお伺いしたいと思いますけど、これも、だって、その経過の中の資料の一つなんですよ。ここのところのポイントを申し上げれば、内閣府から、作業依頼の各事業のスケジュール表についてと、こういうメールが送られてきているわけです。このメールは今治市の情報公開から出てきたものですから、改めて確認しておきますが、これは本物ですよね。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 今治市が開示請求で出したものでございますので、これは実存しているものだというふうには思っております。
○櫻井充君 これは内閣府から送られてきているものですよね。内閣府から今治市に対してどうなっているかというと、各事業のスケジュール表についてということでして、この中で非常に興味深いところがありまして、「とある区域では、大事故になりかけています。いや大事故になっています。」と、これはどういうことなんでしょう。一体これは何を指しているんですか。
○政府参考人(藤原豊君) 開示文書にございます作業依頼にある事故、大事故という表現でございます。
 これは一年近く前の日付になっているようでございますけれども、当時の私どもの担当者に確認したところ、当時担当者の間で意思疎通が十分でないことが幾つかあって、それを事故、大事故という表現を用いたことはあるという記憶があったようでございます。とある区域では大事故と言ったことがあったかどうか、これは定かではございませんということでございました。
○櫻井充君 まあいいでしょう。とにかくそういうやり取りをまずしたわけです。
 それで、大事なことは何かというと、北九州市の別添のデータを参考にスケジュール表を作成願いますと、もうちゃんとこうやって内閣府が手取り足取りやっているんですよ。そして、このことは情報共有資料として用いるのみであって、どこかオープンになる資料としては考えておりませんということで、こうやって内閣府の方がこの今治市に対して様々な指導を行ってきたわけではないんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 内閣府として、今治市ができる限り早くという意向を有していることはかねてから承知しております。また、昨年八月の時点でございますけれども、設置認可申請のタイミングや審査期間を考慮すれば実質的に最速のスケジュールが平成三十年四月となることは客観的な事実だと思いますが、しかしながら、昨年八月の時点で今治市が具体的に、私ども、三十年四月開学の意向を有していたということは承知しておりません。
 以上でございます。
○櫻井充君 済みませんが、何について承知しておりませんですか。ちょっと言葉が聞こえませんでした。
○政府参考人(藤原豊君) 市が具体的に平成三十年四月の意向を有していたことは承知していないということでございます。
○櫻井充君 それでは、内閣府はそのように、そのことを目指してやっていましたか。
○政府参考人(藤原豊君) 内閣府はこの時点ではそういった意向はございません。
○櫻井充君 それでは、二十八年の十月の時点ではどうですか。
○政府参考人(藤原豊君) 二十八年十月ということでございますと、まだ制度化がなされていない段階でございますので、そういった内閣府としての開学時期等についての判断はしていないところでございます。
○櫻井充君 今日は資料で出しておりませんが、今治市の国家戦略特区特別委員会協議会資料というのがございます。これは平成二十八年の十月二十五日ですが、ここの中に、今後の動き、スケジュール感についてということでこう書かれています。内閣府主導で進められるため動きが不透明であるもののと、もうここに明確にこう書かれているんですよ。そして、内閣府としても最速で平成三十年四月の開学を目指していることがうかがえると。もうここまでこういうふうに言い切っていますが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 市議会の資料だというふうにお聞きしておるところでございますが、私ども、その内容については一切承知をしておりません。
○櫻井充君 それでは、これ多分、後から森委員からも質問が来ると思いますから、農水委員会での森委員の質問までにちゃんと準備してくださいね。
○政府参考人(藤原豊君) 確認を続けたいと思います。
○櫻井充君 ここは大事なポイントなんですよ。大事なんですよ。内閣府が主導してきたかどうかということの最大のポイントなんですから。だから、内閣府がこうやって閣議決定事項をゆがめようとしているかどうか、ここが最大のポイントなんですから。
 結局は、国家戦略特区というのはそういうことが起こり得る可能性があるから、だから情報公開をちゃんとしなさいというのは、これは国家戦略特区法の中にも定められているでしょう。違いますか。
○政府参考人(藤原豊君) 情報公開あるいは透明性を高めるということは、特区法ないし特区の基本方針でも定められているところでございます。
 いずれにしましても、この市の資料、市議会に提出した資料につきましては、市も御自身の責任で書かれているということでございましたし、私ども、一切中身については承知していないということだけは事実でございます。
○櫻井充君 済みませんが、じゃ、市は勝手に書いたんですか。内閣府と、内閣府と何の話もしないで勝手に市が書いたものだと、今治市が暴走しているものだと、そういう認識ですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 暴走かどうかというところはお答えを差し控えさせていただきますけれども、市の責任で書かれたものだというふうにお聞きをしております。
○櫻井充君 済みませんが、スケジュール表についてのこの資料を見ていただきたいんですが、「本資料は事務局と各区域との情報共有資料として用いるのみであり、」と、これ、内閣府の名前でこう書いているんですよ。要するに、今治市と情報共有してやりますよと内閣府自ら言っているんじゃないですか。違いますか。
○政府参考人(藤原豊君) こちらは担当者のレベルで、これからどういった項目が議論になるかということについてブレーンストーミングで議論させていただいた資料というふうに伺っております。当時、我々もこういったやり取りがあったことは把握しておりませんでしたけれども、担当者のレベルで、この項目だけではなくて、これは市のペーパーだというふうにクレジットが書いてございますけれども、市の中で頭の整理をして、この項目ではなくて幾つも項目ございますけれども、そのスケジュール感をお考えになっていただいたものだというふうに承知をしております。
○櫻井充君 こうやって皆さんがちゃんと指導しているわけですよ、北九州市のまねをして。もう一枚出しておけばよかったですね。
 それで、個別事業として獣医学部の新設と、ちゃんとしたこれ一枚紙がありまして、スケジュール表が送られてきているわけですよ。そこの中に何と書いてあるかというと、平成三十年四月開学の場合と、こういうふうにちゃんと書かれていますからね。いいですか、藤原さん、ちゃんと答えてくださいよ。また止まりますよ。こっちもちゃんと全部調べてやってきているんだ。ちゃんときちんと答えてくださいよ。いいですか。
 しかも、ここの中でこういうことも書いてある。何かというと、ボーリング調査についてです。市の土地ですよ、市の土地なのに、まだ譲渡もしていないのにボーリング調査が行われているんです。私はおかしいと思いますよ。なぜボーリング調査が行われたのかというと、内閣府の考えているスケジュール感に対応するためと書いてある。いいですか。今治市が言っていることが正しいのか、あなた方が隠しているのか、ここが最大のポイントだ。
 今治市はこう書いていますよ、情報を共有しましょう、スケジュール表もみんなありますよ。いいですか。であったとすれば、ここに書いてある内閣府の考えているスケジュール感に対応するために、まだ事業者も決めていないのにボーリング調査が行われたと。ただし、ここはすごく公平にやっています。加計学園だけではなくて全部に呼びかけましたが、ボーリング調査を行ったのは加計学園だけです。つまり、もうこの時点で、結局は加計学園ありきで始まっているわけですよ。いいですか。
 さあ、改めてお伺いしますが、ここの中にちゃんと、内閣府の考えているスケジュール感に対応するためと書いているんです。内閣府でちゃんとそういう計画を立てているんじゃないですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 別の委員会の方でも御答弁させていただいておりますけれども、私どもの方として、こういったスケジュールについて当時全く了解をしておりません。市にも確認をさせていただいておりますけれども、ボーリング調査あるいは建築確認の話も含めてでございますけれども、市の御自身の判断でされたというふうに聞いてございます。
○櫻井充君 済みません、参考人で、今治市の職員の方、これに関係した職員の方、それから内閣府でこの当時のやり取りを行った方、この方の参考人招致を求めたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 要するに、今治市が勝手にやったことだと、私たちは知らぬ存ぜぬと、そういうことでよろしいんですね。改めて聞いておきます。
○政府参考人(藤原豊君) 今治市の責任を持って書かれたものというふうにお聞きしております。
○櫻井充君 市が書かれたものについて、ここに内閣府がと書いているんです。じゃ、事実は違うんですね。違うんなら違うと言ってくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私どもとしては、そういった認識は当初も現在もございません。
○櫻井充君 そういうことではありません。この文書が違っているのかどうか、そのことについて明確に答えてください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 当時書かれた文書としては不正確なところがあるというふうに考えております。
○櫻井充君 つまり、じゃ、この文書は不正確だということでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今治市があくまで書かれた文書でございますので、その当時私ども認識していなかったんでございますけれども、いずれにしましても、今この文書を見たときに、当時の判断、当時の記述として不正確というふうに言わざるを得ないと思います。
○櫻井充君 じゃ、後でまたこれ今治の市議会の方に、市議会というか市役所の方に尋ねなければいけないと思いますけれども、これはかなりきちんとしたやり取りをやられていて、今治の分科会などでも、今治の分科会などでも、内閣府はこうやってやっていきますということでしたという報告も実は議会の方に報告されているんですよ。ですから、今治市単独でこういうことができるとはとても思えないし、ここに書いてあるとおり内閣府主導で進められているためと。当たり前なんです、これ当然です。これはなぜかというと、文部科学省もそれから農水省もこの時点では何の関与もしていないと。これはもうこの委員会でも、それから農水委員会でもちゃんと答弁していただいていますから。
 そうすると、内閣府の主導で進められるため動きが不透明であるもののと、こう書いてあるのは何かというと、今治市議会の中では何も決めようがないと、だからあとは国の動きを待つしかないんだと、そういうことだと思います。
 これは、ここだけ言っているわけじゃないんですよ。愛媛県知事が記者会見で何とおっしゃっているかというと、最初は構造改革特区で随分出してはみたけれど、なかなかうまくいかなかったと。だけど、国家戦略特区で出してみたらどうかと、そう思って、まあ言われたので取りあえず出してみたら、あれよあれよという間に進んでいって夢のようなことだったと。これ、知事の会見でそうおっしゃっているんですよ。
 だから、内閣府が関係していないはずがないんですね。こういったことも含めて、知事の発言はどこかおかしいことがありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 農水委員会の方でも御質問をいただいておりましたので、そのときも御答弁申し上げましたが、今委員御指摘の知事の記者会見、先月の五月二十二日にも中村愛媛県知事が記者会見を行っておられます。私どもも拝見させていただきました。
 二十七年春頃に当時の担当課長が新任挨拶で内閣府を訪問した際に、担当者の方が、構造改革特区の窓口を新たな制度である国家戦略特区の窓口に一体化することになったので、二つの制度が一体化した窓口に提案してはどうかという助言を受けたとの発言があり、そのとき記者から、内閣府側からこういった形で出せば通るとか、そういった具体的な助言があったわけではないということかという質問に対しまして、そういう具体的な助言があったわけではない旨、知事がその後発言されております。
 したがって、助言を受けたのか、あるいはこちらから説明をしたのかという言葉の問題はあるにせよ、私ども内閣府愛媛県の認識は一致しておるというふうに思っております。
 構造改革特区制度と国家戦略特区の制度が、この時期、国会の御指摘もございまして、別々の提案募集を前提にそれまでしていたんですが、この一体的にするという新しい試みを始めた時期でございます。その二つの制度を前提にするようなアドバイス、すなわちどちらからどちらかに切り替えるとか、そういったアドバイスは私どもからはしていないというふうに認識しております。
○櫻井充君 まあ都合のいい記者会見だけ出してくるわけですよ。五月はそうなんです。微妙に変わったんですよ。四月は違いますからね。四月は、四月は何も分からずにそうお答えになったと。五月になったらいろんなことが起こってきたので、これは私の想像ですよ、ここは恐らく内閣府からいろいろな助言があって、それでああいうような記者会見の内容が変わっていったんだと思います。
 こうやって五月のことだけ取り出しておっしゃるのは、私はアンフェアだと思いますけどね。ちゃんと調べていますから、こちら側は。きちんと答えてくださいよ。そうやって隠すからおかしいと思うんですよ。首かしげるけど、隠しているんでしょうよ。
 じゃ、この日、三時から四時半まで今治の担当者は首相官邸にいたんですよ。あそこの資料の中にはそう書かれているんです。これは事実でいいんですね。
○政府参考人(佐々木基君) 確かに、今治市からはそういうことで開示請求で資料は出されておりますが、ちょっと私どもがこれについて確認はできておりません。
○櫻井充君 済みませんが、通告しております。先ほどもこの件で止まっているはずです。ちゃんと答えてください。
○政府参考人(佐々木基君) それで先ほども御答弁申し上げたわけでございますけれども、内閣官房に私どもから確認したところでは、平成二十七年四月二日に今治市の職員の訪問があったかどうかは確認できないということだったということで、先ほど御答弁をさせていただいております。
○櫻井充君 ここは事実確認ちゃんとしてほしいんです。なぜかというと、この日の総理の動向を見てみると、三時五分に河村、河村さんは関係されているか分かりませんが、自民党衆議院議員、それから三時三十五分、下村文部科学大臣と山中伸一文部科学事務次官が総理のところを訪れてきているんですよ。この時間とぴったり合うんですよ。ですから、だから聞いているんです。
 このときにどういう、首相、総理の首相公邸に行かれたとすれば、総理にお会いになっているのかどうかとか、ここのところで何らかの話合いがあったのかどうか、ここが最大のポイントなんですよ。いいですか、ちゃんと答えていただかなかったら、これまた止まりますよ、はっきり言っておきますけど。
 さあ、ここは肝腎なところですから答えていただきましょう。この一時間半の間、一体何をされていたんでしょう。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど御指摘がありまして、今、情報開示請求出した側の今治市に対しましてその内容を問い合わせさせていただきました。
 その結果、先ほど申し上げましたように、今治市としては、その相手方、内容についてはお答えできないということで御返答をいただいたということでございます。
○櫻井充君 それでは、誰に言われたかは言えないと、それから、ここであったこと、あったものについてはどういう内容だったか言えないと。まあいいでしょう。
 じゃ、官邸には行っているんですよね。
○政府参考人(佐々木基君) これも先ほど申し上げさせていただきましたけれども、内閣官房に私どもが確認したところ、今治市の職員の訪問があったかどうかは確認できないということでございましたので、こういう事実があったかなかったかということについては、そういうことで確認ができないということでございますので、今治市はこれで情報開示請求、出しておりますので、先生おっしゃるように、なかったとも言えない状況だと思っております。
○櫻井充君 半歩も百歩も譲って、誰に言われたかぐらいは、じゃ、しようがないなと思いましたよ。だけど、ここの紙に書いてあることが事実かどうかについて、それについて聞いているんですよ。これもあったかないか答えられないと、これ以上質問できるわけないじゃないですか。ちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど今治市に問い合わせた、相手方、内容についてはお答えできないということでございましたけれども、その前提といたしまして、開示請求がありましたこの資料のように、官邸に行っているということについては今治市もそうおっしゃっておりました。
○櫻井充君 最初からちゃんと言ってくださいよ。じゃ、官邸に行っているんじゃないですか。官邸に行っているんですよ。で、四月の一日に急遽決まったんです。誰かに呼ばれているんですよ。誰かに呼ばれて急遽ここに行ったんです。
 事実関係だけ申し上げておけば、総理は三時三十五分から、下村文部科学大臣、山中文部科学事務次官とお会いされてきています。その時間帯は総理官邸に今治市の職員はいたことになります。
 ですが、ここからこういう事実関係を積み重ねてきても、何もその内容について、誰と会ったかとかそういうことを教えていただかないから疑念は幾らでも広がっていくわけです。状況証拠はこういうふうにあるわけですから、それが違うのであれば、こういう内容の話なんですと、そうおっしゃったらいいじゃないですか。
 そして、内閣官房というか、首相官邸に特区の提案者が行くことは今まで余りなかったんだ、余りじゃないですよ、知る限りではないとおっしゃっているわけだから、何らか特別なことがあったんじゃないですかと思いたくなるんですよ。こういう疑念を晴らすこと自体が私は内閣府の責任だから聞いているんですよ。内閣府、何でこうやってちゃんと答弁してくれないんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 大変恐縮でございます。知り得る範囲についてはできるだけ確認を取って御答弁をさせていただいているつもりでございまして、そういう意味で、今治市にも確認を取らせていただきましたし、内閣官房にも確認を取らせていただいた結果、先ほど申し上げました答弁ということでございます。
 官邸につきまして、どういうメンバーで誰と会ったかということについても私どもとしては確認できないところでございます。
○櫻井充君 済みませんが、それは内閣府だから確認できないんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど申しましたとおり、内閣官房に私どもから一応確認はさせていただきまして、その結果、四月二日というときに今治市の職員の訪問があったかどうかについて確認できないという返答をいただいたということでございます。
○櫻井充君 こうやって幾ら証拠を突き付けても、最後は分からないと言って逃げ切るわけですよね。おかしな話ですよ。
 そして、ちょっと、じゃ、まあしようがない、話題変えますが。文部科学省の現職の官僚が、心ある官僚がこうやって、マスコミの報道によればですけれど、自分自身はこうやってリークしましたと、そういう話をしているわけですよ。ここまで言っているわけですから、改めて文部科学省として調べなければいけないと思いますが、いかがですか。
副大臣義家弘介君) 基本的には、メールを含む文書について、その出どころや入手経路が明らかになっていない場合においては、その存否や内容の確認の調査を行うことは考えておりません。
 また、この獣医学部新設に関わった、直接関わった者は、高等教育局専門教育課が担当部局として、課長補佐以上の職員で折衝を私も含めて行ってきたところであります。このため、これら以外の者については直接情報をそもそも得る立場になく、正確な事実関係を把握していないことから、対象には含めなかったところでございます。
○櫻井充君 副大臣副大臣は、文部省の役所の方々、官僚の方々に対してどのような思いで接していらっしゃいますか。
副大臣義家弘介君) 連日様々な報道等がありまして、極めて複雑な思いでいると思います。例えば、相談のメールが自由に送りにくくなってしまう、あるいは、何か話したことが歪曲されて仮に外に出ることになったらこれ大変だという形で、非常に困惑している状況でございます。
○櫻井充君 それだけでしょうか。今回の決定の仕方に対して不満を感じている方はいらっしゃいませんか。
副大臣義家弘介君) それぞれ思いはあるというふうに思います。しかしながら、直接担当していないわけですから、あの秋から冬にかけての一連の流れというものを具体的に関わっている人間は限られた人間でありまして、しかし、現在のような国会状況や様々な情報が報道されていく中で疑心暗鬼になっていくということは、これは事実であろうと思いますし、報道された情報を正面から受けて、そうだったのかと思うことは避けられない状況にあろうかというふうに思います。
○櫻井充君 私は、そういうことではなくて、こうやって本当に自分たちの良心に従ってやりたいんだけれども、結局行政がゆがめられていると、ゆがめられてきたんだと。これは前川前事務次官がおっしゃっていることです。それに同調している人たちもいるわけですよ。そういう意味でいえば、副大臣がどの立ち位置に立って調査されるのか、どの立ち位置に立ってその官僚の方々と接してくるのかというのは、私はすごく大事な観点だと思っているんです。まあ、ここは水掛け論になるので。
 改めて、ここのことを明確にしていくためには、前川前事務次官がちゃんと来ていただいてお話しされることが大事だと思っていますので、参考人か証人喚問をお願いしたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件については、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 それでは、ここはお答えいただけるかどうか分かりませんが、首相の動静の四月の二日三時三十五分に下村大臣、それから山中文部事務次官と総理はお会いになっていますが、このときどんな話をされたんでしょう。
副大臣義家弘介君) 内閣総理大臣が主宰する教育再生実行会議の前には必ず当日の進行や内容の説明を総理に行うため、大臣と事務次官で官邸に伺うこととなっております。
 平成二十七年四月の七日、第二十九回教育再生実行会議が開催されたところでございます。
○櫻井充君 こうやって都合のいいところはちゃんと全部、ちゃんと全部記録があって、そうやって御答弁いただけるんですよ。都合の悪いことになると分かりませんとか定かではありませんとか言って、ごもごもされるんですよ。
 この時点からおかしいんです。だって、今のようにちゃんと分かっているんですよ。分かっているんだったら、ちゃんと調べていただきたいと思いますね。
 改めてこれは資料請求しておきたいと思いますが、四月の二日の東京出張の日時の変更を行ってきたのは、これは別に今治市の情報公開じゃありません、これは内閣府にちゃんと調べてくださいとお願いしていることであって、いいですか、この点について、どうして、内閣府から連絡があったはずなんです。内閣府のどなたがどういう理由でそうなったのか。だけど、理由の中で申し上げれば、その後から首相官邸に行くことになっているんです。だから、首相官邸に行くためには、何らかの理由がなきゃ行かないんですよ、日程を変えて。
 ですから、どういう理由で、誰が今治市に伝えたのか、これについて、きちんとした形で資料請求を、資料を提出していただきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件については、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 もう一つお伺いしておきたいと思いますが、文部科学省加計学園の間で、十一月九日の諮問会議の前に、改めてですが、文言の調整など行ったことはありますか。
副大臣義家弘介君) 一般論として、文部科学省に対して学部の新設を検討している学校法人から設置認可の手続に係る問合せや相談が行われることは間々あることでございます。
 学校法人加計学園からも設置認可の手続についての問合せや相談があったと考えられますが、その相談の状況については、公にすることにより当該法人等の利益を害するおそれがあるため、従来よりお答えすることは差し控えさせていただいております。
○櫻井充君 当該法人の利益の方が大事なんでしょうか。この学校が認可されていけば私学助成金が入ってまいります。国民の皆さんの税金です。国民の皆さんに知る権利があるはずです。いかがですか。
副大臣義家弘介君) 組織の改廃は経営判断に大きく関わるものでございまして、学校法人による設置申請のための問合せの状況については公開していないところでございます。
○櫻井充君 済みません、これ、設置審と全く関係ないですよ。これは、申し上げておきたいのは、二〇一六年の十一月八日の話ですよ。部局でメールのやり取りがあったんだと、これまたどうせ認めてくださっていませんが、こういうやり取りがあったのかどうかについて今お伺いしているんです。
副大臣義家弘介君) 繰り返しで申し訳ありませんけど、一般的には、学部の設置認可、これを検討している大学においては様々な相談があるというふうに認識しております。
○櫻井充君 いいんです、そこは別にいいんですよ、それはあるんですから。問題は、十一月八日という日付なんです。これは、九日に、九日に諮問会議が開かれる、その前日にそういうやり取りがあったのかどうかということです。
副大臣義家弘介君) お答えは控えさせていただきます。
○櫻井充君 なぜ答えを控えるんでしょうか。私は不思議でなりません。先ほどのように、総理の部屋に行かれたときに、こういう理由だって明確にお答えになっているんだから、ここを答弁できませんということはないと思いますけれども。
副大臣義家弘介君) 先ほどの教育再生実行会議の議事については、これは既にホームページで明らかになっていることでありまして、何時から何時までどの内容で開催していたかということも公開していることでございまして、これは、文科省の中に、次官あるいは大臣と一緒に官邸に行ったという記録は、これはデータの保管上ありませんけれども、この官邸での会議が行われたということで、その前に話合い、報告をするのは当然のことなので、そういうふうに丁寧に答えさせていただいた次第であります。
 また、特定の学校法人がいつどれぐらい文部科学省に設置認可の相談をしているかということについては、学校法人の経営戦略に関わる情報の場合があると考えられるもので、公表するものではないというふうに考えております。
○櫻井充君 義家副大臣、先ほどから申し上げているとおり、内閣府主導でずっと進められてきているんですよ。それに対して文部科学省はまともなことをずっと言い続けているんですよ。文部科学省は犠牲者ですよ、はっきり言っておきますけど。その犠牲者でお気の毒だからこそ、こうやって名誉挽回のために質問させていただいているんですよ。これ、真っ当なことをやっているんですよ、真っ当なことを。だけど、真っ当なことを真っ当な日付にやっていないから問題なんです。つまり、十一月九日に認可、認可というか、ここで決まるわけですから、その決まる前からこういうことをやっていたこと自体に問題があるわけですよ。
 じゃ、改めて、これもお願いしておきたいと思いますが、十一月八日に加計学園とそれから文部科学省の間で何らかのメールのやり取りなどがあったのかどうかについて、資料の提出を求めたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 時間が来たので終わりますけれど、こうやって資料を出したって、まともに答えていただかない、まともに調べもしない、こんなことで疑念が晴れるはずがないんです。このことが本当に適切に行われているとするならば、ちゃんとこういうことでやったんだということを立証してくださいよ。これ、我々が資料を出したものについて、ここはちゃんと違いますとか、そういうふうに明確に言ってくださいよ。
 繰り返しになりますが、内閣府と共有してやっているんだ、内閣府が主導でやってきているんだ、いろんな場面で出てまいります。これなのに、いろんな場面で出てきている中で、今の関係を否定されること自体、私はおかしな話だと思います。なぜこういうことが起こってくるのかというと、構造改革特区と違って与党の審査も入らない、それから関係の各省庁も入らない、内閣府だけで勝手に簡単にやれるようになってきている、ここのところに私は最大の問題があるんだと。
 ですから、この国家戦略特区法案について、もっともっときちんと議論しなければいけないということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

平成29年6月6日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、加計学園の問題からお聞きします。
 今、昼休みの時間、今日の十二時で、朝日新聞のデジタル版で新しい記事が出ました。文部科学省内閣府から官邸の最高レベルが言っているなどと言われたと記録された文書について、文科省の現役職員が朝日新聞の取材に応じ、この文書が省内の複数の部署で共有されていたと証言した。現役職員が証言した文書は、藤原内閣審議官との打合せ概要(獣医学部新設)という題名で、昨年九月二十六日の日付と時間が記載されている。出席者として内閣府の藤原豊審議官と参事官、文科省専門教育課長、同課長補佐の四人の名前が書かれ、内閣府側が文科省に対し、平成三十(二〇一八)年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい、これは官邸の最高レベルが言っていることなどと言ったと書かれていると。現役職員によると、内閣府の藤原審議官との打合せの翌日の昨年九月二十七日、専門教育課から複数の関係部署の計十数人に対し、この文書を添付したメールが送られたというという報道が十二時に配信をされました。不覚にも今日文科省を呼んでいなかったんです。
 そこで、これ改めて文科省には調査を要求したいというふうに思うんですが、これもう藤原内閣府審議官との打合せ概要、九月二十六日、日付まで、またメンバーまで書かれているものです。
 山本大臣、これは審議官に対して、九月二十六日にこういう打合せをやったのかと、これ確認すること必要だと思いますが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) その文書については、私、承知しておりませんのでコメントは差し控えたいと思いますが、従来から、九月の段階でいろんな打合せはやっているというように聞いております。改めて、その点について聞いてみたいと思います。
○田村智子君 これもう現役職員が証言したということですからね、また新たな段階に入ったと思うんですよ。これ是非、徹底した調査と資料の提出を求めたいというように思います。
 前回、私、獣医学部新設の制度改正、この決定過程、これについて質問をいたしました。日本再興戦略二〇一五で閣議決定した新たな需要、それから、それに既存の大学や学部が対応できないと、この判断がいつなされたのか。前回の質疑でも、文科省農水省もこの判断をしていないと、前回の審議では山本大臣が自ら判断をしたというふうに言われたわけです。
 昨日の参議院決算委員会では、安倍総理から、国家戦略特区諮問会議で審議したという趣旨の答弁があったんですね。ちゃんと審議しているのに、私が関与したんじゃないかと言われて民間議員が怒っているというような趣旨の御答弁だったというふうに思います。この安倍総理の言う国家戦略特区諮問会議で審議した、これ、いつの会議のことを指しているんでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 獣医学部の今回の新設につきましては、諮問会議のみならず区域会議あるいは今治市の分科会等で議論をしてきております。諮問会議につきましては平成二十八年の九月九日、十月四日、十一月九日の三回、区域会議につきましては平成二十八年三月三十日と九月三十日の二回、今治市分科会については平成二十八年九月二十一日ということで、計六回にわたり議論の上、決定したものでございます。
○田村智子君 計六回はほとんどヒアリングなんですよ。最後の十一月九日で決定なんですけれども、これ省庁から聞いて、質問しては聞き、質問しては聞きだと思うんですけれども、具体的に四要件の中身について、いつの諮問会議で検討されているんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 四要件につきましては平成二十七年の日本再興戦略に盛り込まれたものでございまして、それを十一月九日の諮問会議で規制改革事項を決定するということでその四条件を踏まえて決めたわけでございまして、その間につきましては当然事務的な各省間とのやり取りございましたけれども、最終的には大臣の御判断の下で、また文科省、それから農水省等の了解も得て諮問会議に諮られたというものでございます。
○田村智子君 途端に答弁がめためたになっていくんですけれども。十一月九日の諮問会議しかあり得ないんですよ、ほかヒアリングですから。
 じゃ、十一月九日の諮問会議、議事要旨見ますと、会議の時間は十七時十五分から十七時五十三分の三十八分間、しかも農業改革、民泊なども議題になっていて、閣議決定での要件などは言葉としても出てきません。獣医学部新設については松野文科大臣、山本農水大臣が短く発言をし、大臣の中で一番長く発言されたのは麻生財務大臣かと思いますが、法科大学院の例を挙げてうまくいかなかったときにどうするのかという苦言を呈すると。民間委員で発言したのはワーキンググループの座長を務めた八田達夫氏だけなんですね。
 これ、意図的に抜粋したと思われるといけませんので、八田氏の議事要旨にある発言を全部読み上げます。
 獣医学部の新設は、創薬プロセス等のライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚の方が実際は有効なのです、これを扱うのはやはり獣医学部でなければできない、そういう必要性が非常に高まっています、そういう研究のために獣医学部が必要だと。
 もう一つ、先ほど農水大臣がお話しになりましたように、口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もある。これは必要なのですが、その一方、過去五十年間、獣医学部は新設されなかった。その理由は、先ほど文科大臣のお話にもありましたように、大学設置指針というものがあるのですが、獣医学部は大学設置指針の審査対象から外すと今まで告示でなっていた。それを先ほど文科大臣がおっしゃったように、この件については、今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった。
 麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなく、恐らく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、余り競争力のないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とは別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。
 これが総理の言う閣議決定の要件に照らした民間委員の御発言であり、審議だということなんですか、山本大臣。
国務大臣山本幸三君) たしか八田議員は民間議員を代表して言われたことであります。
 それから、四条件云々の話がありますが、要するに、基本的な国家戦略特区における我々の考え方は、できない理由を探すのでなくて、どうしたらできるかを前向きに議論すると、そういう考え方でやっているわけであります。これは閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなくて、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定しているものであります。
 したがいまして、その国家戦略特別区域基本方針、これ平成二十六年二月二十五日の閣議決定であります。つまり、閣議決定でありますから、誰も守らなきゃいけない義務なんですよ。そこにこう書いてある。「規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行う」と。
 つまり、できないという場合には、それを説明するのは規制所管省庁に責任があるんです。だから、もし獣医学部が四条件に達していない、それで適当でないという場合には文科省においてきちっと説明する責任があるんです。このときの次官が前川さんですよ。その責任がきちっとあって、その正当な理由の説明がなければ、これはその四条件を認めたということになるわけでありまして、そうしたことを踏まえて、そして私どもも内閣府で独自に需要の状況とかあるいは既存の学部ではできないということを検討して、そして最終的に私がその点については確認して、また文部科学大臣及び農林水産大臣もその諮問会議で異論も唱えることなく制度化を決定したと、そういうことであります。
○田村智子君 聞いていることに本当に答えていないんですよ。
 諮問会議が審議したと安倍総理が答弁したんですよ。だから、諮問会議のどこで議論したのかって聞いているんですよ。今の八田議員のこの発言が民間議員の発言、その立場を代表するものだったら、この発言のどこが閣議決定の四要件に照らす議論なのかと、これ答弁されなかったらおかしいでしょう。おかしいじゃないですか。閣議決定なんて言葉も出てこないですよ。新しい需要については豚ですか、マウスじゃなくて豚とか使うことが必要だからだと、その程度じゃないですか。
 どこで閣議決定の要件について諮問会議が審議したのかと聞いているんです。
国務大臣山本幸三君) その点は各省でそれぞれ検討して、そして最終的に諮問会議で決定するということであります。(発言する者あり)それは、それまでの議論を踏まえてそれを最終的に確認するということですから、当然審議も含んで決定ということであります。
○田村智子君 もうむちゃくちゃな答弁している。安倍総理が審議したと言っているんですよ。決定したと言っていないですよ。総理の答弁がおかしいということじゃないですか。これは駄目ですよね、本当に。びっくりするような答弁ばかりが出てくるんですけれども。
 八田議員が言った豚、マウスじゃなくて豚だというのも、これ、実は京都産業大学の提案の中にある話なんですよ。新たな需要で製薬メーカーとかに就職する人が多いということも、これは大臣が、この間、私の質問に言われましたけれども、これも京都産業大学の提案の中で詳しいデータが示されて、ここで言われていることなんですね。私、それは本当に聞く耳持つような中身だと思いますよ。
 ところが、皆さんが下したのは、十一月九日、広域的に獣医学部が存在していない地域に限りというふうにしちゃうわけでしょう。皆さんが新たな需要と根拠にするような京都産業大学の提案、それがあることが分かっていながら、広域的に存在していないという地域限定をやった。
 これ、前回も聞いて、大臣、ちゃんと答弁していないのでもう一回聞きますけれども、これを入れることで京都は対象とならないということを認識していて入れたんですか。
国務大臣山本幸三君) これは何度も御答弁いたしておりますけれども、まず特区で早く規制改革を実現しなければいけないこと、そしてまた同時に獣医師会等の反対、慎重な意見、そしてまた文科省農水省との議論等を踏まえて、あるいはまた民間議員との議論も踏まえて、最終的に私が決断したわけであります。そこで広域的にということでありまして、これは、具体的な定義云々は前回もいろいろ御答弁したと思いますけれども、特別に決めているわけじゃありませんけれども、従来的に広域的にないという判断でありますので、我々としては広域的にない地域というのを考えながらやっているわけであります。
○田村智子君 答えていない。京都は対象にならないという認識があったのか、なかったのか。
国務大臣山本幸三君) 広域的に入らないということであれば、それは四国地方ということ、あるいはそのほかの近くに獣医師系の大学がないということを念頭に置いているわけであります。
○田村智子君 京都が入らないという認識があったということですよね。そうすると、今治市があったんだと、今治市になるぞという認識の下でこういう決定がなされたとしか考えられないわけですよ。その上、公募のときには平成三十年四月開学という条件まで付けるというわけですからね。しかも、それ何でだと聞いたら、相当な準備がもう進んでいると思うからだというのを、前回山本大臣は答弁されたわけですよ。
 午前中の議論の中で一つあれっと思ったことがあるのでお聞きしますが、山本大臣、加計理事長が総理の友人であるということは九月七日に知ったというふうに答弁されたんですけれども、加計理事長と大臣自身も友人だという報道もあるんですが、九月七日に知ったということで間違いがないわけですね。
国務大臣山本幸三君) それはそのとおりです。
○田村智子君 これ、どうやって知ったんですか。それは、加計さんが山本大臣にお会いして、私は総理の友達です、ところで獣医学部新設を提案しているのでよろしくねという話をされたということなんですか。
国務大臣山本幸三君) 友人であるということは、その前日から、前日ぐらいだと思いますが、秘書官から聞きました。
○田村智子君 そうすると、内閣府の中で、加計さんというのは総理の友人であったと。この方があしたお会いになりますのでというふうに山本大臣にサジェスチョンがあったということなんですね。そうでしょう。
国務大臣山本幸三君) サジェスチョンというか、そういう方ですという紹介がありました。
○田村智子君 もう加計は、前回も指摘しましたけれども、この時点で提案者じゃないんですよ。提案者じゃないのに、総理の友人だということは内閣府も共有をしていて、それで、私は獣医学部提案しているのでよろしくというあってはならない会話を大臣と交わしているんですよ。獣医学部新設提案しているからよろしくと言ったというふうに前回認められましたから。これ、とんでもないことなんですね、それだけ取ったって。本当に加計ありきというこの構造が見えてくるわけですよ。
 大体、この今治市の提案がどこの大学法人とも共同の提案になっていない。普通、全くこれまでにない大学つくろうというときに、どこの学校法人とも手を組んでいなくて、それで全く新しい大学つくるなんということはできないと思うんですよ。
 これ、内閣府の中では、今治市の提案だけれども、これは加計学園の提案でもあるという認識があったということでよろしいですか。
国務大臣山本幸三君) 最初のところのやつですけれども、九月七日に来られまして、そういう要請がありました。それで、私は、そういう友人だということも聞きましたから、そのときに、これはきちっとルールに基づいて公正公平にやりますよと、その意味は、最終的には公募になるということですよということを申し上げております。その意味では、全く加計学園ありきで考えているわけじゃありません。
 それから、ちょっと済みません。
○委員長(難波奨二君) 田村さん、もう一度、再度、質問。
○田村智子君 もういいです、今日はちょっと法案にも関わって質問したいので。
 とにかく、とにかくもう分かんないわけですよ、本当に皆さんの中の議論というのが。総理が審議したっていう諮問会議が、さっき言ったような議事要旨ですからね。こんな場で審議したなんて認めるわけにいかない。前回も求めましたけれども、省内での議論、文部省とのやり取り等々ですね、これ資料として出していただかなければ、これ全然納得ができませんので、その資料の提出も受けてまた次回以降も引き続き質問したいというふうに思います。
 法案に関わって質問というふうに準備をしようと思いまして、それじゃ、小規模保育のワーキンググループ、小規模保育の年齢拡大のワーキンググループ、この議事要旨どうなっているのかなと思って調べましたら全く出ていないんですよ。昨年度、関係省庁等へのヒアリング、ワーキンググループのヒアリング、開かれているのは日数にして五十二日間。これとは別に提案者からのヒアリングは二十九日間あります。一日のうちに違うテーマで複数回もやられているところもあります。ところが、議事要旨が出ているのはたった二件なんですよ。これどういうことなんですか。
国務大臣山本幸三君) 国家戦略特区ワーキンググループの議事要旨は、審議の透明性を確保する観点から座長が適当と認める方法により公表することとされております。
 一方で、ワーキンググループの議事要旨の中にはホームページに掲載されていないこともありますが、これは提案者から申出等があり座長の判断で非公表とした、あるいは議事要旨について発言者の確認中であるなど、ホームページに掲載する準備が整っていないなどの理由によるものであります。議事要旨の公表には発言者に確認を得る作業が必要でありますが、開催回数が多く、また関係者も多岐にわたるなど、ホームページに掲載する準備が整うまでに一定の準備期間が必要でございます。ただ、そのための期間は議論の時間や発言者の数などによっても異なることから一概には言えません。
 内閣府としては、ワーキンググループの時期や相手方等のプレスについては、できるだけ詳細にホームページ上で公表するなど可能な限り情報は公にしてきておりまして、引き続き議論の透明性の十分な確保に努めてまいる所存であります。
○田村智子君 これ、どんな提案があって、それに対して省庁がどういう問題提起をして、それがどうやって議論の中でクリアされたのか、それ一切私たちには知らせずに法案審議しろと求めているんですか。これとんでもないですよ。
 これ、文字起こしはあるはずだと思うんですよ。大体今どき文字起こしなんか発注でしょう。文字起こししたもの出してほしいと思うんですが、いかがですか。そうしなきゃ法案審議できないですよ。
○政府参考人(佐々木基君) 私どももできるだけ早く出したいということは、全くそう思っております。しかしながら、議事録につきましては、やっぱり関係者がそこで議論をしておりますので、確かめて、確かにこういうことですねということで出さなきゃいけないということは、それは間違いないと思うんですね。
 そうしますと、先ほど先生もおっしゃいましたように、非常にワーキンググループ、回数が頻繁に行っておりまして、そういう意味では、要するに物理的な制約で出せないという理由が大半でございます。これは私どもも何とかしなきゃいけないと思っておりまして、そこは率直に何か早く出す方法についていろいろ考えていきたいなとは思っております。
○田村智子君 もう人手が足りないと言いながら、何ですか、安倍昭恵さんには五人も職員付けて、稲刈りとか選挙の応援とか、そんなところまで職員付けて、それで法案審議のために必要な資料は出せません、ばかな話ないですよ。内閣府、何の仕事しているのかって本当に問われると思いますね。
 それで、私、もう一つ疑問があるんです。私、昨年度、議事要旨が公表されているのは二件だって言いました。九月十六日、獣医学部新設についての農水省文科省へのヒアリング、十月十七日、京都府京都産業大学獣医学部新設の提案、これだけは、前後全く議事要旨が出ていないのに、これだけは、これだけは出ているんですよ。何でこれだけは出ているんですか。そこは人手があったんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほど申し上げましたとおり、関係者の了解を取って出しますので、その二件については関係者の了解が取れたということであろうと思います。
○田村智子君 関係者の了解を急いで取ってどこかに御報告するためにまとめたんじゃないのかということなんですよ。これ、獣医学部新設が特別扱いだったということがここからも見て取れるんですね。本当に重大です。
 とやっていると法案に入れないので次に進みますが、ワーキンググループの厚労省ヒアリングで配付された資料を見ますと、意見が何述べたかは分からないんですけれども、厚労省は、小規模保育ですね、最後に行われた昨年八月のワーキンググループでも年齢拡大の規制緩和に反対の立場だったということがうかがえます。どういう問題点を指摘されたのか、端的にお願いします。
○政府参考人(吉本明子君) 国家戦略特区ワーキンググループにおきまして、厚生労働省といたしましては、待機児童の八割以上がゼロから二歳である中で、事業者の判断で三歳以上を保育する小規模保育を認めることで待機児童解消が難しくなるのではないかといった観点、またもう一つは、小規模保育の対象年齢を三歳以上にした場合、小規模保育の質の確保といった観点から配慮が必要ではないかといった点を指摘させていただいておりました。
○田村智子君 これ非常に大切なんですね。待機児童はやっぱり一歳前後が一番多いと。それから、保育の質というのは子供の命や成長に直結する問題ですからね。
 これ、ワーキンググループは八月で終わりなんです。諮問会議の決定は十二月十二日の一回だけ。そこでなぜか塩崎厚労大臣と加藤少子化担当大臣が一言ずつ了承する旨の発言をするだけで、何の議論もなくこれ決定しているんです。山本大臣は関係省庁との合意が得られたと諮問会議で発言していますけれども、その中身が全く分かりません。ブラックボックスですよね、こうなると、国家戦略特区というのは。
 大臣、関係省庁とどういう協議が行われたんですか。
国務大臣山本幸三君) こういうふうに結論に至るまでにはいろんな議論が行われます。当然であります。まさに特区でやる規制緩和ですから、反対する方とやろうとする方で激しいぶつかり合いがあるわけでありまして、しかし、そういう途中経過について一々これを出すということは、将来のいろんな議論、そして関係省庁間の率直な意見交換が困難になるということから、従来からこれは控えるということにしております。
○田村智子君 それをブラックボックスと言うんですよ。
 今日ちょっと配付した資料を御覧いただきたいんですけど、これ東京大学大学院の発達保育実践政策学センターが全国保育・幼児教育施設大規模調査というのを行ったんです。昨年、その結果報告をまとめていて、その一部を配付いたしました。
 これは、私が取り上げた部分というのは施設長さんへのアンケートなんですけど、大変大規模な調査なんですよ。これ、一歳児クラスの園内環境と園外環境について聞き取りをして点数化しているんですね。園内環境、室内にはいはいしたり歩き回れる空間が確保されている、くつろぎの場として休んだりできる空間がある、くつろぎの場は活動的な遊びに邪魔されないところにある、この三点での評価なんですが、これ、政令指定都市中核市、その他市町村では、小規模保育と認可保育所でもさほど差がないんです。
 ところが、東京二十三区は小規模保育の評価点が著しく低くなっているんです。これは園外環境も同じです。東京都が提案していますからね、今回の年齢拡大。そうすると、二十三区でこういう年齢拡大が行われるということが待機児童の多さからも想定されるわけですよ。今でも狭過ぎる、ほかの施設と比べて。余りにも狭過ぎる。ここに、より活発に動き、体も成長している三歳児から五歳児入所させたらどうなるのか。これ、関係省庁とのやり取りだけじゃ駄目ですよ。
 これは国費の入った、七十五億円だかの、ごめんなさい、金額違うかもしれません、ごめんなさい、かなりの額の入った、国費の入った研究なんですよ。こういう研究やった人からちゃんとしたヒアリングをやって、これで子供の安全や成長が担保されるのか、そういう検討をすべきだと思うんですが、そういうことをやったんですか。厚労省
○政府参考人(吉本明子君) この面積であるとかの基準に関しましては、厚生労働省といたしましては、小規模保育事業の基準ということで、保育士一人当たり保育することができる乳幼児の数、また乳幼児一人当たりの必要な面積、また施設全体として必要な設備、構造等につきまして、国が定める基準に従い、また、基準を参酌して、条例で定める基準を遵守するということになっているところでございまして、当然のことながら、保育事業者はこの条例を遵守していただいた上で保育事業を実施していただかなければならないということで、この点につきましては、東京二十三区も全国ほかの自治体も同様でございまして、厚生労働省といたしましては、これの遵守によって質の確保を図っていくということで考えております。
○田村智子君 これ、東京二十三区の小規模保育だってその最低基準はクリアしている施設なんですよ。これ、自治体が把握して、アンケート配っていますからね。クリアしていても、これだけ環境が良くないということなんですよ。大臣は岩盤規制、岩盤規制って言いますけれども、守らなきゃいけない規制だってあるんですよ。子供の命や成長を保障するためには、守らなきゃいけない規制というのはあるんですよ。
 この調査を行ったセンターの秋田センター長、小規模保育の年齢拡大について、東京新聞にこう語っています。三歳以上を入れて良いはずがない、幼児期は生涯にわたる人格形成の基礎、保育環境のたがが外れれば、将来ツケが回ると。大臣、こういう方の意見こそヒアリングで聞いて、それから決めるべきだというふうに思いますが、山本大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) そういう子供の養育云々についての専門的なことについては厚生労働省において判断することだと思っております。
○田村智子君 いや、厚生労働省はそのことの危惧を一生懸命提起していたんですよ、ワーキンググループの配付資料を見れば。それをできないという結論は駄目だと、できないという結論は駄目だと押し返してきたのが内閣府じゃないのかということが疑われているんです。そのブラックボックスを開いてもらわなきゃ困るということなんですよ。
 これ、委員長、私お願いしたいんですけれども、つまり、ワーキンググループの議事要旨が分からないので、厚労省とどういうやり取りがあったのか全く分からないんです。これ、議事要旨としてまとめることが難しかったとしても、未定稿でいいから、文字起こししたものを私たち委員に配付するよう、これを求めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 そういう資料もなく、法案の審議、本当はもう続けることもできないと言いたいところなんですけれども、これもう、終わらせることは決してできないと、引き続き追及を行っていくということを申し上げて、質問を終わります。

平成29年6月6日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 民進党新緑風会の櫻井でございます。
 今、勇気ある官僚、心ある官僚と申し上げておきたいと思いますが、まあ内部告発だと我々はそう思っています。この内部告発、なかなか表立ってできないのは、その後どういう仕打ちを受けるか分からないという恐怖があるからであって、ですが、我が国には公益通報者の保護制度がございます。こういったその官僚の皆さんが内部告発された場合、これは公益通報者の保護制度に当たるんでしょうか。
大臣政務官長坂康正君) お答え申し上げます。
 一般論として、ある通報が公益通報として保護されるかどうかについては、不利益な取扱いを受けた通報者からの訴えを受けて最終的には裁判所が判断することとなるわけでございまして、一概に申し上げることは困難でございます。
 なお、同法によります保護の対象となるためには、その通報の内容として、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる特定の法律に規定する刑罰規定違反に関する事実が含まれていることが求められているところでございまして、当該告発の内容が具体的にどのような刑罰規定違反に該当するかを明らかにすることが必要になると思われます。
○櫻井充君 それでは、加計学園の認可をめぐってのこういうメールのやり取りなど、こういったものについてはいかがですか。──通告していますよ。
大臣政務官長坂康正君) 恐れ入ります。失礼しました。
 お答え申し上げます。
 公益通報者保護法が定める要件を満たさない場合においても、他の法令や判例規範など、一般法理による保護の対象となる可能性がございますが、こちらについても、保護されるかどうかについては、不利益な取扱いを受けた通報者からの訴えを受けて最終的には裁判所が判断するものと考えます。
○櫻井充君 そうすると、不利益なことを受けない限りは、なかなかそれは通報できないということになるわけですね。
大臣政務官長坂康正君) そのように思います。
○櫻井充君 それでは、前川氏の場合は一体どうなんでしょうか。前川氏の場合も、公益通報者の保護制度に当たるんでしょうか。
大臣政務官長坂康正君) お答え申し上げます。
 公益通報者保護法は、公益通報者の保護や事業者による法令遵守の確保等を目的として、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効や不利益な取扱いの禁止を定めたものでございます。同法は、労働者が労務提供先について法の定める通報対象事実が生じ又は生じようとする旨を所定の要件を満たして通報した場合に、これを公益通報者として保護する旨を規定しております。
 したがいまして、前川氏が本内部告発を行ったのが文部科学省の退職後であるとすれば、労働者の要件を満たさないことになりますので、同法による保護の対象にならないものと思われます。
○櫻井充君 ここは非常に大事なところでして、今回の場合は、国家権力を使ってスキャンダルを探してきて、これをマスコミにリークするというやり方をしてきているわけです。ですから、ここは問題は何なのかというと、個人の攻撃をそういうふうにされてきているわけであって、不利益に当たると私は思っているんです。
 ただ、今お話があったとおり、実は官僚の場合には、公務員の場合にはこの公益通報者の保護制度の対象になるんですが、労働者だけであって、一般の方々がこの対象になるわけではありません。
 この点について、私はこういう問題があるとすれば改正すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
大臣政務官長坂康正君) お答え申し上げます。
 消費者庁では、公益通報者保護制度の実効性を向上させるため、公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会を開催し、昨年十二月に最終報告を取りまとめていただいたところでございます。本最終報告書においては法改正の方向性についても御提言をいただいているところでございまして、今後、本提言を踏まえて、法改正の内容をより具体化するための検討を行っていくことと考えております。
○櫻井充君 是非きちんと検討していただきたいと、そのことを要望申し上げておきたいと思います。
 今回のそのメールの問題が、本当に本物なのかどうかという議論がずっとなされてきていて、私はいわゆる偽メール事件のときにあるテレビ番組に出たことがあるんです。そのときは相手が世耕さんでして、今の経済産業大臣ですが、その際に、微に入り細に入り、いかにこれが堀江さんから送られたメールじゃないのかということをずっと言われ続けて、まあ正直申し上げて、心の中でこれは負けているよなと思いながら、誰もテレビの番組に出ないので、仕方なく私はテレビの番組に出ておりました。
 しかし、今回不思議なのは、ここまであのときにはちゃんとこれが違うんだということを立証してきたにもかかわらず、今回全くそういうことをされていないんですね。なぜそういうことをしてこないんでしょうか。
 その点からいうと、もう一度改めて私はこのメールについて精査すべきだと思いますが、いかがでしょう。
副大臣義家弘介君) 基本的には、メールを含む文書の出どころや入手経緯が明らかになっていない文書については、その存否や内容などの確認の調査を行う必要はないと考えております。
○櫻井充君 済みませんが、あの偽メール事件のときには、どこから出たものか分からないけれど、ちゃんと全部調べましたよ。そして、それで我々も、あの当時、前原さんが代表だったと思いますが、辞任に追い込まれるようなことになっていくわけですよ。
 ですから、どこから出てきているものなのかが分からないからそれについて調査しないということには当たらないと思いますが、いかがですか。
副大臣義家弘介君) 民進党からいただいたメール等々についてでいえば、そこに明らかな違法行為があるとか、法定調査が命じられているかというような問題のものでは、渡されたものを見る限り、ではないというふうに考えております。
 一つ一つの情報提供に対して、省内外のメール一つ一つチェックするなんということになっていけば、これは行政の停滞も招きますので、省内外のメールに対して明らかな違法行為が指摘されている、法定調査でない場合は、従来より調査を行っていないというところでございます。
○櫻井充君 今問題になっているのは、四条件を満たしているか満たしていないかなんですよ。閣議決定違反かどうかという議論をしている最中ですから、これが閣議決定違反でないということを実証する僕は責任があると思いますけど、それはいかがですか。
副大臣義家弘介君) 四条件を満たしているかどうかについてでいえば、国家戦略特区を活用した獣医学部の新設については、日本再興戦略改訂二〇一五を踏まえて内閣府の国家戦略特区会議において議論が行われ、平成二十八年十一月には諮問会議において、先端ライフサイエンス研究や感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき具体的な事情に対応するため、特例として獣医学部の新設を可能とする旨の追加規制改革が取りまとめられました。
 文部科学省としましては、一貫して、需給の観点から特区を所管する内閣府に関係省庁との調整をお願いしたところでありまして、その上で決定し、今設置審で議論されているところでございまして、まず前提としてこの四条件は満たされているという前提の中で今設置審にかかっているということでございます。
○櫻井充君 これは立場の違いでそうおっしゃるしかないんだと思いますが、ここのところが本当に大事なところなんですよ、閣議決定事項を守ってきているか守ってきていないかと。この間の私は山本大臣の御答弁聞いていて、とても四条件満たしているとは思っていないんですよ。
 最後は何とおっしゃったかというと、僕は本当茫然としましたが、要するに需給というのは分からないんだと。しかも、最後こういうこともおっしゃったんですが、規制緩和はなぜ必要なのかと、規制緩和というのは新規参入を増やすわけですから供給量を増やすわけですねと、そのことによって価格が下がってきて、それで消費者は喜ぶと、しかし、既得権益を持っている生産者の方は困るって、単純にこうおっしゃっていますけどね。
 大臣、安倍政権で今掲げている経済対策で何を脱却しなきゃいけないとおっしゃっていますか。
国務大臣山本幸三君) 岩盤規制を、デフレから脱却ですね、それを、そのことですか。
○櫻井充君 まさしくそうなんです。デフレから脱却するんです。そうすると、今、大臣がこの前回の委員会で何とおっしゃったのかというと、規制は緩和すると価格が下がって消費者が喜ぶと、そうおっしゃっているんですよ。ということは、やっていることは安倍政権がやろうとしていることと逆じゃないですか。
国務大臣山本幸三君) それはミクロ経済とマクロ経済、混同している議論だと思います。我々が言っているのはマクロ経済としてのデフレという現象をなくそうということでありまして、一方で、個別の分野のミクロ経済について言う場合には、それは値段が下がった方がいいというのは消費者は当然思っているわけでありまして、そういうところの話とマクロ経済全体の話と混同していては経済学の議論にならないと思います。
○櫻井充君 済みませんが、単純に価格だけ下がってくれればそれでいいんですよ。価格下げるために企業はどういう努力しているか御存じですか。海外に生産拠点を移して安い労働者に生産してもらうとか、それから正社員から非正規雇用に変えていってそれで安い商品を作ってくるという、そういう努力をしているんですよ。つまり、消費者が喜ぶといいますが、労働者は一歩会社から外に出れば消費者になるわけであって、この人たちの賃金が下がることも何も前提なくこういうお話をされること自体、僕はナンセンスだと思います。
 一方で、もう一つ申し上げておきたいことがありますが、世界の医療制度の中でどの国の医療制度がナンバーワンだと評価されているか、大臣は御存じですか。
国務大臣山本幸三君) その点について私は詳しく知る立場にありませんけれども、医学部とか大学、獣医学部のランキングとか見れば、私はアメリカがトップではないかと思っております。
○櫻井充君 済みませんが、規制緩和規制緩和とおっしゃるのであれば、まずちゃんと我が国の制度としてどれがすばらしいのかを知っておいていただきたいと思いますが、WHOで総合評価で日本の医療制度はナンバーワンです。日本の医療制度は、済みませんが、最後の社会主義とも言われています。これは、国が価格調整を行い、それから医師の需給調整を行い、病院の病床規制も行って、ですが、こういうことをきちんと行っているからこそ、それはいろんな問題は起こっていますよ、現場で、起こってはいるけれど、制度として見れば世界でナンバーワンだと評されているんです。
 そうしてくると、何でも規制緩和して、何でも民間需要に任せて、あとは、この間神の手とおっしゃっていましたが、そういうところに任せればいいんだというものとは私は全く違うと思っています。そういうことを御存じの上で、とにかくこの間のお話は規制緩和さえすればいいような暴論ですよ、あれは。
 そして、ここから肝腎なところですが、学校に対しても規制緩和をした方がいいんだ、一校に限らずいっぱいつくった方がいいんだと、そうおっしゃっていますが、これについてまず文部科学省にお伺いしておきたいと思いますが、このような考えについてどう思われますか。
副大臣義家弘介君) まず、市場原理とは財やサービスを自由に行うことにより資源の最適配分が実現するという考え方あると承知しておりまして、自由な競争や取引を妨げる時代に沿わなくなった諸規制の撤廃や緩和等を推進し、社会全体として効率的な資源配分を目指すことは重要であると考えております。
 一方、国民の安全や財産を守ることや、一定の水準以上のサービスの提供などのために必要な規制も存在をしていると考えております。とりわけ、大学教育に関しても、その質を維持するため、国として一定の基準を設ける等の関与は必要不可欠であると認識しております。
○櫻井充君 ありがとうございます。そのとおりなんです。
 そうすると、前回の山本大臣の発言について、文部科学省としてはいかがお考えでしょうか。
副大臣義家弘介君) 先ほど答弁した内容の前提で我が省としてしっかりと守ってまいりたいというふうに思っております。
○櫻井充君 内閣で違うんですよ、考え方が、こういうふうに。何でも規制緩和すればいいとおっしゃる大臣、そして、それではなくて、ある程度の需給調整が必要だという文部科学省。私は文部科学省の考え方の方がはるかに正しいと思います。
 大臣、規制緩和して学校が増えたら何のメリットがあるんですか。
国務大臣山本幸三君) それは、学校の中のいろんな種類にもよると思います。
 医学部については、おっしゃるように、これは日本として冠たる医療制度を持っていることは、それは私も認めます。しかも、医療については、まさに保険というようなことで、まさに価格自体も政府がある意味でコントロールをしているし、せざるを得ないというところであります。
 ただ一方で、獣医学部というのは自由診療ですから、これは価格は自由に決まっているわけでありまして、そういう場合に、しかも一定の資格、質をもつという意味では国家試験はちゃんとあるわけであります。そういう状況の中で質は保たれて、そして、しかも自由診療であるということから考えれば、私は市場原理にのっとるところも十分あると考えております。
○櫻井充君 そうすると、もう一度改めてお伺いしておきますが、大学に対して市場原理を持ち込むことのメリットを簡潔にもう一度御答弁いただけますか。
国務大臣山本幸三君) 大学というのは、社会のために必要な人材を供給するということだと思います。そういう意味で、その社会の中の、供給された場合に市場原理にのっとるような分野で活躍するような人材については大いに供給を増やしていくということの方が経済全体としては良くなるし、しかし、一方で当然質のことも考えなければいけないし、他方で分野によってはそれになじまない分野もあると。それはそれぞれの教科なり学科なり大学の性質によって変わってくるものだと思っております。
○櫻井充君 答えになっていません。
 それから、じゃ、大学が潰れた際に、学生さんたちに対する影響はどうお考えでしょう。
国務大臣山本幸三君) これは、その学生がそういうことで困らないように措置するというのは当然考えなければいけないと思っております。
○櫻井充君 学生が困らないようにするために需給調整しているんですよ。今、医学部はそうやって認めてくださいましたが、文部省の告示で、医学部だけじゃないですよね、歯学部と獣医学部も全く同じような扱いになってきたはずです。そんなの全然議論に、議論というか、理屈として僕は合っていないと思いますけどね。
 これ、また次回にこれからやらせていただきたいと思いますが、私はこういう大臣の下でこういう暴論を、暴論だと思います、議論を進めていくのは非常に危険だと。それから、昨日の我が党の古賀議員の質問に対して十分にお答えいただいていないと。そういう点からすると、果たして大臣に適格なのかどうかと、その点もこれから問われていくんではないのかと、そう思います。
 それで、これは通告しておりませんので、昨日の僕は総理の答弁を聞いてあれっと思ったことがありました。それは何かというと、今治市の分科会が平成二十九年一月の十二日に行われていて、公募は一月の四日から一月の十一日でして、次の日にもう既にその今治市の分科会が行われて、ここで事実上加計学園が決まっていくというプロセスなんですが、その際に、昨日は総理が、獣医師の方もいらっしゃったので客観的に見たんだと、まあそういう話でした。確かに、質問の内容を見てみると、意見とかはかなりいろんな点で心配されていて、本当に実現できるのかどうかというのは、ますますこれ見るとおかしいと思うんですが。
 一方で、済みません、これは通告していないので、午後、杉尾委員がこの後質問に立ちますので、調べておいていただきたいことがあります。それは、加計学園の教授陣、七十二人でしたか、その中に、この今治市分科会第二回に出席された民間有識者の中のお二人の獣医師の方は、繰り返しになりますが、加計学園グループの教授として入っていたのかどうか。
 今もしお答えいただけるのならお答えいただきたいと思います。できないのであれば午後に回したいと思いますが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) その点については全く存じません。
○櫻井充君 いや、これは設置審にかかっている案件なので文部科学省だと思いますが、文部科学省、いかがですか。
副大臣義家弘介君) 調べて午後にお答えできるようにさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。午後に、このことについてきちんと調べていただきたいと、そういうふうに思います。
 情報公開法で、市民の方が今治市の国家戦略特区特別委員会の協議資料というのを入手してくださいました。そこの中で見てくると、もう既に相当早い段階から来年の四月開校に向けてのスケジュールがすうっと全部書かれてきています。このことを見てきても、実際にもう当初から加計学園ありきで進んできたんではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 加計学園ありきということで進んでいることは一切ありません。
 私申し上げましたように、私が大臣になって、国家戦略特区を始め規制改革、これはもう全力を挙げてやるんだという指示を出して始めました。そのときは私は、総理と加計学園、関係は知りませんでした。
 その後、総理との友人関係というのを知ったのは、九月七日に加計学園の理事長さんが挨拶に来られたときに、その前日辺り、秘書官からそういう話を聞きました。そこで、私は、理事長さんから、今治市と一緒に獣医学部の新設について要請したのでよろしくという話があったので、この点については、それはルールにのっとって公正中立にやるんだと、そのことの意味は、最後は公募で決まるんですよということまで申し上げました。
 そういう意味で、全く加計学園ありきで考えていたということはございません。
○櫻井充君 まあ、でも、石破大臣のときは進まなかったんですよ。石破大臣のときはちゃんと四条件付けたんですよ。実は、この四条件付けたって、前に向いているように思えますが、実際相当高いハードルで、このハードルを越えるのは非常に大変だったんです。事実だけ申し上げれば、山本大臣が大臣に就任されてからとんとん拍子に進んでいったんですね。
 この点については午後から杉尾議員の方から質問させていただけると思いますが、いずれにしろ、やはり行政がゆがめられているという点で私は大きな問題があると、そう思っていて、これは国家戦略特区の構造上の問題も関係していると思いますので、改めてこれは議論させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。