平成29年6月5日決算委員会(平山佐知子議員)

平山佐知子君 民進党新緑風会平山佐知子です。
 冒頭、イギリス・ロンドンで起きたテロ事件に関して心よりお見舞いを申し上げるとともに、こうしたテロ行為は決して許してはならないということを強く抗議を申し上げます。
 それでは、加計学園の問題について総理に伺います。
 先週の金曜日、新たなメールが出てきました。文科省の専門教育課の担当者名で少なくとも十人以上にメールが送られたというものです。これまで、こうしたメールのほか、様々な文書、それから証言、次々と今出てきています。これ、総理が指示をした、関与したということがもう明らかになっているかと私は思うんですが、改めて、総理、今回の加計学園獣医学部新設に当たって総理は関与されていらっしゃいますでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 従来から申し上げておりますように、全く関与していないと、また関与できない仕組みになっているということも申し上げておきたいと、このように思います。
 仕組みとしては、これは御承知だとは思いますが、国家戦略特区諮問会議においてしっかりと議論がなされ、そこで決まるわけでございます。私がどこにするということの指示はもちろん出したこともありませんし、出せない仕組みになっているわけでありますし、そこの民間議員の皆さんは、こういう議論があることに大変憤っておられるわけでございます。
平山佐知子君 関与していないというふうにおっしゃいました。
 いろいろ伺ってまいりたいと思いますけれども、森友問題では文書はないとおっしゃる、今回の加計学園の問題に関しては、文書が出てきたら、これは怪文書だと切り捨てて、さらには、しっかり調べもしないのに、これは確認できない、もう調べないというふうにおっしゃる。
 総理が関与していないのならば、しっかりとこの立証する責任は総理に私はあると思うんですが、これ、いかがでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 委員も、質問されるのであれば、事実事実をしっかりと確認していただきたいと思いますが、まず、森友の……(発言する者あり)今何言っているんだよという場外から汚いやじがございましたが、これは民進党にありがちなやじでございますが、言わばこれは、森友の文書につきましては財務省が、理財局が調べたわけでありまして、理財局が答弁をしているところでございます。そしてまた、私は、怪文書ということは私は申し上げていないわけでございまして、これを、言わば事実は事実として押さえてから質問していただきたいと、こう思う次第でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、これは、私が関与したということであれば、関与した証拠を見せていただきたいというわけでありまして、証拠を、私が関与していない……(発言する者あり)済みません、後ろからですね……
○委員長(岡田広君) 静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 皆さん、静かな雰囲気で、やじり倒すというのはこれどういうことかと思うわけでありますが……(発言する者あり)よろしいでしょうか、皆さん、落ち着きました。
 これは、こういうことについては、言わば当然立証責任は、それはそこに問題があるんだと言う方が立証するのが当然のことであろうと、そして証拠を持ってそれは示すことが当然のことであろうと、こう思う次第でございます。
平山佐知子君 私の質問には全く答えてくださっていません。私は事実に基づいて今質問をさせていただいています。
 では伺いますが、前川前文部科学省事務次官は文書は本物だとおっしゃっています。それから、文科省の現役の方も、マスコミの報道によれば、これは文書を共有していた、それからメールはパソコンに残っているというふうにもおっしゃっています。これはもう水掛け論になりますので、あった、ないというのはちょっとまた後に持っていきまして、少し質問を変えてまいりたいと思います。
 総理は、加計学園の理事長さんでいらっしゃる加計孝太郎さんとは大親友ということでよろしかったですよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、もう……(発言する者あり)何ですか。
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) いや、場外から言われますと……(発言する者あり)いや、時間稼ぎではなくて、集中ができないものですから、少し皆さん落ち着いていただきたいと、こう思う次第でございます。
 これはもう何回も何回も何回もお答えをさせていただいておりますように、親友である。ただ、親友であるということと言わば私が政策に関与したということは全く別でございまして、経済界の方、私よく存じ上げている方も多いわけでありますし、友人の方もたくさんおられるわけでございまして、そういう中であっても公平にしっかりと政策は進めているということをはっきりと申し上げておきたいと思いますし、繰り返しになりますが、繰り返しになりますが、こうした仕組みとして、よく仕組みを勉強していただければ、これは介入する余地がないということは御理解いただけるのではないかと、このように思います。
平山佐知子君 仕組みについてはしっかりと勉強をさせていただいております。質問だけにお答えいただけると有り難いと思います、時間が限られておりますので。
 今、大親友だというふうにお答えいただきましたけれども、そうすると、大親友である加計さんがずっとこの獣医学部を新設したいという思いであったということは当然ながら御存じでいらっしゃいましたよね。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、安倍政権になりましてから、国家戦略特区に、その申請を今治市とともに出された段階で承知をしたわけでございます。それ以前から、それ以前から例えばこれは福田内閣のときに申請が出され、これは対応不可とされたわけでございますが、その前年、構造改革戦略特区はあったわけでありますが、その一年前は安倍政権でありますが、そのときには出されていないわけでございます。
 その後、その後ずっと回を重ねている、言わばこれ安倍政権になって突然出てきた話ではなくて、言わばこれは福田内閣のときに出され対応不可、あるいは麻生内閣のときに対応不可となったものが、民主党政権時代に鳩山内閣においてまさにこれは対応して言わば検討対象となったわけでありまして、二十二年度中に早急に結論を出すと、こういうことであったわけであります。
平山佐知子君 もう質問だけに答えていただくように、本当にお願いをいたします。
 加計学園獣医学部新設を要望していたということは、当然ながら親友なら御存じだったということですけれども、そうすると、大親友の加計さんがそういうふうに希望されていたということは、じゃ、新設されればいいなというふうに思っていらっしゃったことはありますか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それは、一々私が友人に対してどういう思いを持っていたかということをここで述べる場ではないんだろうと思います。
 言わば政策的にどうであったかということを真面目に議論する場であって、私がそう思っていたら恐らく政策に関与したのであろうという、言わば印象操作に一生懸命になっておられるんだろうと思いますが、そうではなくて、果たして、果たして獣医学部をつくることがふさわしいのかどうか、四国に一校もなかったことがふさわしいかどうか、あるいは鳥インフルエンザ等の言わば課題があるのに、動物から動物、動物から人にうつる、こういうものに対応する産業医が不足しているという、あるいは公務員獣医、産業獣医が不足している中で対応していなかったのがよかったのかどうか、獣医師会が反対している、それに関わる省庁が抵抗しているからといってそれに屈していていいのかどうかという問題だろうと、このように思います。
平山佐知子君 総理は印象操作とおっしゃいますが、印象操作をしているのは総理の方ではないかと思います。
 私は、これ重要なポイントだから伺いたいというふうに申し上げているのであって、もし友人がそういうふうに獣医学部ずっと新設したいと思っているのであれば、そうなればいいなと私だったら思う、そういうふうに思いましたので伺ってみました。ですから、総理もきっとそういうふうに強く願ったんじゃないかなというふうに思います。
 それを基に伺っていきますが、前川前事務次官は、和泉首相補佐官から、総理は自分の口から言えないから私が代わって言うと言われたと証言をされました。
 総理は、和泉さんに対して何か指示をした、思いを伝えたことはありますか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、私がそうしたいなということを前提に質問されても困るんですよ。ではなくて、冷静にしっかりと白地で議論していただかないと、最初からそれありきじゃないですか。ありきじゃ、これ、議論にならないですよ。
 それを言わばその方向に向かって何とか印象をつくろうとしておられるんだろうと思いますが、言わば、何回も申し上げておりますように、この経緯からいっても、仕組みからいっても、私が指示をしたということはあり得ないわけでございまして、そして、和泉補佐官に、和泉補佐官に私はそんな指示をしたことは当然ありませんし、和泉補佐官もそんなことを言った覚えはないと、こう言っているわけであります。第一、私が一々官邸のスタッフにそうした指示を与えて文科省に伝えに行くということは、そもそもそれは普通あり得ないわけでありまして、政治レベルで、政治レベルで私が指示する場合は、政治レベルで私が指示する場合は、私は大臣に指示をするのであるわけであります。
 ですから、これは繰り返しになりますが、もちろん松野大臣に指示したこともございませんし、松野大臣もそう答えておりますし、松野大臣も前川次官からそういう報告は受けていないと、報告を受けていないと、こう述べているわけでございます。
平山佐知子君 政治レベルではあり得ないというふうにおっしゃっていますけれども、それ以外ではもしかしたらそんたくということがあるかもしれません。事実を伺っています。
 あとは、内閣官房参与に就いていた木曽さん、今は加計学園系列の千葉科学大学の学長さんでもいらっしゃいますけれども、その木曽さんは、前川さんのところに行ったということは否定されていませんし、当然そのときに獣医学部についてお話をしたと思うともおっしゃっています。
 この木曽さんには何か指示、思いを話したことはありますでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それは全くないわけでありまして、木曽さんはそもそもユネスコに関して私の参与であったわけでありますから、このユネスコ以外の話題を彼と話したことはないということをはっきりと申し上げておきたいと思いますし、また木曽参与と私はほとんど会って話をする機会はなかったと、このように思っております。
平山佐知子君 ないとおっしゃったのは、私はおかしいと思います。
 木曽さんは獣医学部新設の一連の動きについて、巨大なそんたくの塊だと思うとおっしゃっているんです。私は、総理の意向を酌んで大勢の方が動いたんだと思います。総理は直接言っていないという認識かもしれませんけれども、総理の思いとか発言というのは大変重たくて、そこに総理がこうなってほしいという思いがあれば、当然のごとく総理の御意向に従って様々動いてきた、笑っていらっしゃいますけれども、私はそのように思います。
 少し、時間がもうありませんので、話題を変えてまいりますが、閣議決定事項を守るというのは、これは当然ということでよろしかったでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) まず、これ引用するときには正確を期していただきたいと思いますが、木曽参与がそんたくの塊と言ったのは、言わば内閣に対するそんたくの塊ではなくて、言わば関係団体に対するそんたくの塊であったということを反省的に述べているわけであります。だからこそ、だからこそ獣医学部ができなかったのだということを木曽さんが後で正確に、これはインタビューは不正確だったということでそう述べておられる、そういうところもちゃんと見ていただいてから質問された方が私はいいと思いますよ。
 当然、閣議決定等に従っていくのは当然のことだろうと、このように思います。
平山佐知子君 質問に答えていただきたいと思いますし、論理のすり替えをしないでいただきたいというふうに思います。
 獣医学部新設に当たっては、ちょっとパネルを出していただいてもよろしいですか、四条件の、(資料提示)こちらにあるいわゆる石破四条件ですけれども、これをやはり守るというのが閣議決定事項ですから当然だと思います。
 一つずつ短くお伝えしますが、既存の獣医師養成でない構想が具体化されること、新たに対応すべき分野の具体的需要が明らかになること、既存の大学・学部では対応が困難な場合、近年の獣医師の需要の動向を全国的見地から見ること、この四条件を満たさなくてはいけないということは、これは閣議決定事項だからこれも当然ということでよろしかったでしょうか。総理にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) まず最初に申し上げておきますが、私が国家戦略担当大臣でありまして、今回の獣医学部の新設については私が全部決めてやっているんです。総理、関係ありませんよ。最終的に、諮問会議に出るときには議長であります。
 そこで、まず規制改革の基本的な考え方について申し上げますが、自治体や民間から提案が寄せられたときは、できない理由を探すのではなくて……(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) どうしたらできるかを前向きに議論すべきでありまして、こうした考え方は、平成二十六年二月に閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなく、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定したものであります。
 特区の基本方針は、規制を所管する省庁が改革は困難と判断した場合にはその正当な理由の説明を適切に行うことを求めているわけでありまして、その説明がなされない場合は提案に基づく規制改革を進めていくべきだと考えております。この基本的考え方を……
○委員長(岡田広君) 山本大臣、簡潔にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) 今回に当てはめれば、関係省庁である文科、農水両省が日本再興戦略改訂二〇一五の四項目に反すると立証していない以上、それだけで、四項目との関係を含め問題はないと考えております。
 ただし、獣医学部の新設は五十年以上の間実現には至らない、とりわけ困難な規制改革事項であるため、今回は、規制庁だけでなく、内閣府としても特区法の趣旨に沿って四項目との関係で問題がないことを最終的に私が確認し、文部科学大臣及び農林水産大臣もこれに異論を唱えることなく、昨年十一月九日の諮問会議で……
○委員長(岡田広君) 山本大臣、簡潔に御答弁お願いします。
国務大臣山本幸三君) 両大臣の御出席もいただいて本件の制度化を決定し、一月二十日の区域会議で同様に両大臣の御出席もいただいて区域計画が確定しました。
 四項目について具体的に申し上げますと……(発言する者あり)四項目については具体的に申し上げますか。(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
国務大臣山本幸三君) きちっと守られていることを幾らでも申し上げられます。
内閣総理大臣安倍晋三君) 全大臣が出席をしているこの委員会でありますから、当然、我々は委員長の指揮に従って答弁するのは当然のことであろうと。そうなったときに、皆さんでもう大声を出してやじり倒すのはやめましょうよ。それ、もう国民の皆さんは望んでいませんし、一番それは嫌っているんですよ、皆さんが汚いやじを飛ばすことはね。だから、それはお互いにやめていきたいと、こう思うところであります。
 また、今、四条件について聞かれたわけでありますから、四条件についてどうなのかということについては、これは私が判断するのではなくて、これはまず一義的には、この四原則については特区申請の分科会でこれは議論するんですよ。御存じですか。(発言する者あり)いや、どうやら、何か御存じなかったようなので。
 この特区申請の分科会では獣医学部の教授が二名出席をされています。もちろん関係の大学ではございません。その獣医学部の教授の二人の方が入っていて、そこで実際に審議をし、そこで決めるんですよ。もちろん、ですから、私がそこに入っていく余地はないし、また、これは、その上にいる山本大臣がそれを受けて説明をしたわけでありますが、四条件について聞かれたわけでありますから、丁寧に説明すれば長くなりますよ。当たり前じゃないですか、合っているかいないかについて説明をしていくんですからね。
 だから、そこでまさに議論をされたわけでありますが、四条件を満たされていないという議論はそこでは出なかった。言わば専門家がそこで議論をするわけでありまして、専門家でない私が議論に参加するということはあり得ないわけでありまして、そういう仕組みになっているんだということを御理解をいただいた上で御質問を是非いただきたいと、こう思う次第でございます。
平山佐知子君 申し訳ございませんが、今私が質問したのは、四条件、これを満たさなくてはいけないということは閣議決定事項だから当然ですよねというふうに伺いました。それを、この根拠を長々と話され、全然質問には答えていただけないということを強く訴えたいというふうに思います。
 今、長く答えていただきましたが、私はこれ満たされているとは思えませんし、これまで同僚議員が様々な国会の中で審議してきましたが、私は満たされているとは思っておりません。この四条件を満たさずに、結局は総理のお友達のためにこれ決定したんじゃないでしょうか。総理にお願いいたします。私、総理しかお願いしていませんので、お願いいたします。(発言する者あり)
○委員長(岡田広君) 御静粛にお願いいたします。
内閣総理大臣安倍晋三君) もう皆さん、そんな騒がないでくださいよ。
 まず、四条件を満たさないのに私が私の友人だから決めたということをもう最初から決めて掛かっているわけでありまして、ですから、議論が政策的な議論として深まらないんですよ。こういうことははっきりと申し上げておきたいと、こう思いますよ。
 言わば、この四条件について、私はこれは専門家でもないわけでありますし担当大臣でもないわけでありますから、これは担当大臣から答弁するのが当然のことであろうと。そして、私はそこで議論されたことをつまびらかに承知をしていないわけでありますから、担当している大臣が答えるのはこれ当然のことじゃないですか。
平山佐知子君 同じ答弁の繰り返しで議論が深まらないのをそっくりそのままお返しをしたいというふうに思います。
 今まで私は、同僚議員がずっと議論してきたように、この四条件を満たしているとは思えないから今質問をさせていただいていたんです。この四条件を守られていないというのは、これまで前川前事務次官もおっしゃっていますし、私たちも当然そのように思っていますし、マスコミでもおかしいと報道されているんです。しかも、国民の皆さんの八〇%が納得をしていないというふうにおっしゃるものですから、総理にはきちんと説明をしていただく義務があるというふうにもう一度申し上げておきます。
 もう時間も残り僅かとなってきましたので最後まとめさせていただきますけれども、先ほどもおっしゃっていましたけれども、私は、岩盤規制を突破する、これが悪いというふうには言っていませんし、規制緩和、これを全面的に反対をしているわけではありません。だけれども、何でもルールを無視して規制緩和をすればいいというものではなく、最低限のルールを守ってからでないとこの規制緩和をしてはいけないというふうに強く訴えたいというふうに思います。
 また、財政についても、九十六億円もの巨額の市税が拠出されるということで、財政の悪化は目に見えているというふうに思います。その一例として、千葉県銚子市で同じく加計学園系列の大学を九十二億円も掛けて誘致したことで、市の財政は極端に悪化しています。実際に、市民にとって大切な市立病院が一時休止に追い込まれるということが起きています。何でもかんでも大学を誘致したからといっていいということではないということを、市民生活にも大きな影響が出ているということを申し上げたい、そのように思います。
 総理、関係ないというふうにおっしゃいましたけれども、総理は経験ないかもしれませんが、私は非正規で長く働いてきました。国民の多くが、毎日汗を流して一生懸命、日々の暮らし、必死に暮らしていらっしゃる、このように思います。安倍総理の友達だけが利益を得られる、そんな政治は私はおかしいと強く訴えて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

TOC条約における参加罪共謀罪とは

第五条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1締約国は、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a)次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i)金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii)組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為
a組織的な犯罪集団の犯罪活動
b組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること。
2 1に規定する認識、故意、目的又は合意は、客観的な事実の状況により推認することができる。
3 1(a)(i)
の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上組織的な犯罪集団の関与が求められる締約国は、その国内法が組織的な犯罪集団の関与するすべての重大な犯罪を適用の対象とすることを確保する。当該締約国及び1(a)(i)の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上合意の内容を推進するための行為が求められる締約国は、この条約の署名又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の寄託の際に、国際連合事務総長にその旨を通報する。

国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(TOC条約)とは

第一条 目的
この条約の目的は、一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うための協力を促進することにある。
第二条 用語
この条約の適用上、
(a)「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
(b)「重大な犯罪」とは、懲期四年以上の自由を剥はく奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
(c)「組織された集団」とは、犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団をいい、その構成員について正式に定められた役割、その構成員の継続性又は発達した構造を有しなくてもよい。
(d)「財産」とは、有体物であるか無体物であるか、動産であるか不動産であるか及び有形であるか無形であるかを問わず、あらゆる種類の財産及びこれらの財産に関する権原又は権利を証明する法律上の書類又は文書をいう。
(e)「犯罪収益」とは、犯罪の実行により生じ又は直接若しくは間接に得られた財産をいう。
(f)「凍結」又は「押収」とは、裁判所その他の権限のある当局が出した命令に基づき財産の移転、転換、処分若しくは移動を一時的に禁止すること又は当該命令に基づき財産の一時的な保管若しくは管理を行うことをいう。
(g)「没収」とは、裁判所その他の権限のある当局の命令による財産の永久的な剥はく奪をいう。
(h)「前提犯罪」とは、その結果として第六条に規定する犯罪の対象となり得る収益が生じた犯罪をいう。
(i)「監視付移転」とは、犯罪を捜査するため及び犯罪を実行し又はその実行に関与した者を特定するため、一又は二以上の国の権限のある当局が、事情を知りながら、かつ、その監視の下に、不正な又はそ疑いがある送り荷が当該一又は二以上の国の領域を出、これを通過し又はこれに入ることを認めることとする方法をいう。
(j)「地域的な経済統合のための機関」とは、特定の地域の主権国家によって構成される機関であって、この条約が規律する事項に関しその加盟国から権限の委譲を受け、かつ、その内部手続に従ってこの条約の署名、批准、受諾若しくは承認又はこれへの加入の正当な委任を受けたものをいう。この条約において「締約国」についての規定は、これらの機関の権限の範囲内でこれらの機関について適用する。

獣医師育成に関する参議院農林水産委員会(平成28年5月12日)での議論

おおさか維新(当時)の儀間光男議員による大型動物の獣医師不足に関する議論

儀間光男 いや、実にいいですね、いつの間にきれいになったんでしょう。
 ということは、以前、東日本、西日本に分けて豚と牛の生産量と生産額を少し比較検討して、私の予想では西がずっと多いだろうと思ったら、東が多かったんですね。東が多かった。豚も牛も東が多かった。特に豚は、鹿児島、宮崎、私ども沖縄、分母は小さいんですが、豚文化だから断然多いだろうと思ったら、これも東が多かったんですね。
 その影響がどこへ出たかというと、獣医さんの配置に出たんですよ。東の獣医は過剰ぎみ、西は不足なんです。ここまで国がバランスできたらすばらしいなと思うけれども、それはなかなかできる話じゃないので。特に、どういう形でそうなったかというと、獣医さんの多くが今度は小型動物の獣医で、ペットへ行っちゃうんですよ。大型動物の獣医が少なくて、その大型は東が多いことからでしょうか、東に偏ってしまったんですね。
 そういうことで、西にはまだまだ獣医が不足をしているという、いわゆる生産環境の一つの条件が整わない。特に保健衛生環境、牛の病気関係、豚の病気、あるいは鳥の病気、いろいろあるんですけれども、これらの環境が衛生面で、病気の面で整っていないというような今現状にあるわけですよ。その辺を何かできないか。少しアイデアありませんかね。
国務大臣森山裕君) 儀間委員御指摘の現状というのは、やはり畜産の将来にとって非常に憂慮すべき事態であると考えております。
 日本獣医師会でもいろいろ御配慮いただいておりまして、産業動物に対する獣医さんの再教育とかということにも取り組んでいただいておりますので、我々としても、日本獣医師会ともよく連携をさせていただきながら、産業動物の獣医師の確保というのには更に努力をさせていただきたいと思っているところでございます。今、日本獣医師会でカリキュラムをお作りいただいて対応していただいていることは大変有り難いことだと思いますし、そういうことを更に今後も充実をさせてまいりたいと考えております。
儀間光男 私は、今産業動物とおっしゃった、大型動物に特化した畜産学科を希望する大学に設置してはどうかと、これは文科省を今日呼んでいませんからお答えする必要はないんですが、その必要性を感ずるんですね。どうしても東に多くおる獣医さんを、おまえ西行けやと馬の首にロープを付けて引っ張るなどということ、引っ張ったって引っ張られませんから。そういうことはできないので、そういうことであれば、西の方の教育をするために大型産業動物に特化した獣医大学を、獣医学科をつくりますよというようなことぐらい文科省と話し合っていく必要が私はあると思うんです。
 しかも、これからTPPを迎えて、多くの生産動物をつくっていかなければ諸外国と太刀打ちできない、避けて通れないような状況にありますから、先を見越してそういうことをやることも必要だと思うんですが、大臣、その辺の御決意はどうなんでしょうかね。
国務大臣森山裕君) 獣医師の数としては十分に足りているわけでありますが、大動物を中心にやっていただくか、大動物も診るし小動物も診るとやっていただく獣医さんもおられますが、もう小動物しか診ない獣医さんもおられるものですから、そこのバランスをどうするかということが大事なことでございまして、先ほども申し上げましたとおり、日本獣医師会としてもその問題意識はしっかり持っていただいておりまして、いろんな研修等もやっていただいておりますので、大動物だけ診る獣医の資格というのは制度上あり得ないわけでございますので、そこをバランスさせるということにまずは努力をさせていただくということが大事なことではないかなというふうに考えております。
儀間光男 獣医の先生方の自覚しかまてないと、こういうようなことになるんでしょうけれども、おっしゃるとおり、獣医全体は供給は十分なんですね。その中の女性獣医さんがほとんどペットへ行くんですよ。それで、大型産業動物となると力仕事もいっぱいありますしね。というようなことで、なかなか大型の方へ行ってくれないというような隘路があったりして大変困っているような状況があるんです。
 それはそれとして、また次の議論としたいと思いますが、何かありますか。
政府参考人(今城健晴君) 儀間委員の方から産業動物獣医の確保ということについていろいろ御提案いただきました。
 女性が最近確かに獣医師の合格率も増えておって、そういうことはございますけれども、その中でも産業動物を志向しておられる女性獣医も率としては増えておりますので、確かに男性に比べて力などないかもしれませんけれども技能はちゃんとあられるという形で、現場の雇用、例えばJAですとかそれから家畜保健所、家保とか、そういうところの待遇も含めながら、どういう形で充実していけるかということをよく検討してまいりたいと考えております

平成29年3月16日憲法審査会(枝野幸男)

○枝野委員 二十世紀の半ば以降、行政府による議会の解散権には強い制約をつけるという傾向が世界的に強まっています。
 ドイツでは、第二次世界大戦終結後、西ドイツの時代から解散権行使の要件を厳格に絞っており、内閣不信任の場合などしか解散が認められていません。議院内閣制の本家と言える英国でも、二〇一一年に議会期固定法を制定し、内閣による議会の解散は認められなくなりました。カナダでも、二〇〇七年の選挙法改正により、不徹底ながら、行政府の解散権を制約する動きがなされています。
 歴史的に見ると、王政時代に議会に対して解散権を有していたのは王権でした。議会は王権を制約するための機関としてつくられましたから、王権と議会は、対立、緊張関係にあるのが前提でした。こうした時代に、王権が議会に対抗して、これを抑制、牽制する手段として解散権が位置づけられていたのです。
 ところが、民主制下での議院内閣制ではこの前提が変わっています。内閣と議会との間には、王権と議会との間のような対立関係はありません。内閣は議会の多数派によって選出され、支えられており、行政府と議会の多数派が政治的に一体化した制度となっているからです。米国のような、議会と行政府の分離が徹底している二元代表制とは異なります。
 現在の議院内閣制では、内閣と議会の多数派で意見の違いがあっても、政治的に一体化している政府・与党内部で解決するのが基本です。このため、王政時代と異なり、解散権のような抑制、牽制の仕組みを制度的に設ける意義が原則としてはなくなっています。そして、行政府と議会の多数派が一致せずに対立し、それを政府・与党内で解決できない事態というのは、異例のこととして位置づけられます。この異例の事態が生じた場合に限って、対立を解消し、民意に基づいて国政を前進させるための手段として、解散が正当化されます。まさに内閣不信任の場合の解散です。
 しかし、それ以外の場合には、有利なときに選挙を行えるという多数派の都合以外に、解散を認める意義は乏しくなっています。内閣と政治的に一体となった議会の多数派が、もともと優位な立場にあるのに、これと緊張、対立関係にある議会の少数派に対して、さらに優位性を強める解散の仕組みは、必要ないどころか、有害である可能性すらあります。
 このように、ドイツやイギリスの動きは、王政から民主制へという時代の変化を踏まえた適切なものと言えます。我が国も、時代の変化に合わせた憲法をと言うのであれば、この問題こそ議論の中心となるべきです。
 特に日本では、衆議院だけでなく、参議院も国民による直接選挙です。地方選挙も、さまざまな経緯のもと、統一地方選挙が統一とは言えなくなっている状況です。いわば、年がら年じゅうどこかで選挙が行われているという状況。その都度多額の税金が使われ、政治の安定にも反します。選挙の機会が多ければ、それだけ参政権を具体的に行使する機会がふえて、望ましいようにも思えます。しかし、多過ぎれば、国民の関心も分散し、投票率低下の遠因の一つになっているとも考えられます。
 また、国民が時間をかけて慎重に考えた上で選挙権を行使するためには、選挙の時期があらかじめ予測できる方が便利です。政党や候補者は、時期が予定された選挙だからこそ、公約などを十分に練り上げて提示することが可能になり、有権者に十分な判断材料を提供することが容易になって、参政権の実質的保障に資することになります。そして、どの政党や候補者にも予測可能な時期に選挙が行われることで、公平性も高まります。
 解散について規定しているのは日本国憲法だけですから、この問題は、憲法審査会でなければ検討できません。憲法議論や憲法改正などを要することなく対応可能な問題よりも、憲法審査会として真摯に議論すべきテーマとして優先順位が高いことは言うまでもありません。
 なお、私がここで申し上げたのは、憲法を改定することの是非についての問題であり、現行憲法下でのいわゆる七条解散の憲法適合性についてではないことを念のため申し上げます。
 次に、緊急時の議員任期の延長について申し上げます。
 緊急事態における衆議院議員等の任期延長を議論すべきという意見は、検討に値すると思います。東日本大震災の際に被災地の地方選挙を延期しましたが、これは法律で対応可能でした。しかし、国政選挙の場合には、憲法上の根拠が必要になるのは確かです。
 もっとも、検討すべき事項は複雑かつ広範にあり、そう単純に結論を出せる問題ではありません。内閣が一方的に任期延長できるというのは論外としても、国会がみずから自分たちの任期を延長するというのはお手盛りとなりかねず、単純に過半数で認めればよいというわけにはいかないでしょう。
 また、極端な場合、衆議院が解散された後に緊急事態が生じた場合にどうするのでしょう。既に解散で一度失職した議員の資格が復活するのでは、権力の正統性に実質的な意味で著しい疑義が生じます。
 このような事態が生じる可能性を最小化するためにも、解散権行使は必要不可欠な場合に限定することが合理的ですが、それでも、内閣不信任がなされ、その後に解散するという、この場合は衆議院も内閣も権力の正統性を有しないという事態、こうした場合に、任期延長論あるいは権限が復活する論ということが果たしてあり得るのか、なかなか難しい問題ではないでしょうか。
 そもそも、緊急事態として選挙の実施が困難な場合については、曲がりなりにも参議院の緊急集会の規定があり、これを根拠に一定の対応が可能です。しかし、例えば、首都直下型地震都心部が著しい被害を受け政府も議会も機能しない場合など、想定すべき事態は多々あります。その中には、法律やマニュアルなどによって対応できること、対応すべきことも少なくないでしょう。
 一例ですが、内閣総理大臣臨時代理は第五順位まで決められていますが、これだけで本当によいのか。東京とその周辺が大きな被害を受けた場合に、立川の防災基地が本当に機能するのか。これらをきちっと精査し、すぐできることにきちんと対応しておくことがまずは重要です。
 一票の格差についても申し上げます。
 全国民の代表である国会議員の選出について一票の価値を可能な限り対等にするべきであるのは、日本国憲法の規定をまつまでもなく、国民主権と間接民主制を採用する以上、必然的要請です。しかし、同時に、選挙区という制度を採用する限り、議員が選挙区ごとの代表という側面を実質的に有していることも否定できません。
 そして、大都市と過疎地域との間の人口偏在がさらに急速に進んでいる日本の現状を鑑みるとき、一票の価値の平等だけを徹底すれば、過疎地域を代表する議員がさらに減少し、大都市を選挙区とする代表のみがふえていくことになります。このことが、国民全体の納得感や実質的に幅広い民意の反映を図るという意味で、やむを得ないと言い切ることは難しいと考えます。
 この問題を参議院における合区問題を解消する手段としてのみ位置づける見方もあるようですが、そのように矮小化された議論を進めることは適当ではありません。仮に、参議院について人口比以外の要素を取り入れる場合には、一票の価値の平等という基本原則の例外を設けるわけですから、その明確かつ合理的な根拠が必要です。そして、一票の価値の平等に基づいて選出される衆議院と、それ以外の要素を考慮して選出される参議院との間で、どのように役割や権限を明確に区分するのかという二院制の本質に関する議論が必要になります。
 当然ながら、民主制の基本にかかわる問題として衆議院としても十分な検討、議論が必要ですが、まずは、合区問題とも関連して参議院選挙制度が議論の入り口となっていることや、特に重要な課題となるのが参議院の役割や権限に関することであることなどを踏まえ、当事者である参議院において先行して議論を深めていただくのが適切です。民進党も、参議院を中心に議論を深めながら、党全体として認識の共有を図るという段取りで検討を進めています。衆議院憲法審査会としても、参議院憲法審査会の議論を見ながら、それを踏まえて取り扱いを検討すべきと考えます。
 最後に、共謀罪について申し上げます。
 参政権は選挙権だけではありません。政治的意思を表明し、言論活動や集会、デモなどを行うことも、大切な参政権の行使という側面を有しています。共謀罪は、テロ対策と名づけられた、まさに印象操作がなされていますが、本当にテロ対策として効果があるのか疑問がある一方で、集会やデモなど、参政権行使を過度に抑制するという副作用のおそれが指摘されています。
 もし共謀罪法案を強行しようとするならば、まずは、この憲法審査会において、参政権表現の自由など憲法との関連性について、具体的法案審査に先立ち慎重に議論する必要があることを指摘して、意見表明といたします。

衆議院財務金融委員会(2月15日)

案件

財政及び金融に関する件

伴野豊(民進党・無所属クラブ)

木内孝胤(民進党・無所属クラブ)

古川元久(民進党・無所属クラブ)

宮本徹(日本共産党)

衆議院予算委員会(2月14日)

案件:

岡本三成(公明党)

前原誠司(民進党・無所属クラブ)

辻元清美(民進党・無所属クラブ)

長島昭久(民進党・無所属クラブ)

北神圭朗(民進党・無所属クラブ)

今井雅人(民進党・無所属クラブ)

後藤祐一(民進党・無所属クラブ)

緒方林太郎(民進党・無所属クラブ)