平成29年11月15日衆議院文部科学委員会(逢坂誠二議員)

○冨岡委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 立憲民主党逢坂誠二でございます。それでは、きょうはよろしくお願いいたします。
 早速質問に入りたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
 まず、大臣、前提条件を確認させていただきたいんですが、今回の加計学園の大学の設置申請ですけれども、これは、特区の認定がなければ設置申請はなかったもの、特区の認定が前提になっていて設置申請が行われた、そういう理解でよろしいでしょうか。
○林国務大臣 先ほどの御質疑でもプロセスについてお話がありましたが、告示でもって新設の学部の抑制をしております。その告示に対する、ある意味では規制緩和といいますか、例外を認めるということで特区が位置づけられておりますので、そういう意味では、委員がおっしゃったように、特区として認められた、その結果申請がなされた、こういうふうに理解しております。
○逢坂委員 それから、もう一点、大臣に前提を確認したいんですけれども、今回の加計学園の問題に対して総理や官邸が何らかの肩入れをしたのではないかとか関与をしたのではないかというふうに言われているわけですが、総理や官邸が加計学園の問題に肩入れをする、関与をするということについては適切なことだと思っておられるでしょうか、それとも不適切だというふうに理解されているでしょうか。
○林国務大臣 プロセスにつきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、加計学園と総理のかかわりについては総理が国会で御答弁をされているとおりである、こういうふうに承知をしておりますし、また、松野前文科大臣が、総理、官邸から私、私というのは松野前大臣のことですが、に指示があったことはないということで、獣医学部の設置に関して総理から文科省に対して指示はなかったというふうに承知をしております。
 そういうことがあったとすれば、それは適切ではないというふうに認識しております。
○逢坂委員 最後に御答弁いただきましたけれども、そういうことがあったとすれば適切ではないという御認識だというふうに理解をいたしました。
 さてそこで、今度は長坂政務官にお伺いをしたいんですが、これまで内閣府の皆さんとは事務方と随分いろいろやらせていただいたんですけれども、どうも事務方の答弁では判然としないものですから、きょうは政治家としての答弁を聞きたいということでお越しをいただきました。
 まず、一昨年の六月のいわゆる石破四条件、これは閣議決定されたわけでありますけれども、この閣議決定というのは今も有効だという認識でよろしいでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答えいたします。
 そのように考えております。
○逢坂委員 もう一点、前提条件を確認させてください。
 今回の加計学園の特区認定の前提になるのは、石破四条件のクリア、これが前提になっている、石破四条件のクリアがなければ特区認定の前提は成り立っていないということでよろしいですか。
○長坂大臣政務官 そのように考えております。
○逢坂委員 そこでなんですが、私は、この間、事務方からいろいろ話を聞いているんですが、石破四条件がクリアされたというふうには全く思えないんですよ。どこのどの時点でどうクリアされたのか、きょうはそれを明確にしていただきたいと思います。
 これは非常に大事な問題だと思います。全ての前提がここにあるわけでありますので、石破四条件がクリアされている、そのことを長坂政務官にはしっかり政治家として説明をしていただきたいと思います。
 まず、お伺いします。
 石破四条件の一つ、現在の提案主体による既存の獣医養成ではない構想が具体化しというふうにございますが、現在の提案主体というのは一体何なんでしょうか、誰なんでしょうか、どこのことを指しているんでしょうか。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 現在の提案主体とは、獣医学部の新設を制度上可能としようとする際に現に提案している主体のことを指すものでございます。
 したがって、新潟県今治市京都府のいずれも現在の提案主体に含まれるものであり、いずれを排除するものではございません。
○逢坂委員 長坂政務官、本当にそれでよろしいですか。現在の提案主体と言っている現在というのは平成二十七年六月三十日です。その時点で京都産業大学は提案をしておりません。それでも京都産業大学は入るということですか。
○長坂大臣政務官 京都は二十八年の三月というふうに伺っておりますが。
○逢坂委員 今の答弁の意味がちょっとよくわかりません。整理してください。
○冨岡委員長 長坂内閣府大臣政務官。(発言する者あり)
 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 失礼いたしました。
 先生御指摘のとおり、平成二十七年六月三十日は今治市と新潟でございます。
○逢坂委員 それでは、再確認ですけれども、石破四条件の第一番目の、現在の提案主体による構想が具体化しということは、新潟県今治の構想が具体化をする、こういうことでよろしいですね。(発言する者あり)
○冨岡委員長 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学、学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向に考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行うということは、二十七年六月三十日でございます。
○逢坂委員 私が聞いたのはそういうことではありません。
 私が聞いたのは、現在の提案主体というのは新潟と今治、二つなんだ、であるならば、石破四条件の第一番目の構想が具現化するというのは、新潟と今治の構想が具現化することが四条件のまず一番目ですねという質問をしているんです。
○冨岡委員長 答えられますか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 何度も失礼いたします。
 現在というのは、先生御指摘の六月三十日現在を指すわけではございませんで、現在、過去、未来という意味での現在でございますから、御理解をいただきたいと思います。
○逢坂委員 全く意味がわかりません。
 六月三十日時点で現在という閣議決定をしている。だがしかし、その現在という言葉は六月三十日という時点を指すものではない、現在、過去、未来の中での現在だと。どういう意味なんですか、これは。
○冨岡委員長 いいですか。(発言する者あり)
 では、もう一度時間をとめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
○長坂大臣政務官 私の申し上げ方が不明確であったと思いますが、現在というのは、要するに、過去に出したけれどももう取りやめてしまったものは入りませんし、現在というのは、これから未来に向けて出てくるということを前提にした現在ということでございます。
○逢坂委員 これは六月三十日の閣議決定なんです。六月三十日の閣議決定で現在の提案主体によると書いてあったら、普通、日本語を解釈するものは、現在の提案主体だから現在提案されているものだというふうに読むのが通例だと思います。もしこれに将来も含むということであれば、現在及び将来とか、これからとか、そういう言葉がなければおかしいんじゃないですか。
 いや、何もこの点を私は問題にしたいわけじゃないんですよ。議論の出発点として、どこが対象になっているのかをただ確認しているだけなんです。
○冨岡委員長 よろしいですか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。こちらの理解は、判断する時点での現在ということだと思います。
○逢坂委員 わかりました。わかりましたというのは、それを納得したというわけではなくて、判断した時点での現在だ、そういう解釈だということなんですね、そちらの言い分は。わかりました。
 それでは、具体的な質問に入りましょう。
 この既存の獣医師養成ではない構想が具体化した、この四条件の一番目がクリアされたのはいつですか。どの構想によってクリアされたんですか。しかも、それはどの会議の場でそれが確認されたんですか。
○長坂大臣政務官 内閣府による確認は、昨年十一月の諮問会議取りまとめに当たりまして、今治市京都府からの提案、特区ワーキンググループ等における民間有識者や関係省庁間の発言、製薬業界等からの要望書、獣医師数等に関する統計資料をもとに段階的に行ってまいりました。
 諮問会議の取りまとめが四項目に合致することは、最終的には、取りまとめの文案の事務的な調整に際し、関係府省庁において確認をされております。その後、十一月九日の特区諮問会議で、文科、農水両大臣の御出席のもとに文案が原案どおり了承されたものと考えております。(発言する者あり)
○冨岡委員長 一応とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 既存の獣医師養成ではない構想が具体化であるとの点を含め、四項目との関係で問題がないことについては、内閣府としては山本前大臣が確認し、文科、農水両大臣もこれに異論を唱えることなく、昨年十一月九日の諮問会議で、両大臣の御出席をいただいて本件の制度化を決定いたしました。
○逢坂委員 大臣が確認をしたと。
 だから、私が聞いているのは、具体的にどういう事実を確認したのかということを聞いているんですよ。ただ大臣が確認したでは、確認した根拠がわからないんですよ。こういう構想の提案があった、これが具体化されたもとなんだ、根拠なんだ、それを言ってもらわなかったらわからないですよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 今治市の平成二十七年六月の提案書では、ライフサイエンス分野、例えば医療、創薬、医療機器における連携研究や食品貿易の安全確保のための人材育成、さらに越境感染症の防疫のための人材養成に、従来にない教員規模で臨むものとしておりました。
 また、京都府の平成二十八年十月の提案書では、既存の獣医学部にないライフサイエンス分野に精通した獣医師の輩出を期待するとして、創薬分野における病理学、実験動物学、薬理学などのさらなる充実を図ることといたしております。
○逢坂委員 長坂政務官、今、今治と愛媛の構想のことについて話をされましたが、それが提出されたのは六月五日なんですよ。閣議決定は六月三十日なんですよ。
 だから、要するに、これは事務方にも確認しているんですけれども、六月三十日の時点では、構想が具現化したものはあるのかないのかという話をしたら、それはないであるかのような発言なんですよ。だからこその閣議決定なんですよ。六月五日に提案されていて、それが具体化しているんだったら、こんな閣議決定をする必要はないんですよ。構想はもう具現化しているわけですから。
 五日に提案されて、それがまだ十分ではないという認識だから、六月三十日に閣議決定したんじゃないですか、構想が具現化しという。いかがですか。
○長坂大臣政務官 ただいま申し上げましたのは、二十八年十一月九日に制度化を決定したときのことを申し上げております。
○逢坂委員 ならば、どの構想が具現化したというふうに判断したんですかということを聞いているんです。
 私は、京都府の提案というのは、石破四条件も念頭に置いた非常に丁寧な提案だなというふうに読ませていただきました。ところが、六月五日の今治の提案というのは必ずしも具体性に及んでいるものではない。
 だから、その意味でいうと、まさか、よもやこのままを構想が具体化したというふうに判断しているのかどうか、その点、いかがですか。
○長坂大臣政務官 一つには、ヒアリングを通じていろいろ確認をしておりますし、先生も御承知だと思いますが、構造改革特区のときからの積み重ねがございますので、総合的に判断をしたということでございます。
○逢坂委員 六月五日の今治、愛媛からの提案以降、公に開かれた場で構想の中身についてきちんと聞いている場面はございますか。
○長坂大臣政務官 六月五日のワーキンググループの会議でしっかりと自治体からのお話は聞いているということでございます。
○逢坂委員 だから私は言っているんですよ。六月五日の時点で聞いている構想が具体化しているんだったら、逆に、何で六月三十日に、特区を認める要件の一つに構想が具現化する、具体化するということを入れるんですかと。既に構想が具体化しているんだったら、そんなものを入れる必要ないじゃないですか。
 六月三十日の時点では構想が具体化していない、そういう判断なんじゃないですか。
○長坂大臣政務官 ワーキンググループのお話と四条件のことは並行して進んでいるわけでございまして、それを条件にしているわけではございません。
○逢坂委員 四条件とワーキンググループは並行して進んでいる。だから、四条件に、今、最後、何とおっしゃったんですか。
○長坂大臣政務官 六月五日のワーキンググループで聞いたことを直接の条件にしているわけではございません。
○逢坂委員 極めて奇異な答弁ですね。
 では、何を条件にして石破四条件の一番目をクリアしたと判断したんですか。六月五日の構想は四条件の対象範囲外だというふうに今答弁をしたわけですよね、それを考慮したわけではないと言ったわけだから。
 では、何を、どの構想を見て石破四条件の一番目がクリアされたと判断したんですか。(発言する者あり)
○冨岡委員長 とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。日にちの問題もきちっと精査しなきゃいけませんので。
 二十八年の十一月九日の制度化の決定に際しまして、前年の六月三十日に設定されました四条件の充足性を確認したわけでございます。
○逢坂委員 充足性を確認した。
 だから、私は、充足性を確認したという言葉は、それは結果としてはそうなんでしょうけれども、何を見て、どういうことだから、具体的にこれこれこういうものを見て充足されているなという判断をしたかということを聞いているんです。しかも、それは公開の場で行われているのか、それとも、公開しないで、事務方がそれはそれで充足されていますねと判断したのか。
 今回のことはプロセスの透明性ということが非常に強く求められているんですよ。だから、具体的な事実に基づいて誰がどう判断したのかということを聞いているんです。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 既存の獣医師養成ではない構想が具体化であるとの点を含め、四項目との関係で問題がないことについては、内閣府としては山本前大臣が確認し、文科、農水両大臣もこれに異論を唱えることなく、十一月九日の諮問会議で、両大臣の御出席のもとに本件の制度化を決定いたしました。(発言する者あり)はい、申し上げます。
 内閣府といたしましては、既存の獣医師養成でない構想が具体化であるとの点について検討した点は次のとおりでございます。
 昨年十一月の諮問会議取りまとめにもあるとおり、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、獣医師が新たに対応すべき分野に係るニーズが一層顕著になっている。具体的には、OIE、国際獣疫事務局が提案する家畜の越境感染症ゾーニング対策における四国の学術支援拠点として、地域の迅速な危機管理対応を支援するといった点で新たなニーズに応えるものでございます。
 このように、既存の獣医師養成でない構想が具体化との判断は、内閣府でも問題ないことを確認しつつ、三府省でしっかり合意、確認したものと承知をいたしております。
○逢坂委員 それは公開されている議事録に残っておりますか。
○長坂大臣政務官 その判断は、ワーキンググループ等により段階的に積み上げていった、判断をしたということでございます。
○逢坂委員 ワーキンググループ等により段階的に判断をした、議事録には残っていない、公開されていない、それでよろしいですか。
○冨岡委員長 議事録について。
○長坂大臣政務官 失礼いたしました。お答え申し上げます。
 議事要旨はホームページにも載っております。公開されております。
○逢坂委員 議事要旨に、石破四条件の第一番の条件が確実にクリアした、そういう要旨は残っておりますか。
○長坂大臣政務官 ワーキンググループの中ではその四条件に対する御異論がないという趣旨のことは載っていると思いますが。異論がないという中での議論をしているということでございます。
○冨岡委員長 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 議事要旨は公開されているわけでございまして、そこには、四条件に対する異論が出ていないことは載っているわけでございます。
○逢坂委員 後に理事会にその議事要旨を御提出いただきたいと思います。
 それから、異論がないことがわかるということでありますけれども、異論がないということは、議論していないことも異論がないことの一つなんですよ。議論されているかどうかの痕跡はありますか。
○長坂大臣政務官 規制改革の基本的な考え方について申し上げますが、自治体や民間から提案が寄せられたときは、できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを前向きに議論すべきであるということでございます。
 これは平成二十六年二月に閣議決定した国家戦略特区の基本方針だけでなく、構造改革特区や総合特区の基本方針として閣議決定したものでございます。
 特区の基本方針は、規制を所管する省庁が改革は困難だと判断した場合には、その正当な理由の説明を適切に行うことを求めております。その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきだと考えております。
○逢坂委員 四条件の一番目がクリアされたかどうかの答弁には全くなっておりません。
 構造改革特区、国家戦略特区の基本的な考え方が今おっしゃったようなことであることは私も多少は理解しています、それが適切であるかどうかは、私は相当異論がありますけれども。
 それでは、聞き方を変えましょう。
 法律、国家戦略特区法の八条第七項三号に、実は、構想の実現性、具現性についての言及があるんです。実現可能性が必要だということがあるんです。法八条第七項三号、円滑かつ確実に実施されると見込まれるものでなければ国家戦略特区では認めませんよと言っているんです。だから、もっとわかりやすい言葉で言うと、単に提案者が言っているとか、言葉の羅列があるとか、ライフサイエンスが書いてあるだけではだめなんですよ。
 では、この実現性について、構想の具現化の段階で、専門家から話を聞くとか、実現性を検証しましたか。(発言する者あり)
○冨岡委員長 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂君。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 先生おっしゃいました八条七項は翌年の一月二十日に係る話で、今先生が前段でおっしゃっているのは十一月九日のことでございますので、それには係らないというふうに考えておりますが。
○逢坂委員 それでは、石破四条件のうちの一番目の、既存の獣医養成でない構想が具体化しという、この具体化しというところについては、円滑かつ確実に実施されると見込まれるというようなことは加味しなくてもよい、言葉の羅列でよい、そういう意味ですか。
 私は政務官が答弁しているのを十分理解しているんです。この八条七項というのは国家戦略特区の構想に係るものだということは、条文上明らかなんです。だがしかし、そうはいうものの、それの出発点になる提案そのものに具現性がなければ、一月二十日の構想だって具体化できるはずがないんですよ。
 だから、石破四条件をチェックするときに、具体性があるかどうか、具現化できるかどうか、チェックしていますかと聞いているんですよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 十一月九日の段階では、具体的にどの地域とか、そういうところまでは要件を求めておりませんので、できる見込みということで進めているわけでございます。
○逢坂委員 十一月九日の段階では、具体的にどこの地域だということは想定はしておらないと。
 それでは、ここで言う石破四条件のうちの一番目の、獣医師の養成でない構想が具体化しの具体化は、極めて曖昧な具体化。できるかもしれませんね、できないかもしれませんね、とりあえず、言葉の羅列、それを受けとめたという理解でよろしいですか。
○長坂大臣政務官 一月二十日のそういった段階では、そこのところはしっかりと確認をいたします。
○逢坂委員 今の答弁は極めて大事な答弁ですよ。一月二十日の段階では、もう一つに絞られているわけですから。
 実は、十一月九日の段階、それから十一月十八日のパブリックコメントの段階、この段階で京都産業大学が徐々に徐々に申請できないような状況に追い込まれていくわけですよ。
 二十日の段階で具現性を見る、そうじゃないでしょう。十一月九日の判断をするときに、どちらが具現性があるのだというようなことをちゃんと判断しなければ、この条件をクリアしたことにはならない。そこを曖昧にしてパブリックコメントをやるなんというのは、できレースじゃないですか。これはちゃんと答えてくださいよ。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 お言葉ではございますが、十一月九日の段階で、どこかのところを特定したような判断はございません。
○逢坂委員 それでは、繰り返しますが、石破四条件の一番目、現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化し、この閣議決定が間違っているということですか。もし今のような答弁をされるのであれば、既存の獣医師養成ではない構想が具体化しというなら私はまだわかります。提案主体というところまで踏み込んでいるんです、この閣議決定は。この閣議決定に反するんじゃないですか、今の答弁は。
○長坂大臣政務官 変わっているとは思っておりません。それは特定しているわけではございませんし、この四条件にたがえているとは思っておりません。
○逢坂委員 私は、この間、事務方から四条件の達成状況についていろいろ話を聞いたんですが、全く理解できないんですよ。それで、最終的には政治の判断ですから、政治家である副大臣でも政務官でもどちらでもよろしいですから、答弁できる方に来ていただきたいという話をしたんです。
 きょうは、ここは文科委員会の場でありますけれども、林大臣が申請を受け付けるその前提になっている条件、石破四条件がクリアされているかどうか、そこが曖昧だったらこの話は全て御破算なんですよ。だから、まず、入り口のイの一番の第一番目、構想が具現化しているかどうか、具体化しているかどうか、それを誰がどういう事実に基づいて確認したんだということを聞いているんですよ。今まで三十分近くやりましたけれども、全く明らかにならないじゃないですか。出発点がそもそもおかしい。私はそう思いますよ。
 まだ質問していません。
 もう一回聞きます。
 石破四条件のうちの一番目、現在の提案主体による既存の獣医師養成ではない構想が具体化、これは、どういう事実に基づいて、誰がどの場で判断をしたんですか、明示ください。
○長坂大臣政務官 恐れ入ります。
 もう一度申し上げますが、十一月九日の制度設計の段階では、四条件と同じように、具体性は対象となる事業に求められております。
 そして、今おっしゃいました、例えば、既存の獣医師養成でない構想の具現化ということは、先ほど申しましたが、昨年の十月下旬の段階で、今治市京都府からの提案書に獣医師が対応すべき新たな分野や新たなニーズが明記されるなど、既存の獣医師養成大学と異なる、獣医師が新たに対応すべき分野に重点を置いた教育構想が示され、また、さらに検討を加えることにより、こうした構想がより一層具体化していくものと認められると判断したわけでございます。
○逢坂委員 今の答弁の最後、より一層具体化していく。では、その時点では具体化していないということを答弁したかったんですか。
○長坂大臣政務官 提案がより一層具体化していくというふうに見込まれると判断をしたわけでございます。
○逢坂委員 今の答弁は矛盾していませんか。
 十一月九日に決めたことというのは、一月四日に共同告示になって出ていくわけですよ。そこからは、今度は、単なる獣医養成の新たな構想ではなくて、具体的な獣医学部の設置に対する申請の前段階になるものなんですよ。だから、もうその六月五日に提案された構想が具体化していくという段階ではないんですよ。さらに次の段階へ入っていくわけですよ。
 それでは、ちょっとまた聞き方を変えましょう。
 六月五日に今治と愛媛から提案があった後、その構想を深化させるための提案というのは具体的にどこでございましたか、十一月九日までの間に。
○冨岡委員長 長坂君、いいですか。少し時間をとりますか。(発言する者あり)
 では、とめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 九月二十一日の今治市分科会等で議論をしております。
○逢坂委員 多分その答弁をされるだろうと思って、そのペーパーを手元に用意してあります。これで構想が本当に具体化しているでしょうか。
 これは、今治商工会議所の特別顧問である加戸さんという方、前の知事さんでありますけれども、が提案をしたものです。でも、私から見れば、これは構想は何も具体化していない。ただ単に目指す目標を羅列しただけ。基本コンセプトを書いてある。そして、既存の大学のことについてはアドバンス教育はほとんどできていないということが書いてあるだけ。これで構想が具体化したと言えるんでしょうか。これは二枚のペーパーです。
 もう少し言いますと、私は薬学部の出身です。それで、研究職を目指していました。一昨日の夜も、国立大学法人の遺伝子の専門家、教授と意見交換をさまざまさせていただきました。そういう経験を持つ私から見て、この加戸さんのペーパーでさらに構想が具体化したと判断するには相当に危ういんじゃないでしょうか。
 では、もう一回、別な聞き方をします。
 これらの構想について専門家からきちんと意見聴取しましたか、構想の実現可能性を含めて。
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 関係省庁で会議を重ねていくに当たっては、各界専門家や製薬業界の要望をいただきながら判断を行っております。
○逢坂委員 二点。要望を聞いたということと、出されている構想の中身をチェックすることは別です。
 それともう一点。今おっしゃったことは議事録などに残っておられますか。残っておられないとするならば、だから、判断が恣意性があるんじゃないか、密室なんじゃないかと勘ぐられるんですよ。
 いかがですか、二点。
○長坂大臣政務官 要望に関しましては、要望書をいただいております。
○逢坂委員 要望を受け付けることと、提案されている構想の中身をチェックすることは別です。
 私の質問は、提案されている構想の中身を専門家によるチェックを行っておりますか、そしてそれは公開されておりますか、この二点です。
○冨岡委員長 長坂内閣府大臣政務官。(発言する者あり)
 ちょっととめてください。
    〔速記中止〕
○冨岡委員長 では、起こしてください。
 長坂内閣府大臣政務官
○長坂大臣政務官 お答え申し上げます。
 今おっしゃいました一つ一つの詳細は残っておりませんが、その会議の結論は当然残っております。
○冨岡委員長 ちょっと待ってください。
 一応、速記停止七分を含めて持ち時間が経過しておりますので、最後の質問にしてください。よろしいですか。
 逢坂誠二君。
○逢坂委員 個別のことは残っていないけれども結論だけ残っている、その答弁は、だから結果ありきだと批判されるんですよ。
 きょう明らかになったのは、石破四条件の第一番目の条件すらクリアされていない、これが明らかになったんじゃないですか。私はこの後、石破四条件の二番目、三番目、四番目、さらにたくさん質問しなければならない。これが明らかにならないから、国民の皆さんはおかしいと思っているんですよ。きょう何にも答弁できないじゃないですか。
 以上申し上げて、終わります。

朝日新聞での報道

「加計同席WG、発言と議事要旨に食い違い 事後に調整」

http://digital.asahi.com/articles/ASK8761QJK87UUPI007.html

 獣医学部新設をめぐる政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)のヒアリングに学校法人・加計(かけ)学園の幹部らが同席していた問題で、公表された議事要旨の内容に、実際のやりとりと異なる部分があることが7日、内閣府などの説明で明らかになった。安倍晋三首相は、特区WGの議論が「すべてオープンになっている」としているが、その根拠が揺らいでいる。
 この日の民進党調査チームの会合で焦点になったのは、愛媛県と同県今治市獣医学部の新設提案を説明するため2015年6月に開催され、今年3月に公表されたヒアリングの「議事要旨」のやりとりだ。
 議事要旨には、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長(当時)が冒頭、「資料その他、議事内容は公開の扱いでよろしゅうございますでしょうか」と問いかけ、愛媛県の山下一行・地域振興局長(当時)が「はい」と了承したやりとりが載っている。
 WGの八田達夫座長は6日、愛媛県今治市側は当初、非公開を希望していたと説明。今年1月、同学園が今治市獣医学部をつくることが決まったのを受けて、「できる限りオープンに」との八田氏の判断で議事要旨を公表したという。
 調査チームの会合では、公開・非公開をめぐるやりとりについて民進党の議員から「改ざんされているのではないか。山下局長は本当に『はい』と言ったのか」(山井和則氏)などと批判の声が上がったが、内閣府の塩見英之参事官は否定。「非公開を希望したことはあえて書かず、公表用に、そこは公表を希望しているとも読める議事要旨を作った」などと述べた。
 塩見氏は「非公開を希望したという内容のまま議事要旨という形で外に出ると、非公開を希望しても公開されると誤解され、新しい提案をされる方が萎縮する恐れがある」とした。
 この日、WGの八田氏と原英史委員も記者会見を開いた。原氏の説明ではヒアリングの冒頭、(1)内閣府から議事内容の公開の可否を質問(2)愛媛県が非公開を希望(3)内閣府獣医学部の新設提案自体の公表の可否を質問(4)県が了承――というやりとりがあったという。
 議事要旨では(2)と(3)のやりとりを削除したため、愛媛県が議事内容の公表を了承したとするやりとりになっている。原氏は「公開にあたって内容を調整した」と説明した。
 一方、ヒアリングに同席した加計学園幹部の発言については「公式な発言ではない」(原氏)として、議事要旨にも、今後公開される議事録にも載らないという。
 八田氏はこれまで、議事内容の公表を根拠に「一点の曇りもない」と繰り返し説明してきた。会見で現在の認識を問われた八田氏は「(議事要旨の)冒頭のところは変えたが、正式な発言はすべて公開している」と強調した。

平成29年7月25日参議院予算委員会(青山繁晴議員)

○委員長(山本一太君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。青山繁晴君。
青山繁晴君 皆様、おはようございます。自由民主党・こころの青山繁晴です。党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ、不肖ながら質問いたします。
 参考人の方々におかれましては、参議院に足をお運びいただき、感謝いたします。
 最初に、九州北部豪雨災害の犠牲者に魂からのお悔やみを申し上げます。さらに、現在進行形の北部九州、秋田を始めとする東北、さらに大雨被害拡大のおそれが高まる新潟、北陸の皆様にも最善の救援をお誓いいたします。こうした被災地の国民におかれましては、国会でこのような審議を行う、そのこと自体に内心でお怒りではないかと思います。一人の国会議員としておわび申し上げます。
 国土交通大臣にお尋ねいたします。
 今国民が心配しているのは、気候変動によって起きている短時間での集中豪雨にこれまでの治水の在り方では対応できていないのではないのかということではないでしょうか。被災地の現在の苦しみを繰り返さないために新しい治水をどうなさるのか、お答えください。
国務大臣石井啓一君) 本年も、九州北部豪雨、秋田県を中心とした東北地方の豪雨等により、今多くの被害が発生をしております。今後、気候変動の影響によりまして更に大雨の頻度や降水量が増大をし、水害が頻発化、激甚化することが懸念をされております。このような災害に対しましては、施設では防ぎ切れない大洪水は発生するものとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築の取組をハード、ソフト一体となって進めることが重要であると考えております。
 具体的には、特にハード対策中心に申し上げますが、洪水氾濫を未然に防ぐためのハード対策といたしまして、堤防整備や河道掘削等を着実に推進をする取組、ダム再生等の既存ストックを最大限に活用する取組等、地方部の河川も含めて強力に進めてまいります。
 今後とも、国土交通省の現場力を最大限に活用いたしまして、水害から国民の生命と財産を守るため、全力を挙げまして防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
青山繁晴君 総理にお尋ねします。
 治水を含む防災もまた国家の危機管理であります。安倍政権の本来の使命、天命として取組をお答えください。
内閣総理大臣安倍晋三君) まず、今回の大雨による河川の氾濫や土砂災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしたいと思います。御遺族に対して哀悼の意を表します。また、負傷された方々、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
 政府としては、引き続き行方不明者の捜索に全力を尽くすとともに、地方自治体と力を合わせてインフラの復旧や被害者の皆様の一日も早い生活再建に向けて全力で取り組んでまいります。
 今般の大雨による災害を始めとして、これまで何十年に一度とされてきた大規模な災害が近年は全国各地で毎年のように発生しているところであります。今後も、気候変動の影響により、台風の強大化、豪雨頻度の増加等、自然災害の更なる大規模化が懸念されているところであります。このような事態を踏まえて、危機管理の問題として社会全体で自然災害に備えるべく、河川の氾濫を防ぐ対策を強力に進めていくとともに、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、地域住民への水害リスクや取るべき避難行動の周知等の総合的な取組を地方自治体と一体となって推進をしているところであります。
 今後とも、国民の生命と財産を守るため、ハード、ソフト一体となった総合的な防災・減災対策に徹底して取り組み、国土強靱化を進めていく所存でございます。
青山繁晴君 さて、愛媛県今治市岡山理科大学獣医学部を新設する件をめぐって昨日も衆議院予算委員会が開かれました。
 恐縮ながら、まず前川参考人にお尋ねします。
 前川参考人におかれましては、和泉総理補佐官と会われたときの印象を、加計学園ありきだったと主張される上での大きな根拠になさっています。
 その会われた日時について、昨日の小野寺議員の質問へのお答えで昨年九月九日の午前十時頃とおっしゃいました。ところが、その同じ小野寺議員に九月九日の午後三時頃と、大幅に時刻が変わりました。さらに、大串議員には再び九月九日十五時とおっしゃいました。しかし、前川参考人が六月三日に毎日新聞のインタビューを受けられた際には、九月五日午前十時二十五分に和泉補佐官と会ったとおっしゃっています。昨年の九月九日ではなくて、この場合、九月五日です。今度は日にちも違います。また、時刻はなぜか午前に戻っています。毎日新聞の紙面によれば、前川参考人は、御自分のスケジュールを管理なさっているスマートフォンを記者にお示しになりながら、昨年九月五日午前十時二十五分にアポイントが入ったとおっしゃっています。
 恐縮ながら、一体どれが本当なのでありましょうか。お答え願えますか。
参考人前川喜平君) 御質問ありがとうございます。
 獣医学部新設の件で和泉総理補佐官に最初に呼ばれましたのは、昨日衆議院予算委員会で申し上げましたとおり、九月九日の十五時頃でございます。これが正しい日時でございます。その日のうちの二十時頃にはその様子につきまして高等教育局専門教育課を呼びまして伝達したという経緯がございます。十時頃と最初に申し上げたのは、これは言い間違いでございます。
 また、メディアのインタビューで九月五日というふうに言ったこともございましたけれども、これは、手元の記録と記憶に基づきまして再確認しましたところ、この日に和泉補佐官から呼ばれましたのは産業革命遺産の情報センターの件であったということでございます。これは私の単純ミスでございます。
青山繁晴君 今、前川参考人がおっしゃったとおり、当然言い間違いというのはあり得ると思います。ただし、やはり社会の見方は、文科省の前の事務次官でいらっしゃいますから、常に正確に記録に基づいておっしゃっていると国民は思いますので、この神聖な国会審議において信憑性に疑問を持たざるを得ないような御答弁はやっぱりいかがなものかと思います。
 一方で、前川参考人は昨日の質疑では率直なお答えもなさっています。それは、加計ありきということを事務次官として総理に直接お尋ねになったのではなくて、また、和泉総理補佐官との面会でも、加計学園にしなさいと言われたのではなくて、前川参考人の持たれた印象としてそうだろうと思われたということをきちんとお話しになりました。そして、和泉補佐官と会われた日、今、前川参考人がいみじくもおっしゃったとおり、その日の夜八時頃に文科省の高等教育局の専門教育課に対して和泉補佐官からこのような話があったと伝えたとおっしゃったわけです。つまり、文科省内に総理の御意向によって加計ありきで決まってしまっているという情報を省内につくられたのは前川参考人、あるいは当時の前川事務次官、それもあくまで御自分の印象を根拠にしてのことではありませんか。
 前川さんは、和泉補佐官は、総理は自分の口からは言えないと、言えないからとおっしゃったと証言なさり、一方、和泉補佐官はこれを全否定なさいましたが、いずれにしても、和泉補佐官も加計と言ったという話は前川さんの主張においてもないわけですから、したがいまして、例えば、以下は仮にの話ですけれども、前川さんがお会いになった中に木曽功さんという加計学園の理事を務められ、あるいは同じように文科省の先輩でいらっしゃる方もいらっしゃいますから、そういう方と会われた印象でこのような加計ありきという前川さんの主張の一番大事な部分がつくられたんではないですか。そこ、いかがでしょう。つまり、具体的な証拠に基づいておっしゃっているのか、そうでないのかということです。
参考人前川喜平君) 私の理解では、初めから加計ありきでございました。
 私、和泉補佐官に呼ばれる以前に、八月の二十六日でございますけれども、内閣官房参与であり、かつ加計学園理事である、文部省の先輩でもあります木曽功氏の訪問を受けたわけでありまして、その際に今治獣医学部の新設の件をよろしくと言われたと、こういう経緯がございます。これは間違いなく加計学園獣医学部を早くつくってほしいという、こういう御要請であるというふうに受け止めたわけであります。
 また、その後ですね、担当課である高等教育局の専門教育課からその時点での経緯を説明してもらいましたけれども、その説明におきましても、懸案となっているのは今治における加計学園獣医学部の問題であると、こういう認識を文部科学省全体として持っておりましたし、これは内閣府も共有していたと思っております。
 また、九月九日に和泉氏に呼ばれまして、私が国家戦略特区の獣医学部を早くつくれるようにしてほしいと、こういう御要請を受けた際に、今、青山先生がおっしゃったようにですね、総理は自分の口からは言えないから私が言うのであると、こういうお話がございました。これは私はどう受け止めたかと申しますと、一般的に規制改革をスピード感を持って行えという趣旨であればこういうせりふは出てこないわけでありまして、総理がおっしゃっているからやりなさいと、こういう話になるわけであります。総理が自分の口からおっしゃれないということであれば、これは親友である加計孝太郎理事長の学校のことであると、それを早くしなさいと、そういう趣旨であるというふうに受け止めたわけでありまして、私は、このようなことからですね、その時点におきましてもこれは加計学園のことであるということは明確に理解したわけであります。
 また、その後ですね、文部科学省の者が内閣府から伝達された事項、これはペーパーになって残っております。これは私はもう極めて信憑性の高いものだと思っておりますけれども、九月の二十六日に内閣府の藤原審議官から伝達を受けた事項、この中に、今治獣医学部について平成三十年四月開学を前提に最短のスケジュールを作るように、これは官邸最高レベルの言っていることであると、こういう記述がございます。また、十月に入ってから、内閣府に対して文部科学省の懸念事項を伝えた際に、その回答として、これもペーパーに残っておりますけれども、開設の時期について、つまり三十年四月という開設の時期について、これも今治というのはこのペーパーの中から明らかでございますけれども、今治獣医学部の開設の時期については総理の御意向であると聞いていると、こういう藤原審議官の言葉が記されている。
 さらには、これもまた信憑性の高い文書だと思っておりますけれども、十月二十一日の日付の入っております萩生田官房副長官御発言概要というペーパーがございます。この中でも、総理は三十年四月開設とお尻を切っていたと、こういう言葉が入っておりまして、こういったいずれの資料から考えましても、私が九月九日に得た理解というのは正しかったというふうに思っております。
青山繁晴君 今丁寧にお話しいただいたんですけれども、要は今まで前川参考人がおっしゃってきたことと寸分たがわぬ、同じであります。
 それで、今の証言の中に加計という言葉は実は一言も出てこないんです。それは愛媛県今治市に、今まで空白だった四国に獣医学部を早期につくる、そして、最短で来年の春につくるということは繰り返し、その根拠になっていることを根拠とされた側は国会の質疑で否定なさっているわけですけれども、でも、それは言った言わないの話にもなるから、それをおいておいても、もう一度言います、前川参考人の話に一度も加計という話は出てこないんです。だから、加計ありきという言葉はむしろ、言い方は厳しいですけれども、むしろ前川さんの胸の中で加計ありきであって、これを一般的に言うと、残念ながら思い込みと言わざるを得ないんです。
 さて、昨日の答弁につきましては総理にも一点お尋ねしたいことがあります。総理は、特区に加計学園が申請していることは今年一月の特区諮問会議で初めて知ったとおっしゃいました。もし違っていたら、後でおっしゃってください。
 昨日の質問では、総理出席の国家戦略特区諮問会議がそれまで何度も開かれて、何度もという言葉はなかったですね、開かれているのだから知らないはずはないという御指摘がありました。そこで、議事録や事実経過を調べてみました。不肖ながら記者出身でありますから、関係者にも複数当たっていきました。
 そうすると、例えば皆様がお読みになれる議事録で申せば、一月二十日の国家戦略特区諮問会議、これは十九分間行われているんですけれども、この会議で山本大臣から、御出席の山本大臣から、獣医学部の新設についても、ちょっと中略します、本事業が認められれば昭和四十一年の北里大学以来我が国では五十二年ぶりの獣医学部の新設が実現しますと。全ての、これを含めたほかの項目もありましたから、今治もほかの項目ありましたけれども、ほかの項目について関係大臣の同意を得ております、これらにつき御意見等はございますでしょうかとお話があって、議事録によると異議なしの声があって、それはそこで終わっているわけですね。実はこの会議でも、議事録を拝読する限りは加計学園という名前は出てこないんです。
 しかし、関係者によれば、総理は事前の事務方のブリーフィングで加計に決まったことを知り、そして、関係者の一致した証言によると、総理はこれまで、今治市が特区に指定され、その前に名のりを上げて指定され、そして獣医学部の話があることは御存じであったけれども、そこに加計学園が申請していることは知らなかったというふうに関係者が、複数の関係者がおっしゃっています。
 この経緯、総理、この経緯で正しいでしょうか。日本の最高責任者としてお答え願います。
内閣総理大臣安倍晋三君) 改めて、私がいつ何をどのように知ったかということについて御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、大前提として、獣医学部新設の提案者は、構造改革特区でも、その後の国家戦略特区においても、自治体である今治市であり、加計学園ではありません。
 今治市からの提案は、平成十九年の福田政権のとき以来、構造改革特区として申請が行われてきました。第二次安倍政権になってからも四度にわたって申請がございました。その対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定しており、今治市からの提案については私は知り得る立場にありました。しかし、数十件あるこの案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も、安倍政権、第二次安倍政権においては四度とも提案を事実上認めない、まあ事実上認めないというわけですから却下と言ってもいいんですが、事実上認めないものでありましたので、実際には今治市の提案については全く認識をしていなかったわけであります。
 その後、国家戦略特区制度が誕生し、二年前の十一月から私が議長を務める国家戦略特区諮問会議において今治市の特区指定に向けた議論が進む中、私は今治市獣医学部新設を提案していることを知りました。しかし、その時点においても、またその後のプロセスにおいても、事業主体が誰かという点について提案者である今治市から説明はなく、加計学園の計画は承知をしておりませんでした。
 最終的には本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募があった、その後の分科会でのオープンな、加計学園から応募があったわけであります。その後、分科会でのオープンな議論を経て一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際、私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。
 もちろん、私と加計氏は政治家になるずっと前からの友人であります。しかし、私と加計さんの間において、言わばお互いに立場が変わっていきますが、その立場を利用して何かを成し遂げようとしたことはただの一度もないわけでありまして、具体的に獣医学部をつくりたいとか、あるいは今治にという話は、これは一切なかったわけであります。まさに、そういう関係があるからこそ、そういう関係があるからこそ友人としてお互いに長い付き合いをすることができたと、私はこのように考えているところでございます。
青山繁晴君 今の総理の御答弁、僕は総理と事前に打合せしたわけじゃありませんから今初めて伺いましたけれども、御答弁の後半、実はそれ、今からお聞きしようと思っていたことでありました。
 といいますのは、この昨日の総理の御発言、御答弁について国民が普通に持つだろう疑問は、総理、今自らおっしゃったとおり、長年の友人である加計孝太郎理事長から一度も聞いたことがないというのは、なかなか普通信じられないんですよね。
 これも関係者の証言たどっていきますと、加計孝太郎理事長が総理に教育論をぶつことはあったと。しかし、具体的にどの学部を、加計学園たくさん学部チャレンジされていますけれど、どの学部をどこにつくりたいという話はしないということだと。ゴルフをなさっても食事をなさっても、政治家の利害に関わる話はしない習慣になっていた、だからこその友達だと。
 まさしく今総理がおっしゃったことと一致していますけれども、そういう友人関係だったということでしょうか。もう一度、念のためお願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 彼は、教育者として時代のニーズに合わせ新たな学部や学科の新設にチャレンジしていきたいという趣旨の話をしたことはありますが、具体的にどの学部をつくりたいということは一切私に話したことはございません。
 今まで彼は様々な既に学部等をつくってきておりますが、そうした学部についても事前に一切私に説明や話はございません。ですから、獣医学部の新設について相談やあるいはまた依頼は一切なかったということは明確に申し上げておきたいと、こう思いますし、まさに友人として相手の立場を利用しようとするということであれば、もう友人とは言えないわけでありまして、その点はきっちりと踏まえていたと、このように思います。
青山繁晴君 実は今総理が確認された経緯、すなわち今年の一月二十日に至るまで総理が加計学園のこの件に関するチャレンジを御存じじゃなかったということであれば、実は、これまでの加計ありきじゃないのかということを最大の争点にしてきた国会審議、正直なところ何だったのかなというふうに思います。
 総理、あえてお聞きしますけど、なぜ最初からそういうふうに正面からおっしゃらなかったんでしょうか。勝手に推測すれば、やましいことをしていないのだから説明をする必要がないというお気持ちもあって今のような御説明を今までなさらなかったのでしょうか。お願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私も全く身に覚えのない話でありますから、その意味において、少し至らぬ点があった、言葉足らずであったことは率直に認めなければならないと思うわけでございます。
 しかし、昨日も加戸委員も証言をしていただいたように、第一次政権においても、文科省に対して今治市がこの獣医学部の新設について相談に行ったわけでありますが、これ第一次政権のときであります。全くけんもほろろであったということでありますし、今御紹介をさせていただきましたように、安倍政権、第二次安倍政権のときに四回申請されております。実は民主党政権時代に一回申請されたものを安倍政権で認めなかったというものを含めれば、五回にわたって申請されたものを第二次安倍政権においては認めていないということも申し添えておきたいと思います。
青山繁晴君 これまで昨日の衆議院の質疑をめぐってお聞きいたしました。
 さて、七月十日のこの本参議院における閉会中審査における加戸参考人とそれから前川参考人の証言によって、客観的な経緯というものがかなり明らかになったと考えます。
 加戸参考人にお尋ねしますが、加戸参考人がおっしゃった経緯というのは、物すごく短く縮めますと、鳥インフルエンザ口蹄疫狂牛病といった新しいリスクに対応するために愛媛県今治市でたくさん大学にも声を掛けたけれども、その中で唯一、加計学園だけが誘致に応じてくれた、これは県議と加計学園の事務局長の方の人間関係に元々はよるものであったと。ところが、加計学園がようやく手を挙げてくれたけれども、これは加戸参考人のお言葉をそのままいただいて申せば、文科省の岩盤規制というゆがめられた行政によって実現していなかったと、構造改革特区のノウハウをもってしても難しかったと。あるいは、民主党政権のときに総合特区という試みはありましたけど、それはおっしゃっていなかったですけれども、いずれにせよ、そういう特区で突破口を開くというやり方がうまくいっていなかったけれども、それがようやく、国家戦略特区というものが登場したことによって、言わばそれをドリルとして、ついに実現して行政が正されたというふうに証言されました。
 今まとめたこの経緯でよろしいでしょうか。どうぞお願いします。
参考人(加戸守行君) まず冒頭に、参考人としてお呼びいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 私自身が、今御指摘がありましたように、この今治獣医学部の誘致に一番先頭を切って旗を振った首謀者でございますだけに、今回こういう形で安倍総理への疑惑あるいは批判というような形で議論が展開されていることを大変悲しく思い、このぬれぎぬを晴らすせめてもの、いささかでも役に立ちたいと思って参上いたしました。
 冒頭に申し上げますが、私は加計理事長が安倍総理との友人であったということは昨年まで全く存じませんでした。そして、今までの間に私は安倍総理を拝見しておりましたけれども、平成十三年の二月にえひめ丸事故が起きたときに、当時、安倍首相の下で、官房副長官として危機管理を担当され、国内での調整、アメリカ、在日米軍との関係、あるいは様々な形での総合調整、便宜を計らっていただいた私にとっての大恩人でありますから、それ以来の安倍総理との何十回にわたる様々な会合を通じて加計のカの字も聞いたことはございませんし、私自身も申し上げたことはありません。
 ただ、言及したのは、教育再生実行会議の委員になりまして、このデッドロックに乗り上げている状態を側面射撃が、援護射撃ができないかなと思って、場違いではありましたけれどもその場で、愛媛県が獣医の問題でこんなに岩盤規制に面して困っていると、当時、安倍総理の言葉を使いまして、愛媛県の小さなドリルでは穴が空かないから教育再生実行会議のドリルで穴を空けてもらえないかというような発言をいたしました。
 しかし、そのときには、一回目は場所を言いませんでしたが、二回目は愛媛県で用地を準備してという言葉は言いましたけれども、今治という言葉は触れておりません。まして加計学園のカの字も出しておりませんから、多分私が発言した趣旨は、そのとき総理がいらっしゃったからこの話は少しは気にしてもらえるかなと思ったんですけど、恐縮ですが、余り関心なさそうにお聞きになっておられまして、それから間もなく提案が下ろされ、また、二回目に発言したときにはまた提案は駄目で全く反応がなかったので、今にして思えば、そんなときの友人だったんだ、だったのか、もし御存じだったら少しは反応が違っていたんだろうななんて今想像しているところであります。
 ところで、誘致の問題に関しまして、先ほど総理もちょっと触れられましたが、昨日の予算委員会で申し上げましたように、元々は愛媛県の県会議員が加計学園の事務局長と今治での同級生でございました。その関係で、平成十七年の一月に県会議員が話を持ちかけました、今治への大学誘致、進出を。その後二年間経て、検討の結果、昭和十九年の一月に、獣医学部でつくりましょう、つくりますという構想が出てまいりまして、当時、安倍政権下でございまして、私も安易に考えていましたのは、文部省は私の出身地でもありますし、後輩が少しは私の意向をそんたくして便宜を計らってくれるかなと思って参上いたしましたが、言葉はいんぎん、丁重でありましたけど、中身は、農水省の協力が得られないと難しい、特に権益擁護の、既得権益の強力な団体があってというような話で、ああ、一筋縄ではいかないなと、これはということで悩みに悩みながら模索しておりましたら、ちょうど小泉内閣時代からの構造改革特区があるということを知りまして、そして中四国ブロックでの説明会、これは何回も何回もやっているようですけど、それに愛媛県の担当者と今治市の担当者に聞きに行ってもらって、ひょっとしたらこの構造改革特区で道が開けるかもしれぬという形で、福田内閣の時点で申請をいたしました。
 考えてみますと、このなかなかうまくいかなかった理由は、結局、構造改革特区で、特区の本部長は総理大臣でありますけれども、実務は全部所管省がやりますから、文部科学省が仕切って農林水産省とお互いに、できません、できませんと返事が返ってくるから、とても総理の手の及ばないところで既得権益団体の岩盤に阻まれているんだということを感じながら、しかもそれが十五連敗いたしましたから、大相撲でいえば十五戦全敗だと引退を、こういうふうになるわけでございます。
 正直言いまして、構造改革の特区のときには愛媛県今治市がタイアップしてやりましたけど、愛媛県は十五戦全敗で成績悪しということで引退して親方になりまして、構造改革特区の方は今治市があえて白星を得るべく頑張るという形で特区の申請をして、そして有識者会議の英明なる判断と、内閣府の、あるいは虎の威を借りるようなキツネの発言を用いてでも強行突破していただいたことを私は大変喜んで今日に至っておりますけれども、ただ、様々な今日の情勢で心配していることも幾つもございますが、それは後ほど時間がございましたら私に申し上げる機会を得させていただければ有り難いと思います。
 概略の経緯はかようなところでございます。
青山繁晴君 念のため、さっき昭和十九年とおっしゃったのは平成十九年ですね。はい。
 今、更に補足もなさって、とても御丁寧な説明いただきました。その上で一つだけ付け加えて確認いたしたいことがありまして、それは、岡山理科大学獣医学部のための土地は、今治市に学園都市構想があって、既に用意されながらどこの大学もあるいは大学関連も来なくて空き地になっていた土地、そのことでよろしいですか。
参考人(加戸守行君) このことにつきましては、私の思い入れもございますのは、知事に就任した時点でもう既に何十年か前から今治には学園都市構想を持っておられまして、そして、言うなれば、新都市整備事業として森林を開発して整備してそこに学園都市をつくろうという構想はありましたが、神棚に上がったままで眠っていました。
 私は知事着任早々、この問題を今治市と尻をたたいて一緒にやろうよということで建設省に、旧建設省に参上し、都市整備公団に参上し、やっとの思いで御了解をいただき、ゴーサインをいただきましたから、その年には今治市も土地の買収に掛かりまして、翌年には都市整備公団の現地事務所も設置されて、工事をもう設計から開始いたしました。そして、造成ができて土地はあるんですが、二つの地区がありまして、一つは第一地区が産業地域、商業地域、第二地区が学園都市構想地域でありまして、こちらの方が地元の大学の誘致等々、話がまとまりかかっては潰れというような状況で、全く、整地をされてスタンバイしておりますけれども、来ていただく大学が存在していないという空白地域の状態で、そこを何とかしたいというのがまず出発点でありました。
 と同時並行で、先ほど申し上げましたように、先生も御指摘がありましたような鳥インフルエンザ狂牛病口蹄疫等々との関係で何とか、公務員獣医師が足りない、来てもらえないこの状況、四国の空白地域、また研究機関もないという中で何とかしなければという思いがあったところに、私の指南役でございますけれども、アメリカで獣医学の発祥の地と言われておりますコーネル大学に留学し、その後ジョージタウン大学の客員教授として六年間勤務された方が、アメリカとの往復をしながら私に様々なアメリカの情報を教えていただいて、加戸さん、このままでは日本は立ち遅れると、まさにアメリカは国の政策として、国策として人畜共通感染症の防止、特にアメリカは、まあもちろん当然牛で食べている国ですから畜産業は生命線だということもありましたが、国策として取り組んで獣医学部の増員を図り、新設を認めていくと、こんな歴史の流れの中に、日本は遅れているんだよねとぼやきながら言われたことを覚えておりますし。
 そんな意味で、私は、まさに学園都市としての今治の、若者の活気あふれる町にしたいという今治の願いと、愛媛県が困っている、四国が困っている公務員獣医師、大動物獣医師の確保の問題、それに、国際的な潮流に合わせて、今は小さいかもしれませんけど、これだけ難産だから立派に育つであろう世界に冠たる感染症対策、あるいはライフサイエンス等々、あるいは動物実験を通じた創薬の分野で鍛えられた若者が愛媛のために、四国のために、日本のために、そして世界のために活躍するのだ、今治が誇れる大学と、その三つの願いを込めて、今治市民、愛媛県民の夢と希望の未来を託してチャレンジしてまいりましただけに、この十年の道のり、ある意味では特区申請以来、悲願十年の手前で白紙に戻せだ何だという議論が出ていると、またあと十年待たされるのかなという。
 アメリカより十年以上遅れているんです。二十年も遅らせるようなことは、それは日本国家としての恥だと私は思っております。
青山繁晴君 今総理も、言わば初めての部分も含めてこの経緯をお聞きになったと思うんですけれども、総理として、この当事者の加戸参考人らから明らかにされた経緯については今どのようにお考えでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 加戸前知事がおっしゃったように、まさに昭和四十一年を最後として、その後獣医学部は全く新設されていないわけであります。それから半世紀が経過をして、鳥インフルエンザの問題あるいは口蹄疫の問題、動物から動物、動物から人にうつる伝染病が大きな問題となっています。この問題に対応するために、専門家の養成あるいは公務員獣医師の確保は喫緊の課題であります。それでもですね、それでも新設を認めない、時代の変化に対応できない制度であるのならば、その制度こそがゆがんでいると考えるわけでありまして、時代のニーズに合わせて規制を改革をしていくことは、行政をゆがめるのではなくて、ゆがんだ行政を正していくことであろうと、このように思います。
 岩盤規制改革を全体としてスピード感を持って進めていくことは、これはまさに今も、そして今後も私の総理大臣としての強い意思であります。しかし、当然ですね、当然、今、加戸さんも、一生懸命頑張ってきたけれどもこんな議論になっていることは残念だということをおっしゃっておられました。だからこそ、プロセスは適切、適正でなければならないわけであります。
 国家戦略特区は、民間人が入った諮問会議、そして専門家も交えたワーキンググループでオープンな議論をし、そしてその議事録もちゃんと残していきます。また、文部科学省も始め関係省庁はそこに出ていって主張すべき点は主張できるわけでございます。そしてまた、告示等を出しますが、告示も関係省庁が合意をしながら進めていくというプロセスになっているわけでございます。まさにこの適正なプロセスの上、今回の規制改革も行われたものでございます。
 ただ、まだ多くの国民の皆様に御納得いただいていないのは事実でございますので、事実に我々は基づいて丁寧に説明を続けていきたいと、このように考えております。
青山繁晴君 七月十日の連合審査、閉会中審査につきまして、もう一点だけ加戸参考人のお話をお聞きしたいんですけれども、実は七月十日、加戸参考人が経緯も含めてとても分かりやすくお話しいただいたんですけれども、ほとんど報道されませんでした。ちなみに、僕という国会議員はこの世にいないかのような扱いになっておりましたが、それは、有権者には申し訳ないけれども、はっきり言ってどうでもよいことであります。
 問題は、当事者の前川参考人と並んで一方の当事者の加戸参考人がまるでいなかったがごとくに扱われたということを、加戸参考人としては、前川さんの先輩の文部官僚でいらっしゃり、官房長までなさり、そして愛媛県知事をなさり、本当は、そして僕、加戸さんとも打合せしていませんけれど、例えば、この後、拉致事件のことを総理にもお尋ねしますけれども、愛媛県知事時代に初めて愛媛県として拉致事件の取組を強化されて、それに感謝している特定失踪者の方々、実はたくさんいらっしゃるんです。たくさんお声をいただきました。
 そのように今までできなかったことを打ち破ろうとする政治をなさってきた、行政と政治をなさってきた加戸参考人におかれては、今回のこのメディアの様子を含めて、社会の様子、今どのようにお考えでしょうか。どうぞ御自由にお話しください。
参考人(加戸守行君) 私も霞が関で三十数年生活してまいりまして、私の知る限り、今までメディア批判をして勝った官僚、政治家は誰一人いないだろうと思っておりますし、ここで何を申し上げても詮ないことかなとは感じますが、ただ、今回七月十日の証人喚問の後、私はその晩、イタリア旅行に出かけまして、日本のことは知りませんでした。十日間旅行して帰ってきましたら、いや、日本では報道しない自由というのが騒がれているよと。何ですかと聞いたら、何か一覧表を見せられまして、加戸参考人の発言を紹介した、丸、三角、バツで新聞、メディア、テレビ等の勤務評定がありまして、ああ、そうなのかなというのを見たとき、私、役人時代から慣れっこでございますから当然そうだろうなと思いながら、ただ、報道しない自由があるということに関しても有力な手段、印象操作も有力な手段、で、そのことはマスコミ自体が謙虚に受け止めていただくしかないことでございますけれども、このことに関してあえて申し上げなければならないことが一つあります。
 それは、今、実はあるテレビ局の報道で、報道された中身に関して、そのこと自体を私はどうこう言うわけじゃありませんが、その取材に応じられた前川参考人の発言で、報道のときにはカットされた部分があります。このことについて、やはりこの場でおいて、安倍総理がこんなに窮地に立っているときに、このことはやっぱり私のこれは披露しなければ気が済まないから申し上げさせていただきます、ちょっと時間取って恐縮ですけれども。
 私が松山にいるときに、東京のテレビ局のキーステーションの系列局から話がありました。それは、私の知事時代の県政担当記者から、東京のキー局が取材をしたいと、急いでいるけどという実は連絡があったときに、私は東京へ用事があって上京する、松山へテレビカメラを担いで取材に来る時間ないでしょうと、東京に着いたら、東京でその夜なら時間が取れますよと言ったら、テレビ局がカメラ二台、記者二名、そして私のあばら家に来ていただいて、立会人は私の妻一人でありますけれども、その場で、何でカメラが二台かと思ったら、一台は前川参考人の取材したビデオ取材の記事を映像で私に見せながら、このことに関して加戸さんに取材をしたいんだということでございました。
 言うなれば、教育再生実行会議に安倍総理に頼まれて私がこの加計問題をため込むという構図になっているわけでありまして、で、私が笑い飛ばした部分はカットされましたから多くの国民には分かりませんけれども、獣医学部新設の疑惑追及か何かというタイトルの番組だったようでありますけど、その後、翌日のホームページに載っていまして、そこのホームページには画面に私の画像とテロップが流れ、その下に御丁寧に教育再生実行会議の議事録のコピーまで載っていますから、よく見ていただくと分かるんですけれども。
 まず、加戸さんは安倍総理と加計、友人関係御存じでしたか、そんなことは全く知りませんでしたよという話から始まって、それから、教育再生実行会議の委員にはどうしてなられたんですかと。それは、前川参考人が、加戸委員は安倍総理が直接頼まれたんですよねと。で、記者の方が、えっ、何で御存じなんですか。いや、私が教育再生実行会議の委員の人選に関与していましたから知っておりますと。
 そして、その次、カットされた。そのことから、私に対するインタビューは、何でお受けになったんですかと言うから、安倍総理から、教育の再生は安倍内閣の重要事項として取り組みたいから加戸さんの力を借りたいというお話でしたので喜んでお受けしましたと。その後がカットされた部分ですが、前川参考人が、あれはですね、安倍総理が加戸さんに加計学園獣医学部の設置を教育再生実行会議の場で発言してもらうために頼まれたんですよと。記者が、えっ、そうなんですかと。だって、その後、教育再生実行会議で、私も出席しておりましたが、唐突に発言をされました、この加計学園の、それから、しかも二回にわたってとありました。で、このことどうですかと言うから、私は高笑いしましたよ、そんなことあるわけないじゃないですかと。
 そして、その部分はカットされたのは、恐らく、私は考えました、後で。このまま報道すれば恐らく安倍総理から名誉毀損の訴えを提起されるおそれなしとしない。加戸先輩はそれは踏み付けられてもいいけれども、そこまで想像をたくましくして物を言われる方なのかな。でも、このことに関しては、総理補佐官御発言メモが残っているわけでもあるまいし、何でそんなことをおっしゃるのか。安倍総理をたたくためにそこまで、全国に流れるテレビの画面の取材に応じて、私の取材がもしできていなければあのまま生で流れているかもしれないということを考えたときに、私は自分の後輩ながら精神構造を疑いました。
 私は彼を買っています。それは、私が愛媛県知事のときに、小泉内閣三位一体改革の名の下に義務教育国庫負担金制度の廃止を打ち出して大もめにもめて、玉を丸投げして全国知事会で結論を出してくれときたときに、数少ない有志が語らって徹底抗戦しました。十数人が反対しましたけれども、全国知事会の評決では三分の二の多数決ですから、三分の二の多数決でこの理不尽な廃止制度が議会、全国知事会で認められました。そのときに、当時文部省の初等中等教育局の課長として前川参考人は、奇兵隊、前へというブログの中で徹底してこれを批判し、あえて職を賭してまでこの義務教育国庫負担廃止に論陣を張ってもらいました。気骨のあるすばらしい人材で、嘱望しておりました。彼が事務次官になったときには、私、一番うれしかったです。本当に文部省を代表し、気骨を持ってチャレンジするすばらしい次官が誕生したなと思いました。
 その彼が何で虚構の話を全国テレビで話すんだろうと。これはテレビ局が放送をカットしてくれたから彼は救われましたけれども、でも、その後の発言の様子を見ていると、私はそう思います、想像します。想像が全部事実であるかのごとく発言されていると。同じ伝で言われているんじゃないだろうなと。でも、そのことが国民をそういう方向へ持っていくことになるんじゃないのかという危惧を持ちながら、あえてこの場で私は報道の批判をしません。良識を持ってその場面場面をカットしたテレビ局の見識には感謝しています。でも、そのリスクを冒してまで言わなければならない、作り話をしなければならない彼の心情が私には理解できないんで、でき得べくんば青山委員から御質問いただければと思います。
青山繁晴君 あっという間に時間がなくなってきてしまったんですけれども、やっぱりフェアネスのために、予定外ですけど、前川参考人、お話しになることがあれば、済みませんが、時間が足りないんで、できれば手短に。お任せします。
参考人前川喜平君) いや、これは誤解だと思います。
 私は、メディアの取材に対しまして、加戸委員が教育再生実行会議の委員になられたことにつきましては、これはもう総理直々のお声掛かりであったと、特にこの人にしたいという御指名があったと、こういう経緯は確かに話したことはございます。
 それから、教育再生実行会議の席上ですね、愛媛県今治市獣医学部をつくりたいと、こういう御発言が二度にわたり、私は自分で陪席しておりましたので聞いたわけですけれども、そういう発言があったと、この事実も伝えたことはございます、これは議事録に残っているわけでございますけれども。
 しかし、それを、総理に頼まれてその発言をしたんだというようなことは、私、言った覚えはございません。それは恐らく、私は、まさか加戸先輩が事実を捏造するとは思いませんので、誤解があると思います。その点はちょっと、メディアもそれを公開してくれるかどうかは分かりませんけれども、チェックすれば分かることだろうと思っております。
 加戸前知事が本当に熱意を持って獣医学部加計学園獣医学部の誘致に努められて、その念願がかなったということは本当に御同慶の至りだというふうに思っておるわけでございますけれども、しかし、いわゆる加計疑惑と言われるものは、やはり加計ありきで、国家戦略特区という仕組みがそのために曲がった形で使われたんではないかと、様々な条件を付すことによって結果的にこの結論ありきのところに持っていったと、そういうふうなところに問題があるわけでありまして、そこのところをきちんと解明するということが大事であって、加計学園ありきであったことはもう間違いないわけですけれども、愛媛県今治市が一生懸命やっておられたと、これは事実として認めなければならないと思っております。
青山繁晴君 今、前川参考人は、加計ありきだったことは間違いないとまたおっしゃっていて、ずっとそうではないということを僕の質疑で明らかにしているわけです。
 その上で、メディアの問題も指摘しましたけれども、政府にも大きな問題点が間違いなくありました。こうした経緯であることを正面から、こうしたというのはさっき短く申した経緯であることを正面から説明せず、しかも経緯の中で現れる文書は、最初は見付からなかったと言い、後で見付かったと言い、普通の国からしたら当然隠蔽やごまかしがあるのではないかと、むしろ正当に疑わせたことに大きな問題があります。
 なぜそのようなことが起きたのか、どう改善なさるのか、まず文科大臣にお聞きします。
国務大臣松野博一君) お答えをいたします。
 文部科学省は、民進党等から提示をされました文書について調査を行いました。当該文書の存在は確認をできなかったという調査結果を五月に発表をいたしました。その時点においては、この調査方法に関して一定の合理的な調査であったと考えておりましたけれども、しかしながら、追加調査を行うべしという国民の声を真摯に受け止めまして更にファイルを、対象のファイルを広げ、またヒアリング対象を広げた結果、前回確認できなかった文書の存在が明らかになったということが事実関係でございますが、この経緯に関しましてはもう大変申し訳なく思っておりますし、私としても真摯に受け止めているところでございます。
 これらのことを受けて、今後、文書の作成、管理の在り方の改善、職員の意識改革等に取り組んでまいりたいと考えております。
青山繁晴君 今、文科大臣も反省を込めておっしゃった経緯と改善策について、総理はどのようにお考えでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま文部科学大臣からも答弁をさせていただいたところでありますが、内部文書をめぐる調査について国民の皆様の政府への不信を招いたことは率直に認めなければならないと思います。
 その上で、それらの文書の記載をめぐり国民の皆様から大きな疑念を、国民の皆様から大きな疑念を抱かれた、この原因を冷静に分析をしてみますと、内閣府文部科学省の間で様々な省庁間の調整が行われたわけでありますが、これは直接行われておりまして、第三者が加わっておりません。当事者の間だけで言った言わないの水掛け論になっているわけであります。こうした省庁間の直接のプロセス、調整プロセスが透明性に欠け、国民的な疑念を招く大きな要因であったと考えております。
 国家戦略特区制度の運営は、もとより政府だけでなくこの第三者である民間議員が加わった諮問会議やワーキンググループで議事も全て公開するオープンな形で議論を行っております。そういう仕組みでありまして、民間議員が入る諮問会議、そしてまた、民間の専門家によって、これも交えて、民間人によって構成されるワーキンググループ等において議事録を残してオープンに議論をしているという透明性の高い仕組みになっており、これが岩盤規制改革の大きな原動力となっておりますが、省庁間の細かい点の調整も含め、更なる透明性の向上に向けて運用強化を検討していきたいと思います。
青山繁晴君 さて、これは参議院の継続調査でありまして、通常国会でも実は議論が少なかった大事なこと、本来は朝鮮半島の非常な緊張をめぐって例えば一番大事なことの一つは、拉致被害者をどのように、もしも有事その他の緊張が高まった場合にどのように救出するかと、あるいはこのまままさか四十年、五十年、拉致されたままの人々をほっておくわけにいかないはずですということを、通常国会予算委員会で不肖私はこのように聞きました。
 自衛官を中心に、警察官、海上保安官消防官、医師、看護師、保健師、そして北朝鮮の方言も使える朝鮮語の専門家らで編成する包括的な救出部隊をつくって訓練すべきだと質問いたしまして、防衛省の若宮副大臣から、自衛隊はまずは訓練開始していますという非常に有益な答弁もいただきました。
 しかしながら、現在、当事者の一人でいらっしゃる稲田防衛大臣におかれては、今、南スーダンへのPKO部隊派遣をめぐるいわゆる日報問題で忙殺されている感があります。
 しかし、日報は、問題になっている日報というものは、二月六日から七日にかけて統合幕僚監部、いわゆる統幕から既に発表されています。なぜならば、ここが一番肝腎なところですけれども、南スーダンに行っていたのは陸上自衛隊の部隊ですが、指揮は統幕が行っています。それは、PKO部隊については統幕がそうするんです。このことに対する理解が、実は残念ながら国会でも十分だとは僕は思いません。メディアにおいても不十分です。
 したがって、既にこの指揮をしている統幕が発表済みであるにもかかわらず、問題にされている会議はこれ二月十五日ですから、もう一回言います、二月六日と七日の両日をかけて統幕が発表していますので、そこで、その会議で同じ日報が陸幕から出ても、実はそれ、本当は公表するしないの問題では僕はないと思います。これをどうして稲田大臣は説明なさらずに、稲田大臣にもその意味では僕は責任の一端はあると思います、大臣として。
 本来の職務よりもこういうことが中心になってしまうということを含めてどのようにお考えでしょうか。
国務大臣稲田朋美君) この南スーダン派遣部隊の現地で作っている日報に関しては、私はもう当初からこの日報については公開すべしという立場を一貫して取ってまいりました。
 昨日も総理も御答弁になりましたように、七月の衝突時のあの日報について、戦闘という表現も含めてしっかりと公表すべしという立場を取っておりました。
 昨年の秋に開示請求があったこの日報について、十二月に不開示、用済み後破棄、不開示という報告を受けましたときに、私は、どこかに探せば日報はあるんじゃないの、しっかりと探して公表するようにという指示をいたしました。そして、今委員が御指摘のように、統幕から日報が見付かって、二月六日に開示請求されているものの日報の公表、そして十三日には不開示決定をしたものを取り消して開示決定をしたわけであります。
 私は、一貫してこの日報については開示すべきであるという、そういう一貫した立場を貫いておりましたし、しかしながら、どうして不開示になったのか、さらには、国会で、私に対する報告が遅れていたということについて、また再発防止策について、省内で次官に対して、しっかりとした事実解明と、さらには再発防止策をまとめるように指示をしていたところでございます。その後になって報道で、陸自の日報を破棄をさせたというような報道があって、特別防衛監察に切り替わったわけでありますけれども、私の政治スタンスは一貫して公表すべしということであり、仮にその日報が存在するということであれば公表すべし、それを隠蔽やまた非公表にするというような指示をするということはあり得ないということでございます。
青山繁晴君 時間も迫ってまいりますので、本来のことを、拉致事件に関してお聞きしたいんです。
 先ほど申しました拉致被害者救出のための包括的な部隊、さきに私が質問いたしましたときは総理は御出席でありませんでした。そういう予算委員会でありました。
 今お聞きになって、この編成と訓練、訓練を北朝鮮にもアメリカにも見せるという意味で、政府全体で、今申しましたとおり、自衛官だけじゃなくてお医者様たちも含めてのことですから、政府全体の取組としてどうお考えでしょうか、総理。
内閣総理大臣安倍晋三君) 海外でこの拉致被害者も含めまして邦人が危険にさらされたときに、その保護、救出に全力で当たることは国としての当然の責務であります。
   〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕
 政府としては、朝鮮半島において在留邦人の保護や退避が必要となった場合など、平素から様々な状況を想定して必要な準備、検討を行っています。また、平和安全法制により在外邦人の救出も可能となるなど、邦人保護の強化を図っているところであります。あらゆる事態において拉致被害者の安全を確保することは極めて重要であり、半島有事の際は同盟国たる米国との協力が特に重要と言ってもいいと思います。
 いずれにせよ、委員御指摘のとおり拉致被害者の方々の安全確保は極めて重要でありまして、今後とも、拉致被害者の救出のために何ができるかという点について、関係省庁が一体となって不断の、不断の検討を継続してまいりたいと、このように思います。
 また、今、青山委員から訓練等を公開すべきとの御意見がございました。この訓練を公開することによって国はしっかりと対応できるんだよということを示して、国民の皆様に安心感を与えようという御主張だと思います。その御主張はよく理解できるわけでありますが、他方、事柄の性質上、政府による検討内容の詳細を明らかにすることは邦人の安全確保に重大な影響を及ぼし得ることから、政府としては、言わばどのように手順でやるということについては、公開することについては適切ではないと考えております。
 いずれにせよ、拉致被害者の方々の安全確保は極めて重要でありまして、あらゆる事態において拉致被害者の安全確保を図るべく全力を尽くしてまいります。
青山繁晴君 総理は、拉致事件の解決を内閣の最重要課題と終始一貫位置付けておられます。朝鮮半島危機、報道などで報道ぶりが減ったりすると、つい何か事態は改善しているかのような誤解を国民にも与えますけれども、実際は悪化するばかりです。その悪化する半島情勢というのは、逆に言えば、まさかチャンスではありませんけれども、あえて英語で申せばオケージョン、最初で最後の契機になるかもしれない、拉致被害者を最後の一人まで取り返すために。
 そのために総理にお答えいただきたいのは、拉致事件の解決に向けて外務省は、長年、本当にすり減らして努力してこられました。しかし、外務省が中心となる限り相手の北朝鮮も外交部です。北朝鮮の実態からいって外交部は拉致事件について実は把握もできないと思われます。工作機関やあるいは軍の一部が行った拉致事件について北朝鮮の外交部と幾ら日本の外務省が頑張って交渉しても、相手に当事者能力はありません。
 したがって、不肖私の長年の提案として従前から申し上げておりますけど、拉致問題対策本部をこの際改組して、今も本部長は総理でいらっしゃいますが、より強力な総理直轄の組織として官邸内に置き、拉致問題担当大臣は、実は国民に意外に知られていないんですけれども、御家族の担当でいらっしゃいます。
   〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕
 しかし、外務省に交渉を任せるんじゃなくて、当然政治家がやるべきですから、拉致問題担当大臣をまさしく交渉の担当役として、そうすると北朝鮮もそれなりの人物が出てくることはあり得ますから、別途御家族については担当大臣を新設して、交渉は常に政治家が行う。これは総理に訪朝してくださいという意味ではありません。そうすると相手の術中にはまることもあり得ますけれども、でも、まずは政治家が交渉を担うという体制を再構築いただけないでしょうか。
 総理、お願いします。
内閣総理大臣安倍晋三君) この拉致問題の解決においては、まさに私が総理大臣として大きな責任を持っております。言わば、まさにこれも私たちが国民の代表として、政治家として取り組み、解決をしなければならないのは当然のことであります。そして、拉致問題について、御指摘のとおり北朝鮮との対外交渉を専任で担当する大臣が必要というお考えがあることは私も承知をしておりますが、そのような問題意識を踏まえつつ、第二次安倍内閣の発足に伴い拉致担当の国務大臣を指定するとともに、私を本部長として全ての国務大臣を構成員とする拉致問題対策本部を新たに立ち上げ、オールジャパンの体制で取り組んでおります。
 拉致問題安倍内閣の最重要課題であり、被害者の方々と御家族の皆様が抱き合う日が訪れるまで私の使命は終わらない、こう決意をしております。引き続き私が先頭に立って拉致問題の解決のために全力を尽くしてまいる決意でございます。
青山繁晴君 今日は冒頭に、大雨の被災者の方々がこの審議に本当は何を期待されるかということにも触れました。正直申しまして、私はまだ一年生議員でありまして、予算委員として一年間この場におりましたけれども、さきの通常国会も、衆議院では閉会中審査、参議院の用語だと継続調査、その中で、森友学園事件、加計学園の件で時間と国民の税金がどんどん費やされる中で、例えば日本の安全保障の根幹が揺らいでいると言わざるを得ません。
 例えば、北海道では水資源を狙ってのことなのか分かりませんが、でも水資源が多いところによく見られるのが中国による大規模な土地取得であります。それから、尖閣諸島では依然として領土問題は存在していません。日本の領土ですけれども。まるで中国が支配しているがごとくに連日、中国の武装した海警局の船が入って、これ、私のルートで中国側と議論しますと、我々はパトロールしているんだと、パトロールしているところに、けしからぬことに、日本の漁民と日本の武装した海上保安庁の巡視船が入ってくるというのはけしからぬ話だという反応なんです。しかも、これを英文で海外に発信しています、世界に発信しています。
 こういうことを考えますと、違う二つのことを申したようですけど根幹は同じで、何をかまけて日本の安全保障をおざなりにしているのかということを国民の方々が憂えていらっしゃると思います。
 したがって、お答えにくくても是非お答えいただきたい。まずは、石井国交大臣におかれては、先ほどの土地の問題について何らかの規制、直ちに導入すべきではないでしょうか。
国務大臣石井啓一君) 我が国の安全保障上重要な国境離島やあるいは防衛施設周辺等における外国人や外国資本による土地の取得に関しましては、国家安全保障に関わる重要な問題であると認識をしております。
 ただ、土地の売買に関する現行の規制につきましては、個人の財産権を尊重する観点から取引の安全や土地利用の適正化等を目的とした制度となっておりまして、買主が外国資本等であることのみをもって規制することにはなってはございません。
 委員御指摘の水源、特に地下水の水源の保全という観点からは、外国人に限らず、誰が土地を取得いたしましても、その土地が持つ水源涵養等の機能が十分に保全されることが重要であります。
 地下水の保全と活用につきましては、これまで地域の実情に応じまして地方公共団体が主体的に条例等による取組を進めております。現時点で少なくとも既に四十都道府県、五百四の市区町村において地下水の保全に関する条例が制定され、それぞれの地域の固有のルールの下で適正な地下水の利用がなされているものと承知をしております。
 平成二十六年に制定されました水循環基本法に基づく水循環基本計画におきましては、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策といたしまして、持続可能な地下水の保全と利用を推進するため、地下水マネジメントに取り組むことが位置付けられております。
 これを受けまして、計画は、これは自治体が計画を策定するわけですが、その計画作成のためのマニュアル作成や必要性の高い地域における計画策定を国土交通省といたしまして支援をしてまいりたいと考えております。
青山繁晴君 自治体の取組はよく理解しておりますけれども、もう一度申します。時間がありませんけれども、国の取組が更に必要だと思います。外国人だからといって規制の対象にするというのは、もちろん国際法上も全く間違いです。そうではなくて、国土保全ということを国家の戦略としてきちんと立てていただきたいと思います。
 最後に、先ほど申しました尖閣諸島での実態について、様々本当は課題ありますけど、一点だけ、最後に一点だけ。石垣島の漁家の方々が安全に操業できる体制を海上保安庁によってつくるべきではないでしょうか。プロパーの保安監出身であります、安倍内閣でそれが実現した海上保安庁長官、是非お答えをお願いします。
○政府参考人(中島敏君) お答えいたします。
 海上保安庁は、尖閣諸島周辺海域の中国公船に対して領海に侵入しないよう警告するとともに、領海に侵入した場合には退去要求、進路規制を行い、領海外へ退去させているところであります。これらの措置を尽くしてもなお領海に侵入した中国公船が日本の漁船に接近し、安全を脅かす……
○委員長(山本一太君) 時間ですので、短くおまとめください。
○政府参考人(中島敏君) あるいは操業を妨害するなど不測の事態が懸念される場合には、日本漁船を保護する対応を取っております。
 引き続き、関係省庁と緊密に連携し、尖閣諸島周辺海域で操業する日本漁船の安全確保に万全を期したいと思います。
○委員長(山本一太君) 時間です。
青山繁晴君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で青山繁晴君の質疑は終了いたしました。(拍手)

平成29年6月16日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 私も、昨日の文部科学省からの文書はあったというこの記者会見を見て驚きました。これまでの私たちの質問に対する答弁は何だったのかと、これまでの答弁に数々の虚偽があったと、これもう言わなきゃいけないような事態になっています。そして、内閣府も、その調査を受けて初めて山本大臣が、じゃ、これに対応する文書があるかどうかの調査を命じたという。
 これまでの委員会で、私たち、何度も内閣府こそ調査が求められているんじゃないのかということを求めてきましたが、一切拒否していましたよね。その対応は誤りであったと、まず山本大臣、これ謝罪すべきじゃありませんか。
国務大臣山本幸三君) 文科省等の文書については、私どもはその存在について承知する立場でありませんでしたから、それ以上のことはコメントできなかったわけでありますが、ただ、その中で指摘された、私どもの担当者が総理の意向とか官邸の最高レベルが言っていることとかいうような言及がされておりましたので、そこは調べなきゃいけないということで、担当、責任者に調査を命じて、そして聞き取り調査をやってもらって、そうした発言はなかったということを二回にわたって確認して調査をして申し上げたところであります。
○田村智子君 何の反省もないんですよね、結局、その答弁では。
 今日、私も、今、櫻井議員が使った、文科省にあったと、藤原内閣府審議官との打合せ概要、昨年の九月二十六日、これ、私も配付資料として配りました。これに沿ってお聞きをしたいんですが、その前提で、この文書がなかったというふうに内閣府の調査結果が先ほど発表になったようなんですけれども、それはそうですよ、文部科学省が作成した文書でしょうから、文部科学省がお届けしない限り内閣府にはないでしょう。
 問題は、こういう文書が明らかになったら、じゃ、こういうやり取りをしたのかということを確認したのかどうかなんですよ。山本大臣、確認したんですか。こういうやり取りがあったのかどうか、藤原審議官、佐藤参事官に確認をしたんですか。
国務大臣山本幸三君) そういう、その文書についてまだ存在がはっきりしていないところで全てについてやる必要はないというふうに思います。ただ、内閣府の担当者がそういう総理の意思とかそういうことについては、そこはきちっとしなければいけないということで、二度にわたって調査をいたしました。
○田村智子君 じゃ、ヒアリングやっていないということですか。藤原審議官や佐藤参事官にこういう中身での話合いをしたのかという確認していないということなんですか。
国務大臣山本幸三君) そういう発言をしたのかどうかということについては、ちゃんと調査をして申し上げたところであります。
○田村智子君 いや、一つ一つここまで具体的なんですよ。具体的だから、一つ一つ確認していかなきゃおかしいと思うんですね。やっていないということでよろしいですね。やっていないんでしょう。答えられる方、答えてください。
国務大臣山本幸三君) そういう文書が本当に存在するかどうかということで確認がなければそういうことはできないわけでありまして、それができたということで今回調査をしたわけであります。
○政府参考人井内正敏君) お答え申し上げます。
 昨日、大臣より指示がありまして、対象者九名、地方創生推進事務局の事務局長以下九名に対して調査を行い、先ほど調査結果を公表させていただきました。その中で、実際に文部科学省側が作成したと見られる、あるいは存在していたというものについて、内閣府について言及のあるところにつきましては、九名全員につきまして、昨日三時以降、私がヘッドになりまして、やり取りがあったか、そういう話が出ていたかというのを確認しましたところ、いずれの職員からもそのような事実はなかったという答えがありましたのでそういう調査報告をさせていただいたところでございます。
○田村智子君 そのような話というのは、全部否定ということですか。この協議自体がなかったということなんですか。
○政府参考人井内正敏君) お答え申し上げます。
 調査報告の中で、特に今委員が御指摘されているんだと思いますけれども、藤原内閣府審議官との打合せ概要というのがございます。それについてまずお答えいたしますけれども、私がヒアリングをして報告書に書かせていただいたことを申し上げますと、まずヒアリング対象者全てがその文書は見たことがないということで、さらに、ヒアリング対象者の中では、この内閣府からの実際の出席者が、文章が、記載が食い違っているとか、そういう正確性に係る疑問も指摘されました。ただ、この時期、第一回今治市分科会が開催された直後であって、関係省庁と様々な調整を行っていたことから、具体的な日時は不明であるけれども、このような会合に出席していた時期であったということは事実であるという回答がございました。
 ただ一方で、この中にありますような官邸の最高レベルが言っている等の発言については、ヒアリング対象者の全てが発言していない、聞いた記憶はないと回答しておりまして、さらに、官邸の最高レベルという変わった言い方が実際に行われたのであれば強く印象に残るはずだが、自分の記憶に残っていない点からもこのような発言はなかったのでないかと思うという、そういう発言もございました。
 以上でございます。
○田村智子君 これ、中身がよく分からないんで、藤原審議官に私もう直接お聞きします。ちゃんとしたヒアリングやっていないとしか言いようがないですね。
 今もお話のあった、まず平成三十年四月開学という言葉を、じゃ使ったんですか、九月二十六日。平成三十年四月開学、スケジュールを作成し、こういう言葉を使ったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 内閣府としまして、全ての項目でございますが、規制改革を推進する立場ということで、スピーディーかつ法令に基づいて規制改革を実行すべきという考え方を持って関係省庁との事務的な議論をしているところでございます。
 文科省との事務的な議論の中で、この時期でございますが、この官邸の最高レベルが言っているということで、三十年四月の開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうに申し上げたことは認識してございません。
○田村智子君 いやいや、ちょっと、逆算して最短のスケジュールは言ったという意味ですか。もう一度。逆算して最短のスケジュール。
○政府参考人(藤原豊君) 逆算して最短のスケジュールを作成して共有いただきたいなどと申し上げたことは認識してございません。
○田村智子君 待って、待って、ちょっと待って、済みません。じゃ、開学の時期、スケジュールについて、平成三十年四月開学と、こういうことを言ったのかどうかって聞いているんですよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 この時期でございますので、各省の役割分担でございますとか、こういった仮に規制改革が実現したときのスケジュール感につきまして議論をさせていただいておりますが、開学時期を明示しながら、あるいは選択肢の一つとして議論したことはあったかもしれませんけれども、それを前提にした議論ということは全くないと思っております。
○田村智子君 いや、口にしたんでしょう、平成三十年四月って。口にしなかったらメモにならないでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) そこの会議で何をどう発言したかというのは全く記憶にございません。ただ、申し上げたいのは、これスケジュールにつきましては様々なブレーンストーミング文科省ともやっておりますので、その中で選択肢として一つ二つ、その中で最短のスケジュールという意味では平成三十年四月のスケジュールというのはあったと思います。
○田村智子君 もう記憶にないんだったら、文科省の方が記録しているからこれが真実だというふうに考えるしかないじゃないですか。あなたは何をお話ししたか記憶にないと言うんだから。そうでしょう。そうですよね。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、最短のスケジュールということで、選択肢の一つとして議論があり得たというふうに思っております。
○田村智子君 じゃ、最短のスケジュールは平成三十年四月だとあなたは口にしたということを今お認めになったと、そういうことだというふうに考えます。
 そのときに、確かに、総理の御意向というふうに言ったか、まあ総理のと、官邸の最高レベルですね、ここは。こういう言葉じゃなかったかもしれないが、あわせて、こういう規制緩和は進めることが総理の御意思だということを言ったということなんですよね、先ほどからの答弁は。そうですよね。ここで、国家戦略特区で進めている規制緩和というのは、安倍総理自身の御意思でもあるということを言ったということでしょう。さっきの櫻井さんへの答弁はそういう中身だと思いますが、違いますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 全ての項目、分野につきまして、全般的に規制改革を進めてくれと総論的な御指示を総理からはいつも諮問会議の場ではいただいていると思っています。
 そういった総論的な、進めていくべきだというお話を受けて、私どもは各論につきましてもそういった進め方をさせていただいております。これは、いつもワーキンググループ等々でも、民間の委員の方もそうですが、私どももそういった意識で仕事をさせていただいておりますので、そういった意味で、過去にあるいは直近に行われました総理の明確な御指示を受けて仕事をさせていただき、かつ発言をさせていただいたことはあり得たと思いますが、日程は定かではございませんけれども、この会合、こういった打合せの場でそういったことまで申し上げたかどうかというところにつきましては定かではございません。
○田村智子君 もう、ただ、言っていたということですよね、こういう三十年四月開学ということも口にし、そして規制緩和というのは、総論かもしれないけれども、これは常々総理の意思だということもわざわざ文部科学省との打合せの中でこれは述べていたというふうに、今もう認めたというふうに私は思いますよ。
 じゃ、次、二つ飛ばしての四つ目の丸のところで、「今治市構想について、獣医師会から文科省農水省に再興戦略を満たしていないと指摘する資料が届いており、簡単ではない旨の指摘に対し、」と括弧付け。これは、文科省の方から指摘をしたという意味でしょう。獣医師会から意見が来ていて、今治市のでは新たな需要とか、これクリアできていないと、これまでの既存の大学・学部で対応できないこと、そういう中身になっていないと、こういう意見が届いていると、こういう指摘が文科省からあった。
 そのときに、藤原審議官は、必要であれば、成田のときには医師会を呼んだと、だから、今治の分科会で獣医師会を呼ぶこともあるんじゃないかという趣旨のことを述べているというふうに書いてあるんですよ。ただし、成田の場合は反対派は呼んでいないが、有識者を呼ぶ回をつくった方がよければやると、こういうやり取りはあったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 ほぼ一年前に成田市におきます医学部の議論が行われておりましたので、その様々なやり方につきまして、方法論につきまして、幾つかの選択肢を文科省の担当の方々と御議論をさせていただいた時期だというふうに思っております。
 ただ、この分科会に医師会云々のくだり、そこまでの議論がここで行われたということは認識してございません。
○田村智子君 文科省から、今治市構想についてこれこれの資料が届いているという御質問はあったということでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) 大変申し訳ございませんけれども、この場でそういったお話があったかどうかということにつきましては定かではございません。
○田村智子君 藤原審議官、知っていましたか、今治市構想について、獣医師会からこういう意見が文科省農水省に届いている、それは知っていましたか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 当然のことながら、ずうっと告示改正ができなかった問題でもございます。大変長い間、議論を重ねてもできなかった話でございますので、大変文科省の方々も慎重であったことは当然認識しておりますけれども、明示的に、獣医師会からこういった資料が届いておるというふうな御指摘につきましては、私は記憶にございません。
○田村智子君 こんな大切な問題を進めるのに、そこで情報共有ないということですか、文科省との。獣医師会からこういう意見届いていると、情報共有なかったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げますけれども、管理職レベルでの議論というのは、当時、もう二、三回やったというふうに記憶しておりますけれども、様々なレベルでの議論あるいはやり取りというのをやっておりますので、その中でそういった話があったかもしれませんが、少なくとも私はこの点につきましては記憶にはございません。
○田村智子君 じゃ、このヒアリングの中で、そのまず平成三十年四月開学というのは言葉としてあっただろうと。今治市ということは言葉としてあったんですか、ヒアリングの中で、文科省とのこのやり取りの中で。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 このヒアリングといいますか打合せが、この時点、時期、何分間、どういうメンバーでというところにつきましても定かではございませんけれども、この時期に行われている議論の中で、この獣医学部新設についての議論をする中で、まだ、京都の提案というのも本格的に詳細なものが出てきましたのは十月でございましたので、この時期に本格的にこの議論をするということにつきましては、対象候補の一つとして今治市の議論があったというふうには認識しております。
○田村智子君 今治市の名前も挙がったと。
 で、そのもう一つ飛ばしたところに、これも文科省からの問い、他の新設提案者はどうするのかとの問いに対して、成田市の際には三省方針に一校と記載をしたと。こういうやり取りはありましたか。
○政府参考人(藤原豊君) この会議かどうかは分かりませんが、先ほど申し上げましたように、成田市のケースと同じ告示でございますので、成田での進め方というのを一つの参考にしながら様々な議論をさせていただいたということはございました。
○田村智子君 他の提案者との関係はどうするのかと、他の新設提案についてはどうするのかと、こういう問いはあったんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 そういった問いがあったかどうかというところももちろん定かではないのでございますけれども、一般論として、こういった議論、成田のときもそうでしたけれども、私ども、そういったブレーンストーミング、何者もこういった事業候補者が出てくる可能性というのは十分あるわけでございますので、様々なブレーンストーミングをさせていただいた時期だというふうに認識しております。
○田村智子君 この時点でもう他の提案者というのは京都しかないわけですよ。それじゃ、京都というのが出てくるのをどうするのと、成田の場合は一校に限りと書いたから、今治に落ちるようにできるよというやり取りにしか取れないんですよ、これは。
 山本大臣、これ、ちゃんとしたヒアリングやっていないじゃないですか。一つ一つ、ここに書かれていることの、じゃ、意味が違うとか、言っていないんだったら何を言って何を言わなかったのか、こんなの確認するの当然じゃありませんか。やっていないんでしょう、それを。
○政府参考人井内正敏君) ヒアリングの中で個別に、どこについてということではないんですが、内閣府に特に言及をされていて、その問題と今されている点につきましては特に御本人からも詳しくヒアリングをさせていただきましたし、さらに、周りに他の職員がございます、その中にも、こういう発言があったかどうか、そういうことについて詳しく聞いております。そういうところにポイントを絞って、しっかりと調査を実施したことでございます。
○田村智子君 これ、答弁になっていないんですよね。
 私は、もちろん官邸の最高レベルが言っていることということを言ったかどうかというのは重大な問題だと思いますよ。だけど、私がこれまでずっと質問してきたということは、内閣府自身が今治市ありきで様々な協議を今治市と行い、そして文科省農水省を言わば圧力掛けてそれに屈服させてきたんじゃないのかということをずうっと聞いてきたんですよ。前回の質問では、今治市から出てきた平成三十年四月開学、こういう予定を今治市がスケジュールとして持っていたと、そのメールが内閣府にも届いていると、それをお認めになったんですよ。場合というのを付けたけど、平成三十年四月開学の場合というふうにおっしゃいましたけれども、それが最短のスケジュールだという認識が内閣府にあったということを追及してきたんですよ。
 ところが、山本大臣は、私の質問に対して何度も何度も、事前に提案者との協議はありません、今治市がどのように判断しているかについて私どもはそれを承知しておりません、さんざんそういう答弁を繰り返しているんですよ。違うじゃありませんか、文部科学省から出てきたのは。ほかの文書だって、今治市という言葉が出てくる、平成三十年四月開学、そういう言葉がたくさん出てくる。今治市とそのスケジュール感を共有して、その今治市に結論が出るように、つまりは加計学園に結論が出るようにと、こうやって文科省農水省とのやり取りを進めてきた、これ以外に出てきた資料の説明は付かないんですよ。そうじゃないですか。
国務大臣山本幸三君) そんなことはありません。
 それぞれ、私どもは、まず制度を改正するかどうかを決めるわけであります。つまり、獣医学部の新設を認めるかどうかということをまず制度改正として決めるわけであります。これは、ワーキンググループの有識者ヒアリング、そして区域会議、最終的には十一月九日の特区諮問会議で、そういう、制度を変えて獣医学部新設をやりましょうということをまず決めるわけでありまして、その前段階で今治市ありきなんということはありません。
 ただ、今治市が従来から長い間を掛けてそういう提案を熱心にやってきたということは十分承知しているわけであります。そして、ほかのところも手を挙げてきたということも承知しております。
 しかし、そういうことを承知しておりますけれども、やることは、まず制度を変えて獣医学部の新設を認めるかどうかということを決めて、それから、今度はパブリックコメント等を経て、そして最終的に一校に限ると。そして、最後の段階で、一月四日に今治市で公募をするということは、それは私が最終的に判断しました。しかし、制度を変える前に、経緯はそれぞれの地域等からもありますけれども、一切その段階で今治市ありきということはありません。
○田村智子君 今の答弁が覆る資料が文部科学省からこれだけ出ているんですよ。そんな言い逃れが通用するはずがありません。
 徹底的な審議を引き続き求めて、質問を終わります。

平成29年6月16日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 おはようございます。民進党新緑風会の櫻井でございます。
 まず、文部科学省とそれから内閣府におかれて、メールの再調査をしていただいて公表していただいたことにまずこれは敬意を表したいと、そう思います。まだ全部が、概要が明らかにはなってきていませんが、こうやって再調査していただいたということについては評価をしたいと思います。
 それから、これを受けて、今日は午後から予算委員会参議院側では開かれることになりました。与党の皆さんに改めてこの場で感謝を申し上げたいと、そう思います。ありがとうございます。
 さて、この資料の公開の中で、もう一つ新しい問題が生まれてまいりました。それは何なのかというと、ここのお手元の資料にお渡ししましたように、資料四にあるように、ここに生々しくどういう経緯で変わっていったのかということが書かれていて、四つ目ぐらいの段、下から三つ目の段落のところに、「指示は藤原審議官曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と、こういうふうに述べられてきております。
 そのことについてまずお伺いしておきたいんですが、その前に、資料の二がございます。この資料の二というのは存在が認められてきておりますが、これは一体どこの省庁で作成された文書でしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 御指摘の文書と同内容の文書が専門教育課の共有フォルダに保存されていることが確認されており、文部科学省で作成したものでございます。本文書は、昨年十一月に国家戦略特区諮問会議で追加の規制改革事項が取りまとめられる過程において、内閣府作成の原案に対する文部科学省の修正意見をまとめた資料でございます。
 文部科学省といたしましては、獣医師の需給の観点から、特区を所管する内閣府に関係省庁と調整いただきたい旨お願いしてきたところでございます。
○櫻井充君 そうすると、内閣府の原案に対して文部科学省がここで修正を行ったということだと思います。
 そしてさらに、資料三になってくると、ここで一部のところ、まず一行目が消され、「広域的に」、「存在し」、「限り」と新しい文言が入ってきているわけですが、ここにペンを入れたのはどこの省庁でしょうか。
国務大臣山本幸三君) これは、広域的にという、限りということは、私の指示で内閣府において入れました。
○櫻井充君 なるほど。そうすると、文部科学省内閣府から来た文書に対して文部科学省が修正して、それを送り返したところ、今度はそこに筆を入れて、内閣府が筆を入れたということでよろしいんですね。
国務大臣山本幸三君) そのとおりです。
○櫻井充君 そうすると、これが問題のところになるんですが、資料の四のところにあるように、まず藤原審議官にお伺いしたいと思いますが、藤原審議官、ここについて、そうすると、資料の手直しをされたのは藤原審議官ということでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 ただいま山本大臣からもお話がございましたけれども、若干の経緯から申し上げますと、十月二十八日、獣医師系養成大学等のない地域においてという原案を文科省に提示させていただきまして、三十一日に文科省から意見の提出があった次第でございます。また、十一月一日にはワーキンググループ委員と文科省との折衝を行ったということでございます。また、山本大臣が、文科省意見で指摘された日本獣医師会等の理解を得やすくする観点から対象地域をより限定するという御判断をされまして、広域的にや、限ると追記するようにという御指示を受けまして、私が手書きでこの文案に修正を加えた次第でございます。
○櫻井充君 そうすると、ここの手書きは藤原審議官だということが分かりました。
 そうすると、ここからです。藤原審議官が、ここ、「曰く、官邸の萩生田副長官からあったようです。」と。このことは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたこうした一連の情報でございますけれども、私は直属の部下である担当者にしか伝えておりません。本件メールの作成、送信者に一切伝えていないんでございますが、萩生田副長官云々の話は全くしておりません。
○櫻井充君 この一連のメールの中で、これはまだ見付かっていないと言われているんですが、萩生田副長官御発言概要というところに、まず丸一つ目、問題は、既存の大学・学部では対応が困難な場合にという要件について、これを例えば伝染病研究を構想にした場合、既存の大学がうちの大学でもできますよと言われると困ると、そういうふうにおっしゃっていて、まず、ここのところに、その一行目消してあるところが、既存の大学・学部が対応が困難な獣医師養成の構想が具体化しというところと非常によく似ていることと、それから最後のところで、この概要についてはまだ見付かってはいないと言っていますが、最終的に、私の方で整理しようと、こういうメモがあるわけです。
 そうすると、ここの資料四のところのくだりを見てくると、萩生田副長官、副長官の方から何らかの指示があったんではないのかというふうに推察されるんですが、御本人、いかがでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 昨年十一月九日の特区諮問会議の取りまとめ文案に私が修正の指示を出したことはなく、昨日文科省が公表したメールの内容は戸惑いを感じております。
○櫻井充君 これは、あとは言った言わない論になってくるんだと思いますが。
 もう一つ、ここのその発言概要の中に出てくるのは、四国には獣医学部がないので、その点では必要性に説明が付くのかと、ただし、感染症も一義的には県や国による対応であるので、獣医師会の反論を説明しなければいけないんだと。そういうふうに、これは分かりません、この概要だけを申し上げればそうなってきているわけです。
 そうすると、一般的に申し上げると、その地域にないという表現になってくるとどうなるかというと、県にないかどうかということになるんです。広域的にという文言が入るというところが非常にポイントになっていまして、この広域的にということを入れることによって、実は、県だけではなくて、その隣の県も全部含めてというところに、広域的にという文言が入ると、ここが最大のポイントなんです。
 であったとすれば、藤原審議官、この広域的には、誰の判断で、どういう議論がなされてこの文言が入ったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 広域的にというのは、文科省のそういう意見とか、そしてワーキンググループの委員等の意見も聞いて、あるいは獣医師会の反対意見も考慮して、私が広域的にということを判断して入れたわけであります。
 しかし、その広域的にというところは実は定義はかなり曖昧でありまして、別にどこを外したとかそういうことにはなりません。あとは、広域的にというところをどういうふうに考えるかということだというふうに思います。
○櫻井充君 済みません、まず、文部科学省と相談したという話がありました。文部科学省からもう既に文書が出てきていて、文部科学省側から出てきたものをこれは内閣府が修正して入れているわけですから、文部科学省にちゃんとこれは相談があったんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
副大臣義家弘介君) 文部科学省としては文部科学省の修正意見をした上で、この間いろいろなやり取りが行われておりますが、結果としてこのような文言が入ったということでございます。
○櫻井充君 済みませんが、ここは大事な点なんですよ。文部科学省がこれは主導したことですか、それとも内閣府が主導したことですか。
副大臣義家弘介君) 文部科学省といたしましては、一貫して、この需給に関してしっかりとした説明が出されなければ、これまで需給の観点から獣医学部の新設を認めてこなかったという経緯もありますから、これは文部科学省というよりは、内閣府、あるいは文部科学省的に言えば農水省等々と調整した結果の判断であろうと思っております。
○櫻井充君 要するに、これ主導しているのはやはり内閣府なんですよ。文部科学省として調整したとか、今そうおっしゃいますが、そこは違いますからね。違うことを言わないでくださいよ、これは大事なポイントなんですから。
 じゃ、なぜ判断としてここに広域的という文字を入れたんですか。その根拠を教えてください。
国務大臣山本幸三君) これは、文部科学省のそういう意見をいただきました。それから、獣医師会の反対意見、そして何とか改革を早く進めようというワーキンググループの委員の皆さん方の意見、そういうのを聞きまして、最終的に私が判断して入れました。
 その広域的にというのは、特にここは駄目とかいうような限定しているわけじゃなくて、そこは解釈に幅を持たせるということも含めてやっているわけであります。
○櫻井充君 済みませんけど、すぐに獣医師会の責任にします。獣医師会は元々反対していました。もし仮に、あれはパブリックコメントを求める辺りに、そのときに、もう仕方がないので、もうつくるのなら一校で勘弁してくれということで出てきているだけの話です。獣医師会のせいにするのは、私はずるいと思いますよ。
 まず、ここのところになぜ、獣医師系養成大学等のない地域ではなくて、広域的にという文言をわざわざ入れたんですか。文部科学省の、元々のですよ、内閣府から来たものに対する修正点にはこれがないんです。なぜここに対して広域的にとわざわざ文言を入れたんですか。ちゃんと理由を言ってください。誰とどうしたことではない、なぜ広域的にと入れたのか、そこを明確に示してくださいよ。
国務大臣山本幸三君) 元々、獣医師系、獣医師系統の大学がないところに限るということを入れて、限定しようという意図でやっているわけでありますが、文科省等の意見の間で、それだけではまだほかにもいろんなところででき得る可能性も出てくるじゃないかと、そういう意味から、広域的ということで少し広げて制限しようということで考えたわけであります。
○櫻井充君 非常に大事なポイントでした、今。これを入れないとほかの大学でできてしまうからと今おっしゃいました。つまり、やはりどうしても加計学園にしたかったわけですよ。京都産業大学、いや、大臣、今そうおっしゃったんですから。この発言は絶対取消しは許しませんからね。
 いいですか、ほかの地域にもできてしまうから、だからここに広域的にと入れたんだと。いいですよ、加計じゃなくても結構ですけどね。だけど、ここで何が落ちるのかというと、京都産業大学が落ちるんですよ、この結果。結局、京都産業大学を落とすために、今そういうふうに発言されていることになりますからね。(発言する者あり)いや、もう答弁は結構ですから。
 ここは物すごい大事ですよ。つまり、広域的にというのは、ほかの大学が入ってこれないようにするためだと、そうおっしゃいました。つまり、もうこの時点で京都産業大学は残念ながら認められないような文言に修正されてきているんです。
 これを、じゃ、要するに、大臣、大臣の責任でこの広域的にという文言を入れたということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) 先ほど申し上げましたのは、全国、ほかのところでもいろんな、まさに、ないところ以外はどんどんでき得る可能性があるじゃないかと、そういう話もあったわけでありまして、そこで広域的にということを入れて、そして産業動物医師の確保が難しい地域を優先させると、そういうことを考えて、しかも獣医師会等の慎重な意見等を考えて入れたわけであります。
○櫻井充君 まあいいでしょう。その時点で本当に真剣に手を挙げていったのは京都産業大学だけですから。ですから、京産大加計学園とどっちにするのかという議論になってきていて、結局、この広域的にという文言が入ることによって京産大は残念ながら手を下ろさざるを得なくなった、これが、これが現実ですから。
 つまり、ここのところで内閣府側からこういう文言を入れたわけですが、問題はここからです。これは繰り返しになりますが、官房副長官側から、こういうようなことに、この広域的なという文言を入れてくれという話はあったんでしょうか、なかったんでしょうか、改めてお伺いしたいと思います。
国務大臣山本幸三君) 官房副長官からそんな話は全くありません。
○櫻井充君 官房副長官にお伺いしますが、今現在、加計学園のどういう役職をお務めでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、今、加計学園のではありませんけれども、千葉科学大学の名誉客員教授というのを拝命していただいています。
○櫻井充君 その前はこの加計学園系列でどういう役職に就かれていましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 二〇〇九年、二〇一〇年の四月から千葉科学大学で教鞭を執っておりまして、それ以外のことは何もしておりません。
○櫻井充君 地元でも東北福祉大学という大学があります。その大学に宮城県選出の国会議員の方々が客員教授を務められたりとか、それから義家副大臣東北福祉大の方で今教鞭執っていらっしゃいますから、あっ、ゼミ持っているんでしたか、今は辞めちゃった、今は、そうか、辞めちゃったんですね。前はそういうふうにされていたので、こういう関係があること自体は別におかしくはないんですが、これ、副長官、どういう経緯でそこで教鞭を執るようになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私は文部科学行政に深く関わってまいりまして、政務官も務めておりまして、その中で私学の皆さんとの様々なお付き合いがあって、たまたま落選をして時間ができてしまったときに、複数の学校から、もし時間があるんだったらうちでそういう仕事をしないかということを声を掛けていただいて、この学校のみではないんですけれども、他の学校でも働きましたけれども、その中の一つがこの学校でありました。
○櫻井充君 多分、何も知らないで声を掛けてくるということはほとんどないことであって、それ以前からこの加計学園の理事長とお付き合いはありましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、理事長とはお付き合いはございませんでした。
○櫻井充君 しかし、そこで働くようになったからには、それは理事長とお話しすることはありましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 入学式など、全体行事のときに控室でお会いすることはございました。
○櫻井充君 加計学園グループ全体で獣医学部をつくっていきたいということはもちろん知っていましたよね。
内閣官房副長官萩生田光一君) 私、当時はそのことを全く存じ上げませんでした。
○櫻井充君 いつ頃そのことを知りましたか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 政府に入って、そういう動きが各府省で行われているということで、文科省等々から説明を聞いて初めて承知をしました。
○櫻井充君 千葉科学大学では、あの銚子の地域に獣医学部などをつくっていきたいという構想もあるということは、それは御存じですか。
内閣官房副長官萩生田光一君) いや、存じ上げません。
○櫻井充君 そういうことで、どの時点でかは分かりませんが、少なくとも加計学園に関して、加計学園獣医学部の新設を行いたいということは承知していただいたということなんだと思います。
 さて、そこで、四月の二日に、今治市の課長そして課長補佐の方が首相官邸を訪れているんです。これは、首相官邸を訪れているのはこれまでの委員会で認めてくださっています。これはずうっと質問通告をしておりまして、四月の二日、これは内閣府に行く予定だったんです。内閣府にももちろん行ったんです。内閣府に行った後に、わざわざ一時間半も時間取って首相官邸に行ったと。これは、今治市の情報公開からこの資料が出てきています。
 問題はここからなんですが、四月の一日に、四月の一日に急遽日程が変わっているんです。四月の一日に急遽、なぜか分からないけれど日程が変わって、二日に首相官邸を訪れてきています。このときに、今治市の市役所の職員は、首相官邸でどなたとお会いになったんでしょうか。
内閣官房副長官萩生田光一君) 参議院の農林委員会でずっと私がお答えしていますので、私の方から答弁させていただきたいと思いますが、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため、確認ができませんでした。
 念のため、私、平成二十七年四月二日当時は官房副長官ではなかったんですが、たまたま農林委員会でこの質疑が出て、今官邸にいるということで調べてこいということで、私が答弁をしております。
○櫻井充君 しかし、ここ本当に大事なポイントなんですよね。例えば、本当に今治市の方に申し訳ないけれど、一課長が官邸に行けるはずがないんですよ、自分一人で。ですから、誰かが官邸の中で、御案内という役というわけではありませんが、連れていっていただかなければ入れない場所だと思っているんです。これはずうっと質問し続けてきていますが、結局のところは記録がないということで逃げられています。森友学園のときと全く同じでして、記録がない記録がないと言って、残念ながらきちんとした答弁をしていただけていないんです。
 ただ、ここは、これはもうマスコミの方々にもちゃんと知っておいていただきたいのは、四月の二日に今治市の職員が首相官邸は訪れている、ここは認めてくれているんです。今治市の記録にも残っています。残念ながら、誰と会ったのかということについてはずうっと政府は隠し続けているんだと私は思っていますが、答えていただけておりません。しかも、四月の一日に誰からか連絡が入って、誰からか連絡が入って、その上で行程が変わってきています。
 内閣府にずっと問いかけていますが、内閣府ではないということであれば、内閣官房の方から今治市の方にそういう連絡をしたことがあるんでしょうか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 内閣府としてはそういうことは承知しておりませんが、内閣官房については私どもではちょっと今分かりません。
○櫻井充君 済みませんけれど、四月の二日のことについてはずうっと言い続けているんですよ。これ早くちゃんと、ちゃんと調べてくださいねとお願いしていて、内閣府で違うと言うから、ちゃんと答弁できる人にしてくださいと。で、内閣官房なんですかと言っても答えていただけていないんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。
 内閣官房から今治市の方に日程の変更の連絡をした記録はあるんですか。記録がなければないでも結構です。
国務大臣山本幸三君) その点については、内閣官房にも事務方から聞いてもらって、分からないということであります。
○櫻井充君 こうやって、都合の悪いところは分からないということになっちゃうんですよ。でも、総理からの指示なのかどうか、総理の御意向なのかどうか、ここで官邸が動いているかどうかということを本当に調べていく点では、これは一番大事なところなんですよ。
 昨日、私は農水委員会でいろいろ指摘させていただきましたが、明らかに今治市はもう加計学園ありきでずうっと動いてきているんです。それから、愛媛県知事は記者会見で、この間、藤原審議官は五月のことだけ答弁されていましたが、四月の段階ではもっと踏み込んで、内閣府から言われて、助言があって、それで半信半疑で始めてみたけれど、あっという間に進んでいったと、こんなに早く進んでいくと思わなかったし、夢のようだという趣旨の発言もされてきていることから考えると、当然、官邸側ではなくても国主導でこのことが進められていったことは私は間違いのない事実なんだと、そう思っています。
 そういう意味で、内閣府が主導してきているのか、それともここに書いてあるような総理の御意向で官邸主導になってきているのか、このことが明らかにならない限り、この疑惑は絶対に晴れないんですよ。そういう意味で、総理からの御意向だとかそういうことを、これ、藤原審議官、この文書の中でありますよね、九月二十六日だったかな、ここのところで総理の御意向という言葉使われていますよね。これは事実なんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 かねてより御答弁させていただいておりますけれども、委員御指摘のようなこの文書やメール等の有無にかかわらず、昨年秋、九月頃でございますが、文科省の管理職との面談におきまして、獣医学部新設という個別の項目につきまして、官邸の最高レベルが言っているなどとお伝えした、あるいは総理の御意向だと聞いているなどとお伝えした認識はございませんし、また総理からもそうした指示等は一切ございません。
 他方、総理は常々、特区諮問会議で、個別の項目や個別のプロジェクトではなく規制改革全般についてスピード感を持って実現すべき旨発言されておりますので、こうした総理の発言を受けて、私ども事務方が特区ワーキンググループやこういった非公式な協議の場などで関係各省との議論を行う際にこうした総理発言に言及させていただくことは十分あり得たというふうに思っております。
○櫻井充君 平成二十八年九月二十六日、藤原内閣審議官との打合せ概要、このペーパーは見付かっているわけですよね。義家副大臣、確認しておきます。
副大臣義家弘介君) 同内容の文書の存在が確認されたところでございます。
○櫻井充君 つまり確認されているんですよ、藤原審議官。藤原審議官、そこの中でちゃんと、まず、平成三十年四月開学を大前提にと。
 じゃ、済みませんが、このことはおっしゃっていますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私ども内閣府は規制改革を推進する立場でございますので、常々できるだけスピーディーにと、先ほど申し上げましたけれども、法令に基づいて規制改革を実行すべきだという考えを持って関係各省との事務的な折衝に当たっております。
 しかしながら、文科省との事務的な議論の中で、官邸の最高レベルが言っているとして、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいと申し上げたとは認識しておりません。
○櫻井充君 じゃ、要するに、ここに書いてあるペーパーは全部事実じゃないということですか。一つ目の丸ポツは、これは全く違うということですか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますけれども、スピーディーにこの規制改革を進めるという立場から、こういった選択肢について様々な議論、ブレーンストーミングを関係各省とさせていただいたことは事実でございます。
○櫻井充君 済みませんけど、これ言ったか言わないか、ちゃんとどっちかで答えてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、平成三十年四月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたいというふうな、申し上げたことは認識しておりません。
○櫻井充君 ここはすごくうまく逃げているんですよ。逆算して最短のスケジュールとか、そういうことは言っていないかもしれないんですよ。
 平成三十年四月開学、この点については言いましたか。
○政府参考人(藤原豊君) 繰り返しになりますが、三十年四月というオプションも当然あるわけでございます。ただ、それを前提にした議論ということは、確定的に申し上げたつもりは全くございません。
○櫻井充君 そうでしょうか。内閣府今治市のやり取りの中で、情報を共有したいからといってスケジュールを作ってくださいと、これ内閣府主導で出しているじゃないですか。
 このメールが正しいものなのかどうか、存在していたのかどうか、今日の記者会見もう一度改めて見させていただきたいと思いますが、なければ、ここもすごくポイントになるんですよ。内閣府の方から北九州市の例を持って、これでタイムスケジュールの表を作ってほしいと、これはあくまで共有するだけだからと。そこの中に何と書いてあるかというと、平成三十年四月とはっきりと書いてあるんです。ですから、内閣府がこれを認識していないはずがないんですよ。
 藤原さん、改めてお伺いしますが、平成三十年四月というのは内閣府の頭の中にあったわけでしょう。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 平成三十年四月というのが最終的に内閣府の方で設定させていただいたのは、大臣からも御答弁いただいております、告示のパブリックコメントをさせていただいた、去年の十一月十八日でございますけれども、これはむしろ内閣府、国が、最短の、できれば規制改革をスピーディーに進めるという意味で設定させたものでございまして、それ以前につきましてはそういった議論は、選択肢の一つとしてはございますけれども、それを前提にした議論は行っておりません。
○櫻井充君 まあ本当にひどい答弁なんですよ。
 そして、もう一つは、やはりこのモデルになったのは何なのかというと国際医療福祉大学なんですよね。ですから、その国際医療福祉大学と全部比較をして、ここがこういうふうにでき上がっていっているからこういうやり方にしましょうねと、そういう話になってきていて、ここの三省合意について、三省の方針に一校と記載したんだと、成田の場合には。諮問会議としては三省が決めたことなど知ったことではないが、方針を出さないと省としてもたないということで作ったと。しかも、裏では政治的なやり取りがあったと。
 つまり、国際医療福祉大学をつくったときにもここに政治的なやり取りがあったというふうに記載されているんですが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 そういった政治的やり取り等々については全く認識しておりません。
○櫻井充君 つまり、そうすると、このペーパーは存在するけれど、全てが事実と異なるということですね。
○政府参考人(藤原豊君) 内容については、そういった意味で、私ども認識していないところが非常に多いというふうに思っております。
○櫻井充君 これは文部科学省の中で私は官僚の方からお伺いしましたが、国際医療福祉大学には文部科学省厚生労働省、様々な省庁から天下りの役人の方がいらっしゃるんですよ。その方から、これは政治案件だから、もう文部科学省、あとはつべこべ言わずにさっさとやれと、そういう指示が出ていると。これは前川さんではありません、また別な事務次官の方からそういう電話が掛かってきていて、省内ではこれはもう政治的案件だというふうにして取り扱われていきました。だから、これ、まさしく同じことなんです。ここに書かれていること自体、私は事実だと、今までのことを積み重ねてくると事実だと、そう思っています。
 今、こうやって違うというふうに言ってきましたが、義家副大臣、これは本当に文科省の人たちが捏造したものなんでしょうか。全く違うことをここに書いたことなんでしょうか。
副大臣義家弘介君) 追加調査におきましては、本文書を作成したと考えられる担当職員からもヒアリングを行っておりますが、官邸の最高レベル等々の文言について、ここに記載されている以上、そうした趣旨の発言があったのだなと思うが、その真意は分からないというヒアリング結果でございます。
○櫻井充君 つまり、ここにちゃんとした発言があったんですよ。あったからこういうメモになっているんですよ。
 これは、藤原審議官、改めて、もう時間が来ましたから、これは全部捏造だということで、そういう言い方になっていますが、そういうことでよろしいんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 全部か一部かというところにつきましては私個人的に判断できないところでございますが、何度も申し上げますが、この総理の意向あるいは官邸の最高レベル等々についての発言は全く私どもとしては認識しておりません。
 また、この時期でございます、繰り返しになりますが、総理の指示が九月の九日に諮問会議でも行われております。その一週間後のワーキンググループで私も申し上げておりますが、とにかく全体の規制改革を、個別のプロジェクト、個別の分野ではなく、全体で進めていくという観点から、仮に発言をするとすれば、そういった視点から御発言をさせていただいた可能性は十分あると思っております。
○委員長(難波奨二君) 櫻井充君、おまとめください。
○櫻井充君 はい。
 時間が来ましたので一言だけ申し上げておきたいんですが、やはりどこかでこれ政治的なものが働いているんだと。国際医療福祉大学のときにもこう発言されていて、ここで当然そんなことを言ったら大変なことになるから隠そうとするのは当然のことなんですが、本当に国家戦略特区を使ってこういう利権が生まれてきているということが僕は明らかになってきているんだと思っているんです。
 そういう意味合いでは、まだまだこれ審議尽くしていませんから、これで国会閉じることになるんだろうと思いますが、是非閉会中の審査も求めて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

平成29年6月13日内閣委員会(田村智子議員)

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 加計学園獣医学部新設についてお聞きをいたします。
 前回、八日の内閣委員会で、事業者公募の条件として平成三十年四月開設がいつどこで決定したのかという質問をいたしました。山本大臣はパブリックコメントでも既に出しておりますと言われましたが、これ答弁になっていませんので、もう一度改めてお聞きいたします。
 平成三十年四月開設はいつどこで決まったのか、事前に提案者との協議はあったのか、お答えください。
国務大臣山本幸三君) 事前に提案者との協議はありません。
 共同告示に平成三十年度に開設と規定した理由でありますが、いち早く具体的な事業を実現させ効果を検証することが重要だとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたためであります。
 具体的な時期は、開学前年の三月末に設置認可申請、その後、夏頃に認可という例年のスケジュールを勘案し、最速で事業が実現するスケジュールである平成三十年四月の開学、すなわち平成三十年度に開設としたものであります。
 昨年十一月九日の諮問会議取りまとめ後、パブリックコメントを開始する、昨年十一月十八日でありますが、までに、パブリックコメントの概要案に平成三十年度開設と盛り込むことについて共同告示を共管する文科省と事務的に調整を行い、最終的に私が判断したものであります。農水省にも十一月二十一日にこの旨を通知しております。
 また、パブリックコメントの受付期間が終了した後、十二月末の段階で、共同告示に平成三十年度開設と規定することについて文科省農水省を含め最終確認し、本年一月四日に告示を公布したものであります。
○田村智子君 これ、事前の協議はないと。
 五月十日、衆議院地方創生特で、民進党宮崎議員の質問に佐々木局長は、今治市あるいは加計学園の方でできるだけ早く設置したいという意向で、スケジュールからいっても最も早い時期が三十年の四月だということで恐らく判断されて、それをパブリックコメントの資料として使わせていただいたと答弁をしています。
 大臣、今治市あるいは加計学園が最も早い時期を平成三十年四月と判断していることを承知していて、それを念頭に置いてあなたが御判断したということでよろしいですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市がどのように判断しているかについては、私どもはそれまで承知しておりません。
 しかし、我々は、できるだけ早くということは当然念頭に置いて、常にそうしたスピーディーに規制改革をやるということで臨んでいるわけであります。最終的にそれがオープンになるのは十一月十八日のパブリックコメントのときであります。
○田村智子君 それ、局長答弁と違うじゃないですか。
○政府参考人(佐々木基君) 私の答弁が何か誤解を招いているようで大変恐縮でございますけれども、私が申し上げましたのは、今治市から、これは分科会における今治市の発言もございますので、できるだけ早く開学したいという意向は聞いておりました。私どもは、私どもとしてできるだけ早いスケジュールでやっていきたいという、国家戦略特区の特性上できるだけ早くということで、三十年四月ということで大臣の御判断をいただいてそのように決定させていただいた、そういうことを申し上げたところでございまして、誤解を招くような表現をしたことについては言葉足らずであったというふうに思っております。
○田村智子君 苦しい答弁ですよ、それは。
 前回、民進党の櫻井議員が、昨年八月三日、内閣府から今治市へのメールに、「スケジュールの共有を図り、当事務局からも、そのスケジュールに合わせ、進捗を確認できる体制をつくるべく、北九州市の別添データを参考に、広島県今治市のスケジュール表を作成願います。」と、こう書かれていたことを明らかにいたしました。これは情報開示請求によって今治市から出てきた資料です。
 資料の一枚目、私の配付資料の一枚目、それが今治市から内閣府への返信メールなんですよ、これが。今治市内閣府地方創生事務局に送付したスケジュール表。右下には、獣医学部新設は「H30・4月開学予定」、書かれています。これは、問合せの翌日、八月四日に作成されていることも右上の記述で分かります。今治市とスケジュールの共有をしていたということではありませんか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のスケジュール表の作成につきまして、当時の担当者に確認をさせていただきました。昨年八月頃、担当者同士の情報共有のため、十特区全ての担当者に、北九州市の例を参考として、今後各区域で取り上げる可能性のある全ての項目、規制改革項目につきまして前広にまとめるよう依頼したということでございました。また、同担当者に確認をしたところ、広島県今治市が作成したこの表でございますけど、その担当者が受け取っていたということでございます。
 今治市の記載につきましては、平成三十年四月開学の場合というふうに書いてございます。開学の場合とございまして、今治市が様々なケースを想定して今治市の責任の下に記載したというものと考えております。
○田村智子君 いやいや、「H30・4月開学予定」と書いてあるじゃないですか。予定にしていることを知っていた、承知していたということでしょう。さっきの答弁と違うでしょう。これ開示請求で出ている資料ですよ。内閣府にあったんですよ。
○政府参考人(佐々木基君) 多分、先生の資料を拝見させていただいておるわけでございますけれども、一番下の一番左側のところに、獣医学部の新設、平成三十年四月開学の場合ということで書いておりまして、あくまでも私どもは、これは今治市において日程をシミュレーションする際に作ったものだという理解をしているところでございます。
○田村智子君 だから、最も早い時期は平成三十年四月という情報を共有していたということじゃないですか。大臣の答弁、間違っているというか、ごまかしで、虚偽の答弁しているということになりますよ。
 資料の二枚目を見てください。これ、昨年十月二十五日、これまでも指摘されていますね、今治市の国家戦略特別委員会協議会に提出された今治市が作成した資料です。これ、更に詳細な平成三十年四月開設までのスケジュール表があるんですね。
 しかし、それ、推移をずっと追っていきますと、例えば、十月下旬から十一月上旬、赤い文字のところですね、「告示改正に向けた方向性が提示(獣医学部新設に関する方針案)」、「共同告示案(定員規制の特例措置)」「パブリックコメント開始」とあるんですよ。これ、実際に十一月九日の諮問会議で、また十八日にパブコメの募集となりました。まさに一致しています。事業者の公募時期、スケジュール表では十二月中下旬、これは、実際は今年の一月四日と少しずれ込みますが、ほぼ重なります。平成二十九年一月中下旬、今治市分科会と今治市のスケジュール表に書いてあります。実際に一月十二日に行われて、ここで加計学園を事業者として決定しています。さらに、一月下旬、区域会議と諮問会議、この二つの会議は一月二十日に開催され、分科会の決定事項を確認しています。
 今治市のスケジュール表のとおりに進んだということになりますよね。こんなスケジュール表を今治市だけで作ることはできないはずです。スケジュール表を共有していた、そういう情報の交換があった、そういうことじゃないんですか。大臣。
国務大臣山本幸三君) 共有していたというようなことではありません。
 今治市がそれなりのシミュレーションをするというのは、私は当然のことだと思います。自分たちの考えているスケジュール感に基づいていろんなシミュレーションをやるんだろうというふうに思います。
○田村智子君 じゃ、そのシミュレーションとして最も早い時期が平成三十年四月だということを知っていた、よろしいですね、それで。
国務大臣山本幸三君) 私どもがそれを知っていたということではありません。
 私どもは、申し上げたのは、平成三十年の四月というのはパブリックコメントのときに初めて出てくる数字でありまして、そのときにそれぞれの自治体が知ったということだろうと思います。
 ただ、その以前に、できるだけ早期に実現ということは常々言っているわけであります。これは、もう国家戦略特区の特性上、スピーディーに岩盤規制を改革するということでありますので、そういうことを含めて、今治市においてそれなりのシミュレーションはやるんだろうと思います。こんなことはどこでもやることだと私は思います。
○田村智子君 情報開示請求で出てきているんですよ、内閣府に提供した今治市の、場合であったとしてもシミュレーションであったとしても、平成三十年四月開学って。だから、シミュレーションであったって、最も早いのが平成三十年四月だと内閣府が共有していないなんという、こんなことあり得ないじゃないですか。この資料を受け取っているんでしょう。違うんですか。答えられないの。
○政府参考人(佐々木基君) 事実を申し上げますと、この頃、別に今治に限らないんですけれども、各特区に対しまして、いろいろな規制緩和をお考えになっていらっしゃいますので、そのスケジュールについて事務的に担当者の方から、どういうスケジュールかということでシミュレーションして出していただくということをやったようでございます。
 したがいまして、先ほど申しましたように、担当者レベルでは、あくまでも一つのシミュレーションということで、こういうことを今治市が出してきたという担当者レベルの認識はあったかもしれませんけれども、少なくとも私どもは、今治市についてその開学の時期について承知しているということはございませんでした。
○田村智子君 もう全然むちゃくちゃな答弁ですよ。むちゃくちゃですよ。これ知っているから、五月十日のときには局長は、それを資料にして平成三十年四月と、これが正直な答弁じゃありませんか。
 じゃ、次に聞きますよ。
 先ほど櫻井議員の質問のところで、今治市とこれ何度も会っていると、これまた情報開示で出てきていて、新聞でももう十二回会っているということが報道されていて、さらに櫻井議員は、精査したところ、そのうち十一回は確実に獣医学部の新設についての協議だろうということだと。その最後が十一月八日で、先ほど櫻井議員は、そのときに、翌日十一月九日、獣医学部新設の決定をする諮問会議の資料を今治市に渡しているということを今治市が、まさに出張の提出資料ですね、そこに添付されていたものとして追及されました。
 今治市に渡していたんですか、翌日の諮問会議の資料を。
○政府参考人(佐々木基君) これは、全く不適切なことであったと思っております。(発言する者あり)全く不適切なことであったと思っております。
 前日に今治市が来たので、どうも担当者の方が、実は、今治市の者があした諮問会議があるんですねということで、担当者の方で渡してしまったということのようでございまして、これは全く不適切だと思っております。これは私どもとしては反省しなければいけないことだと思っております。
○田村智子君 それを渡すぐらいですから、事前に協議していないなんということはあり得ないじゃないですか。何の答弁ですか、これまでの議論は。これ、ゼロからやり直さなきゃ駄目ですよ、答弁。
 もう一点確認します。
 前回、私は、獣医学部新設の事業者公募が広島県今治市特区でしか行われなかったのはなぜなのかという質問をいたしました。山本大臣は、京都府よりも今治市の方が事業の早期実現性という観点から熟度が高いと最終的に私が判断したというふうに答弁されました。
 しかし、今治市は事業者が明らかじゃないんですよ。二〇一四年、新潟市が提案したときも、新潟市は大学名を挙げていました。京都府の提案は、当然、京都産業大学との言わば共同の提案になっています。しかし、今治市は事業者について何も説明していません。事業者が分からないのに、どうして早期実現性が優れていると大臣は判断されたんですか。
国務大臣山本幸三君) 本年一月四日の事業者公募の手続に入る前の年末年始の段階で、今治市の提案の中に、専任教員の数、あるいは地元との連携、教育内容の各点について、事業の早期実現性という観点から京都府の提案よりも今治市の提案の方が熟度が高いと判断して、今治市において構成員公募を行うことといたしました。
 具体的には、専任教員の確保については、今治市は専任教員を七十名確保するとしており、その確保先についても、海外製薬企業、中央官庁のほか国際機関での経験者、あるいは国際協力機構を含めて途上国経験を持った人材等が示されており、教員の確保の道筋が立っていると言えます。
 地元との連携については、水際対策について、今治市は、四国知事会等が要望するなど広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしております。他方で、京都府等は、獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど不十分と評価せざるを得なかったということであります。また、獣医学部の設置は地域の活性化に大きく貢献する必要があることから、京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置付けた上で、卒業生を地元の産業動物分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしているところであります。
 京都府等はライフサイエンス研究を提案しておりますが、水際対策に関する部分が薄いと。他方、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を対象とした感染症対策など、地元固有の資源に着目した、より具体的な内容になっていると評価できるところであります。
 このように、今治市の提案は事業の早期実現が見込まれると判断したものであります。
○田村智子君 前回と同じ答弁ですので、それはもう内閣府が作った答弁書そのものだということで、言い間違いじゃないということなんですよ。
 じゃ、もうちょっと具体的にお聞きしましょう。
 私が聞いているのは、事業者が明らかじゃないのに何で分かるのかという問題です。とりわけ、冒頭に挙げられた専任教員の確保の面で、京都府等と比べて優れておりました、専任教員の確保というのは事業者である学校法人が行うものですよ。今治市は専任教員の確保なんかできないですよ、公立大学つくるわけじゃないんだから。
 何で専任教員の確保が今治市はできると。京都は十一人とか数挙げていますよ。なぜ今治市は事業者が分かっていないのに専任教員の確保ができると、そう判断されたんですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市は、これまでの八年間という長きにわたる構造改革特区を用いて提案を行ってきた蓄積がある中で、様々な検討が深まり、熟度が高まることにより事業の早期実現性が見込まれると判断したものであります。
 専任教員につきましても確保の道筋が立っているということで、すぐにでも開学が可能であり、かつその人数が多いほど、様々な選択科目の設定により一定以上の教育の質が担保されるというようなこと、先ほど申し上げましたように、地元の連携やカリキュラムの面等で早期実現性が評価できるとしたものであります。
○田村智子君 今の答弁だと、構造改革特区の提案があるから分かったんだと言われますが、構造改革特区の提案見てみますと、加計学園は、二〇〇七年から二〇〇九年までは五回共同提案していますけれども、それ以降十一回の提案では、加計学園は消えています。しかも、最後の二〇一一年十二月以降、第二十一次提案以降は大学に関する記述はほとんどありません。専任教員のことなんか書いてあるわけがないんですよ。
 どうして専任教員の確保が京都より優れていると、何の資料を基にして判断されたんですか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 今治市の資料において、その提案の資料の中でそのように書かれているわけであります。
○田村智子君 いつの資料にどう書いてあるんですか。事業者が決まっていないんですよ。今治市が確保できるわけがないじゃないですか。
国務大臣山本幸三君) これは、二十七年六月五日のワーキンググループで今治市が提案しているところでありまして、コアカリキュラムの実施、必要な教員七十二名程度を確保ということで書かれているわけであります。
○田村智子君 それは答えになっていないですよ。こういうふうに確保したいという提案書かもしれないですよ。だけど、市が確保することはあり得ないでしょう。あり得ないでしょう、市が確保することは。
 どうして専任教員が確保できると判断されたのか。
国務大臣山本幸三君) それは、今治市がそういうふうにしっかり確保できるということであります。
○田村智子君 あなたが判断したと言っているでしょう。山本大臣が判断したんですよ、京都と比べて。京都は十一人と書いてあります。獣医師十一人確保していると。それから、ほかのいろんな学部もあるし、獣医学部に相当近い学部もつくってきていると。事業者がはっきりしているから、当然どういう教員を確保しているかは極めて具体的です。
 今治市がより具体的だと、早期実現性があるとあなたが判断したのはどういう資料を基にしているのか。
国務大臣山本幸三君) これは、従来の構造改革特区からのそういう今治市の資料と、そしてこのワーキンググループ等に提出された資料に基づいて判断しているわけであります。
○田村智子君 ちょっと、委員長、これ、ちゃんと調べていただきたいんです。
 それじゃ、構造改革の提案、調べてくださいよ。一旦ちょっと議事止めていただかないと。お答えになっていないですもの。分かりますよね。事業者でなければ、こんなことはできないんですよ。加計学園から聞いたなら聞いたと言えばいいじゃないですか。それ以外に答弁あり得ないんですよ。どうなんですか。答えられないんだったら、ちょっと一旦休憩していただきたい。
○委員長(難波奨二君) 山本大臣、お答えください。
国務大臣山本幸三君) 繰り返しになりますが、今治市のワーキンググループに対する提案でそのように書かれているわけでありまして、それを基に私どもは判断しているわけであります。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、特区で判断する場合に、自治体からそういう提案があって、その中身について判断して、最終的には事業者は公募で決まっていくわけであります。その際に、その自治体、つまり今治市からはそういう必要な教員も確保しているというように聞いているわけでありまして、その点も含めて、ほかの点も含めて早期実現性の可能性があると判断したわけであります。
○田村智子君 本当にむちゃくちゃな答弁なんですけど。じゃ、今治市が確保していると説明されたんだとしたら、一体どこで説明したんですか。私が見ているヒアリングでは、ないですよ、確保しているという説明は。
 しかも、確保しているという説明が、じゃ何回もやられた協議の中で出てきたとしましょうや。それだったら、どの事業者が確保しているんですかと聞くのが普通じゃないんですか、違うんですか。
国務大臣山本幸三君) 確保しているというのは、先ほど申し上げたように、ワーキンググループに対する資料できちっと出ております。それから、ワーキンググループ等の議論等については、それはそれぞれの専門家は聞いているわけでありまして、そこのところは議事要旨等で明らかになっていると思います。
○田村智子君 じゃ、その説明は、今治市がもう確保したということでよろしいんですか。
国務大臣山本幸三君) 今治市が確保していると、確保できるというように説明しているわけであります。
○田村智子君 あり得ないですよね。あり得ないでしょう。公立大学つくる計画だったんですか。今治市が確保しているってあり得ないでしょう。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、そういう提案を実際に聞くのは、自治体からそういう事業について提案を聞いてくるわけでありまして、その自治体がそういうふうに確保していると言っているわけであります。
○田村智子君 そんなのでどうして実現性があると分かるんですか。おかしいでしょう。今治市が私立大学の教員を確保しているんですか、それじゃ。そういう説明があったということですか。
 担当者、どうなの、そういう説明があったの。今治市がこれこれこういう人を確保していますと、そういう説明があったんですか。藤原審議官、どうなんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答えを申し上げます。
 大臣がおっしゃっておりますけれども、今治市を一義的に私どもヒアリング対象にしておりまして、今治市が事業者候補の方々と様々な御議論をされて、今治市の責任でお答えを、あるいは資料を作られたというふうに考えております。
○田村智子君 そうしたら、具体的な、早期実現性なんですから、その候補がどこでどういう人確保するのかということを聞いていたということで、藤原さん、よろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) その時点でどちらの事業者かということは、当然のことながらまだ法的なプロセスはございませんけれども、今治市の方で様々な議論を様々な事業者とされていたというふうに考えております。
○田村智子君 これ、もう破綻しています。こんなので実現性なんと言ったら、ばかにされますよ。一方は、京都産業大学が事業者として分かっている、どういう教員を確保できるかも分かっている、にもかかわらず、早期実現性は今治市がある、どういう判断しているんだということになりますよ。とんでもないことになってきましたね、本当に。
 私、ちょっともう一問お聞きしたいんですけど、これ、私、つまり、もう平成三十年四月開学をゴールとして、もう加計学園ありきで具体的な構想を今治市と何度も協議していた、その情報が内閣府の中でごちゃ混ぜになっちゃって、大臣の答弁作るときに思わず教員の確保まで書いちゃったんじゃないのかと、そういうふうに言わざるを得ないんですよ。
 土地の確保までならまだ分かりますよ。教員の確保まで書いた。それは、もう何度も協議しているものだから、本来、一月四日以降、事業者公募して以降でしか分かりようのないはずの教員確保のことを、具体的な、早期実現性の根拠として挙げるような答弁書内閣府が作ったということ、それ以外私、説明付かないと思うんですけれども、もう加計学園ありきで協議していたということでしょう。そうでなきゃ説明付かないですよ。
○政府参考人(佐々木基君) これは、今治市のワーキンググループのヒアリングを御覧いただくと、そこで今治市から聞いているわけです。そのときに添付している資料の中で必要な教員七十二名程度確保ということをはっきり書いているわけでございまして、我々は今治市からヒアリングを受け、ワーキンググループでヒアリングをさせていただいたときに、そういうことで今治市として責任を持って出していただいている資料を私どもが受け取っていると、こういうことでございます。
○田村智子君 もう、本当に、今治市は確保できないんです、何度も言いますけれども、当たり前のことですけれども。そんなので早期の実現性なんということを判断したなんて、あり得ない答弁だと、虚偽の答弁しているというふうに言わざるを得ません。
 山本大臣、私、もう一点お聞きしたいんです。
 大臣は、加計理事長と九月七日に昨年会ったと、この報道があったときに、加計学園の理事長と大臣も友人だというふうに報道がされています。だけど、どういう友人かというのはいろいろ探してみても出てこないんですね。山本大臣、加計理事長と御自身はどういう御関係なんですか。
国務大臣山本幸三君) 全く友人でもありません。交友関係は全くありません。昨年九月七日に私への面会の要望があり、そこでお会いしたのが初めてであります。
○田村智子君 前に聞いたときには、友人だから知っていたんじゃないですかと聞いたとき、うなずいていらしたから友人かと思ったんですけど、じゃ、その報道が間違っていると。分かりました。じゃ、それはそこでいいとします。
 しかし、私、これ安倍総理の本当に進退に関わる疑惑なんですけれども、これ、山本大臣自身も、ここまで私の判断、私の判断と言い続けたわけですよ。
 私がこれまで明らかにしてきた問題は、一つには十一月九日の決定が、どうやって閣議決定である獣医学部新設の四要件、これをクリアしたのか。文科省農水省獣医学部新設を認めるという結論は出していないのに、なぜ十一月九日の諮問会議の決定が出たのか。
 これ、どんどん詰めていくと、山本大臣は私が判断をしたというふうにお答えをされる。平成三十年四月開学、これどうして入ったんだと聞くと、これも私が判断をしたと、こう言われる。また、今の、今治市が教員の確保なんかできるはずがないのに、教員確保の面で比べてより具体性があった、京都よりも具体性があるんだと、早期実現性があるんだと私が判断して広島県今治市特区だけでの公募にしたと。
 そうなると、これはもう山本大臣御自身も、政治を本当にゆがめる、そういうやり方の先頭に立っていると、こう言わざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 全くそんなことはありません。ルールに従ってやっております。文科省農水省とはきちっと調整をしているわけであります。
 私の考えは、とにかく岩盤規制は突破しなきゃいけない、規制改革をスピーディーにやらなきゃいけないというのが私の信念であります。したがって、それに基づいてやっているわけでありまして、その際に事務方を含めていろんな議論をやります。そこで、我々は現時点において、まさに価格が高止まりしている、そういうこともある、それから新規、先端ライフサイエンス等の需要もあるというようなことをるる説明して、そこで文科省とやり合うわけでありますが、そうした議論を含めて、ワーキンググループ等の有識者ともそういう議論をしていくわけであります。
 その中で、最終的に、もしそれが、その規制改革が難しいということであれば、まさに規制やっている所管省庁においてその難しいという正当な理由を適切に述べなければいけないというのは特区の基本方針で、これは閣議決定で決まっているわけですから、守らなきゃいけない話です。それをやらなかったわけですから、もうある意味でいえば議論をすれば我々は勝ったということですよ。そういう意味で、文科省はそういうことをしなかったということでありまして、私どもは、それは四条件は満たされるということを認めたということだということで、最終的に、その文案については、私が判断してこれでいこうというふうに決めたわけであります。
○田村智子君 これ、もう今治市から出てきている資料で、皆さんの答弁に数々の虚偽があるということがもはや明らかになりました。
 ここで質疑を終わらせるわけには絶対にいきませんし、今日せっかく来ていただいたのに農業支援のところの質問に入ることができなかったので、次回、この法案については引き続き質問をしたいというふうに思いますので、委員長、是非次回も十分な時間を取った審議ができるよう理事会で協議をいただきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○田村智子君 終わります。

平成29年6月13日内閣委員会(櫻井充議員)

○櫻井充君 民進党新緑風会の櫻井でございます。
 ちょっと通告している質問の前に、先ほどの大臣の矢田議員に対する答弁で気になった点がございましたので、大臣のこれ御答弁ですから、地元の水産資源云々という話がありました。水産の管理は水産学部であって獣医学部ではないと思いますが、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) もうその辺の詳しいことは私も十分に知っているわけではありませんけれども、提案書等の中では、そうした水産、魚、水産関係のことの品質調査、あるいは、それから、そういう産業のことに関して獣医学としてできるところがあるんじゃないかと、そういうことが書かれていることで、そういう答弁をいたしました。
○櫻井充君 済みませんが、今の専門家でないかのような御発言でしたが、今までずっと、私が決断してきた、私が決断してきたと言ってきているんですよ。専門家でない方が決断したということ自体は私は大きな問題だと思いますけどね。大臣、いかがですか。
国務大臣山本幸三君) 先ほどの水産関係ですけれども、養殖漁業においては、感染症をいかにコントロールするか、耐性菌等の環境汚染をいかに減らすかが課題であります。こうした課題は、長らく畜産業が試行錯誤を繰り返し、様々な知見を蓄積してきたところであり、獣医師が持つ漁業や寄生虫、毒性、食品衛生等の高度な専門知識とノウハウの応用が期待されているところであります。
 なお、日本では水産学部があるため、この分野の獣医師の志望者は少ないわけでありますが、欧米では獣医師が中心となって養殖漁業に貢献していると承知しております。
 世界の水産業は今後管理された水産業へと変化していくことが予想され、日本でも、食の安全面も考慮しながら、養殖漁業に取り組む獣医師を育てていく必要があるということであります。
○櫻井充君 それでは、加計学園のカリキュラムの中に、その水産資源のところについてのカリキュラムは入っているんですか。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) ちょっとカリキュラムは今調べますけれども、その今治市の提案資料の中では、例えば、世界三大漁場の一つ、カナダのニューファンドランド沖に近いプリンスエドワード島大学アトランティック獣医学部では、ロブスターなどの品種改良等、水産業のために種々の研究を行い、養殖漁業に貢献していると、世界の水産業が今後管理された水産業へと変化していくのは必須であるから、日本でも、漁場に近接する獣医学科、獣医学部では食の安全面でも考慮しながら養殖漁業に取り組む獣医師を育てていく必要があると書いておりまして、ちょっとカリキュラムについては今調べさせていただきます。
○櫻井充君 答弁になっていません。ここは本当に大事なポイントなんですよ。そこまで言うのであればちゃんとカリキュラムがないと。
 済みませんが、ちゃんとした答弁をしてください。カリキュラムが分かっていないのに、時間稼ぎに答弁しないでくださいよ。
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
国務大臣山本幸三君) 獣医学教育モデル・コア・カリキュラムではカバーできない畜産系・水産系科目、生産農学概論、飼料作物学等を選択科目として配置すると、そういうふうに書かれております。
○櫻井充君 選択科目としてあるのであれば、どなたかきちんとした教授陣が必要になりますが、こういうことについてきちんと実績のある教授陣はいるんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 教授の名前等については、これは文科省の審議会の、審議中でありまして、そういうことについては公開できないというように聞いております。
○櫻井充君 義家副大臣にお願いがございます。今のことをきちんとやれる方がいらっしゃるかどうか、設置審できちんと調査していただけますね。
副大臣義家弘介君) 今現在設置審にかかっておりますが、同審議会において教育課程や教員組織、施設設備、財務状況などが学校教育法及び学校設置基準等の法令に適応しているかについて、学問的、専門的な観点から審査を行うこととなっておりますので、八月に審査結果が答申されることになっており、これを踏まえて八月末に文部科学大臣の認可の判断を行うという流れになっております。
○櫻井充君 一般的なことは何回もお伺いしております。そういうことではありません。これが加計学園の売りの一つなんだそうですから、そうであれば、このことに対応できるようなカリキュラム、そして教授陣が必要かと思います。この点についてきちんと設置審でちゃんと諮っていただけますね。
副大臣義家弘介君) 学問的、専門的な観点からしっかりと審査が行われるものと認識しております。
○櫻井充君 先ほどカナダの例を挙げられましたが、それでは、瀬戸内海でこういうことが必要だと、こういう事例があったんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) その具体的な事例等には承知しておりませんが、そういう愛媛県なり四国なりで水産関係の方々との話をした中でそういう必要性もあるというように認識したというふうに聞いております。
○櫻井充君 具体的事例がなくて、なぜ必要なんですか。
国務大臣山本幸三君) これは、その提案資料の中にもありますけれども、養殖漁業における基本的な課題は緻密飼育の問題であると。つまり、感染症をいかにコントロールするか、耐性菌等の環境汚染をいかに減らすかであり、食の安全に直結する問題であるが、現状では養殖漁業現場における獣医師の活躍はほとんど見られず、生産業者の判断に委ねられているのが実態であると。そうした課題は、長らく畜産業が試行錯誤を繰り返し、様々な成長を蓄積してきたものであり、獣医師が持つ魚病や寄生虫、毒性、食品衛生等の高度な専門知識とノウハウの応用が期待されていると。
 我が国は、歴史的経緯もあって水産業と畜産業が分離しており、これらの共通課題に関与する獣医師の連携もほとんどないが、新しい大学においては双方の分野をカバーする教育研究体制を敷くことにより領域横断的な獣医師の養成が可能となり、地域経済への貢献が期待されるとされておりまして、そういうことから、こうした分野の対応も必要だということだと思います。
○櫻井充君 済みませんが、それは、申し込んでいる方々がこういうことですと話をしていることは丸のみですか、全て丸のみですか。
 先ほどおっしゃったじゃないですか、大臣は、一つ一つ判断していかなきゃいけないんだと。この事例が必要なのかどうかは客観的事実に基づいて私は判断すべきだと思いますね。そんなこともできないんだったら大臣失格ですよ、はっきり言っておきますが。
 改めてお伺いします。これまでこのような問題は瀬戸内海で起こっているんでしょうか。
国務大臣山本幸三君) 四国の海面養殖漁業生産量は全国の約三分の一を占め、中でも愛媛県は全国第一の養殖水産県でありますが、数年前、愛媛県内で寄生虫クドアに起因すると見られる大規模食中毒が発生し、ヒラメ養殖業者は廃業に追い込まれるなど大打撃を受けたと。
 世界的な養殖漁業ニーズの高まりと四国の地域特性を考えたとき、養殖魚の安全性確保と高品質化は喫緊の課題であるというように承知しております。
○櫻井充君 それでは、そういう問題が起こったときに対応に当たった人は誰ですか。
国務大臣山本幸三君) そのときの事情については承知しておりません。
○櫻井充君 そこに獣医師が関与していましたか。獣医師が関与していたんですか。鳥インフルエンザとかそういったものについては獣医師関与していますよ。だけど、この手のものに獣医師が関与しているんですか、本当に。
国務大臣山本幸三君) その点については私は承知しておりませんが、今後、そういう場合に、今までは日本の場合は水産業と獣医学が分離しているんだけれども、そういう共通のものが上がってくると、こういう事例はその一つであろうということで、新しい分野だというふうに認識しております。
○櫻井充君 済みません、資料請求しておきたいと思いますが、このときに一体誰がこの対策に当たってきたのか、それから、今のお話ですと、獣医学部の中で水産資源のことをやっていらっしゃる方がいらっしゃるのかどうか、その点について資料請求しておきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 これ、もしやっている人たちがいないとなると、教授陣にもうその人がいないということになるんですよ。研究者もいなくて、言うだけ言って、それを全部丸のみしてくるというのは本当におかしな話だと思います。
 私は、この間、勉強不足でしたが、豚の話が出ましたが、豚の話を最初に中心的に話をしていたのは実は京都産業大学でした。ですから、京都産業大学でこういう案があって、これがいいなと思ったので多分おっしゃっているんだと思いますが、そういうふうに、最初から通そうと思っているところは非常に良心的にやってきてくださるわけですよね。
 さて、この間、質問させていただいたときに、今治市の方には獣医学部の新設についてのスケジュール表を出してくださいと、共有化したいと言ってメールが送られてきています。これは、ちゃんと今治市の情報公開で出ているし、そのスケジュール表もありますからね。
 それでは、京都府に対して、獣医学部の新設についてこの手のスケジュール表を出させたことはありますか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の二十八年八月三日に内閣府から今治市に行いました依頼は、京都府京都産業大学にも行われたのかという点でございますけれども、スケジュール表の作成につきまして当時の担当者に確認したところ、昨年八月頃、担当者同士の情報共有のため、十特区全ての担当者に、これは北九州市の例を参考として、今後各区域で取り上げる可能性のある全ての項目について前広にまとめるように依頼をしたということでございました。これは、担当者レベルの職員が特区自治体の職員との間で常日頃から十分な意思疎通を図ることができるよう特区自治体の方々に協力をお願いしたものと聞いております。広島県今治市だけでなく、京都府に対しても作業依頼が行われております。
 なお、いずれの特区につきましても、この作業依頼は特区自治体において取りまとめを依頼しておりまして、事業者である京都産業大学には直接作業依頼は行っていないということでございました。
○櫻井充君 これ、京都府は作成していないと言っていました。多分、これ、済みません、まだ確実ではないんですが、そういう記憶がないやに、地元の衆議院議員にお願いして尋ねたところ、そういう回答でございました。
 ですが、多分ほかの事業についてはきっと、そういう経過というんでしょうか、タイムスケジュールが出てきているはずなんですよ。ですから、多分ですよ、タイムスケジュールが出ているものについてはそのスケジュールどおりやっていきましょうと、そうでないものについてはやはり最初から除外されてきているんじゃないのかなと。ここから見てくると、やはり加計学園ありきでずっと進んできたんじゃないのかなと、私はそう思いますけれどもね。
 それでは、この間、まず、その前にこっちから行こうかな、今日は。いろいろあるんですが、平成二十七年の十二月三日から十二月四日にかけて、今治市の職員が内閣府を訪れてきております。このときにどういう議論がなされましたか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 平成二十七年十二月三日ということでございますけれども、二十七年十一月から十二月上旬にかけて、これ十一月二十七日の特区諮問会議で第三次の特区指定に向けて選定基準が示されたということもございまして、様々な自治体と事務的な打合せを行っていたところでございます。御指摘の二十七年十二月三日かどうかははっきりしないわけでございますけれども、当時の担当者に確認をしたところ、特区指定に強い熱意を持つ今治市が、何としても特区指定を勝ち取りたいという強い思いで、十一月二十七日の諮問会議で示された選定基準への適合性を改めて内閣府に説明するため来訪されたものと聞いております。ただ、詳細な日時、場所、出席者、打合せ内容については記録がなく、定かではございません。
○櫻井充君 済みませんが、今治市の方では、ちゃんと情報公開請求して、いついついついつ会っていますと、これは出してきてくれていますよ。文書管理よっぽどきちんとしているし、そして稟議書も全部あるし、そして情報公開請求すればちゃんと出てくるんですよ。今治市の方がよっぽど民主的ですよね。
 それでは、この日になぜ成田市の国家戦略特区の医学部新設のスケジュール表を渡しているんでしょうか。
○政府参考人(藤原豊君) 済みません。ちょっとその、私どもの方からそういった成田のスケジュール等についてお渡ししたという事実については確認が取れておりません。
○櫻井充君 これは非常に大事な点なんですよ。なぜかというと、八代議員が、成田でこうやってうまくいったから今度は岩盤規制はこれで突破するんだと、そういうことを実はワーキングチームで、どっちだったかな、ワーキングチームだったかそれとも諮問会議か忘れましたが、そこで発言されているんですよ。今治市で勝手にこうやって成田市の国家戦略特区の医学部新設スケジュールなんて書けるはずがないので、内閣府から当然提供されてきているわけですよね、こういうスケジュールでいきましょうと。
 改めてお伺いしますが、このときに成田市の国家戦略特区による医学部新設のスケジュール表を渡していますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私どもの方から医学部新設のスケジュール、こういった資料を作成しお渡ししたということはございません。
○櫻井充君 じゃ、これは、今治市が持っているのは、勝手に今治市が作ったんですか。そうしたらこんな、今治市が成田の、済みませんけど、出張に行った際にこのスケジュール表を出す必要性がないんですよ。だって、元々自分たちで作ったんだったら、内閣府からもらった、提示されたものでなければそんな必要性がないのであって、ここにわざわざ添付されているというのは、これは内閣府からもらってきた資料に決まっているじゃないですか。ちゃんと調べてくださいよ。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 こちらの医学部の新設のスケジュール等につきまして、私どもから提案した、提出したという事実はございません。
○櫻井充君 それでは、これは勝手に今治市が自分たちで作ったんだと、それから内閣府に行ったときに自分たちが勝手に持っていった資料だと、そういうことでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今治市がこの資料をどのように扱っていらっしゃるかということについては承知をしておりません。
○櫻井充君 ここは、加計学園ありきでやるためにどうしているかというと、懇切丁寧に内閣府から僕は指導したんじゃないかと思っているんですよ、だからこういうようなスケジュールでやっていきましょうと。それなのでいろいろ、相当来ていますよね、十何回も来られていて、マスコミの報道どおりです。ただ、私が調べる中で、表で獣医学部の話合いについてというのは十一回です。ですから、これだけ多くの回数を重ねてきていること自体が非常に不自然でならないと、そう思います。
 それでは、四月の二日に首相官邸を訪れてきている、この事実は認めてくださいました。これ前回の質問の続きです。そこで誰と会ってどういう話をしたのでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 前回も今治市から聞いて御答弁をさせていただきましたけれども、今治市の方で、情報公開条例の趣旨にのっとって、相手方、内容についてはお答えできないということでございまして、私どもも今治市に確認できない状況でございます。
 私ども、したがいまして、このときにどういう内容で誰と会ったかということについては承知をしていない、こういう状況でございます。
○櫻井充君 済みません、通告しています。前回からの積み残しで、しかもちゃんと改めて通告しています。前回は、ここのところで行ったということは認めてくださっているんですから、そういう答弁はないんじゃないですか。
○政府参考人(佐々木基君) 大変恐縮でございますけれども、私どもとしてもなかなか確認するすべがございませんで、今のような御答弁をさせていただいた次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(難波奨二君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(難波奨二君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(佐々木基君) 済みません、改めて御答弁させていただきます。
 今治市の職員が官邸に行ったことにつきましては、今治市に確認したところ、先ほど申し上げましたとおり、今後の今治市の業務に支障が生ずるおそれがあるため、情報公開条例の趣旨にのっとり、相手方、内容についてはお答えできないということでございました。
 また、萩生田副長官から国会で御答弁がありましたけれども、平成二十七年四月二日に今治市の職員が総理大臣官邸を訪問したかは、訪問者の記録が保存されていないため確認できなかったということで国会で答弁をされております。
○櫻井充君 済みませんが、この間はちゃんと訪れたようですと、そう答弁されたじゃないですか。答弁違っていますよ。
○政府参考人(佐々木基君) この前御答弁申し上げましたとおり、これは情報公開請求、情報公開ということで、今治市については職員が……(発言する者あり)はい。官邸に行ったということについては、そういうことであったというふうに思っております。
○櫻井充君 済みませんが、今治市がどうだとかこうじゃないんですよ。ちゃんと内閣官房としてどうか、首相官邸の中でどうなっているのかということを聞いているんですよ。
 いいですか、この行程表にはちゃんと行ったと書いてあるんですよ。三時から四時半まで行ったと書いてあるんですよ。何でそれに対してちゃんと答えてくれないんですか。答えてくれないから、ますます怪しいとみんなで思うようになるんですよ。ちゃんと答えてくださいよ。これがおかしくないということを立証するのは、もう今やあなた方にあるんだ。ちゃんと答弁してくださいよ。
○政府参考人(佐々木基君) 官邸に行ったということにつきましては、私どもも全く否定はしていない、肯定しているわけでございます。
 先生の御質問の、誰に会ってどういう内容だったかということにつきましては、私どもは確認ができなかったと、できないということでございます。
○櫻井充君 誰に来ていただければそれはよく分かるんですか、じゃ。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほどのような経緯で、今治市のお話、それから萩生田副長官のお話もございますので、私どもとしては、現時点では、大変恐縮でございますが、なかなか確認はできないという状況でございます。
○櫻井充君 私はちゃんと答弁できる人をお願いしました。答弁できない人がそこに座っていいかげんなことを言われると困るんですよ。
 誰だったらちゃんと知っていて、誰だったらちゃんと答えられるんですか。
○政府参考人(佐々木基君) 国会で萩生田副長官もしっかり答弁をされておりますので、結局それが全てではないかというふうに思っております。
○櫻井充君 情けないですね。
 今治市でちゃんとこうやって情報公開されて、一時間半も首相官邸にいるんですよ。一時間半の間何をしたかも明かせないと。だから、総理から何か言われたんでしょう。この時間帯、ちゃんと首相官邸に総理おられますからね。
 大体、違う話題に行ったらきっとほっとされるんだろうと思いますが、松野大臣だって、平成二十八年の九月六日に加計理事長及び豊田元理事が大臣就任の挨拶に来られました、その際には、就任の挨拶があったのみで、獣医学部新設に関する話はありませんでしたと答弁されていますが、まだこれはメディアによる報道でしかありません。
 確認させていただきたいと思いますが、このときに、実はプレゼン用の資料があって、その資料を持って話をされたというふうに報道されてきていますが、それは事実なんでしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 松野大臣からは、九月六日の加計学園との面会の際は、大臣就任の挨拶があったのみで、獣医学部新設に関する話はなかったと聞いており、その旨松野大臣から国会でも答弁されてきたとおりでございます。
 また、報道によると、加計学園側がそのような事実を否定して、抗議の文書が出ているというふうに承知をしております。
○櫻井充君 今、このプレゼン用の資料が本物なのかどうかの確認中ですが、こういうふうに、実際答弁されていることと中身がもしかしたら違っているかもしれないという話になってきたら、どこをどう我々は信用していったらいいんですか。
 そして、国会ってどういう場だと思われているんですか。国会の場できちんと答えられるのが、これは役人の務めではないんですか。そういう意味でもう一度申し上げておきますが、答えられない人に来てもらって、分かりませんと言われても困るんです。ちゃんと答えられる人に来ていただきたいと、そのことだけお願いしておきましょう。
 改めて申し上げますが、結局は答えられないんですよ、加計学園ありきでずっと動いてきているんですから。それを僕らが幾らこうやって示してきていても、なかなかお認めいただけないので。
 例えばこういうこともあるんですよ。これは今治市内閣府のやり取りですが、平成二十八年の九月十二日開催の国家戦略特区シンポジウム、九月十三日に内閣府打合せということで東京に出張しましたと。この際に、資料を今治市の方から提出して、こういうことが進んでいますと。ここの中に何て書いてあるかというと、獣医学部の新設を目指しますとか獣医学部の新設を要望中ですと、こういうふうに実は訂正されているんですよ。
 なぜかというと、私の伝え方が悪く、再度修正をお願いすることとなってしまい、申し訳ございませんと、これ、今治市の担当者の方に内閣府の誰々からですと、ここは黒塗りになっていますが、現在の表記ですと新設が決まったかのような表現に見えかねないので、新設を要望中とか新設を目指しますとかなどといった表現に修正をお願いいたしますということでございまして、もうこの時点で多分、こういう流れでやっていきますからねというのは決まっているわけですよ。今治市からしてみれば、内閣府主導でやってくれていて、こうやってもう決まっているので、本当に今までずっとやってきたけどなかなかうまくいかないものが進んでいったから、いや、これは良かったと思って正直に書こうとしたら、こうやって内閣府で修正してくださいと。
 こういうメールを送ったことは事実ですよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 今、櫻井委員の方からお話ございました二十八年九月十二日、これは、特区シンポジウムに菅市長、今治市長が登壇されるに当たり、今治市職員も同行したものというふうに承知しています。
 また、十三日なんですが、市の職員の方々がやはり私どもの事務局に訪問されて、連絡調整の会議なんでございますが、この十三日ということであれば、特区指定の十地域十七自治体を一堂に会して全体の情報共有を図ることを目的とした特区の連絡会議というのを何か月に一度か開催しているんですが、そういった開催日でございました。今治市も指定自治体の一つとして出席をしております。
 大変申し訳ございませんが、それ以外のちょっと事実関係が私ども把握をしておりませんので、そのメール、委員御指摘のメール等々につきましての情報が今ない状況でございます。
○櫻井充君 正確に申し上げないとそうやって答弁していただけないということがよく分かりました。
 これは、送られている日付は二〇一六年の九月八日です。しかも、二十三時四十五分。差し迫っている中で送って、相当大事な案件だったので、これを変えてくださいということだったんだろうと、そう思います。
 まず、このメールが本物なのかどうかについて、後で資料をお渡ししますから、ちゃんと確認していただきたいと思います。
○委員長(難波奨二君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○櫻井充君 今治市は、もう内閣府主導でやってきていて、それでもうできるものだというふうに思っているわけですよ。ですから、この間もお示ししましたが、結局ボーリング調査にしてみても何にしても、内閣府のスケジュール感に合わせてやっていかなければいけないということでずっと進んできているわけですよね。
 そして、また非常に不思議なんですが、これは、平成二十八年の十月の二十八日の金曜日に、一つ一つ確認しておきましょうか、午後四時から五時十分、これは医学部新設に関わる内閣府協議ということで今治市の方と内閣府で会っていますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 十月の二十八日、去年でございますけれども、内閣府と特区自治体、今治市、これ互いに連絡を取り合って緊密な連絡の調整に努めているところでございますけれども、この二十八日かどうかは分からないんですが、当時の担当に聞いたところ、今治市分科会、これが九月二十一日でございます。それから、第二回区域会議、九月三十日後の進捗状況について確認すべく、今治市から質問を受ける形で御説明を差し上げたということが確認されております。
○櫻井充君 済みませんが、これ報告書にもうこうやって期日書いてあるんですよ、今治市のやつは。ちゃんと確認してくださいよ、ちゃんと通告もしているんですから。こうやって会った回数、会ったことについて、誰と誰でどういう議論をしたのかということをちゃんと聞きますからと通告しているし、今治市からこうやって情報公開されているんだから、それだって持っていないはずがないでしょう。
 その上で、黒塗りになっちゃっているんですが、今後のスケジュール案と、多分ここでスケジュールが示されて、黒塗りなんです。それから、新設する獣医学部の概要、イメージということで主な論点などがずっとここで議論されて、それからここの別紙の中にこれ入ってきているんですが、「獣医師養成系大学・学部の新設について」ということで、今治商工会議所の方から一応文書が提示されて、あの森ゆうこ議員が指摘していたMARSというスペルの間違った資料が出てきていたということです。
 この資料の後に、なぜか不思議なんですが、なぜか不思議なんですが、自民党の獣医師問題の議員連盟の会長、幹事長、事務局長の名前が出ていて、それから日本獣医師会の会長、顧問の名前が出て、それから日本獣医師政治連盟の委員長の名前が出てきていると。こんなもの、今治市でこんなことやるはずがないので、恐らく内閣府から提示したんじゃないかと思いますが、何でこういう名簿を出されたんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 こちらの添付資料でございます、内閣府として、昨年十月二十八日の出張報告に添付した資料、この中に、これ、既に公表している成田の関係の告示とかいろいろございますけれども、私ども少なくとも内閣府として提出したものではないというふうに認識しております。
○櫻井充君 ちゃんと覚えているんですよね。内閣府の告示もちゃんとここで渡しているんですよ。何でこの獣医学部の新設に、成田のこうやって医学部の新設のところ、内閣府の告示をこうやって提示しなきゃいけないんですか。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げますけれども、いずれにしましても、十月二十八日にこういった会合があるかどうかは私どもまだ確認できておりません。また、繰り返しになりますが、出張報告に添付されている資料ということでございますけれども、この資料の内容がいかなるものかは私ども内閣府として承知をしておりません。
○櫻井充君 今、自分でちょっと言ったじゃないですか。内閣府の告示についてはと言ったでしょう。だから、どうしてこれをこうやって添付したんですかと聞いているんですよ。自分で言ったことじゃないですか、藤原さん。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 明らかに公表している資料もあるということで例示として申し上げましたけれども、この資料がどういう形で扱われているのか、今治市の方で御開示されたのかということにつきましては私ども承知をしておりません。
○櫻井充君 それでは、承知していないということは内閣府で提示していないということですね。それでよろしいんですね。
○政府参考人(藤原豊君) 添付した資料につきまして、私ども内閣府から少なくとも提出したものではないと認識しております。
○櫻井充君 それは、認識という言葉ちょっとよく分からないので確認しておきたいと思いますが、それは絶対に否定形なんですね。これはないということでよろしいんですね。ないということなのか、それとも現時点で分からないということなのか、それについて御答弁ください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 私どもとしてはないと認識しておるんですが、この会議自体、もう指定自治体でございますので、通常この市の職員との関係は担当者の方でずっと議論が続けられております。当時の担当者含めて外部のもう組織に移転している者もおりまして、その辺りの確認もまだ完全には把握していない状況でございますので、私どもとしては今認識をしておりますけれども、そういった事実はないというふうに考えております。
○櫻井充君 確認していないならちゃんと確認してください。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 どういったメンバーでどういった議論をしていたか、私もこの会議には恐らく参加できていなかったと思いますので、確認をさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 済みませんが、ちゃんと通告しているんですよ。通告しているものについて答えていただかないと時間だけどんどんどんどん過ぎていくんですがね。
 ここのところに、本当に不自然なんですよ、何でこうやって、こうやって国際医療福祉大学の件が乗っかってくるんでしょうか。結局のところは、こういうふうになぞらえてやっていけば獣医学部はちゃんと新設できますからねということを伝えたかっただけの話じゃないんですか。
 元々、もう、先ほど申し上げたとおり、相当早くに成田のスケジュールを提示しているんです。平成二十七年の十二月三日ですよ。この時点から成田のスケジュールを出して、こういう方向でやっていきますと。そして、しかも、これだけ何回も何回も御丁寧に獣医学部のことについて議論をしていくということなんですよ。では、そうだとすると、そうだとすると、やはり加計学園ありきでずうっと動いてきたんじゃないだろうかと、そう思うのは私は至極当然のことだと思います。
 しかも、最後、十一月の八日、これは九日に決まる前ですけれども、そのときにも、二時四十五分から三時十分の間で今治市の職員と内閣府で会っていますよね。
○政府参考人(藤原豊君) お答え申し上げます。
 これも当時の担当者へ確認したんですが、昨年十一月八日の内閣府今治市の打合せにつきまして、担当者同士で獣医学部も含む特区の最近の動きについて意見交換をしたと、ただ、大変短時間で終わったということを報告を受けております。
○櫻井充君 短時間で終わるんですよ。なぜかというと、十一月九日の議事次第が全部配られているんですから。十一月九日の議事次第が前日にもう渡されているんですよ。そして、ここの中に、配付資料がこういうものですとか、それから、追加項目の案についてこういうふうな案で、結局のところは獣医学部のところを認めていきましょうとか、それから、これは民間委員の名前が五人書かれていますが、そこの民間委員の中の、規制改革事項などについてということで、追加規制改革事項の中に獣医学部の新設と、こういうのも書いてあって、だから、これが、あしたこうですからと多分提示されたんだと思うんですよ。で、喜んで今治に帰られたということだと思うんですね。
 こういうことまでちゃんと、ずうっと手取り足取り、まずこうやってスケジュール表を作ってくださいから始まって、成田はこうやって行ったから、このとおりにやるんですと。最後は、ここのところで、はい、こういうふうに決まりましたから御心配なくと。加計学園ありきでやってきたと言われても仕方ないと思いますがね。大臣、いかがですか。大臣。
国務大臣山本幸三君) 私どもは、そうした特区ワーキンググループ、分科会、そして区域会議、そして諮問会議ということで正式に決めていくわけであります。その際に、今治市の案件が従来からの長い間で一番先行的に行われてきたということは確かであります。そのことは承知しているところであります。
 ただ、加計学園ありきなんということは全くありません。それは、事前に私が申し上げましたように、最終的には公募で決まるということでありますから、そこでしか決まらないということを重々申し上げておりました。
○櫻井充君 外形的には、それはそういうふうにしなかったら大変な問題だから、外形的にはそうしてきていますよね。だけど、その前、そのときに、この間々でずうっといろんなことが調整が行われてきて、じゃ、加計学園のためにこうしましょうということが繰り返し繰り返し議論されているだけの話じゃないですか。
 今、そしてもう一つ、前々からずうっと言ってきたんだと、そういう話がありましたが、石破四条件の中のどこに当たるんですか、それが。
国務大臣山本幸三君) 石破四条件云々の話をしているわけじゃありません。ただ、国家戦略特区の前の特区のときからずっとそういう話があって、そして民主党政権のところで実現に向けて格上げというようなことがあって、そういう経緯がずっとあるわけであります。そういう意味では、今治市の提案についてが一番私どもとしては熟度が高いということについては先ほど申し上げたとおりであります。
○櫻井充君 済みませんが、獣医学部新設するかしないかは、これは我々の政権の時代の話を超えて、自民党政権下で石破大臣が、これは国家戦略特区の担当大臣のときに四条件決めたんじゃないですか。そうですよね、まずそこから確認しましょうか。
国務大臣山本幸三君) それは、日本再興戦略でそういうふうに決まったということであります。
○櫻井充君 ですから、このルールに従ってやるかどうかが大事なことであって、ですから私はお伺いしているんですよ。四条件があるんです。
 そうしたら、前々からこうやって構造改革特区で提案してきたというのは、この四条件の中のどの項目に当たるのか、教えてください。
国務大臣山本幸三君) 四条件の項目というわけではありません。四条件はほかのことが書かれているわけでありまして、それについてはきちんと検討し、クリアしているというふうに判断したわけであります。
○櫻井充君 四条件と関係ないことについて、これがさも理由かのようにおっしゃるのは、僕はおかしいと思いますよ、アンフェアだと思いますよ。
 だって、これは、四条件というのは、これは済みませんが、安倍政権で決めたことです。安倍政権で決めたことをちゃんと守らないで、そして自分たちで適当な理由を言い始め、そしてさっきは、本当にこれから起こり得るのかどうか分からないし、学部の新設ができるのかどうかも分からないような水産業の話を出してきたりとか、結局、こうやっていいかげんなことだけ言って、相手方から言われたものをきちんと調査するわけでもなくどんどんどんどん推し進めているということは、繰り返しになりますが、加計学園ありきでこうやってずうっとやってきたということになるんじゃないですか。
 今、僕は本当愕然としましたが、要するに四条件に関係ないんですよ。四条件に関係ないことが、熟度高いとか適当なことを今まで言ってきているわけですよ。おかしくないですか。
国務大臣山本幸三君) 四条件についてはクリアしているということで、そのことを詳しく説明するのであれば幾らでも申し上げます。同時に、そういう歴史的な経緯もあるということであります。
○櫻井充君 もう、済みませんが、やっても水掛け論なので、既存の大学それから学部で対応が困難だというものが本当に挙げられるかどうかというと、挙がらないんですよ。
 だって、なぜならば、先ほど大臣ちょっと御答弁されていましたが、獣医学部でも、日本でもやりかけているようなことをおっしゃっているということは、やっていないわけでも何でもないんですよ。
 それから、大変申し訳ありませんが、東大や北大を超える大学になるんですか。本当にそう思われていますか。世界的な研究を行って、大変申し訳ありませんが、だけど、東大や北大を超える大学になると大臣は本気で思っていらっしゃるんですか。
国務大臣山本幸三君) それは、この大学の努力次第だというふうに思います。
○櫻井充君 それでは、加計学園グループの例えば薬学部がございます。この薬学部の国家試験の合格率はどの程度か、大臣、御存じですか。
国務大臣山本幸三君) 私は承知しておりません。
○櫻井充君 大臣は、科学的に基づいて説明されようとはしないですよね。つまり、都合の悪いことは全部目を閉じる、見ないようにする。そして、何となく言われたイメージだけでこれをよく説明してくる。こんなことじゃ議論になりませんよ。
 そして、私は、こうやって質問させていただいているときに、進路指導の先生から電話が掛かってきまして、私は絶対にあの学園の系列には行かせないんだ、子供たちをと言っていました。それはなぜかというと、薬学部の合格率が低くて、仮に入ったとしても薬剤師さんになれるかどうかが分からないからだと。
 こういう大学つくって、困るのは子供たちですからね。学校はもうかるかもしれませんよ、しかも定数百六十で。定数百六十って、今までないですよ、どんなに大きな私立大学でも百二十ですからね。
 大臣、じゃ、ここのところにあるような、具体的な需要が明らかだと、具体的な需要は分からないとまで開き直られましたが、百六十の根拠を示していただけますか。具体的な数字をもって、加計学園から言われたとか、そういうことじゃなくて、百六十が必要な理由を言ってくださいよ。
国務大臣山本幸三君) この点は何度もお話し申し上げたように、数字的にはっきり幾らが必要で幾らが足りないかというような話は、それは誰もできません。需要曲線なり供給曲線というのを正確に描ける人はいません。なぜならば、価格と絡んだ、それで決まるわけですから。
 今、私は、従来から主張しているように、現状起こっていることは、その場合に、経済学で足りないかどうかということを判断する場合には価格を見ると。私から見れば、まさにペットの診断なんというのは価格が高止まりしている。そういう状況のときには、通常は新規参入が起こるんですよ、自然にほっておけば。だけど、獣医学部は規制しているわけですからそれが起こらない。その結果、本来であれば、新規参入が起こって供給が増えて、そして価格が下がってきて、だけど、一定以上は下がり切れないところで均衡するわけですよ、それ以上になれば生産者の方も生活ができなくなるという状況が起こってきますから。
 だから、経済学的に言えば、その均衡点に達するまで幾らでも増やしたらいいという議論になるわけであります。だけど、そこは、そういう意味での数字というのははっきり出せないんだけれども、その百六十名が云々については、これは教員の数とかあるいは施設とか、そういうところで設置審において判断するものだと思っております。
○櫻井充君 済みませんけど、今の話をお伺いしていると、結局のところは潰れるべき、要するにペットの病院が潰れてくればいいんだと、そうやって市場原理で淘汰されていけば、いずれ価格も下がっていくし、みんなハッピーになるんだと。潰れていくところの病院のことは何も関係なしに価格だけ下がっていけばいいと。
 それは、もう一度申し上げておきますが、この間も指摘しましたが、安倍政権ではデフレからの克服と言っているんですからね。こんな、全ての分野で市場原理が働いて価格が下がっていったら今の方向と全然違うことになりますからね。
 こういう、この程度の方が担当大臣で、担当大臣として判断されるなんということ自体、僕は本当におかしな話だと。ちゃんと物事をもう少し分かって、良識的な人が判断されるべきですよ。だから、石破大臣のときには設置認可なんかまで進まなかったんですよ。それが、済みませんが、大臣になってからとんとんとんとん進んでいくようになりましたからね。
 まあいいでしょう。ですが、ここのところで、はっきり言っておきますが、具体的需要なんというのは明らかにならないということは御自身で今おっしゃったんですから、数は分からないと、あとは神のみぞ知ると、この間もおっしゃっていましたが、そういう方が適当にもう四条件をクリアしていると言い放つこと自体、私はおかしな話だと思います。
 それから、ちょっと話題変わりますが、これ、時間がないので。文部科学省で再調査をしてくださることになっていますよね。これは、どういう理由で、そして今どういう方向で調査されているんでしょうか。
副大臣義家弘介君) お答えいたします。
 現在、文部科学省では既に追加調査に着手しております。
 具体的には、これまで国会や報道等で指摘された点も踏まえながら、前回調査を行った国家戦略特区における獣医学部設置の担当である専門教育課の関係する共有ファイルや共有電子フォルダだけではなく、設置認可や国家戦略特区の窓口となる関係三課室の共有ファイル等まで調査範囲を拡大するとともに、ヒアリングの対象についても、前回の七人であったのに対して、今回は関係三課室の職員も対象とすることから増加し、またヒアリングも丁寧に実施することとしており、現在鋭意向き合っているところでございます。
 この追加調査の理由についてのお尋ねがありましたが、現在、設置審で静ひつな環境の中で専門的、学術的な議論が行われている真っ最中に様々な情報が次々に飛び出している中で、静ひつな環境での冷静な議論というものを一刻も早く取り戻さなければならない、そういう思いも含めながら追加調査を判断した次第でございます。
○櫻井充君 それだけですか。私は勇気ある職員の人たちのためにもやらなければいけないと思いますが、そこはないんですか。
副大臣義家弘介君) 単純に勇気あるとか勇気ないとかではなくて、様々な折衝の中で様々なやり取りがあったことは事実です。実際、そのやり取りに関わったのは、副大臣、そして大臣、さらには課長補佐級以上しか現実に関わっていないんですね。しかし、仄聞状況で、いろいろなものが次々に国会でもマスコミでも出ているという状況の中で、疑心暗鬼も広がっておりますし、何が本当のことで何が間違いなのかさえ、これ分からないような状況の中で行政の停滞を招いている部分も現実としてあるというふうに思っております。その意味で、追加調査をしっかりとして状況を明らかにするという判断をした次第でございます。
○櫻井充君 済みませんが、この調査は一体いつまで出る、いつまで出てくるんでしょうか。
副大臣義家弘介君) 現在行っているところですけれども、速やかに行って、結果を発表してまいりたいというふうに思います。
 また、様々な声がございますけれども、慎重には慎重を期して着実に、確実に行わなければいけない類いのものですので、途中で終わってしまうではなくて、しっかりとした調査の上で内容を明らかにしていきたいと思っております。
○櫻井充君 しかし、この資料が出てきてちゃんと国会で議論ができなかったら、資料提出されても、本当、まあ出したこと自体には価値があるかもしれないけれど、これはちゃんと国会で議論ができるまでに出してもらわないといけないんですよ。
 つまり、このままこの期間で国会が閉じるのかどうか分かりませんが、そうであるとすれば、あしたじゅうには出していただかなきゃいけないんですけどね。いかがですか。
副大臣義家弘介君) 現在調査中の中身についてはなかなか具体的に言えないのが現実ですけれども、進まない、進めています、進めていますけれども、完全に終わらないなかなか理由というのも中には存在しておりまして、それらのハードルをしっかり越えた上で速やかに報告させていただきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 結局のところは、きちんとした情報が正しく出てこないから、だからみんなでおかしいと思っているだけの話ですよ。そして、こういうことに時間を割かなきゃいけないということ自体、僕は非常に不幸なことだと思いますよ。
 私は、農水委員会に所属させていただいたのは、地域の農業や水産業が駄目になってあれだけの過疎地になっていって、初めて農水委員会に入って、本当は農業問題をやりたかったんだけど、だけど、結局こういう大きな問題があるんですよ。総理のお友達だけが優遇されて、しかも、この後、これ本当にできたら、また私学助成金がどんどんどんどん入っていくんでしょう。国民の皆さんの税金ですよ。やっぱりこういうことを早くに片付けて、本来、本来、我が国が抱えている問題をきちんと議論しなきゃいけないんですよ。
 そういう意味でも、一日も早く提示していただくということをお願い申し上げて、それから最後に、ちゃんと今日の資料要求については次回の委員会までに準備していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。