昭和56年4月23日衆議院内閣委員会

○江藤委員長 内閣提出、第九十三回国会閣法第六号、国家公務員法の一部を改正する法律案、内閣提出、第九十二回国会閣法第七号、自衛隊法の一部を改正する法律案及び内閣提出、第九十三回国会閣法第九号、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 趣旨の説明を求めます。中山総理府総務長官。

○中山国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 初めに国家公務員法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 国家公務員については、大学教員、検察官等一部のものを除いて、現在、定年制度は設けられていないわけでありますが、近年、高齢化社会を迎え、公務部内におきましても職員の高齢化が進行しつつあります。したがって、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的かつ安定的な人事管理を推進するため、適切な退職管理制度を整備することが必要となってきております。このため、政府は、昭和五十二年十二月に国家公務員の定年制度の導入を閣議決定し、政府部内において準備検討を進める一方、この問題が職員の分限に係るものであることにかんがみ、人事院に対し、その見解を求めたのであります。人事院の見解は、一昨年八月、人事院総裁から総理府総務長官あての書簡をもって示されましたが、その趣旨は、より能率的な公務の運営を確保するため定年制度を導入することば意義があることであり、原則として定年を六十歳とし、おおむね五年後に実施することが適当であるというものでありました。
 政府といたしましては、この人事院見解を基本としつつ、関係省庁間で鋭意検討を進めてまいったわけでありますが、このたび、国における行政の一癖の能率的運営を図るべく、国家公務員法の一部改正により国家公務員の定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 改正の第一は、職員は定年に達した日から会計年度の末日までの間において任命権者の定める日に退職することとし、その定年は六十歳とするというものであります。ただし、特殊な官職や欠員補充が困難な官職を占める職員につきましては、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。
 改正の第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は職員が定年により退職することが公務の運営に著しい支障を生ずると認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めてその職員の勤務を延長することができるというものであります。
 改正の第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要がある場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるというものであります。
 改正の第四は、内閣総理大臣は定年に関する事務の適正な運営を確保するため必要な調整等を行うというものであります。
 改正の第五は、国の経営する企業に勤務する職員の定年制度であります。これらの職員については、原則定年六十歳を法定し、特例定年の対象の範囲、勤務の延長の基準等は当該企業の主務大臣等が定めることとしております。
 改正の第六は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、任命権者、人事院及び内閣総理大臣は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること、この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている職員は、施行の日をもって退職するものとすること、ただし、これらの職員についても、定年による退職者の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。
 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。
 続きまして、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 国家公務員等の退職手当につきましては、民間における退職金の実情にかんがみ、これを是正する必要があると認められますので、政府としては、このたび、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律について、所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
 第一に、職員が二十年以上三十五年以下の期間勤続し、勧奨等により退職した場合に法第三条から第五条までの規定により計算した額に百分の百二十を乗じて得た額の退職手当を支給するものとしていたのを、百分の百十を乗じて得た額を支給することに改めることといたしております。
 第二に、職員が退職した場合に支給する退職手当の基準については、今後の民間事業における退職金の支給の実情、公務員に関する制度及びその運用の状況その他の事情を勘案して総合的に再検討を行い、その結果必要があると認められる場合には、昭和六十年度までに所要の措置を講ずるものとすることといたしております。
 以上のほか、附則において、この法律の施行期日及び経過措置について規定しております。
 以上が国家公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。

○江藤委員長 次に、大村防衛庁長官

○大村国務大臣 自衛隊法の一部を改正する法律案の提案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
 自衛官については、現在、自衛隊法において停年制度が設けられておりますが、自衛官以外の隊員については、その制度がなく、一般職の国家公務員と同様の退職管理を行っているところであります。
 このたび、一般職の国家公務員について、国家公務員法の一部改正により定年制度が設けられることに準じて、これと同様の理由から、自衛官以外の隊員についても、自衛隊法の一部改正により定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明いたします。
 第一は、自衛官以外の隊員は、定年に達した日以後における最初の三月三十一日または防衛庁長官のあらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職することとし、その定年は六十歳とするものであります。ただし、これらの隊員が特殊な職や欠員補充が困難な職を占める場合には、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。
 第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は自衛官以外の隊員が定年により退職することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めて当該隊員の勤務を延長することができるとするものであります。
 第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要があると認める場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるとするものであります。
 第四は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、防衛庁長官は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること、この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている自衛官以外の隊員は、施行の日をもって退職するものとすること、ただし、これらの隊員についても、定年による退職の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。
 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。
 以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。

○江藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

2020年(令和2年)2月4日衆議院予算委員会(黒岩宇洋)

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○黒岩委員 これは、通常、他陣営の街宣車に誰が乗っているか、そんなことはわからないわけですけれども、橋本大臣は御存じだとおっしゃった。これは、一部メディアによれば、大変長い、橋本大臣とそして高橋はるみさんとのこのKさんのおつき合いがあって、そして、Kさんを高橋はるみさんに紹介したのも橋本大臣だということであります。
 これは総理にお願いしておきますけれども、これは総理・総裁として、御党所属の参議院議員二人、これはどちらかが、今申し上げたとおり、収支報告書上、明らかにどちらかの報告書が間違っているわけですよ。間違っているということは、虚偽記載をしている、法律違反なんですね。この点については総裁として責任を持って真実を我々に伝えていただきたい、このことをお願いして、次の質問に入らせていただきたいと思います。
 それでは、これも昨日の辻元議員の質疑から引き継がせていただきますが、桜を見る会、この前夜祭についてです。
 これは全て総理についてお聞きしますけれども、改めて確認します。
 総理、今回、前夜祭は五千円で会費が設定されているということです。安倍事務所が仲介をしていたということですが、この参加者、八百人以上の参加者が個人的にこの当該ホテルに申込みをした、予約をして申し込んだ場合、このホテルは会費五千円と設定してくれるということでしょうか。


安倍内閣総理大臣 これは、あくまでも、安倍事務所が仲介をし、その金額をホテル側が設定をしたということに尽きるところでございます。


○黒岩委員 そういうことですね。
 これはホテル側が、ある意味、設定したと言いますが、確認ですけれども、このホテル側の設定ないしは提案に対して、その五千円でと合意したのは安倍事務所ですよね。


安倍内閣総理大臣 これは、合意とかいうことではなくて、ホテル側が提案をし、そして提案された額を参加者が支払っていただいた、こういうことでございます。


○黒岩委員 では、改めての聞き方にしますが、先ほどの、今の答弁、その前の答弁を改めてなぞりますけれども、安倍事務所だから、これは一人一人の参加者ではなくて安倍事務所だから一見さんより安い価格に設定した、ホテルが。そういうことでよろしいですね。


安倍内閣総理大臣 これは、例えばさまざまなことでそういうことは起こり得るんだろうと思いますが、仲介、紹介者の信用というものもそれはあるんだろうと思いますが、それはホテル側の判断でございます。ホテル側の判断によって、安倍事務所が紹介した中において、五千円で、いわば安倍事務所の関係者の方々であればそれぞれ問題ないだろうという判断だったんだろう、こう思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、ホテル側が主体的に五千円というものを、価格を設定し、そして、多くは宿泊をしていた方々でございますが、この方々がまさに主たる契約者としてその金額を支払った。だからこそ、ニューオータニがまさに安倍事務所と契約するのではなくて、ニューオータニが領収書を出し、それに担当者の方が自分の、キャッシャーとして名前を書き、そして金額を入れ、日付を入れて摘要を書き、それぞれ渡したのは、安倍事務所の職員が渡したところでございますが、そこに立ち会ったのは、ホテル側が立ち会い、そして、それを全てその場でお渡しをしているということでございます。


○黒岩委員 総理、もう今までそら暗記したようなことを何度も答弁するんじゃなくて、私の聞いたことだけに答弁してください。
 総理、いろいろとはぐらかして論点をずらしているようですけれども、先ほど私が申し上げたように、この参加者が個人としてホテルで申し込んだ場合ではなく、安倍事務所が仲介で、安倍事務所が今まで常連客だったから、それの信用に応じて五千円という価格をホテルが設定した、こういうことでよろしいんですよね。


安倍内閣総理大臣 同じことを聞かれているからそれを答えているわけでございまして、はぐらかしているわけではございません。
 五千円という中には久兵衛のおすしはもちろん入っていないわけでございますが……(発言する者あり)これは関係ない話ではなくて、値段設定には決定的に大きな影響を及ぼすと思いますよ。
 それを黒岩委員は、それを喧伝をされたということでございますが……(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 改めて指摘をさせていただきたい、こう思う次第でございますが……(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 安倍事務所として仲介をした、こういうことでございまして、多くの方々がそこに宿泊をされているということを鑑み、そして安倍事務所が仲介をした。
 いずれにいたしましても、それはホテル側の判断でありまして、ホテル側の判断において、私がこれ以上つまびらかにすることはできないのでございますが、そういうホテル側の判断であった、こういうことではないか、こう思う次第でございます。


○黒岩委員 少し長きの時間をとりましたけれども、今の答弁で十分ですよ。
 要は、きのうの答弁でも、二十五年間の安倍事務所の責任がある、実績があるから一見さんの客とは違う対応をした。これは、安倍事務所の信頼に裏づけされた買収ですよ。
 だって、安倍総理、参加者一人一人、個人では、一見としてはできない価格設定を、安倍事務所の信用でその一見の価格よりもこれは割安に設定させたわけですから、当然これは利益供与ですよ、間違いなく。明々白々です。
 安倍事務所が仲介役として、そこ、後ろ、うるさい。そこ、後ろ、関係ないでしょう。関係ないから。安倍さんしか答えられないこと。ちょっとそこ、何だよ。


○棚橋委員長 少し冷静にお願いいたします。


○黒岩委員 これは、テレビの皆さん、ごらんになってください。安倍さんが窮地に立たれると、なぜか、これは安倍総理にしか答えられないことに急に出てくる。まあ、あなたの存在が誰か私は知りませんけれども、よく見ていてください。
 ですから、安倍総理、あなたの、今まで、一見とは違うんだ、その理由は、二十五年の信頼であり、また長らく常連であったからという、これは明らかに利益供与ですよ。これを利益供与と言わずして何と言うのか。明々白々に、これは五千円の設定、その内容がどうとかじゃない、明らかに価格として一見よりも安いと認めた。
 そして、参加者一人一人は常連ということはないですよね、総理。


安倍内閣総理大臣 秘書官はさまざまな機会に私に答弁のアドバイスをすることはありますよ。それに対してどなるというのは異常な対応ですよ。それはやはりおかしいですよ。それぐらいは当たり前じゃないですか。(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。御静粛に。


安倍内閣総理大臣 今までの政権で、総理なり大臣に秘書官が答弁する、あなたに対して正確に答弁をしよう、誠実に答弁をしようという中の一環のことなんですよ。(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 それを、言葉を荒げてその秘書官に対してどなるというのは……(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 私は、人間としてどうなのかな、こう思うわけでございます。(発言する者あり)いや、これは私はどうなのかな、そういうことであります。(発言する者あり)


○棚橋委員長 今、答弁中ですから、御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 国会議員として、まさにそれは権力の行使に近いんだろう、こう思うわけでございます。
 その上で申し上げれば、今、買収という大きな、非常に強い言葉を使われました。それは全くそんなことはないわけでありまして、極めて失礼な私は発言だと思いますよ。全く事実と当たりませんし、それは参加した人に対しても失礼ですよ。それだったら、もっと証拠をちゃんと挙げていただきたい。全くそれはあり得ない。(発言する者あり)
 委員長、バックベンチが。


○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。
 朝の理事会で申し合わせたように、与野党ともに御静粛にお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 まさに今、私は誠実に答えようとしている中においてアドバイスをいただいて、アドバイスをもらうということは、これは間々あることでありまして、それに対して居丈高に言葉を荒げるというのは、それは慎まれた方がいいということは私は言わざるを得ないわけでありまして、買収ということをおっしゃったんですが、そもそも、黒岩委員、これは何度も繰り返しますが、写真を出して、久兵衛のすしを使った、これは……(発言する者あり)いや、これは小さいことではなくて、一人数千円の積算根拠になるわけでありまして、それがまるで事実でないのに事実であるかのような流布を行ったということに、国会議員として少しは責任を感じられた方がいいのではないか、こういうことは申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)


○棚橋委員長 黒岩宇洋君。
 なお、御静粛にお願いいたします。


○黒岩委員 公選法違反については、私どもも、法律の専門家、多くの方とお話をして、構成要件に該当する可能性があるということで申し上げている。
 そして、これは総理にしかわからないことですから、総理が誠実に答えるんだったら、ある意味、秘書官ともそんな、こういったところでひそひそと打合せをするのでなく、正々堂々と答えていただくことが、私は、特にテレビ中継が入っているところでの、有権者に対する、国民に対する誠実な答弁だと思っています。
 そこで、総理、やはり我々が次に気にして疑念を持っているのが、本来、収支報告書に記載していなきゃいけない、この前夜祭については全く収支報告書に記載されていない、こういう問題です。
 これについては、総理は、安倍晋三後援会の収支ではない、この主張をある意味無理やりでも通さなきゃいけないがために、安倍晋三後援会の収支と切り離そうと。すなわち、契約主体は安倍晋三後援会でない、これは八百人の参加者一人一人が契約主体だと。これは多くの皆さんが本当にあいた口が塞がらないような、こんな論理を通しているわけです。
 そこで、総理、当該ホテルは明細書を作成しています。この明細書、中身は、まあ今はあえて営業の秘密とおっしゃるので触れませんけれども、明細書の宛名は誰ですか。これは事前に通告しているので、教えてください。


安倍内閣総理大臣 先ほど、ひそひそと打合せというふうにおっしゃったんですが、委員会審議に迷惑をかけないように大きな声でアドバイスをしないのは……(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にお願いします。朝、申し合わせたばかりです。


安倍内閣総理大臣 そうすると、すぐこちらの方が皆さん興奮して……(発言する者あり)誰ですか、岡本さん。いつも興奮して、やじで誹謗中傷するのはやめてください。こちらもできる限り誠実に答弁をしているわけでございますので、少しは御静粛にしていただければ、このように希望するところでございます。
 明細書につきましては、私の事務所の職員に確認したところ、ホテル側から夕食会の明細書は受け取っておらず、内容の確認もしていないと。つまり、これは、先方が提示した額において安倍事務所においては仲介をするということで、参加者が参加する中において、参加者にホテル側が用意した領収書をお渡しをし、そして皆様からお支払いをいただき、受け取った金額はその場でお渡しをした、これに尽きる。
 同じ答弁ということでございますが、これは何回も同じ質問をされておりますので、同じ答弁を繰り返しているところでございます。


○棚橋委員長 与野党の議員に申し上げます。
 けさの理事会で静粛な議事進行をお願いしたばかりですので、よろしくお願いいたします。


○黒岩委員 今までの質疑で明らかになったのは、この当該ホテルは明細書は作成している。我々が開示してくれと言ったときに、これは公になることを前提には営業の秘密があるから開示できないと。だから、今、私は開示をしてくれとは言っていません。中身についても、全てつまびらかにしてくれと言っているわけじゃないんです。
 せめて、作成しているわけですから宛名があるはずです、この宛名について確認だけしてください。これは別に総理が指示をするということではありません。総理のさまざまな疑念を晴らすためにこれは要請して、少なくとも営業の秘密にならないわけですから、この宛名が誰だったか、これについては、委員長、委員長の御差配において、総理の方から確認をして、その宛名を我々の方に教えてください。お願いします。


○棚橋委員長 後刻、理事会において協議いたします。


○黒岩委員 宛名というのは当然契約の主体に向けているわけですから、八百人のその参加者一人一人の名前が書いてあるとは私は到底思えない。そうすると、じゃ、この明細書の宛名というのはかなり契約主体が誰かということが決定的になる一つの私は書類だと思っていますので、総理はいつも、文書を出さない、そして論じるだけ論じる、こういう姿勢は改めていただきたいと思っております。
 そこで、では、事前に当然予約をした、段取りは安倍事務所がしたと言っていますから、当然、この前夜祭については、予約、これは安倍事務所がしたということでよろしいですね。


安倍内閣総理大臣 買収とか、そういう決めつけはやめた方がいいですよ。大体、黒岩委員はいつもそうやって決めつけをする、先ほどの久兵衛の話もそうですけれどもね。そうやって決めつけをしたら、それは真っ赤なうそだったじゃないですか。真っ赤なうそだったですよね。それはやはり、自分はうそをついてしまったということは認められた方が私はいいと思いますよ。
 その上において、御指摘の夕食会等に係るアンケートの作成や発送、通信費等の費用は、自民党山口県第四支部が支出したものでございました。この収支報告書についてはこれまでも適切に行ってきたということでございますが、いずれにいたしましても、事務所の方でこの予約をしたということでございます。


○黒岩委員 予約時点で、当然、何らかの原因で取りやめになったり、また、出席予定者が欠席する、こういうリスク負担が発生する可能性があります。これは、結果としてリスクが発生する、しない関係なく、当然、事前にこれについて取決めがあるわけです。
 当然、ホテルニューオータニも規約があるわけですから、では、このリスク負担について、登場人物は、予約をした安倍晋三事務所ないしは後援会、そしてホテル、そして安倍総理がおっしゃる契約主体という参加者、この三人のうち、じゃ、誰がいざというときのリスクを負担することになっていましたか。


安倍内閣総理大臣 これは、私の事務所に確認したところ、ホテル側と夕食会の各種段取りを相談する中で、私の事務所の職員が会場の予約を行ったというところでございます。
 その際、既に事前のアンケート調査によりおおむねの出席者数は判明していることから、ホテル側の了解のもと、取消し料等の取決めは特段行わなかったということでございます。


○黒岩委員 では、取決めは行わなかったということは、いざリスク負担が生じた場合には、安倍晋三後援会が負担する可能性もあったということですね。


安倍内閣総理大臣 今の私の答弁を聞いていただければ普通の方は御理解いただけるんだろうと思いますが、それは、ホテル側が、いわばこの私どもとの関係においては、ホテル側の判断で、取決めは行わなかったということでございます。


○黒岩委員 だから、総理、そこがおかしいんですよ。このリスク負担というのは、規約を見ても、当然、契約主体との間でリスク負担をするわけですよ。
 安倍事務所の信用で、リスク負担は、じゃ、いいかと。私、当然、安倍事務所が契約の主体だと思っていますからね。だとすれば、ホテルが、いやいや、長年のつき合いだから、まあここは、安倍さんのところだったら、きのうの答弁でも言っていますよね、自分のところだったらすぐに支払うと。そういったことに、ホテルも信用という形で、リスクについては規約のとおりということだと思いますけれども。あくまでも、総理、契約主体は一人一人の参加者と言っているんでしょう。この人たちにそんな信用があるとはホテルは考えていないわけですから。
 だから、本来は、だったら、この信用のある参加者にリスク負担を事前に、発生したかしないかというのは結果論ですし、そして、発生するかどうかということはこれは推測論ですから、いざというときのために事前契約でリスク負担を決める、これは当たり前の商取引ですよ。規約にも書いてある。だから、ホテルからすれば、これは、いざというときには誰だと。
 参加者個人個人にリスク負担を負わせる、こういったことの理解でよろしいんですか。


安倍内閣総理大臣 今、規約に書いてあるとおっしゃったけれども、ニューオータニの規約に書いてあるんですか。
 今、根拠のないことをおっしゃったということが明らかになりましたね。別にこれはニューオータニの規約にあるわけではないですよ、そんなことが。根拠がないのにおっしゃる、それはまた久兵衛のすしと同じじゃないですか。だからそれは、根拠がないことをおっしゃるって、うそをついているということと同じことですよ、はっきりと申し上げて。今の黒岩委員の御質問の中において、規約に書いてあると。規約に書いてあるということについてお答えすることはできないということは、そういうことなんじゃないですか。
 そして、今、これは、ホテル側との関係においては、その際、既に事前のアンケート調査によりおおむねの出席者数は判明していることから、これは最初に答弁で説明していますよね、聞いていなかったんですか、出席者数は判明していることから、ホテル側の了解のもと、取消し料等の取決めは特段行わなかった、こういうことでございます。これに尽きるところでございます。


○黒岩委員 逆に言うと、総理、何、人をうそつき呼ばわりしているんですか。
 ここに規約がありますよ、ホテルニューオータニの、これは東京の。そこの規約の第二項に、有料人数の確認、料理等を用意する人数の最終決定数は、宴会、催事開催日前の最終平日の午前中までにホテル担当係に御連絡ください、上記期限を過ぎて出席者が減少した場合でも、全て手配が完了しておりますので、最終決定数にて御請求させていただきますと書いてあるわけですよ。
 これは一人でも二人でも、事前予約、予約したのは安倍事務所だと言っている、一人でも二人でも、これが欠席が出たときでも、それは今言ったように最終決定数で請求させるわけだから、この差額については誰かが負担します。会場が、取消しとかになった場合に、こうやって云々かんぬん、これは八割負担とか一〇〇%とかと書いてありますよ。
 この当たり前の規約に、私はそれに沿って質問しているだけで、規約を読んだこともないみたいなことをおっしゃっていただきたくない。取り消してください。(発言する者あり)


○棚橋委員長 御静粛にまずお願いいたします。


安倍内閣総理大臣 私が申し上げたのは、つまり、私は仲介をしたわけでありまして、契約の主体は参加者でありますから、当然、参加者との契約になるわけであります。それを前提に申し上げているわけでありまして、そのケースにおいての規約があるのかどうかということを申し上げたわけでございます。
 私が契約主体であれば、今、それは私は確認していませんからわかりませんが、今読み上げられたとおりかもしれませんが、契約主体が違うんですから、それは違うということでございます。(発言する者あり)


○棚橋委員長 川内議員、恐縮ですが。


安倍内閣総理大臣 その上において申し上げれば、先ほど来申し上げておるように、アンケートについて、アンケートをとった上でこれはホテル側が了解をしたわけでございますから、いわばホテル側の了解において出されたということでございます。


○黒岩委員 私が今申し上げたのは、うそつきと言ったその総理の発言を撤回していただきたい。


安倍内閣総理大臣 久兵衛についてはうそつきだと思います、これははっきりと申し上げて。(黒岩委員「規約については」と呼ぶ)規約については、私、今、その規約について確認をできませんので、今すぐお答えをすることはできませんが、もしそれが事実であれば撤回をさせていただきたい。ただ、久兵衛についておっしゃったことについては、それはうそをついているということは重ねて申し上げたい、このように思います。(発言する者あり)


○棚橋委員長 まず、皆様、恐縮ですが、御静粛にお願いいたします。


○黒岩委員 今、何度も何度もおすし屋さんの名前を出しますが、私が申し上げたそのおすし屋が提供したとは一言も断言していないということは、私は言っておきます。
 それと、そのおすし屋さんが出したかどうかについては、明細書を見れば明らかになるんです、それが事実かどうか。それを事実にできるのは、総理、あなたですよ。だから、それをしっかりと明らかにしていただきたいと思います。これは、もう時間の都合がありますので。
 今、やはり驚くべきことなんですよ。契約主体が参加者個人個人と言った。そして、この規約上も、総理が言ったように、自分は契約していないと。本来なら、契約している主体がその参加者個人個人だったら、今言ったように、いざキャンセルが出た場合、これは会場費においても料理代についても、これは規約で負担を負ってもらうと書いてある。その取決めがない。そんな契約主体、あり得ないですよ。
 だから、これはまさに参加者個人個人が契約主体ではないということの裏返しですから、この点については、これは契約主体でないということは、この点もしっかりと説明責任を果たしてもらいたいということを指摘して、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

 

 

令和2年1月30日参議院予算委員会(田村智子)

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○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しています。野党は合同で、また我が党独自にも対策本部を立ち上げましたが、この場では緊急に三点求めます。一つには、空港などの検疫体制の強化及び医療機関や保健所の体制確立と強化、中でも都道府県で確定診断ができる対策を急ぐこと、そして二つに、国民への丁寧な情報提供、三つに、観光や物流などダメージが大きい産業への支援、これらへの迅速な対応を求めますが、見解ございましたらお願いします。


国務大臣加藤勝信君) まず、空港等あるいはそれぞれの地域における体制ということでございます。
 空港においては、現在、また今やろうとしているところもありますけれども、中国からの全便について、武漢に滞留して、武漢におられた方等については質問票を配付して、その方に関して、その方の状況とかあるいは現地における対応等を聞かせていただいて、症状がなければ、熱等がなければ、その後国内にお入りいただくわけでありますけれども、引き続き我々のフォローアップセンターにおいてその方と定期的に連絡を取りながら、あるいは都道府県にお願いする場合もありますけれども、しっかりと把握をしていくという対応を考えております。
 それから、各地方において対応できるようにということで、今、感染研究所を中心に新型コロナウイルスの分析、判定をしておりますけれども、これ、全国四十七都道府県の地方衛生研究所ですかね、それぞれにおいてできるように今キットを配付をしておりまして、もう早晩、各地区でできるようになると。それから、ちょっと今のやつと、時間が掛かるやつもあるものですから、できるだけ早くやれるというものもあるので、それも早期に配付できるような体制を整えることによって、それぞれの地域において対応できる体制をしっかり組みたいと思っております。
 それから、国民への情報提供ということでありますけれども、これまでも、陽性の患者が発生した場合には、都度都度マスコミ等あるいはホームページ等を通じてそれぞれその情報を提供する。また、コールセンターを設けさせていただいて、国民の皆さん方からの様々な御不安がありますから、それに対して朝九時から夜九時まで、土日も含めて対応させていただく、こうした対応を取らせていただく。あるいは、ホームページ等にも様々なQアンドAを載せさせていただいて、実際もし感染したらどうすればいいのか、あるいは感染しないためにはどういう防衛策があるのか、これらについてもるる述べさせていただいているところでありますけれども、引き続き、こうした状況でありますから、国民の皆さん方の不安、そのことをしっかりと認識しながら、また同時に、これ以上の感染の拡大をいかに防ぐかと、こういう対応で取り組んでいきたいと思っております。


○田村智子君 今後も要望を伝えていくと思いますので、迅速な対応をお願いいたします。
 では、桜を見る会についてお聞きします。
 総理、桜を見る会がこれほど大きな問題になったのはなぜだと思われますか。


内閣総理大臣安倍晋三君) この同会については、長年の慣行の中で行われてきたところではありますが、招待基準が曖昧であり、様々な分野や地域で頑張っている方々を幅広く招待しようとしてきたことの積み重ねで結果として招待者数が膨れ上がり、予算と支出の乖離も拡大してしまった実態があるわけでございまして、これらのことは大いに反省しなければならないと考えております。


○田村智子君 十一月八日の質問で、私は、長年の慣行は一切問題にいたしませんでした。安倍事務所から桜を見る会の案内があった、安倍事務所に申し込んだら招待状が届いた、桜を見る会が後援会ツアーと一体だった、受付、開門時間前にバス十七台で入場し、総理と記念撮影をした、こういう一つ一つに、安倍総理はこんなあからさまな行事の私物化をしていたのかという驚きと怒りが広がったんですよ。
 このときは、私が示したこと、総理は何一つお認めになりませんでしたが、全部事実でしたよね。


内閣総理大臣安倍晋三君) 今まで既にこの委員会においてもお話、答弁をさせていただいたとおりでございます。
 今、田村委員がずっと挙げられたことでございますが、言わば内閣府からの要請において事務所の方で広く参加者を募ったということでございます。また、開門につきましては、言わば混雑等の関係から、まとまって来られる方々については早く入っていただくということは、私の後援会だけではなくて、多くの方々に対してそういう対応をしているということは申し上げたとおりでございまして、八時半の開門以前には五千名近くの方々が入られたこともあるわけでございますが、そういうことについて申し上げているところでございます。


○田村智子君 だから、事実だったですよね。十一月八日、私が指摘したことは、今や事実として明らかになりましたよね。


内閣総理大臣安倍晋三君) 今、私物化というふうにおっしゃられたので、そうではないということは申し上げておきたいと、このように思います。


○田村智子君 いろいろ、安倍事務所からの案内についてもいろんな議論ありましたけど、例えば安倍事務所が、百歩譲ってですよ、社会的貢献のある方を推薦したいんだと、他薦、自薦でいいから社会的貢献の理由を御記入の上御応募ください、こういう案内だったら、百歩譲ってまだ分からないでもないですよ。でも、安倍晋三議員の個人の事務所が参加申込書を配った、これが私物化でなくて何なんですか。そういう自覚がないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 桜を見る会の招待者については、提出された推薦者につき、最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであり、当該文書自体においては、希望すれば出席できるかのような誤解を与える記述があった点については不適切な内容であったと、このように考えております。


○田村智子君 安倍事務所に申し込んで、申込みありがとうございますという文書まで届いて、それから、あなたは推薦から漏れました、そんな案内出したら、総理の信頼失墜ですよ。あり得ないですよ、そんなこと。こういう私物化が私物化だと分からない。官僚の皆さん、教えなきゃ駄目ですよ、言いなりになっていちゃ駄目ですよ。
 私物化というだけの問題ではありません。桜を見る会での地元有権者への供応接待は、事実上の公職選挙法違反、買収ではないのか。開催要領を無視した支援者の大量招待は、財政法違反、目的外支出ではないのか。招待者名簿等の廃棄は、公文書管理法違反ではないのか。安倍晋三後援会主催の前夜祭について収支報告がないのは、政治資金規正法違反ではないのか。
 総理、こういう数々の疑惑の疑いを晴らすには、資料を示す、調査を命じる、自ら真相を明らかにするということが求められているんじゃないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 今委員が御指摘になった公職選挙法の違反ではないか等々については、既に委員会を通じてそうではないということをお答えをさせていただいているところでございます。


○田村智子君 済みません、真相解明には、そういう言い逃れではなくて、資料を示して説明すべきだと求めているんですよ。


内閣総理大臣安倍晋三君) これはもう今まで繰り返し答弁をさせていただいていることでございますから、同じ質問でございますので同じお答えになるということでございますが、桜を見る会の招待者は、提出された推薦者につき、最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであり、実施主体はそして国であります。国は公職選挙法上の寄附禁止の主体には該当しないことから、同法に抵触するものではないと認識をしております。


○田村智子君 資料を示して説明すべきなんです。それができないんでしょう。言い逃ればっかりなんですよ。
 道義的責任も問われています。二〇一五年、ジャパンライフ山口隆祥会長に届いた招待状が計画的破産をもくろんだ最後の荒稼ぎに利用され、多くのお年寄りが老後の資金を巻き上げられた。桜を見る会への招待が結果として多大な実害をもたらした。総理は主催者です、招待者です。どう受け止めておられますか。


内閣総理大臣安倍晋三君) この件につきましても、今まで既に何回か御質問いただいておりまして、同じ御質問でございますので同じ答えになってしまうのでございますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところであります。
 一方、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できないものと考えております。


○田村智子君 この、安倍晋三総理大臣から、内閣総理大臣から山口会長に桜を見る会の御招待状が届きました、この宣伝物は、山口会長の肝煎りでジャパンライフの命運を懸けて作られたんだと元社員は野党追及本部で証言しています。
 私がお話をお聞きした被害者は、ネックレスのオーナーになれと、百万円単位で出資しろと求められて、本当にこの会社は大丈夫なのかと何度も質問したというんですね。総理のネームバリュー、誰もが知っている桜を見る会、これは不安を払拭する効果が絶大だった、これを何人もの被害者と弁護団は指摘しているんです。
 あなたの写真と招待状がこういうふうに使われて、結果として被害を拡大した。何とも思わないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 繰り返しになりますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせている、控えさせていただいているところでございます。
 その御当人がどういう発言をされているかということにかかわらず、我々は、個人情報に関する情報であるため、今お答えをしたようなことで回答を控えさせていただいているということでございます。


○田村智子君 これ、被害について何とも思わないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほども申し上げたように、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できないということでございます。


○田村智子君 麻生大臣ね、麻生大臣、ちょっとお聞きしたいんですけど、これ、財政金融委員会で我が党の大門議員に答弁されているんですけど、ジャパンライフ会長だった山口隆祥氏は、桜を見る会に招待されるような功績、功労のある人物だったんでしょうか。


国務大臣麻生太郎君) 僕は、その基準を私が決めているわけではありませんけれども、この方は、たしか大門さんの質問だったな、あれね、あのときに対して答えたんだと思いますけれども、この人はこの種の話が始まった昔から結構有名な人だったと記憶していますということを申し上げたんだと記憶します。


○田村智子君 どういうことで有名だったんでしょう。


国務大臣麻生太郎君) 僕はその頃財務大臣でもありませんので、時々名前が出ていたんで、何とかこの種の、マルチ商法でしたっけね、何とか商法だったね、あれ、何というんだっけ、あの名前、マルチ商法、あのときの名前で何か出てきたときに最初に出てきた人だったなと、その初期によく出ていた名前の人だったなという記憶ぐらいしかありません。


○田村智子君 悪質なマルチ商法を繰り返してきた有名人なんですね。一九七〇年代、マルチ商法被害が社会問題になったときに国会に参考人招致もされています。勉強している政治家なら知らないはずはありません。総理も当然御存じだったんじゃないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 私自身、御存じだったというのは、私自身はそのことについてはつまびらかに承知はしておりませんが、また、私自身は山口氏と一対一のような形でお会いしたことはなく、個人的な関係は一切ございませんし、山口氏もそのような発言をされていると、このように記憶をしております。また、山口氏はテレビにおいて、鳩山政権のときにも招待をいただいたと、こう述べておられると。で、鳩山事務所は、事務所の文書も書類も含めて処分をしているので分からないというふうにお答えをされたと聞いておりますが。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、個人、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を差し控えさせていただいているところでございます。


○田村智子君 ちょっと失笑するしかないような答弁なんですけどね。
 私の事務所には被害者からの手紙が何通も届くんですよ。こんな人物をなぜ安倍総理は招待したのか、招待状を出した責任を誰が取るのか。総理、これにどう答えますか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 同じ御質問でございますので同じ答弁になって大変恐縮でございますが、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところでございます。


○田村智子君 さっき、一般論とはいえ、企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは容認できないと言った。利用されたんですよ。だったらちゃんと答えるべきでしょう。誰がどう責任取るのか、答えるべきですよ。


内閣総理大臣安倍晋三君) それは、今申し上げましたように、御本人がどのような発言をされているかということはですね、にはかかわらず、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところでございます。(発言する者あり)


○委員長(金子原二郎君) 安倍内閣総理大臣。


内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほども申し上げておりますように、御本人がどのような発言をされているかにかかわらず、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところでございます。
 また、一方、一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できないということでございまして、これは、そうしたことがもしあったとすれば、それは容認できないということを申し上げているところでございます。(発言する者あり)


○委員長(金子原二郎君) 安倍内閣総理大臣。


内閣総理大臣安倍晋三君) 桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせている、いただいているところでございます。
 一般論として申し上げれば、桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できないものでありますし、もし私が主催する会においてそういう行為がなされたとすれば、それは決して容認できるものではないということでございます。


○田村智子君 決して容認できないんだから、調べなきゃ駄目なんですよ。
 私は、この受付票の番号、下にある番号ですね、安倍総理の招待を示しているんじゃないのかと十一月二十五日の行政監視委員会で根拠を示して質問しました。その後、野党の追及で、内閣府はその受付票に記された番号について、六十番台は政治家の推薦だと思うと、ここまで認めたんですよ。
 これ、調べる方法はあるんですよ。調べるべきでしょう、認められない事態が起きたんですから。調べてくださいよ。


内閣総理大臣安倍晋三君) 御指摘の調査については、これ五年も前の話でございまして、名簿も保存されていない中においては個々の招待者について今から調べることは困難でございます。


○田村智子君 あきれ果てるんですけど、もう私は、個人の情報、個人の情報を言うたびに、安倍総理という個人を守るためなのかと、もうそう考えるしかないというふうに捉えていますよ。こんな、臭い物に蓋、これ繰り返していたら政治そのものが腐ってしまう。絶対許されないですよ。
 次に進みます。
 総理は長年の慣行で招待者が増え続けたと言いますが、長い自民党政権の下でも御覧のとおり参加者は増えたり減ったりしているんですよ。急激に参加者を増やし続けたのは第二次安倍政権、認めますね。


内閣総理大臣安倍晋三君) 長い慣行の中で増え続けたのでございますが、第二次安倍政権が発足してこの七年間の間に増えたということは、我々も反省しなければならないと、このように考えております。


○田村智子君 これもう事実ですから。長年ではないんですよ、七年間です。長じゃない、七。七年間に増え続けたんですよ。
 安倍事務所が桜を見る会で参加者を広く募っていた、社会的功績、功労という基準などなかった、これもう明らかです。一方で、何らかの意図や目的を持って招待したとは思います。安倍総理の支援者を増やす、こういう目的があったんじゃないんでしょうか。
 桜を見る会の招待者数、総理等の推薦者数、最も多かった年とその人数を示してください。


○政府参考人(大塚幸寛君) お答えを申し上げます。
 先日、内閣府からお示しをした平成二十五年以降の各年の招待者数の資料を念頭にお答え申し上げます。
 このうち、各界、いわゆる各界功績者、総理大臣等の分類がございます平成二十七年以降で招待者数が最も多かった年を申し上げますと、平成三十年の九千四百九十四人でございまして、前年と比べ二五%の増でございました。


○田村智子君 その平成三十年は、九月に石破茂衆院議員と安倍総理の一騎打ちとなった総裁選挙がありました。
 読売新聞は、この年の桜を見る会について次のような記事を掲載しています。葉桜を眺めながら、自民党衆院議員の一人は思った。これは党総裁選を意識した地方の党員票対策の一環なんだな。北関東の党県連関係者は、幹部に加えて今年は一般の県議まで首相から招待状が届いたと驚いたように語る。党員とじかに接する都道府県議らの政権評価は、総裁選の党員票に影響を与える。
 二〇一二年の総裁選挙では、地方党員票で安倍総理が石破氏を上回ったのは僅か六県。リベンジを果たすべく、二〇一八年、地方議員を大勢招待されたんじゃないですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 桜を見る会のこの招待者については、提出された推薦者につき、最終的には内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであります。
 私の事務所の一存で招待者を増やすことは困難と考えておりますが、なお、私が総裁選への出馬を最終的に決断をし、その旨を表明したのは平成三十年の八月でありまして、同年四月の桜を見る会の段階では総裁選への出馬については全くの白紙であったということでございます。


○田村智子君 昨年十一月三十日の京都新聞、二〇一八年、内閣府自民党所属の京都府議と滋賀県議全員に招待状を送っていた、こう報道したんですね。
 地方議会については総務省の推薦ですが、推薦基準はどういうものですか。


国務大臣高市早苗君) 総務省におきましては、内閣府からの推薦依頼に沿って省内の関係部署や地方六団体に推薦の照会を行い、推薦者を取りまとめて内閣府に提出いたしております。(発言する者あり)
 地方議会に限ってですか。地方議会、道府県の議会議長等の二分の一、新宿区長及び同議会議長などでございます。ちょっと通告がなかったものですから、今手持ちのもので……(発言する者あり)えっ、内閣府ですか。総務省から推薦する地方議会ということだと思ったんですが。(発言する者あり)
 じゃ、内閣府でいいですか。
 議会議長等の二分の一というのと、新宿区長及び議会議長というのと、東京都議会議長などというのがございますが、よろしいですか。


○政府参考人(大塚幸寛君) 内閣府が昨年一月に総務省に依頼した事務連絡がございます。
 総務省の方から改めて確認させていただきましたが、総務省の推薦配分、人数といたしましては、道府県の知事及び議会議長等の二分の一というふうに記載しているところでございます。


○田村智子君 東京以外は議長さえ半数なんですよ。
 赤旗編集部は、全国の自民党都道府県連などへの取材、また都道府県議のSNSやブログもチェックをいたしました。そうすると、二〇一八年、桜を見る会への参加は確認できただけでも百二十一人、自民党都道府県議の約一割にもなります。福島、長尾トモ子県議、いつもですと各県の自民党の幹事長のみが招待を受けるのですが、今年は各県議も招待されるとのことです。山形、柴田正人県議、普通は県議会議長など要職の方しか参加することができないと聞いておりましたが、大変名誉なこと。奥村芳正滋賀県議、滋賀県議会からは私を含め十五名の県議会議員が出席をさせていただく予定です。
 総理、二〇一八年、自民党都道府県議、たくさん招待しましたよね。


内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど答弁したとおりでございますが、これは私からも、また私の事務所からも推薦する場合もございますし、これ、党本部において推薦する場合もあるんだろうと、このように思っております。


○田村智子君 じゃ、もうちょっと示しますけど、先ほどの読売新聞の記事には続きがあるんですよ。
 桜を見る会前日には、都内のホテルで約八百人の地方議員を集めた党主催の研修会が開かれた。安倍総理財務省をめぐる不祥事を陳謝、党顧問弁護士が、森友学園の土地取引に安倍昭恵さんが関与したとの報道があるが、事実と違うと火消しをしたということなんですね。
 これ、総理、二〇一八年の桜を見る会の開催日、決めたのはいつで、自民党地方議員研修会の開催の決定はいつですか。


国務大臣菅義偉君) 平成三十年の桜を見る会については、開催要領が一月二十六日の閣議で配付され、報告がなされており、それをもって開催日が決定をされるということであります。また、今発言がありました地方議員研修会については、これは自民党の話であり、その開催日の決定については政府としては関与はしておりません。(発言する者あり)


○委員長(金子原二郎君) 安倍内閣総理大臣。


内閣総理大臣安倍晋三君) これ、決定したのは、事務方に確認したんですが、決定したときはいつかというふうに言われたんですが、それは、これは分からないということでございます。


○田村智子君 時事通信ニュース、今言ったとおり、桜を見る会の決定、これね、一月二十六日に流しているんです。そして、一月の二十九日、自民党は、党所属の都道府県議を対象とした研修会を四月二十日に東京都内のホテルで開催することを決めた。連続しているんですね。これセットで決めたんじゃないんですか。


国務大臣菅義偉君) 桜を見る会のこの日程決定に伴って総理の自民党総裁としての日程との関係で調整を行うというのは、これは極めて自然なことじゃないでしょうか。


○田村智子君 極めて自然と言っていただきましたんでね、改めて萩生田光一さんの永田町見聞録。そうなんですよ、下の方を見てみますと、行事を、年中の行事をにらみながらの打合せは誰も責任を取りたくないのでなかなか決まりません。で、全国都道県議会議員研修は我が党の約六割の出席を得て充実した会になったというんですね。相当御苦労されながら恐らく決められたんだというふうに思いますね。
 伊藤浩樹鹿児島県議、平成三十年桜を見る会に参加しました。昨日の議員研修会とセットにしてくださった自民党本部の皆様に感謝です。赤旗の取材にも、研修会と桜を見る会の案内が一緒に来た、流れなんやと思っていたと証言した議員もいます。
 これ、萩生田さん、当時、幹事長代行、セットでしたよね、日程の設定も。


国務大臣萩生田光一君) まず、私、文部科学大臣として委員会に出席をしておりまして、所管外でございますから本来お答えする立場にないと思いますけれども、せっかくの御指名でございますので。
 先ほど官房長官もお話ししましたとおり、年度当初あるいは年当初、年度当初は、総理の公務日程が立て込む関係で、党の総裁としての様々な日程の取り合いというのは結構苦労がございます。そういう中で決まってきたものだというふうに承知をしております。
 実は、この研修会は幹事長の肝煎りで、統一地方選挙の前年の春にやろうということを決めたのは、二十九年の最後の全国幹事長会議で決めさせていただきました。ホテルなどの予約もありましたので、済みません、セットじゃなくて、党の方が先に決めておりました。


○田村智子君 そうすると、後から桜を見る会を決めたんじゃないかということですよね、先に決めたんだったら。相当苦労しながらやったということになりますね。これね、桜を見る会、たった二時間で飛行機代や宿泊代掛けることにちゅうちょする人もいると思いますよ。でも、地方研修会とセットにすれば、宿泊費や交通費、政務活動費で賄える場合もあるんじゃないですか。すごく自民党の県議の皆さんたち、本当に感謝されているんですよ。
 東京の早坂義弘都議のブログ。安倍総理は、この研修会、羽田空港から私たちの研修会に直行し、演説終了後、私たち一人一人と写真撮影。安倍総理は、歴代総裁の中でもとりわけ私たち地方議員を大切にしてくださっていると感じるというふうに言っていただいているんですね。
 この二〇一八年の春というのは、森友学園公文書改ざんが発覚、柳瀬総理秘書官が首相官邸加計学園と面談していたことも発覚、財務省官僚トップがセクハラ問題で辞任に追い込まれ、自衛隊イラク派遣日報の隠蔽も発覚と。安倍総理の支持率が落ち込んでいて、総裁選がピンチだと言われていた。ところが、これらを経て、蓋を開けたら、石破氏が地方党員票で二〇一二年勝利していた三十二の都道府県で安倍総理が逆転して圧勝しているんですよ。
 私、こういう一つ一つを見てみると、桜を見る会というのは、総理によって、総理の座に居座り続けるための手段としても利用されたんじゃないのかと、こう思えるんですが、いかがですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) それは全く違います。
 まず、私が地方議員を大切にしているというのは、それは事実でございまして、その上で申し上げると、先ほど萩生田大臣が答弁をさせていただいたように、自民党のこの研修の日程は決まって、もう前年度から決まっておりました。その中で、どの日にするかということは、これは打合せをしながら決めていくところでございますが、その中で、桜を見る会でございますので、日にちがある程度限られて土日しかないと。私の日程はかなりもう詰まっておりますので、その中でその日に決まったということだろうと、こう思うところでございまして、また、自民党の総裁選挙に勝つというのはそう簡単なことではないところでもございまして、その御指摘は全く当たらないということは申し上げておきたいと思います。


○田村智子君 この研修会の日とその次の日の首相動静見てみますと、いや、本当に安倍総理がこの研修会命懸けでやったなということ、本当によく分かるんですよ。
 これは、この日は、実はアメリカのトランプ大統領、会いに行って、アメリカで首脳会談をやっていらっしゃるんですね。そこから午後四時十三分に帰国をされているんですよ。四時四十八分に地方議員研修会に出席をし、講演をされている。そこで配られた本も私たち見せてもらいましたけれども、その本というのは、例の森友問題などでいかに某新聞社が捏造をやったのかとか、そういう本もお配りになって、一生懸命講演をされていたんですね、いろんな方が。
 それから、この講演の後には議員らとの記念撮影も行われているんですよ。この撮影された写真というのがこの日一斉に地方議員によってブログにアップされていくんですけど、これどういう写真かというと、研修会で雑談しているような写真ではないんですね。後ろが白抜きになっていて、白抜きというか、つまり柄がなくて、こうやってお一人お一人が握手をしている、いわゆる選挙用写真ですか、そういうものを安倍総理は時間を掛けて大サービスで本当に撮っていらっしゃるんですね。
 そして、六時一分になりますと、今度はその地方議員の皆さんと懇親会を行います。この懇親会も後半は同じような記念撮影会になるんですね。そして、七時にはホテルニューオータニ安倍晋三後援会主催の前夜祭が行われ、何とここで終わりじゃないんですよ、八時四十五分には港区のホテルで山口県議らとの懇談もこなしていらっしゃる。そして、次の日は朝の八時前から、開門前から新宿御苑に入られて、山口の下関の皆さんとの記念撮影もやっておられると。まあすさまじいスケジュールなわけですよね。
 ですから、この両日ですよ、四月の二十日と二十一日というのは、自民党の県議の皆さんのSNSは安倍ジャックと言われるような状態になったんですね。だって、ツーショットで皆さん写真撮っていらっしゃるから、それはせっかく撮った写真は上げたくなりますね、ばあっと上げていくと。次の日も桜を見る会だ、ばあっと上げていくと。これ、私、地方議員の心を本当に、総理、苦心されてつかまれたな、大変なスケジュールをこなされて、つかまれるように努力をされたわけですよね。


内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、総理・総裁を務めるということがいかに過酷かということは御紹介いただいたとおりでございまして、外交日程もあり、別にその外交日程をこなして、この中において党の総裁としての立場もございます。次の年に統一地方選挙を控えている中において、要望に応えていくというのは、これは党総裁の義務でもあるだろうと、こう思うわけでございます。
 しかし、その中で、当然党総裁としての義務を果たしていかなければいけない。それは、それは土日というのは普通、これはゆっくりしたいですよ、普通はですね。しかし、その中でもやはり党総裁としての職務として責任を果たさなきゃいけないという思いでそういう対応をしているところでございます。


○田村智子君 この自民党の研修会は、終わりには桜を見る会への参加の御案内のアナウンスがあった、これも私たち複数の議員から確認をしているんです。明日には桜を見る会がありますよ。そしてまた、別の議員は、自分は招待状も受付票も持ってきていなかったんだけれども、だけど参加することもできた、こういう証言もあるんですよ。そういう招待を地方議員の皆さんにこの研修会の中で行ったんじゃないんですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 私がいたときには、そういうアナウンスは聞いたことございませんし、一々そういう党の主催の会の、どのような対応、事務をしているかということも承知をしておりませんし、この招待状がなくて参加できるという話も、私も今、田村委員からお伺いするまで聞いたことがなかったわけでございます。


○田村智子君 萩生田光一さん、先ほどのブログをちょっともう一回見てみたいんですけど、この二〇一八年のまさに都道府県議会研修会やったとき、初めての試みとなった、だから初めてなんです、これしかやっていないんです、なぜか。二〇一八年が初めてなんですね。全国都道県議会議員研修会は我が党所属議員の約六割の出席を得て充実した会となりましたと。実は、このブログの後に、自分は責任者だった、成功してほっとしたということも書かれているんですけれども、これ、この研修会の後に、あしたは桜を見る会ありますよ、こういう案内して御案内したんじゃないんですか。萩生田さん、どうですか。


国務大臣萩生田光一君) まず、文科大臣として委員会に出席しておりますので、所管外でございますけれども、御指名ですからお答えをしたいと思います。
 私が責任者でこの研修会やったので、さっき申し上げたとおり、統一地方選挙の前年にやるということを決めたのが前年でありまして、これは定期的にやることを決定しました。それまでは不定期に都道府県議会の皆さんの研修会というのを行っていたんですが、それだと皆さんが予定が立たないということで、統一地方選挙の前年の日に行うということを決めさせていただいたところでございます。
 地方議員の皆さんが桜を見る会に数多く参加されたというのは現場で承知していますけれども、率直に申し上げて誰が呼ばれているかはその時点でははっきりしていませんので、全体の人たちを対象にしてそういうアナウンスを私がしたという事実はないと思います。


○田村智子君 これは聞いたという方がいらっしゃる。そして、その場で受付票を持っていなかったけれども桜を見る会に参加することもできた、こういう方が実際にいらっしゃるわけですよね。いらっしゃるんですよ。
 これ、是非確認していただきたいですね。自民党の県連などに御確認いただきたいんですけれども、いかがですか。


国務大臣萩生田光一君) 私にその人が、あれですか、登録していないけど入れてくれと頼んだんですか。私、全くそういう事実は……(発言する者あり)私がアナウンスをしたという事実は承知をしていません。
 それから、招待状を持っていない人から私も入れてくれと私が頼まれて対応した事実もございません。


国務大臣菅義偉君) 私、先ほど来この議論を聞いていて、実は私ども、安倍政権発足をして、地方創生、このことを高らかに掲げて取り組んできました。そして、地方で活躍されている方々、またその地域で社会貢献されている方々、そうしたものを自民党は数多く推薦をしてくれるようになっております。そういう中で地方の議員の人たちを大事にするというのは、これはある意味で当然のことじゃないでしょうか。写真を、総裁が写真を撮るというのは当然のことじゃないでしょうか。それは統一地方選挙の前の年でありますから。そして……(発言する者あり)


○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。


国務大臣菅義偉君) 私ども自民党は、党の……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。いずれにしろ、党に推薦枠があるわけでありますから、党としてそうした地方の人を数多く選ぶように自民党はなってきていたんじゃないでしょうか。いずれにしろ、招待者は全て内閣官房内閣府において事前チェックをして招待状は出しているということであります。


○田村智子君 私、この研修会そのものを問題にしているんじゃないんですよ。それは、研修会は重要ですよ。桜を見る会とセットになって、そして本来、地方議会は議長でさえも全員なんて招待していないんですよ。地方議会の議長、全員招待していないんですよ。半数しか招待していないんですよ。ところが、京都新聞では、京都と滋賀で全員の府議、県議に招待状が届いたという報道がある。それだけじゃないです。毎日新聞とか中日新聞の記事を読んでみますと、福島や宮城もほぼ全員の地方議員に招待状が届いていたと、こういう報道もあるんですよ。
 そうすると、何で自民党都道府県議がこの二〇一八年に大量に招待されているのか。そして、この年になぜ初めての、やったことのない全国都道府県研修会が、議員の研修会がその前日に行われているのかと。これは、桜を見る会と合わせて、安倍総理が、苦境に立たされていた安倍総理が、地方議員の皆さんにアピールをし、その年の総裁選を視野に入れていたんじゃないか。これは読売新聞が書いているだけじゃありませんよ。ほかの新聞も、日経新聞朝日新聞、当時そのことをしっかり書いている新聞、何社もあるんですよ。そう捉えざるを得ないじゃないですか。
 自民党都道府県県議に何でこんなに招待状が届いたのか、そして、総理等推薦者の人数がなぜ二〇一八年に最高に達するのか、この説明が必要なんですよ。いかがですか。


内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、私どもで推薦する場合もあるし、あるいはまた党で推薦する場合もあると、党においてそういう御判断をする場合もあるんだろうと思います。
 まさに、前の年に既に、先ほど萩生田大臣が御答弁をさせていただいたように、研修会は決まっていたと、こういうことではないかと、こう思うわけでございます。そして、その中で、限られた日にちの中でこちらも決定するわけでございますから、全体の日程を勘案しながら、また党とも相談しながらその日に決まったと、こういうことではないかと、こう思う次第でございます。


国務大臣菅義偉君) 例年、桜を見る会について党で地方議員を一定数招待されるのは、自民党としてそうしたことを行ってきております。党の方で研修行事をそれに合わせて行うというのは、これ、ある意味で自然なことじゃないでしょうか。


○田村智子君 この年だけ招待状が届いている。
 じゃ、お聞きしますよ。それじゃ、ある県にほぼ全員、県議の皆さんに招待状を届ける、これ普通のことなんですか、自民党にとっては。


国務大臣菅義偉君) 党の方で、例年、機会を、桜を見る会に地方議員を、それぞれ毎年ブロックごとにいろんな中で招待をしていたというふうに思っています。


○田村智子君 ということは、そういう資料をお持ちだということですね。じゃ、各年の自民党都道府県議に対する招待状の実態、これ示してくださいよ。


国務大臣菅義偉君) それは少なくとも、党に対して招待、推薦をお願いしているわけですから、そういう中で、党は全国を見渡す中で、地方議員の方を一定数招待をされていたということは承知をしております。


○田村智子君 だから、分かる資料を出してくださいって。
 委員長、これ求めたいんですけど、お願いします。


○政府参考人(大西証史君) 恐れ入りますが、補足の御説明を差し上げたいと思います。
 昨年、福島みずほ先生からも、別の、消費者特委で御下問がありました。京都だったと思いますけれども、府議の先生方が多数呼ばれているけれどもということで御下問がございましたけれども、桜を見る会の招待者につきましては、各省庁からの推薦を基に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っております。
 内閣官房の取りまとめに当たりましては、与党にも推薦依頼を行っているところ、これまでも御説明しているところでございますけれども、自由民主党の中でどのような取扱いをされているのかにつきましては承知をしておらず、またお答えする立場にもないという御答弁を差し上げたところで、差し上げておりました。
 いわゆる資料が残っておりませんので、具体にどういう方が幾らおられたということは申し上げられないというところでございます。


○田村智子君 だから、資料を出していただきたいんですけれども。いいですか。これ、委員会でも、理事会でも協議いただきたいんですけど。


○委員長(金子原二郎君) では、後刻理事会で協議をさせていただきます。


○田村智子君 桜を見る会というのは公的行事であって、私たち野党の国会議員のところにも招待状が届くようなものなんですね。
 そこで、自民党の皆さんが、もちろん県議の方に経験を積んでいただきたいと思って一定数招待する、あり得ないとは言いませんよ。けれども、この二〇一八年、総裁選挙の年、そして、この桜を見る会の春は、先ほどちょっと早口で言ってしまいましたけれども、森友学園の公文書改ざんの疑惑が発覚をした。加計学園も新たに火が付いた。だって、首相官邸加計学園と首相の秘書官が面談したことが分かったんですもの。大問題になったんですよ。それで、イラク派遣の日報隠しの問題もあって、国会周辺は大騒動になりましたよ。うそをつくな、うそをつくなのコールが響き渡ったんですよ。
 だから、この年の秋の総裁選挙、安倍総理が大変な苦境に立たされることになるという報道が出て、先ほど冒頭で読売新聞の記事も紹介しましたけれども、自民党衆議院議員自身が、桜を見る会への招待はこれは党員票獲得のためなんだと実感したと。
 私ね、こういう事実の一つ一つを見てみると、本当に総理があらゆることにこの桜を見る会を利用して……


○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。


○田村智子君 自分の支援者を増やし続けてきたんじゃないのかと、このことを指摘しなければなりません。
 この問題、決して終わりにすることできませんので、新たに資料要求もいたしましたので、よろしくお願いいたします。
 終わります。


○委員長(金子原二郎君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)

 

 

 

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○委員長(金子原二郎君) 次に、田村智子さんの質疑を行います。田村智子さん。


○田村智子君 続けての質問になります。
 先ほどの質問で、自民党都道府県議会、県議研修会の参加議員に、あした桜を見る会がありますよというアナウンスがあったということを証言に基づいて紹介をしたんですけど、こういうアナウンスあれば、例えば招待状、自分持っていないよという人は、えっ、じゃ、招待状ありますかみたいな話になると思うんですね。で、招待状渡したんじゃないのかな。
 私がなぜそう思うのかというと、実は、桜を見る会の前夜祭に参加をした方が、あした桜を見る会がありますから、前夜祭だけでなく、どうぞこちらにもというふうに招待状をもらった、こういう証言をやっぱり聞いているわけなんですよ。そうすると、内閣府が宛名も印刷をしたそういう招待状とは別に、安倍事務所や自民党にどしゃっと何かの招待状が渡っていたんじゃないのかなというふうにも思えるんですけど、そういうことはあり得ないですか、ありますか。


○政府参考人(大塚幸寛君) 委員の御指摘は、恐らく、招待状の実際の枚数と招待者数がずれているといったようなことから今おっしゃったような話の一つ出てきているものと思われますが、元々招待者数に比べて確かに宛名の印刷実績少のうございます。これは、言ってみれば経費節減の観点も含めまして、業者に委託せずに事務方が直接宛名印刷を行うものがあるためでございまして、今御指摘のような、何かその宛名を印刷せずに招待状をお出しするようなことは一切してございません。


○田村智子君 今先にお答えいただいたんで、もう一度ね。
 じゃ、招待状の発送、これするときには、内閣府は宛名の印刷を民間業者に委託をしています。請求書には何人分の印刷をしたかが書かれています。今、先走ってお答えいただきましたけれども、これ、過去五年についてその招待者数と宛名の印刷をした人数を示してください。


○政府参考人(大塚幸寛君) 過去五年というお尋ねございますので、二〇一五年以降の数字を御紹介をさせていただきます。
 二〇一五年が招待者数が、若干、百人単位で申しますが、約一万三千六百人に対しまして宛名印刷数は一万三千百、二〇一六年が招待者数約一万三千六百に対しまして宛名印刷数は一万三千二百、二〇一七年が招待者数約一万三千九百に対しまして宛名印刷数が一万二千八百一、二〇一八年が招待者数約一万五千九百に対しまして宛名印刷数が一万四千四百八十七、二〇一九年が招待者数約一万五千四百に対しまして宛名印刷数が一万二千二百二十五という、以上のような数字でございます。


○田村智子君 これ、招待者の方は概数なんですけれど、これ資料を作りましたので見ていただきたいんですけど、二〇一七年はほとんど一致しているんですよ、宛名印刷の数と招待者の数というのは。それが二〇一八年には一千五百人、これ、宛名印刷が少なくなっちゃうんですね、招待者の方が多いんですね。二〇一九年になるとそれが三千人を超えるんですよ。これ、二〇一九年の招待者の約二割は、民間業者に宛名印刷やっていないということになるんですよね。
 これ、どういうことなんですかね。


○政府参考人(大塚幸寛君) 先ほど申しました、やはり経費節減という観点も含めますと、できるだけ、委託して、お金を掛けずにできるところはやっていこうという考えが基本的にございます。
 具体的には、例えば国会議員の方あるいは各国大使などは、あらかじめ推薦の期限を待たずに大体その候補者の方が特定できるわけでございまして、そういったのは言ってみれば業者との契約前に印刷作業を進めることができるわけでございます。
 そういったようなことを、以前はそういった観点から少しずつ自前でやっていこうという意識も薄かったわけですが、そういったところで少しずつ自前でできるものはやっていこう、経費節減にもつながると、しかも準備もその分早くできるといったような観点からそうしたことを進めてきているところでございます。


○田村智子君 外交の関係の招待者って変わっていないんですよ。何かその説明が本当によく分からないんですよ。だって、そこの招待者数変わっていないのに、じゃ、何、そこの部分だけ後から自分たちで印刷するようになったということなんですか。


○政府参考人(大塚幸寛君) 説明が不十分で失礼いたしました。
 元々は、言ってみれば全体を印刷の業者に委託しているわけですから全部委託していいわけなんですが、先ほど申しましたように、ちょっと考えればもう少し早めに準備ができるといったようなものは、それは少しずつ、むしろ、それもう自分のところに引き取って準備をしていくことで経費節減にもつながり、かつ準備もスピーディーにできるということから、少しずつそういう取組を広げてきているところでございます。


○田村智子君 これ、二十七日の月曜日に説明求めて、今まで、その説明、今初めて聞きましたよ。ごめんなさい、私にはその説明は何か後付けの説明に思えるんですね。
 これ、総理、桜を見る会の問題は、本当に長年の慣行じゃなくて、これ見て分かるとおり、七年間でいろんなことが説明が付かないんですよ。宛名の印刷もそうです。それから、招待者と参加者数のずれもそうなんですよ。どんどん招待者を上回っていくんですよ、参加者数が。こういうブラックボックスをあなた、本当に招いているんですよ。業者の側がこういう当たり前のことが説明ができなくなっていく。
 予算も同じですよ。予算の積算なんていうのは極めて厳密なもののはずなんですね。それが、予算が一千七百六十六万円で、五千三百万超えるようなそういう支出が認められる。こういうブラックボックスが拡大している。
 この問題、非常に重大だと思いますが、一言いただけますか。


○委員長(金子原二郎君) 時間です。
 じゃ、安倍内閣総理大臣、簡潔に。


内閣総理大臣安倍晋三君) 基準が曖昧だったことから、この度中止をし、そして見直しをすることにしたものでございます。


○委員長(金子原二郎君) 以上で田村智子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)

 

 

令和元年11月8日参議院予算委員会(田村智子)

○委員長(金子原二郎君) 次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  安倍内閣モラルハザードが問われていますが、私は総理自身の問題を質問いたします。(資料提示)  毎年四月、総理大臣主催の桜を見る会新宿御苑で行われていますが、安倍総理の下で参加者数、支出額が年々増えています。これ、二〇一三年以前は資料がないということですので、二〇一四年見ると、参加者一万三千七百人、支出額三千五万円、予算の一・七倍です。ここから伸び続けて、今年は参加者一万八千二百人、支出額五千五百二十万円、予算の三倍を超えました。驚くのは来年度の要求額ですね。さきの国会で予算と懸け離れていると批判されたからなのか、今年度の支出額を超えて、五千七百三十万円を要求しているわけなんです。  総理、なぜこんなに参加者と支出額を増やしてきたんですか。

○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。  まず要求額でございますが、この桜を見る会の概算要求に当たりましては、例えばテロ対策の強化や混雑緩和のための措置などの近年に講じた改善点を反映させるなどいたしまして、実態に合わせた積算をさせていただきました。その結果として、今、ただいま御紹介がございました来年度要求は、五千七百二十八万八千円を要求をさせていただいているところでございます。  それから、招待者等が増えている理由でございますが、こちらにつきましては、桜を見る会には、例えば外交団、国会議員、都道府県知事、議長を始め、各界において功績、功労のあった方々をこれは各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待をしております。そして、その上で内閣官房及び内閣府において最終的に取りまとめるところでございますが、そうした結果といたしまして、こうした招待者、参加者が増えているということでございます。

○田村智子君 総理主催ですから総理に答えていただきたいんですね。  次の資料で、じゃ、今テロ対策等と言いましたけど、支出内訳見てくださいよ。一番経費が掛かっているのは飲食物提供ですね。  これ、案内状も実は二・五倍に増えているんですよ。これ、案内状というのは、封筒の裏面は総理のお名前です。表面に招待者の名前を記して、必ず一人一人に送付をいたします。これ、招待者が本当に増えたということが分かるわけですよ。招待者増えれば参加者も増える、混雑緩和のために会場設営費もどんどん増えると、こういうことですね。  もう一つ見たいんです。桜を見る会の開催要領。これ、毎年閣議に配付がされているということなんですけれども、この中の招待範囲、今いろいろ言いましたね。確かに、皇族とか各国大使、また議会関係や地方議会関係、行政関係、この辺りは年々増えるってあり得ないんですよ。内閣府に聞きましたら、推定だが二千人くらいでほぼ固定的だというんですね。  そうすると、一番下、その他各界の代表者等、これが増えたということだと思うんですが、じゃ、これ内閣府でいいですよ。その等を含めて、これはどういう方々で、一体どうやって招待する人を決めるんですか。

○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。  今のその開催要領にありますその他各界の代表者等の等でございますが、これ、まさしくその各界において功績、功労のあった方を幅広く招待できるよう等を付けているというものでございまして、何か特定の分野ですとかカテゴリーを想定しているものではございません。まさしくこういったようなことも含めまして各省庁から幅広く御推薦をいただき、最終的に私ども内閣府内閣官房において取りまとめているところでございます。

○田村智子君 各省庁から推薦をいただいて、功労、功績が認められる方ということなんですね、等を含めて。  開催要領には、計約一万人なんですよ、招待範囲。当然各府省はこれを念頭に入れて功労、功績のある方を推薦しているはずで、事実、安倍総理より前は大体一万人前後なんですよ。なぜ一・八万人にもなるのかということです。  桜を見る会に参加した皆さんはインターネットでその模様をたくさん発信していただいているので、見てみました。  稲田朋美、日々の活動報告、平成二十六年四月十二日、桜を見る会。地元福井の後援会の、地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、大変思い出深い会になりました。これ、当時、規制改革担当大臣。  世耕弘成後援会ニュース、二〇一六年新年号。桜を見る会にて、地元女性支援グループの皆さんとと、これ写真が載っています。当時、官房副長官。  二〇一六年に初入閣された松本純衆院議員の国会奮戦記、なかなか興味深いものがありました。二〇一三年四月二十日、内閣総理大臣主催桜を見る会。役職ごとに案内状が割り当てられます。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様に御案内することができず、やむなく我が陣営は不参加。その後、二〇一五年四月十八日。選挙のウグイス嬢の皆様を始め後援会の皆様と参加いたしました。  もう一人御紹介します。「はぎうだ光一の永田町見聞録」、二〇一四年四月十八日。総理主催の桜を見る会が催され、今年は平素御面倒を掛けている常任幹事会の皆様をお招きしました、夫婦でね。  萩生田大臣、当時は自民党総裁特別補佐ですけれども、常任幹事会の皆様というのはどういう方で、どの府省が推薦してくださったんでしょうね。

国務大臣萩生田光一君) 桜を見る会については、各界において功績、功労のある方々を各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待しているものと承知しており、最終的な取りまとめは内閣官房及び内閣府において行われていると承知しております。実際に参加された方は手続にのっとり招待された方であると承知をしております。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。

国務大臣萩生田光一君) 自分の知り合いの方をのべつ幕なし呼べるという仕組みになっておりません。  その方たちが例えば各種業界団体の東京都単位の役員になっている、そういうような方について……(発言する者あり)それは何年のでしょうか。常任幹事の中にそういう各種団体の長の方がいらっしゃって、その方たちがお招きをされたと承知をしております。まあ私が主催者じゃないのに何かお招きしたというのはちょっと僣越な言い回しだなと思います。

○田村智子君 その常任幹事会って何ですか。常任幹事会って何の団体の常任幹事なんですか。

国務大臣萩生田光一君) 二〇一四年の常任幹事会というのは、後援会の中の常任幹事の方ということだと思います。

○田村智子君 そうなんですよ、後援会なんですよ。  総理、つまり、自民党の閣僚や議員の皆さんは、後援会、支援者の招待枠、これ自民党の中で割り振っているということじゃないんですか。これ、総理でなきゃ答えられない。総理、お答えください。総理でなきゃ答えられない、総理でなきゃ答えられないですよ。

内閣総理大臣安倍晋三君) いや、今説明しますから。  桜を見る会については、各界において功績、功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房及び内閣府において最終的に取りまとめをしているものと承知をしております。私は、主催者としての挨拶や招待者の接遇は行うのでありますが、招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります。  その上で、個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて個人に関する情報であるため従来から回答を差し控えさせているものと承知をしておりますが、詳細についてはですね、詳細については政府参考人に答弁させます。

○田村智子君 それじゃ、ちょっともう安倍総理のことでお聞きしますよ。  友田有、下関市選出の山口県議会議員のブログ、二〇一四年五月一日号。四月十二日、安倍首相が主催する桜を見る会に行ってまいりました。今回は私の後援会女性部の七名の会員の方と同行しました。早朝七時三十分にホテルを出発し貸切りバスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会。安倍首相には長く政権を続けてもらい、今後もずっと桜を見る会に下関の皆さんを招いていただきたいとあるんですね。ホテルから貸切りバスで移動すると。  総理、総理御自身も地元後援会の皆さんを多数招待されているんじゃないんですか。

内閣総理大臣安倍晋三君) 今申し上げましたように、桜を見る会については、これは昭和二十七年以来、内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦、慰労をするためなどのため開催しているものと承知をしておりますが、これは萩生田大臣からも答弁させていただいたとおり、様々な、例えば地元において自治会等々で、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから、当然そういう方々とこれは後援会に入っている方々がこれは重複することも当然あるわけでございまして、そういう中で招待されているものと承知をしております。

○田村智子君 これ、じゃ、ちゃんと調べてくださいよ。例えば、友田県議、後援会の女性部、どういう功労、功績が認められたのかと。で、どの府省が、府省というのは内閣府等、その他いろいろな省ということですよね。どの府省の推薦で招待されたのか。これ、ちゃんと調べてくださいよ、総理。

○政府参考人(大塚幸寛君) 具体的なその招待者の推薦、例えば推薦名簿ですとか推薦に係る書類は、これは毎回のその桜の会の終了をもって使用目的を終えるということもございますし、それから個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する等必要が生じることもございまして、これは従前から、その一連の書類につきましては、保存期間一年未満の文書として終了後遅滞なく廃棄する取扱いとしているところでございます。

○田村智子君 いや、本当に検証ができない状態なんですよね。私も、友田県議とか下関の後援会の人が何で招待されるんだろうかと。だって、内閣府が発送しているので。  我が党のしんぶん赤旗、現地取材をしました。下関市の後援会員の男性は、今年の桜を見る会についてこうお話ししているんです。二月頃、下関市の安倍事務所から、桜を見る会に行きませんかと案内が来た、名前や住所などの必要事項を紙に書いて安倍事務所に送り返すと、内閣府から桜を見る会の招待状が届いた、安倍政権になってから毎年参加している、下関からは毎年数百人が上京すると。  案内状というのは、発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人一人に宛てて送付をする。これ以外の発送ルートはありません。総理、安倍事務所が取りまとめをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所がどうして分かるんでしょうか。これ、もし内閣府が独自に知っていたということになると、これ更に大問題だと思うんですけれども、総理、いかがですか。

○政府参考人(大塚幸寛君) お尋ねの招待状につきましては、まさしくその各府省等を通じて元々御推薦をいただいておりますし、その各府省等を通じて発送いただくなど、できるだけ最も効率的と考えられる方法で招待者のお手元に届くように毎回しているところでございます。

○田村智子君 そんなことを聞いているんじゃないんですよ。  その下関市の後援会の人たちの名前を、それじゃ、内閣府もうお答えいただくというんだったら、それどうやって確認したんですか。どうして分かったんですか。各府省の取りまとめなんでしょう。どの府省が下関の安倍さん関係の後援会の人の名前と住所を押さえることができるということなんですか。

○政府参考人(大塚幸寛君) その具体的な各推薦者の最終的な取りまとめの検討に、過程に係る情報につきましては、これを明らかにすることは内閣官房内閣府におけます円滑な取りまとめに支障を及ぼすおそれがあると考えてございまして、ただいまのお尋ねにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと考えております。

○田村智子君 これ、私たちは、総理、お答えくださいよ、安倍事務所に申し込んだら内閣府から招待状が来たという証言をこれ複数の方から得ているんですよ、得ているんですよ。それ以外に発送するすべはないんですよ。  そうじゃないというんだったら、これ、ちゃんと安倍事務所に確認してくださいよ、地元事務所に、総理。

内閣総理大臣安倍晋三君) これは、先ほど赤旗の取材に私の後援者が答えたということは、私も寡聞にして存じ上げないんですが。  そこで、今、もう既に申し上げておりますように、個別の方については、招待されたかを含め個人に関する情報であるため回答を差し控えさせているというのが従来からの政府の立場でございます。

○田村智子君 これ、開催要領の逸脱が疑われているんですよ。各界を代表する功労、功績のあった方を府省が取りまとめて招待するんですよ。これ以外ないんですよ。  じゃ、萩生田さんの後援会の常任幹事、萩生田さん、これ、何の功労、功績があったと思われます。

○政府参考人(大塚幸寛君) 先ほど総理からも御説明いたしましたが、個々の方について、その功績、功労は何か、その以前に、招待されたかどうかということは、これは個人に関する情報でございまして、お答えを従来から差し控えさせていただいているところでございます。(発言する者あり)

○田村智子君 これ、今、後ろからもありました、税金を使った公的行事なんですよ。誰でも参加できるわけじゃないんですよ。だから、招待範囲も人数も開催要領を閣議に配って、それで府省からの推薦で功労、功績が認められる方を招待するんですよ。  そうしたら、当然、それぞれの方にどのような功労、功績があるのか、これ説明できなきゃおかしいですよ。それが桜を見る会なんじゃないんですか、総理。これ、総理、お答えくださいよ。そういうものでしょう、公的行事で。あなたはもういい。もういい。もういい。手挙げないで。はい、総理。

内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど来答弁をさせていただいておりますように、桜を見る会については、昭和二十七年以来、内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦をですね、日頃の労苦を慰労するため開催をしているものでございます。  先ほど来申し上げておりますように、個々の方々につきましては、個人情報であるため回答を控えさせていただいているということでございます。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。

○田村智子君 そうしたら、委員長、これ私の質問に全然お答えいただいていませんので、先ほどの萩生田幹事長の常任幹事会、後援会、常任幹事会、これどの府省からなのか、下関の安倍事務所、これ安倍事務所にどこかの府省が連絡取ったのか、こういうことを是非これお調べいただいて、ちゃんと委員会に御報告いただきたいというふうに思うんですね。お願いします。

○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

○田村智子君 もうちょっとブログを見てみたいんですよ。  藤井律子山口県周南市長のブログ。二〇一八年五月四日。これ、当時は山口の県議なんですけど。桜を見る会に行ってきました、片山さつき先生とも久しぶりの再会を果たしました、今日は山口県からたくさんの人が来てくださっているわね、十メートル歩いたら山口県の人に出会うわよと、いつものように元気よくお声を掛けていただきました。  こういうのはもういっぱいあるんです、インターネットで検索すると。結局、私は、税金を使った公的行事という自覚もなく、安倍総理が地元からの招待者をどんどん増やしたんじゃないかと、さらには地元後援会の恒例行事にしてきたんじゃないかということも指摘したいんです。  先ほどの友田県議のブログです。桜を見る会の記述は前日の行動から始まります。前日の早朝に飛行機で上京。夜には、ANAのインターコンチネンタルホテルの大広間において、下関市長門市、そして山口県内外からの招待客約四百人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティー。次の日、早朝七時三十分にホテルを出発し貸切りバスで新宿御苑にと続いていくんですね。  もう一つ、吉田真次下関市議会議員、今年の桜を見る会についてブログで発信しています。やはり前日、十二日に飛行機で東京へ、夜は桜を見る会の前夜祭、安倍総理夫妻と写真を撮っていただきました。で、前夜祭の宴会会場の写真、続けて翌日の新宿御苑の写真なんですね。  総理、これ、総理しか答えられないです。桜を見る会は、安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭とセットで、総理が後援会や支援者、山口県の関係者の御苦労を慰労し親睦を深める、そういう行事になっているんじゃないですか。

内閣総理大臣安倍晋三君) 桜を見る会につきましては、既に政府委員から答弁をしているとおりでございまして、個々の個人名等々についてはお答えは差し控えさせていただきたいということでございます。

○田村智子君 前夜祭と一体でしょう。  じゃ、もう少し示しますよ。首相動静。この三年間、桜を見る会の前日、ホテルニューオータニの宴会場で安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭に出席と、三年間ずっとあるんですよ、総理。それ以前も、ホテルや名称は異なりますが、必ず前日夜は後援会の方々と懇親会、宴会に御夫婦で御出席されているんですよ、総理は。よく御存じでしょう、御自身が。  今年の前夜祭の参加者は約八百五十人、翌朝、貸切りバス十七台で新宿御苑に移動。これは、防府市ライオンズクラブの会報に寄せられた寄稿、寄せられた文章から分かりました。また、私たちの取材でも、複数の参加者から、貸切りバス十七台だと、自分は何番目に乗るんだということが全部確認できたわけですよ。  これ、まさに安倍総理の後援会の一大行事になっているんじゃないかと。違いますか。これ、セットでしょう、総理も。総理にとっても、桜を見る会前夜祭と翌日の桜を見る会がセットになって、山口県の皆さんと親しく懇親をする、そういう場になっているんじゃないですか。

内閣総理大臣安倍晋三君) その懇親会に私が出席をして写真等を撮っているのは事実でございます。もちろん、それは各個人がそれぞれの費用によって上京し、そして、そのホテルとの関係においても、それはホテルに直接払込みをしているというふうに承知をしているところでございます。  なお、この招待客については、先ほど来から答弁をしているとおりでございます。

○田村智子君 セットなんですよ。  じゃ、桜を見る会当日の首相動静、これも指摘します。今年は、午前七時四十八分、総理は夫妻で新宿御苑に到着。そして、七時四十九分、昭恵夫人とともに地元の後援会関係者らと写真撮影とあります。  遡れば、毎年午前八時前に地元後援会関係者らと写真撮影されているんですね。桜を見る会の開門及び受付時間は午前八時三十分です。開門もしていないのに、会場で地元後援会の皆さんと記念撮影を毎年されておられる。これ、まさに後援会活動そのものじゃないですか。

○委員長(金子原二郎君) 安倍内閣総理大臣。(発言する者あり)  大塚大臣官房長。大塚大臣官房長。(発言する者あり)  一応、そっちから答えてから、総理からはまた。

○政府参考人(大塚幸寛君) 桜を見る会の開園時間につきましては、開催要領で定めておりますとおり、午前八時半から午前十時三十分の間の随時入園参観ということになっております。これが桜を見る会でございます。

内閣総理大臣安倍晋三君) これは、招待者の、そのそれぞれの受付時間の対応に関するこの情報につきましては、これはセキュリティーに関することであるため回答を差し控えさせていただきたいと、このように思います。

○田村智子君 だから、何で開門前に山口の後援会の皆さんと、あなた写真撮っているんですかということなんですよ。答えてくださいよ。

内閣総理大臣安倍晋三君) これについては、どういう形で私が動くかということにも関わってまいりますので、セキュリティーに関わることでございますので回答を控えさせていただきたいと思います。

○田村智子君 しんぶん赤旗の取材で、下関市の後援会の男性、到着すると、安倍事務所の秘書らがバスの座席を回って入場のための受付票を回収する、その秘書が受付を済ませ参加者用のリボンを配る、まとめてのチェックインで手荷物検査はなかった。何がテロ対策を強めたですか。これ、調べてください。調べてください、総理。

○委員長(金子原二郎君) 大塚大臣官房長。(発言する者あり)  速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。  大臣官房大塚君、簡単に。

○政府参考人(大塚幸寛君) お答えいたします。  受付に関するお尋ねだというふうに受け止めました。  受付時の対応に関する情報は、これはまさしくセキュリティーに関することであるため、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。

○委員長(金子原二郎君) 時間が来ています。

内閣総理大臣安倍晋三君) 今、政府参考人からお答えをさせていただきましたように、受付の仕方等々も、つきましてもですね、これは、まさにこれは、例えばその後の私との関係においても、これはセキュリティーに関わることでございますから、これはお答えを差し控えさせていただきたいと、このように思います。

○委員長(金子原二郎君) 田村さん、時間が来ています。

○田村智子君 開門前に手荷物検査もしないで大量に入ったら、それこそセキュリティー上の問題じゃないですか。  桜を見る会は参加費無料なんですよ。会場内でも無料でたる酒その他のアルコール、オードブルやお菓子、お土産を振る舞うんですよ。

○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。

○田村智子君 これを政治家が自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反。そういうことをあなたは公的行事で税金を利用して行っているんですよ。これだけの重大問題だと……

○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。時間が来ております。

○田村智子君 まさにモラルハザード安倍総理が起こしていると、このことを指摘して、質問を終わります。

平成29年12月7日参議院文教科学委員会内閣委員会連合審査会

○杉尾秀哉君 民進党新緑風会、杉尾秀哉でございます。本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。白議員に引き続いて質問をさせていただきます。
 資料を配付させていただきました。
 早速でございますけど、林大臣に聞きます。この石破四条件について、これまで大臣は予算委員会そして文教委員会などで、設置審では四項目の審査していない、こういうふうに繰り返し答弁されておりますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
国務大臣林芳正君) この岡山理科大学獣医学部の新設につきましては、国家戦略特別区域計画に認定されたことを受けて設置認可申請がなされたものでございまして、大学設置・学校法人審議会では、申請された設置計画、これが国家戦略特区構想に合致しているかどうかについて審査する役割は有しておらないところでございます。したがって、設置審においては、四条件を含めて国家戦略特区のプロセスに係る議論はなされておらないところでございます。
○杉尾秀哉君 設置審の専門委員会の委員の一人の方がこういうふうに私に話してくれました。
 四条件は議論できないのかという複数の委員からの発言に対して、文科省の担当者が、ここは四条件を議論する場ではないと繰り返し説明した。最初から四条件が議論の対象になっていたらこの中身では絶対に通らない、こういうふうに委員全体が思っていた。私は今でも四条件はクリアされていないと思っています。
 こういうふうに専門家が指摘しているんですけれども、林大臣はどういうふうに受け止められますでしょうか。
国務大臣林芳正君) 委員会での個別の発言に関するコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 岡山理科大学獣医学部の新設については、先ほど申し上げましたように、国家戦略特別区域計画に認定されたことを受けて設置認可申請がなされているということでございます。設置審では、この基準等に適合しているかについて審査をしておるというところでございます。
○杉尾秀哉君 今の大臣の説明にもありました。これまでも繰り返し林大臣は、特区のプロセスの中で四条件がクリアされているんだと、こういう発言をされています。
 大臣に伺いますけれども、その特区のプロセスのいつ、どこで、誰が、つまりどの段階で四条件をクリアしたというふうに判断したのか、大臣は御存じでしょうか。
国務大臣林芳正君) 今回の獣医学部の新設につきましては、これまで国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められてきたところでございまして、この四項目につきましては、昨年十一月九日の国家戦略特区諮問会議における追加規制改革事項の決定の際に、内閣府文部科学省及び農林水産省の関係省庁において、四項目が満たされていると、こういうふうに確認を行ったところでございます。
 その後の国家戦略特区のプロセスの中で、本年一月十二日の今治市分科会において、加計学園による獣医学部設置の構想が追加規制改革事項に沿っていることを有識者や関係省庁により確認した際に、また一月二十日の区域会議、特区諮問会議において区域計画が承認された際のいずれの場においても、この四項目が満たされていないという異論が関係省庁等から出ず、結果として獣医学部設置に係る申請を行うことが可能となったというふうに認識しております。
○杉尾秀哉君 書いていないから、書いていないから、異論がなかったからクリアされたんだと、こういう理解ですか。
 ここに今全部持ってきましたけど、どこにも四条件クリアしたなんてことを書いているくだり一つもありませんよ。どうぞ。
国務大臣林芳正君) 書いていないというのは……
○杉尾秀哉君 議事要旨に書いていない、そういうことは。
国務大臣林芳正君) 議事要旨ということで理解をいたしましたが、今申し上げたように、国家戦略特区プロセスの中でそれぞれ、昨年十一月九日の追加規制改革事項の決定の際にまず三省庁で満たされているという確認を行った上で、さらに一月十二日、一月二十日、それぞれ異論が出なかったということでございます。
○杉尾秀哉君 満たされていないということをこの後順次証明してまいりますけれども、この設置審の審議で四条件以外にもおかしなことがいっぱいありまして、例えば、審議の過程で、加計学園から、改善できるのに不可にするとは何事かと訴訟を起こされたらどうするんだという話があった。委員の一人がこういうふうに証言しています。
 これ、審議の過程で訴訟リスクの話が出た、これについては、中身についてお答えできないというふうに文科省は言うと思いますけれども、一般論としてでいいんですけれども、この設置審というのはこういう訴訟リスクというのを審議する場なんですか、どうなんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 設置審の審査におきましては、大学設置基準等の法令に適合しているかどうかを精査するものでございまして、不認可とする場合は訴訟を、不利益を受けたということに訴訟が提起される可能性があることも踏まえまして、明確な法令違反の根拠を示す必要がございます。設置審査においては、そのような客観的で厳正厳密な指摘ができるかどうかを精査して審査意見を決定していく必要がございます。
○杉尾秀哉君 昨日ヒアリングさせていただいたんですけれども、過去に訴えられたケースってないんですよ、不認可にした。
 何で、このケースでそういう訴訟リスクの話が出るというのがおかしいし、そのやり取りを聞いた委員の一人がこういうふうに証言しているんです。これは脅し文句だと思った、そう言われたら何も言えないと、こういうふうに言っている。こんな、要するに脅し文句だと委員が取られるような、こういう審議のやり方で公正な審査ができるんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、訴訟を提起されたということは過去にございませんが、不認可処分をしたケースは過去においてございます。その都度都度におきましては、先ほど申しましたように、不認可をする場合においては訴訟が提起される、いわゆる行政処分として相手方に対して不利益を与えるということでございますので、そこが提起される可能性があるということも視野に置きながら、明確な法令違反の根拠を示す必要がございますので、その観点から、この加計学園の問題に限らず一般的に厳正な審査をしていくということについてやっているところでございます。
○杉尾秀哉君 それは、こういう審議会っていっぱいありますけど、訴訟リスクと言い出したら何もできないですよ。
 さらに、申請内容についてこういうふうに言っているんです。最初の申請を見た段階ではとても認可できるような代物ではなかった、獣医学教育を理解している人が作ったものとは到底思えないような内容だった、こういうふうに証言している。そして、今度配られた、これ大体議事録が出ていないこと自体がおかしいんですけれども、ここに要約したのを見ても、最初にいろんな意見が付いていて警告が出されているじゃないですか。だから、こんなずさんな内容だから警告が出たんじゃないんですか、どうなんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 審査の過程におきまして、法令に適合しているかどうかも含めてでございますけれども、審査意見を作る場合、その申請内容全般について意見が付いて、このまま進めていく、改善が進められなければ認可できないというふうな場合については、警告という形で相手方にその状況を伝えまして、適切な補正あるいは改善を行っていただくというふうなことをしているところでございます。
 そういうケースは、この加計学園だけではなくてほかのケースにおいても年間数件あるところでございまして、その多くにおきましては誠実に補正あるいは改善をいただいて、それを厳正な審査した上で改善が認められたという形で審議会で判断した場合について認可するというふうな判断をしているところでございます。
○杉尾秀哉君 今、適切な補正、改善というふうにおっしゃいましたが、こういうふうに証言しています。駄目なところは審査が通るように一つ一つ答えを教えながら進めていく雰囲気だった、こういうふうに証言している。そして、最後までこれじゃ駄目かと思った、決を採ろうかと思った、そういうことまで証言している委員がいます。
 こういうふうに、要するに教えたんですよ、文科省側が。加計学園と通るように進めていったんです。こういうのを出来レースと言うんじゃないんですか、どうですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 いわゆる審査意見を付けた際においては、大学に対してその状況を書面で出すと同時に、場合によっては大学から来ていただきまして、対話をしながらそれについての改善のポイント等についてお話をするところでございます。
 特に獣医学部、今回は五十二年ぶりの審査でございますし、その規模あるいは内容について詳細にわたるところでございます。その点については、法人からの要請もございまして、その審査意見についての状況についてお伝えすると同時に、しっかりした改善を行っていただくということを明確にする観点から、意見を詳細に整理し、それを大学の方にお伝えし、それに対して大学の方において誠実に受け止めていただいて改善をし、それを審議会の方で議論を専門的、学術的にやっていただきまして判断をいただいたものでございます。
○杉尾秀哉君 施設とか設備についても、こういう意見があるんです。おとといの内閣委員会で山本太郎議員も質問されていました。私は山本議員と全然打合せしておりませんけれども、全く一緒です、全く一緒。こういうふうに証言しているんです。
 鳥インフル鳥インフルとさっきから何度も出ています。だけど、ここの施設、加計の施設は鳥インフルの研究ができるような実験施設がない。設備が非常にお粗末である。あのような施設ではP3レベルの実験をやればウイルス漏れが起きるだろう、こういうふうに言っています。シラバスを見てもそんな研究はやらないだろうし、まともな研究をやる代物ではない、実際には普通の大学と同じレベルの研究しかできないんだと、こういうふうに言っているんです。
 おとといの山本議員の質問でも、BSL3のレベルの感染実験はしない、普通の獣医学部だと、こういう質問だったですよね。打ち合わせていませんよ。全く符合していますよ。
 これ、どう考えても、この加計の獣医学部というのは国家戦略特区の国際レベルのものでもなければ、要件を満たしたような、石破四条件をクリアするような代物、到底言えないと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 今回の獣医学部につきましては、国家戦略特区のプロセスの中で、加計学園獣医学部設置の構想が先端ライフサイエンス研究の推進や地域の水際対策など、新たなニーズに対応するものであることが確認され、設置認可の申請に至ったものでございます。
 加計学園認可申請書によれば、岡山理科大学獣医学部においては、ライフサイエンス研究、公共獣医事研究、医獣連携獣医研究の三つの研究グループを構成しております。これらの研究を実施するために、獣医学部棟にオープンラボを設置し、BSL2、BSL3の実験室を備えることとしているところでございます。また、その構想の申請書におきましては、獣医学部棟には実験動物センターを設置し、マウス等の小動物に加え、猿、豚といった先端ライフサイエンスの研究に必要な中型動物の実験に必要な飼育室、手術室等の設備を備えることというふうに書いているところでございます。
○杉尾秀哉君 作文は幾らでもできるんです。中身、それから授業の内容、いわゆるシラバス、施設、設計図も含めて、見た専門家がこういうふうに言っている。
 そこで、林大臣に伺いたいんですけれども、これ、結局四条件を満たさないということが分かっていたんです、審査委員会の委員の人たちは。だから、既存の大学と同じレベルで設置認可の審査せざるを得なかったんです。それは確かにそうだと思います。現行法令にのっとって最低基準を満たしていれば認可できる、それは分かります。だけど、特区の獣医学部として認めるならば、四条件について委員会でそもそもの議論をしなければいけなかったというふうに委員が証言しているんです。じくじたる思いなんだと、こういうふうに言っているんです。これは本当に切実な声だと思いますけれども、それでも林大臣はまだ、まだ審査は適切だったというふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
国務大臣林芳正君) 先ほどお答えをいたしたとおり、国家戦略特区のプロセス、また設置審のこの審査、それぞれ適切に行われていたということでございます。
 先ほど、冒頭にお答えいたしましたように、設置審における個々の委員のコメントについて、発言についてそれぞれコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。
○杉尾秀哉君 森友のときもそうなんですけれども、一連のモリカケ問題って、適切だった、適切だったとずっと言っているんです。森友も、適切だったと言った内容が、事実は適切じゃなかったんです。会計検査院の報告で分かったんです。
 そこで、さっきからその四条件クリアしたということの一つの証左として専門家の意見を聞いたと、こういうのがありますけれども、この私が聞いた委員の方は、四条件について専門家の意見なんて聞いていないんじゃないかと、聞いていたら四条件満たしていないと言われるに決まっていると、こういうふうに証言しているんです。
 そこで、梶山大臣に伺います。
 特区のプロセスの中で、専門家の方の意見を聞く機会というのはあったのでしょうか。
国務大臣梶山弘志君) お答えいたします。
 特区のプロセスということでありますけれども、昨年十一月九日の諮問会議取りまとめに際しまして、関係府省において規制改革事項が四条件に適合することを確認の上で、最終的に文科、農水両大臣も出席された特区諮問会議で文案が異論なく了承をされました。
 また、加計学園の構想につきましては、本年一月十日に提出のあった応募書類に基づいて、一月十二日の今治市分科会で獣医学の専門家二人を含む有識者により審査を行うとともに、文科、農水両大臣が出席する一月二十日の区域会議、さらには文科大臣の書面同意を受けて同日に開催した諮問会議においても異論なく了承をされたところであります。
 規制改革の基本的な考え方は、自治体や民間の提案について、できない理由ではなくて、どう実現するかということを議論するというものであります。
 具体的には、閣議決定した国家戦略特区、構造改革特区や総合特区の基本方針で規制省庁が改革は困難とする正当な理由の説明を適切に行うことを求めているということであります。その説明がなされない場合は、提案に基づく規制改革を進めていくべきであるということでありますが、内閣府においても、この四条件については確認をさせていただいております。
 既存の獣医師養成ではない構想の具体化という点については、昨年十月下旬の段階で、今治市京都府からの提案書に既存の獣医学部とは異なる新たな分野に重点を置いた具体化された構想が示されたと判断をしました。
 新たな分野における具体的な需要については、昨年四月には、製薬会社の方からライフサイエンス分野のための獣医系大学を創設してほしい旨の要望書が出されている。また、提案者からはライフサイエンス研究や水際対策での分野で人材ニーズがあるとの提案に対し、民間有識者からも同様の認識が示された上で、更に人のための創薬人獣共通感染症の研究ニーズ等について指摘があったところであります。
 また……(発言する者あり)まだ答弁中です。また、獣医師等に関する統計を見ても、製薬会社等の会社に勤務する獣医師や新卒者の就職数は近年増加しておりまして、家畜衛生分野の公務員獣医師に就職する新卒者数も同様に増加していることから新たな分野の需要がうかがえるということで、診察をするだけではなくて、会社に入って、食品会社であるとか製薬会社であるとか様々な分野で活躍する獣医師の需要も、多様な需要が増えているということであります。
 このように、獣医師の職域が多様化する中で獣医師の新たな供給は毎年一定であり、新たな分野における獣医師の養成需要はあると考えております。
 既存の大学・学部では困難ということについては……(発言する者あり)いや、四条件ということですから、四条件について詳細にお話をしているところでありますけれども、水際対策や新薬開発などについて新たなニーズに特化した人材養成には、カリキュラムの抜本的な見直しや専任教員の大幅な入替えが必要であり、既存の組織で行うには定員増を含めて限界があると判断をいたしました。
 近年の獣医師の需要の動向についても、農林水産大臣が繰り返し発言されているとおり、産業動物獣医師の確保には困難な地域がある、偏在があるということでありまして、そういった意見も各地から寄せられているところであります。
○杉尾秀哉君 梶山大臣、私、四条件について全部聞いていませんよ、何にも。何でそんなことを全部言うんですか。おかしいでしょう。時間使っているでしょう。四条件について、一つ一つ私、確認して聞いていませんよ。専門家の意見について、それについて聞いたんですよ。
 で、言いますよ。九月二十一日の今治分科会で、浅野、文科省です、専門教育課長が、再興戦略の要件について、きちんと満たされることを確認することが重要だと、こういうふうに指摘しております。この発言、そのまま読みますと、この段階では四条件満たしていないという認識を文科省がしていたということなんですけど、どうでしょうか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 御指摘の平成二十八年九月二十一日の国家戦略特区今治市分科会第一回会議におきまして、文部科学省の当時の浅野専門教育課長から、文部科学省といたしましては、日本再興戦略二〇一五の要件、いわゆる四項目につきまして、きちんと満たしていることを確認することが重要であると考えております、今後とも農水省厚労省とも連携をしていきたいと思っておるとの発言をしたところでございます。
○杉尾秀哉君 文科省として、その後どの段階で四条件が満たされたことを確認したんですか。
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 文部科学省におきましては、いわゆるこの告示で獣医師については定員増について抑制しておりますけれども、獣医師の需給状況についてはその所管する農水省のお考えを確認する必要があるということについて、内閣を通じまして内閣府に対して意見を申し上げたところでございます。
 その中において、内閣府の方において、農水省において新たな分野においての対応ということを前提にして需給全体に対して影響がないというふうなことについてのお答えがあり、それを踏まえまして、文科省の方としましてもその問題についてクリアしたと判断いたしまして、全体として、十一月の九日でございますけれども、国家戦略特区会議において追加規制改革事項について決定する際にその問題について見解を示したところでございます。
○杉尾秀哉君 梶山大臣、さっき私、聞かれていないことを答えて、後ろから今言われませんでしたか。私、次に質問するはずのことを答えたんですね。(発言する者あり)違う、違う。
 それで、もう一回言います。
 一月十二日の今治分科会に二人の専門家が呼ばれて発言しました。これはさっきのとおり。ところが、この二人の専門家は一回ずつしか発言していません、要旨を見ると。しかも、四条件について触れたくだりなんか一つもありません。学園の構想について長所と課題を指摘しただけです。短く一つずつしか言っていないです。
 こんな状況で専門家から意見を聞いたことになりますか、どうですか。大臣、答えてください。
国務大臣梶山弘志君) 四項目への適合性については、二十六年七月の新潟市の提案を受けて議論を開始して、ワーキンググループや諮問会議等において適合性を認める議論が行われてきております。これらの議論に加え、加計学園の応募書類に基づく最終段階の審査は、御指摘の今治市分科会で行われ、十分かつ的確な御意見をいただいたと認識をしております。
 このように、一連の議論のプロセスにおける関係者の御発言を通して四項目への適合性は確認されたものと考えており、発言の時間や回数だけで議論が不十分であるとの評価をすることはできないものと考えております。
○杉尾秀哉君 後で言いますけど、専門家の意見を聞いて、この四条件について閣議決定クリアされたかどうか、どこにも痕跡がないんです。
 それで、一月二十日の区域会議で、もう最終段階ですよ、これ加計学園が事業者に決まったその二十日の区域会議ですよ、有識者議員がこういう発言をしています。例えば坂根議員、教える側、研究者をどう集めるかが鍵だ、これは後でも指摘された、設置審で指摘された内容のとおりです。坂村議員は、獣医学部の認定申請に関しては地域的な特性を生かしたものだとは思うが、それ以外はほぼ独自性がない、独自性がないと言っている。地域的な特性、これは四国にないという地域的な特性、これを生かしたものだとは思うが、独自性がないと言っているんですけど、さっきから四条件クリアしたクリアしたとずっと言っていますけど、二十日の前に、二十日の段階に至っても民間の議員が、ほかの大学と一緒じゃないかと、こういうふうに指摘しているんですよ。
 これ、どういうふうに説明できるんですか、大臣。
国務大臣梶山弘志君) 一月二十日の区域会議につきましては、累次の会議における議論の蓄積の上に加計学園獣医学部新設事業を定めた区域計画を審議したものであります。
 坂根議員、坂村議員の御意見は、いずれもこれまでの議論を踏まえた上で、更に大局的な視点や今後に向けた要望を述べたものであります。その内容も創薬の歴史や現状といった具体例を交えたもので、示唆に富んだものであるとは考えております。
 したがって、御指摘は当たらないということと、最終的に取りまとめ、御意見はありましたけれども、取りまとめがなされたということであります。
○杉尾秀哉君 もう一度答えてください。独自性がないという発言と今の答弁って整合性取れていますか。独自性がないということは、ほかと一緒だというふうに言っているということじゃないんですか。
国務大臣梶山弘志君) 独自性がないということが四条件に関わってきますかね、これで。
 先ほど申し上げましたように、既存の大学との差は申し上げました。そして、この意見については、今意見として取り上げた上で取りまとめを行ったものだと思っております。先ほどの議論の中で私も独自性についてはお話をさせていただいたものと思っております。
○杉尾秀哉君 今のはちょっとびっくりですよね。ほかと同じだということが、これ石破四条件まるっきり満たしていないじゃないですか。
 こういうふうな話があるんです。一月十二日の今治分科会で意見を述べた、今話におります二人の専門家の方、ちょっと文科省に伺いますけれども、この二人の方というのは設置審の委員でもあるかどうか確認してください。
○政府参考人(義本博司君) 今治市分科会において有識者を務めた方、獣医学の専門家お二人おられますけれども、そのうち一人は、当時、大学設置・学校法人審議会獣医学専門委員会の委員であったところでございます。
○杉尾秀哉君 これ、二人の方はどっちも、この特区でも意見聞かれているし、設置審でも委員のメンバーになっているんです。このうちの一人の方がこういうふうに私たちに対して答えていらっしゃいます。我々、こう聞いたんですね。先生が今まで関わってきた議論の中で四条件がクリアされたという認識はおありですか、こういうふうに聞いたんです。それに対してこの先生が、それはありません。はっきり答えている。
 つまり、特区のプロセスでも設置審においても専門家の目で見て四条件はクリアされていない、こういうふうに判断したということじゃないですか。梶山大臣、いかがですか。
国務大臣梶山弘志君) 獣医学部の新設は、二十六年七月の区域会議で先ほど申しましたように新潟市が提案をして以降、特区のワーキンググループや諮問会議などで議論を積み重ね、検討してきたところであります。こうした議論の積み重ねを基に、最終的には諮問会議取りまとめについては、十一月九日の特区諮問会議で文科、農水両大臣も出席の上、四項目への適合が確認された文案が異論なく了承をされたところであります。
 加計学園の構想については、本年の一月十日に提出があった応募書類に基づき、一月十二日の今治市分科会における獣医学の専門家二人を含む有識者による審査、文科、農水両大臣が出席する一月二十日の区域会議、同日の文科大臣の書面同意、特区諮問会議において、いずれも四項目それぞれの適合を含めて異論なく了承され、特区認定の取りまとめを行ったところであります。
○杉尾秀哉君 つまり、このプロセスの中に専門家の意見が出ていないんですよ。これ、はっきり言って、特区のワーキンググループに出ている人たち、素人です。みんな素人。内閣府の役人だって素人なんだ、これ。
 結局、特区のプロセスにおいても、専門家以外の素人の役人とかそういう委員の人たちが、規制緩和派か何か分からないけど、岩盤規制という名の下にドリル空けるとか格好いいこと言って、四条件クリアしたって勝手に判断しているんじゃないですか。根拠がないじゃないですか。その判断のプロセス、これ結論も、議事要旨にもどこにも、どこにも専門家の意見が出ていないんですよ。こんなでたらめ、まかり通っていいんですか。
国務大臣梶山弘志君) 一月十二日の分科会におきましても、先ほど来言われている専門家の方は出ておりまして、御意見はいただきました。しっかりと取りまとめは行われたということであります。民間委員の皆様も、それぞれにこれまでの経験、そして、経済人であればそれぞれの産業界の実情というものも調査をした上で意見を述べられたと承知をしております。
○杉尾秀哉君 その原さんだか八代さんだか、こういう人たち、こういう人たちの意見でもって決まっちゃっているんですよ。
 それで、内閣府の中で議論したってさっき言いましたよね。内閣府の中に専門家はいるんですか、獣医師の。獣医の専門家はいるんですか。創薬プロセス、いるんですか。言ってください。
○政府参考人(河村正人君) お答えいたします。
 今御指摘のワーキングの委員の先生方は、独自にいろんな知見を集めておられまして、その上でいろんな御発言をされておりますし、内閣府の中でもいろんな知見を集めて、トータルで二十回の諮問会議、それから分科会、ワーキンググループを経た上で決定をしたものでございまして、十分に議論はされているというふうに承知をしております。
○杉尾秀哉君 答えていませんよ。専門家はいないということなんですよね。
 時間が余りないんで、林大臣に聞きます。これ、前川さんもおっしゃっているんですけれども、特区プロセスの段階では構想の作文なんです、これあくまで。書くだけだったら誰でもできる。設置認可申請をして、カリキュラム、教員、教育内容、そして施設設備とか具体的な学校の中身が出そろって初めて四条件満たしたと、こういうことが分かるんですよ。逆に言うと、それが分からなかったら四条件クリアしているかどうか判断できないんですよ。
 林大臣に伺いますけれども、これそもそも四条件がクリアされていないものについて認可をしていいものなんですか、どうでしょうか。
国務大臣林芳正君) 繰り返しの答弁になってしまうかもしれませんが、四条件は、この国家戦略特区のプロセスの中で適切にクリアされてきたと、その結果、この設置認可の申請が認められたということでございます。
 設置審の審査とは別に、この学校法人加計学園の設置認可の申請内容が国家戦略特区のプロセスの中で認められた構想に沿っているかは、これは設置審とは別に文科省として確認をしてきたというところでございまして、それを受けて認可をさせていただいたということでございます。
○委員長(高階恵美子君) 杉尾秀哉君、時間が参っております。
○杉尾秀哉君 時間が来ましたのでまとめますけれども、結局、文科省内閣府もどこも責任取っていないんですよ。これ、閣議決定に反していたら、認可の決定というのは内閣法に違反して、違法、無効です。無効な決定ならば取り消して、もう一回特区のワーキンググループに戻して議論し直すべきか、設置審に四条件を審議する権限を与えて審議し直すべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

平成29年11月30日参議院予算委員会(福島瑞穂議員)

○委員長(金子原二郎君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
福島みずほ君 希望の会(自由・社民)福島みずほです。
 加計学園についてお聞きをいたします。
 私は、質問主意書を四月十八日付けで提出をしております。(資料提示)安倍首相が、加計学園の加計孝太郎理事長が今治市獣医学部をつくりたいと考えていることをいつから知っていたのか。四月二十八日の答弁書、二〇〇七年、平成十九年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されているというふうになっております。
 総理、質問主意書に関する答弁書で、閣議決定しておりますから、総理はこの答弁書を了解しているということでよろしいですね。
国務大臣梶山弘志君) 質問主意書の内容ですので、私の方からまず説明をさせていただきます。さきの閉会中審査におきましても説明させていただきましたけれども、もう一度改めてということになります。
 今治市獣医学部新設に係る構造改革特区の申請は、平成十九年の福田内閣のときに初めて申請が行われ、それ以来、民主党政権の頃までは加計学園の事業主体である旨の記載がありました。合計で十五回申請をしておりまして、そのうちの最初の五回が加計学園の名前が出ているということであります。
 この答弁書では、政府は継続しているものであることから、まず、こうした第二次安倍政権が発足する以前の事実関係について記載をさせていただきました。第二次安倍内閣の発足以降も、今治市から四回にわたって構造改革特区の申請が行われました。これらについては、そのいずれにおいても今治市からの提案に加計学園との記載はございません。こうした事実関係を前提に、この答弁書においては総理が知っていたとは一言も書いておりません。
 ただし、政府は継続しているものであり、一連のこうした提案を受けてその後の様々な政府決定がなされたこと、構造改革特区に係る対応方針は総理が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、この答弁書は、今治市からの提案について、今治市からの提案について総理が知り得る立場にあった趣旨を答弁をしたものであります。
 しかし、さきの閉会中審査で総理が改めて整理して申し上げたとおり、今治市の提案については、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も四回とも提案を事実上認めていないものでありまして、しかも今治市の名称だけということでありまして、実際には全く認識をしていなかったものと考えております。
 最終的に、本年一月に事業者の公募を行い、加計学園から応募がありました。その後、一月二十日の諮問会議で認定することになりますが、その際は、総理は初めて加計学園の計画について承知したところであります。
福島みずほ君 総理は、この答弁書閣議決定していますから、了解していたんですね。
内閣総理大臣安倍晋三君) 閣議決定していたものについては了解をしております。
福島みずほ君 さっきの答弁、全く納得できません。
 これははっきりこう書いています。考えていることを二〇一六年十一月九日以前に安倍首相は知っていたのか、知っていたのであればいつから知っていたのか。知り得る立場なんて書いていないですよ。これ、文書で出して文書で回答です。これは、総理が了解していた、いつから知っていたのかということについて、二〇〇七年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されているとなっているじゃないですか。ここで一月二十日など書いていないですよ。総理、いかがですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) ただいま大臣から答弁したとおりでありますし、また私自身も閉会中審査で御説明をさせていただいたところでございますが、さきの閉会中審査で改めて整理して申し上げてきたとおり、今治市の提案については数十件ある提案の案件の一つにすぎないわけでありまして、結果も四度とも提案を事実上認めないものでありました。言わば、事実上これ認めていないもので、数十件あるものでありますから、それを私が一々これを、資料を読むということはないわけでありまして、実際に全く認識をしていなかったということでございます。
福島みずほ君 質問主意書に関して、安倍首相はという主語で私は聞いています。これ、了解しているんでしょう、答弁も。
内閣総理大臣安倍晋三君) 答弁は了解しております。
福島みずほ君 二〇〇七年ってはっきりしているじゃないですか。
 次に、この参議院予算委員会、次に、六月、この予算委員会、六月十六日の予算委員会の質問です。ここも端的です。
 総理、加計学園の加計孝太郎さんが今治市獣医学部をつくりたいというのはいつから知っていましたか。さっきの質問主意書と同じ答弁の中身です。構造改革特区で申請されたということについては私は承知をしていた、はっきり承知をしていたって書いているじゃないですか。同じですよ、質問主意書の答弁も、この予算委員会の答弁も一緒です。構造改革特区のときから加計学園を知っていたということでよろしいですね。
内閣総理大臣安倍晋三君) さきの閉会中審査においても私から、整理させて、答弁を既にさせていただいているものでありますが、構造改革特区における今治市の提案については、数十件ある案件の一つにすぎず、結果も、四度ともこれ案件を、提案を事実上認めないものでありました。実際には私は、先ほど申し上げましたように、全く認識はなかったわけであります。
 他方、その対応方針は、私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、当時私が、他の方の御質問に答弁していたように、今治市の提案について知り得る立場にあったことを申し上げようとしていたその答弁の前に、これはこう答弁をしていたわけでございます。
 この答弁では、今御指摘のあった部分に続けて、今その御紹介をいただいている私の答弁に続けて私はこう答えているわけでありまして、国家戦略特区に申請すれば私の知り得るところになるといったことも申し上げているわけでございまして、それを何か割愛しておられますが、当時は様々な論点についてこれ福島議員から矢継ぎ早に質問をいただいたわけでありまして、その中でお答えするに当たり、今治市の提案と加計学園の申請、構造改革特区と国家戦略特区などを混同して、整理が不十分なままお答えをしてしまったことは事実でありまして、正確性を欠いたことは率直に認めなければならないと思いますが、それを整理した上で、既に閉会中審査において整理した上に答弁をさせていただいているところでございまして、正確には知り得る立場にあったということでございます。
福島みずほ君 うそばっかり言わないでください。質問主意書は文書ですから、文書でやって文書の回答です。時間を掛けて文書で書いているものです。そして、この委員会も、はっきり総理は、いつから知っていましたかということに関して構造改革特区と、そのときから私は承知をしていたと言っているじゃないですか。これはそのとおりでしょう。これを……
○委員長(金子原二郎君) 福島みずほ君、福島みずほ君、質問中ですが、うそばかりという言葉はこの場に合わないと思いますので、そこは訂正してください。
福島みずほ君 じゃ、虚偽答弁じゃないですか。明確な虚偽答弁ではないですか。虚偽答弁ですよ。虚偽答弁ですよ。
 なぜならば、これ見てください。文書でも、そして委員会でも、総理はいつから知っていたかに関して、構造改革特区って答えているじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記起こしてください。
 質問者は、質問の中身については十分注意してやっていただきたい。やっぱり断定的な言い方というのはいかがなものかと思いますので、そこは十分に注意しながら質問をしていただきたいと思います。
福島みずほ君 総理ははっきり断定しています。まさに六月十六日に、構造改革特区のときに私は承知をしていた。そして、文書による回答でも同じ回答です。
 次を見てください。
 質問主意書に対する回答と、六月十六日のこの参議院予算委員会の答弁は一緒です。唯一違うのが今年の七月二十五日、一月二十日に初めて知ったというものです。私はこれは本当に驚きました。総理は、三月十三日、十五年間頑張ってきたのが加計学園なんですよ、諦めないでやってきたのが加計学園なんですよと言っております。今年の一月二十日初めて知ったなんてあり得ないじゃないですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) この件についても閉会中審査で既に申し上げているところでございますが、今治市のこの提案についてはまさに今治市が提案者であったわけでありますが、最終的にこの公募に応じて、加計学園が公募に応じた段階で、我々が知る立場になる本年一月に、事業者の公募を行い、加計学園から応募があったその後、一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、まさに私が出席をするのは諮問会議でありますから、ワーキンググループ等に私は出席をしないわけでありますし、一々その状況について報告を受けることもありません。
 ですから、加計学園から応募があったその後、一月二十日に諮問会議で認定することになりますが、その際に私は初めて加計学園の計画について承知をしたところであります。
福島みずほ君 誰も納得しないですよ。
 総理は何度も、文書で、そしてこの委員会の中で、私は構造改革特区に申請されていることについて承知をしていたと言っているじゃないですか。二〇〇七年十一月です。さっきも言いました、十五年間頑張ってきたのが加計学園で、諦めなかったのが加計学園なんだと、三月十三日、この予算委員会で言っているじゃないですか。つい二か月前に加計学園というのを生まれて初めて知ったなんて言っていないですよ。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私は、生まれて初めて知ったということは言ったことはないわけでございまして、私の答弁において、先ほども申し上げましたが、そこで御紹介されている、そこで申請されたということについては私は承知をしていたところでございますがと言って、その後、私は、申請をすれば私の知り得るところになるということでございます、つまり知り得る立場ということを申し上げようとしていたわけでございまして、この間、答弁において構造改革特区と国家戦略特区をこれは混同して答えているのは事実で……(発言する者あり)いや、それが事実でございまして、答弁した私が答えているわけでございますから。それを整理して、混同していたということについてお話をさせていただき、整理をさせて、既に、既にですね、これは閉会中審査で答弁させていただいているところでございます。
福島みずほ君 全く納得いきません。
 混同なんか総理はしていないですよ。質問主意書答弁書に、構造改革特区で二〇〇七年十一月ですよ。そして、この予算委員会で聞いたときに、二〇〇七、構造改革特区のときから私は承知をしていましたと言っているじゃないですか。
 混同なんかしていません。質問主意書で混同なんかできないでしょう、文書で回答するんだから。
内閣総理大臣安倍晋三君) 質問主意書では当然混同はしておりません。混同はしていないわけでありますし、その質問主意書においては、知っていたということは、先ほど梶山大臣が答弁をさせていただいたように、答えていないわけでありまして、その趣旨は知り得るところにあったということでございます。
 今委員は、この国会における答弁と主意書における答弁を混同して、まさに混同しておられるわけでありますが、主意書で述べていることはそのとおりでありますが、答弁においては、まさに矢継ぎ早に質問される中において構造改革特区と国家戦略特区をこれは混同して答弁をした。しかし、その後、承知をしたということを修正しようと思って、知り得る立場にあったということを申し上げたんですが、そのときに構造改革特区と言うべきところを国家戦略特区と、こう申し上げてしまったということでございまして、その後、閉会中審査においてはそれを整理させていただきまして、もう一度答弁をさせていただいたところでございます。
福島みずほ君 全く納得いきません。
 これは構造改革特区と、質問主意書の答弁でも、この六月十六日のまさに予算委員会でも言っています。主意書では、私の質問は簡単です、総理がいつ知ったのかというふうに聞いている質問主意書のトップに総理はこのように書いているわけです。二〇〇七年十一月、加計学園がその候補となる者である旨記載されておりと。いつから知ったのかという質問に対してこの答弁、構造改革特区のときから知っていたということじゃないですか。
 なぜこの質問をするのか。総理がなぜ一月二十日に初めて加計学園だというのを知ったのかと、どうして誰も信じないそういうことをおっしゃるのかということなんです。おかしいですよ。それは、加計学園ありきでやってきたことを隠すためではないですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) これは、先ほどもう既に梶山大臣から答弁をさせていただいたところでありますが、今治市獣医学部新設に係る構造改革特区の申請は、平成十九年の福田政権のときに初めて申請が行われ、それ以来、民主党政権の頃までは加計学園が事業主体である旨の記載があった、これは福田政権までですね、あったわけであります。
 この答弁書では、政府は継続しているものであることから、まず、こうした第二次安倍政権が発足する以前の事実関係について記載をしていたわけであります。その記載において、福田政権の頃は加計学園が主体であるから私が知っていたということは一言も書いてないわけでありまして、言わばそれまでのどういう事実であったかという経緯について説明をさせていただいています。
 そして、その後の第二次安倍政権の発足以降も、この後は言わば主体がこれ今治市になるわけでありますが、今治市から四度にわたって構造改革特区の申請が行われました。しかし、これらについては、そのいずれにおいても今治市からの提案に対して加計学園との記載はないわけでありまして、これは安倍政権になってからは記載はないんです。しかし、それだけではなくて、一応念のためにそれまでの経緯も示しているということであります。
 こうした事実関係を前提に、この答弁書においては私が知っていたとは一言も書いていないわけでありまして、政府は継続しているものであり、一連のこうした提案を受けてその後の様々な政府決定がなされていること、構造改革特区に係る対応方針は私が本部長を務める構造改革特区本部で決定していることから、この答弁書今治市からの提案について私が知り得る立場にあった趣旨を答弁したもの。
 私、立場上知り得る立場にあったわけでありますが、先ほど答弁させていただいたとおり、数十件ある案件の一つでありまして、私が一つ一つそれをチェックをするわけでは全くないわけでありまして、全く事実上は見ていないわけでありまして、しかも結果も、結果も四度とも提案を事実上認めないものであって、事実上認めていないものは、そもそもこれ十数件見てはおりませんが、さらに認めていないものでありますから私がそれを見るということはない、実際にはないわけでありまして、つまり認識はしていなかったということでございます。
福島みずほ君 納得できない、全くできません。
 質問主意書の私の質問も予算委員会での質問も非常に簡単です。これは、安倍首相は、学校法人加計学園の加計孝太郎理事長が今治市獣医学部をつくりたいと考えていることを二〇一六年十一月九日以前に知っていたか。知っていたのであればいつから知っていたのかということに対して、二〇〇七年十一月と、こう出ているわけです。
 それだったら、もし本当に今治市に加計孝太郎さんがまさに獣医学部をつくりたいと思っているのを今年の一月二十日に初めて知ったのであれば、この答弁書は、今年の一月二十日に初めて知りましたとなるべきじゃないですか。そうなっていないんですよ。どうして、だから、総理が答弁を変えるのか。一月二十日に加計学園のことを初めて知ったなんて誰も信じないですよ。
 ずうっと御飯を食べ、ずうっとゴルフをし、クリスマスイブも去年もおととしも会って、ずうっと会っていて、そして、総理は三月十三日、この予算委員会でこうおっしゃったんです。加計学園は十五年間頑張り続けてきたと、十五年間申請をし続けてきたのは加計学園なんですよと。十五年間頑張り続けてきたのを総理は知っているじゃないですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それは、言わば一月二十日以降は私は知っているわけでありますから、そしてその後、これが問題になって後は説明を受けたわけで、事務方から説明を受けたわけでありまして、当然私は知っていたわけであります、この場で答弁したときにはですね。
福島みずほ君 あり得ないです。今までのその質問主意書や答弁と全く違う。しかも、腹心の友に関して、加計学園というのを初めて今年の一月二十日って、もうびっくり仰天ですよ。今までの私の質問主意書やこの予算委員会の答弁を踏みにじるような答弁は本当に許せないというふうに思います。おかしいですよ。何かを隠したいからこそ、一月二十日に初めて知ったとおっしゃっているんじゃないですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) これについてはもう今までるる説明をしてきたとおりでございます。確かに学生時代からの友人でありますが、彼は私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もないわけであります。ですから四十年間友情が続いたんだろうと、こう思うわけでございます。
福島みずほ君 考えられません。
 このことについては更に追及をしていきます。森友学園の問題、加計学園の問題について真摯に丁寧に説明はないと思います。森友学園の問題について安倍昭恵さんの証人喚問が必要です。
 総理は、自分が妻の代わりに話すと言います。でも、夫と妻は別人格で、代わって話せることではないじゃないですか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 言わば、家内が、妻がどのように関わっていたかということについては、私も妻から全て聞いているわけでありまして、私がここで責任を持って答弁をさせていただいているところでございます。
福島みずほ君 別人格ですよ。裁判の証人でも夫が妻の代わりに話すなんということはないですよ。まさに安倍昭恵さんの証人喚問と加計孝太郎さんの証人喚問を要求します。
 次に、憲法についてお聞きします。
 総理は、憲法九条三項に自衛隊を明記するというふうにおっしゃっています。この九条三項の自衛権の明記、この自衛権には、集団的自衛権の行使をするということも含まれるということでよろしいですね。
内閣総理大臣安倍晋三君) 基本的に、私はここには総理大臣として出席をさせていただいておりますので、言わばこの憲法の例えば自民党案について答弁をする立場にはないのでございますが、それを申し上げた上で、この自衛隊、一項、二項を残した上においてこの自衛隊を明記する場合は、言わば一項、二項、そして二項を残すわけでありますから二項の制約は残るということでございますので、言わばもう既に一項、二項のある中において、我々、集団的自衛権の行使について一部容認、三要件を満たせば一部容認をするということについて解釈を変更したわけでありますが、それはそのままということでございます。
福島みずほ君 集団的自衛権の行使は憲法違反だと歴代の自民党言っておりましたが、今の答弁でも、その自衛隊が行使する自衛権の中に集団的自衛権の行使を含むという答弁がありました。ですから、戦争をしない国から戦争をする国への九条三項が九条一項、二項を完璧に破壊するものになるというふうに思います。
 先ほどまさに、委員長、私は証人喚問、安倍昭恵さんと加計孝太郎さんの要求をいたしました。よろしくお願いします。
○委員長(金子原二郎君) 正式な要求でいいんですか。
福島みずほ君 はい、そうです。
○委員長(金子原二郎君) それじゃ、後刻理事会で協議いたします。
福島みずほ君 総理、「総理」という本を書いたジャーナリストを総理は御存じですか。面識はあるでしょうか。御存じでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私は、取材対象として知っているということでございます。
福島みずほ君 公権力の行使について検証しなければならないと思っているので質問させてください。
 無罪の推定があり、不起訴になっておりますが、逮捕令状が発付され、そしてこれが執行の直前に取消しに、執行されませんでした。このことを総理は御存じでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) それはどういう案件でございましょうか。
福島みずほ君 不起訴になった犯罪の被疑事実は準強姦事件です。
○委員長(金子原二郎君) 中身を言わないと。質問者、中身が、内容が分かりませんので、内容が分からないので。
福島みずほ君 そうしたら、やはりこれは、先ほど総理は、「総理」という本を書いたジャーナリストを取材対象として知っていらっしゃるというふうにおっしゃいました。そのことに関して総理自身が、逮捕令状が発付され、しかしそれが、逮捕が執行されなかったという事実を知っているかどうか、総理の認識をお聞きしているわけです。
内閣総理大臣安倍晋三君) いずれにせよ、個別の事案について総理大臣としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
福島みずほ君 知っているかどうかということについてお聞かせ願えませんでしょうか。
内閣総理大臣安倍晋三君) 私は、内閣総理大臣としてこの場に立っておりますので、個別の事案についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
 先ほどの福島君の発言中に不適切な言葉があったとの指摘がありました。委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
福島みずほ君 性暴力のことについてお聞きをいたします。
 この間、集会があり、レイプドラッグ、デートレイプドラッグのことの蔓延や、それに対する防止などをやるべきだということが大変議論になりました。まだまだ性暴力についての政府、警察を含めた取組が弱いと考えますが、総理、いかがでしょうか。
国務大臣小此木八郎君) 警察と申されましたので私からお答えいたしますが、警察では、性犯罪の捜査において被害者の聴取内容から薬物が使用された疑いが認められる場合、必要な証拠収集に努めているものと承知しております。
 先般成立した性犯罪の重罰化等を内容とする改正刑法の趣旨を踏まえ、的確な捜査活動により迅速に性犯罪を検挙することが重要と考えており、引き続き、薬物を使用された場合を含め、性犯罪捜査について現場の警察官に対する研修等を徹底するよう警察を指導してまいる所存であります。
福島みずほ君 ただ、被害者あるいは女性の中には、尿検査をすべきであるとか、そういう知識そのものが非常にまだ不足をしています。
 是非、大臣、現場の警察にそういうしっかり、必要があれば、あるいは様子を見て尿検査をする、尿検査はどうですかとか、証拠の採取をするなど、マニュアルを作り、徹底していただきたい。いかがでしょうか。
国務大臣小此木八郎君) 先ほど申し上げましたように、引き続き、薬物を使用された場合を含め、性犯罪の捜査について現場の警察官に対する研修等を徹底をしてまいります。
福島みずほ君 その集会でも申し上げたんですが、デートレイプドラッグ、あるいはレイプドラッグと言った方がいいかもしれませんが、まだまだ女性の中には知られておりません。
 ですから、是非警察が、アメリカではデートレイプドラッグと言われますが、私はレイプドラッグでいいと思いますが、撲滅大作戦、こういうことが問題もあり、まさに何かおかしいと思ったら、準強姦じゃないか、おかしいと思ったらまず警察に行き、尿の採取をするなど、まさに徹底していただきたい、いかがでしょうか。
国務大臣小此木八郎君) 同様の答えになりますが、今申された点、性犯罪捜査について、あるいは薬物を使用された場合を含めて、現場の警察官に対する研修等は徹底するよう私からも警察当局に対し指導してまいりたいと存じます。
福島みずほ君 野党で性暴力被害者支援法案を提出しましたが、解散で残念ながら廃案になりました。病院拠点型で、まさに性暴力の女性たちを受け入れる、そういうことをもっと増やしたり、性暴力をワンストップでできるように、政府がもっと性暴力あるいは子供たちに対する啓発も含めやっていただきたい。
 総理、この性暴力の撲滅、根絶についての政府としての対応、もしよろしければ、野田大臣、ちょっと質問通告していませんが、是非答えていただきたいと思います。
国務大臣野田聖子君) 当然のことだと思っております。しっかり取り組んでいきたいと思います。
内閣総理大臣安倍晋三君) 先ほど小此木大臣からも答弁をしたところでございますが、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
福島みずほ君 これもちょっと質問通告していないんですが、刑法が改正をされました。これによって随分変わる面もある……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。
福島みずほ君 じゃ、もう終わり。
 刑法が改正になりました。ただ、まだまだ積み残した問題もたくさんあります。性暴力は魂の殺人です。是非、政府を挙げて、性暴力被害者支援法案を含め、是非頑張ってやっていただきたい。野田大臣が決意を示していただきましたが、女性にとってもっといい社会になるように政府が頑張ってくださるよう要請し、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)