「第二次トリアージ騒動」

最近また少し議論が活発になっているようです。というよりid:HALTAN氏がid:Apeman氏やid:hokusyu氏を延々と批判し続けていて最近また周囲に議論が派生しています。
少し前のエントリで

異議申し立てによって増えるリソースもあると思います。福祉予算とか。

あと、福祉予算を増やせというと財源が無いという人があります。本当は財源なんて金持ちからふんだくれば全然あるわけです。

デフレ不況や医療経済学がどうこうは別にせよ、「金持ちからふんだく」るのもそれはそれで大変なんだぜ。この間の小泉・竹中時代まで、「稼いでも累進課税で持っていかれるのでは、勤労意欲が失われる」「累進課税は罰金だ」と堂々と一国の首相が国会で答弁していたことをもう忘れたのか?  しかもその首相が反感を買うどころか、貧乏人まで含めた有権者の多くは喝采していたし、現在でもしているんだぜ?(2008-02-15■[今日の政治家TV出演情報]08年2月15日(金)id:HALTAN:20080215:p4) 消費税にせよ、導入時には散々、逆進性を指摘されたのにそれでも強行されたことをお忘れか?

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20080525/p1

というのがあります。id:Apeman氏やid:hokusyu氏が既に反論しているので今さら私が書くまでもありませんが、まず現在でも小泉・竹中による政策を無批判に支持する層ってまだそんなに多いのでしょうか。上の引用の後にid:HALTAN氏自身が書いているように揺り戻しが起きています。これって何も異議申し立てがないのに与党が政策を変えたんでしょうか。例えば昨年の参議院選挙の結果や内閣の支持率などそれは政治に対する異議申し立てにはならないのでしょうか。「金持ちからふんだく」るのは極端に言えば国会で法律を通すだけで簡単に実現します。 「金持ち」からさらに税を取ったって本当の「金持ち」なら困らないはずです。

「いまはもう流れが変わった」「福祉予算は異議申し立てで増やせる」「財源なんて金持ちからふんだくれば全然ある」とか甘く見ない方がいいと思う。またhokusyuさんの言う「金持ち」には個人だけではなく「法人」も入るのかな? 北欧は個人への課税はキツいが法人は減税しているんじゃなかったっけ?(おお、大企業優遇税制!)

と書かれていますが、たとえば小渕首相時代でしたか、所得税法人税の減税が行なわれました。その後所得税の減税は縮小しさらに消費税を上げる話まで出ていますが、法人税増税の話は少なくとも具体的にはありません。なぜ法人税を上げないのでしょうか。理由があるとすれば「企業の負担を軽減して競争力を付けるため」とかそういうことになるんでしょうね。その「目的」のために法人減税は「合理的」な政策かもしれません。でもその一方で「格差社会」になったと言われています。「格差」の程度の評価などは別にして、その格差の下側にいる人たちにとって現状が「限られたリソースを適切に分配」した結果だからと仕方が無い、と言えますか。たとえばワークングプアに「かわいそう」あるいは「気の毒」と思うのは言う側の立場にもよりますが、けしておかしな感情ではありません。
ここ数ヶ月そのリソースを増やすために消費税を上げようという話が出ています。上げるか上げないかは最終的に国会が決めることですが、その国会だって選挙があれば変わります。最近「憲政の常道」なんて言葉はみられなくなりましたが、たかが「郵政民営化」で異常な総選挙をおこなったくらいですから、消費税という全国民的な政策について総選挙をしても悪くないでしょう。そのときこそ異議申し立てで配分が大きく変わるも知れません。
とりあえず今日はここまで。この調子で反論していくわけにもいかないので次回は新しいエントリに関して。