re:国籍法改正案についての議連と法務省のやりとり

また産経新聞の阿比留瑠比記者のブログからだが、国籍法改正の話の続きである。付帯決議が付いて衆議院を通過したそうだが、「国籍法改正案を検証する会合に賛同する議員の会」は動いているらしい。国会議員の小さな会合までこまめに取材するとは阿比留瑠比記者はよほど入れ込んでいるようだ。
法務省からは

まず法案を作成した法務官僚側から説明がありました。彼の主張をまとめると、
① 虚偽の届け出への罰則は「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」で軽いという批判があるが、このほか認知届の際などの公正証書原本不実記載の罪(5年以下の懲役または50万円以下の罰金)なども加算され、最高刑で懲役7年6月までできる。
② DNA鑑定を取り入れると、家族法への悪影響が出るおそれがあり、親子関係や家族をそれで決めていいのかという大問題になる。
③ DNA鑑定は、持参された検体が正しいかどうか、どうやって市町村役場や法務局で確保するのか。さらに、DNA鑑定には10万円以上かかるが、だれがどう負担するのか。
④ 外国人の子を認知する場合のみDNA鑑定をすることで、憲法が禁じる不当な差別という問題が起きないか

という話があったようだ。皆さんがDNA鑑定に拘っているから法務省も細かいことまで対応しないといけないから大変だ。そもそもDNA鑑定って100%間違いないという結果は出ないから、親子関係を否定するほうには使いやすくても肯定する方にはデータとして充分でない。それを分かって持ち出しているのか。特に

④ 外国人の子を認知する場合のみDNA鑑定をすることで、憲法が禁じる不当な差別という問題が起きないか

については重要だ。日本人であるための要件にDNA鑑定を必要とするなら日本国内の子供もDNA鑑定しないと「純粋でない日本人」が紛れ込むかも知れない。そもそも彼らは日本国籍を持っているけどそれはたまたま日本に生まれただけのこと。自分たちが日本国籍を持つ権利を有しているのかどうか証明しろと言われたらどうするのか。両親が「純粋な日本人」であるかどうかについて微塵も疑いを持っていないのも不思議である。人を疑うならまず自分を疑ったほうがいい。本当に自分のDNAが「日本人のDNA」と一致しているかどうかを確認したほうがいいんじゃないか。その結果で父親との親子関係が疑われるとか隠し子との関係がバレたとかの副作用が出たらちょっと申し訳ないけど。