re:ノーベル賞の憂鬱

ノーベル賞については特に言うこともないけど、Dr-Setonさんのノーベル賞の憂鬱 - シートン俗物記を読んで。

この受賞、って日本の政策に対する痛烈な皮肉なんじゃないか、と勘ぐっておりますよ。
今回の受賞者のうち、二人が頭脳流出された方、で、一人が日教組シンパで、九条の会に名を連ねている方、というのは既に知られているとおりです。

そうなんですよね。たまたまとは言え皮肉ですね。それはともかく頭脳流出は今に始まったことではありませんが、数年前から科学技術政策に力を入れると喧伝している割には行政のやることって研究を阻害することばかりなんですよね。独法化する前は薔薇色の世界が待っているようなことを言っていたのに、結局は予算を年々縮小しているだけなんですよね。おかげで割を食っているのがポスドク世代です。人件費削減のおかげでなかなか常勤ポストは空かないのに、ポスドク制度はどんどん厳しくなる。官製ワーキングプアの一部です。
産経の記事はひどいですね。下村先生の研究というのはあるタンパク質を追いかけたという研究ですが、それだけで立派な研究成果です。独創的ではあるけど当時は実用性など欠片もなかったはずです。今回のノーベル賞は何十年も経って、そのタンパク質が現在の生物科学に役立っていることから再評価されたというのが正しい見方でしょう。ノーベル賞の権威を皆さんは誤解していますね。ノーベル賞はもちろん優れた研究業績を評価するものですけどその元祖を掘り起こすという一面もあります。
ただ今はDr-Setonさんのおっしゃるとおり「独創的」なものを見つけるための基礎研究をやらせてもらえません。これでは十年後二十年後のノーベル賞などあり得ないでしょう。変な口出しは止めてほどほどでいいから金だけ渡すパトロンであってほしい。